190812_日韓戦争


日韓戦争を自衛隊はどう戦うか

兵動二十八 徳間書店

日韓戦争が現実味を帯びてきました、と書けば炎上するかもしれないが、全く有り得ない話でないことについては多くの同意が得られると思う。事実、韓国の軍事装備、特に海軍装備は明らかに対日戦を指向していると疑わしいものがある。某強襲揚陸艦などはその最たる例で、艦名からもその意図は明らかだろう。あるいは、日本には戦争に訴える気概がないと見透かされて(竹島の一件が良い例である)、俗っぽい言葉で言えば「韓国が日本を舐めて」いたともいえる。
しかし冷戦時代は遠く過ぎ去り、アメリカもかつての圧倒的な軍事・経済力を失いつつある昨今、国益を守るために我が国が「普通の国」になることは避けられない必然。その過程で相変わらず日本を舐めまくっている韓国と我が国が武力衝突の事態に発展する可能性はある。そのような事態は望ましいものではないが、そのような事態に備えて(あるいは予想して)事にあたることは無益ではない。
本書は、日本周辺の儒教圏3国家(中共、北朝鮮、韓国)が共同で日本に対して軍事的挑発乃至は軍事的冒険を仕掛けてきた場合を想定した著作である。筆者曰く、陸上自衛隊の装備を軽攻撃機(A-29スーパーツカノのような)中心に再編成せよ。そして現在の軍事状況では役に立たない攻撃ヘリやオスプレイを廃止せよ。と説く。スーパーツカノが良いか悪いかは別として、実戦ではあまり役に立たないと思われるBMD装備よりはこちらの方が良いかもしれない。そのあたりは読者の感想はそれぞれだろう。
ただ、結論が案外平易なのにも関わらず、そこに至る過程がやや長すぎる。世界各国における攻撃ヘリの運用について延々とページを割いているのだが、果たしてこれだけのページが必要だったのか否か。
まあ、読んでいて面白かったので良いけどね。

お奨め度★★★★