190907_日露戦争史

日露戦争史ー20世紀最初の大国間戦争

横手慎二  中公新書/

本書は日露戦争の通史である。ただし個々の戦闘場面にはそれほどページを割いておらず、それよりは個々の戦闘が日露戦争全体の中でどのような位置づけにあるか。あるいは戦闘の結果が戦争全体の行方にどのような影響を与えたかについて触れている。また本書では日露戦争が開始されるまでの道程に多くのページを割き、日本から見たロシア、ロシアから見た日本という点について考察している。そして日露戦争が起こる前の東アジア情勢が日露戦争の開戦にどのような影響を与えたかについて考察している。
本書は所謂「血沸き肉躍る」タイプの作品ではない。しかし今まで見過ごされがちであった戦争前の外交、とりわけロシアが日本をどのように見ていたか、あるいは日露両国が相手の「意図や能力」をどのように「見誤った」について考えてみるには良い著作である。

お奨め度★★★