230501_ArcticConvoys

Arctic Convoys.1941-1945

Richard Woodman Pen & Sword Maritime

WW2中の極北船団と言えば、PQ-17やPQ-18の戦いが有名である。その主役は、当然輸送船団だが、船団を守る護衛艦隊、護衛空母、そして空母や船団から飛び立つ艦載機もまた主役と言って良い。一方のドイツ軍は、ノルウェー沿岸から発進する航空機がその主役だが、水上部隊やUボートもその一翼を担っていた。
本書は、極北船団を巡る戦いを、その始まりから終了までを追った著作である。PQ船団を巡る戦いといえば、大抵がPQ-18までで記述が終わっていることが多いが、本書はその後JW/RAと名称を変えた後の極北船団にもページを割いている。有名なバレンツ海海戦や北岬沖海戦は勿論、それ以降のJW56/RA55B船団から最後のJW67/RA67船団までキッチリと描いている。そういった意味で本書は極北船団の集大成とも呼べる内容となっている。
難点と言えば、資料類や図表が殆どついていないので(そういえば写真も殆どなかった)、英語に慣れていない我々にとってはやや読み辛い著作であった。かくいう私も丹念に読む気力はなかったので、流し読みである。内容を完全に理解するには、相応の英語力と時間が必要と思われる。

お奨め度★★★

Arctic Convoys, 1941–1945: 1941-1945 (English Edition)