Next War Poland(以下、本作)はGMT社が2017年に発売したシミュレーションゲームである。同社が精力的に発売を続けているNext Warシリーズの第4弾で、共通のゲームシステムとゲーム毎の固有ルール群からなる。

今回、このNext War Polandを4人(各陣営2人ずつ)でプレイすることになった。下名はNATO軍を担当し、ポーランド本土の地上部隊を指揮する。

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6Turn

写真6天候チェック。このTurn、初めて天候が崩れて「嵐」となった。嵐のTurnは地形の移動コストが変化する他、航空機の能力値が半減し、対空射撃の効果が小さくなり、攻撃ヘリが飛行できなくなる。航空戦力の優位に依存するNATOとしては苦しい状態だ。ただし、もし「主導権Turn」に嵐が来たら、もっと目も当てられない所だったので、そういった意味からは正解だったかもしれない。
ともあれしばらく制空戦闘を控えていたロシア軍は、悪天候に期待して出撃。NATO軍に対して果敢な制空戦闘を仕掛けてきた。しかしやはり質量共に勝るNATO戦闘機隊の敵ではなく、数機を失って後退していった。

写真2


そして嵐の中、ロシア軍は再びワルシャワとTorunに向けて攻勢を仕掛けてきた。攻撃ヘリが飛べない苦しい状況であったが、NATO軍部隊は善戦してロシア軍を撃退。ロシア軍の前進を許さなかった。
この段階で時間切れでプレイ終了とした。

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感想

プレイ時間は2日間で合計約16時間である(セットアップ含む)。プレイヤーは4名。VP的にはロシア軍が約160点、NATOが100点前後であった。VP的にはロシア軍有利であるが、NATOをサドンデス負けに追い込むには不足気味で、しかもこれからNATOによる反撃が始まる、という状況なので予断を許さない。

写真7今回4名でプレイしたが、最初に危惧したのは「4名でプレイできる規模があるのだろうか」ということであった。陸戦だけで見るとフルマップ1枚でしかもヘクス径は20mmクラスと大きめ。ユニット数も極端に多い訳ではない。コンポーネントからいえば「中型ゲーム」の範疇に入る。それで果たして4名を収容できるキャパがあるのか?。

写真8結果か言えば、この心配は完全な杞憂に終わった。海空戦(特に航空戦)の作業量が多いので、海空戦専属のプレイヤーをつけても全く退屈しない。むしろ海空戦プレイヤーの方が忙しいぐらいだ。しかも単純作業を繰り返すだけではない。空中戦、特殊部隊、巡航ミサイル攻撃、海上作戦、爆撃戦等、それぞれにメリハリがあって面白い。特に制空戦闘に関するルールは秀逸で、GDW社のThe 3rd World Warを上回るディテール、VG社のGulf Strikeを上回るプレイアビリティだ。特に前者の大雑把さ、後者の面倒臭さと理不尽さに不満を覚えたファンにとっても(筆者のことだ)、満足できるシステムに仕上がっている。

写真9もう1点不安だったのは「果たしてゲームとして面白いか」という点だ。実世界を扱ったシミュレーション・ウォーゲームがイーブンバランスである必要はないし、別に一方の陣営が「必勝」であっても一向に構わないと筆者は考えるが、それでも「ゲームとして面白くない」のは勘弁してほしい。そういった意味で本作に対する不安としては、「面倒なだけでゲームとしてつまらない」「ゲームバランスが破綻していてやりようがない」等があった・
「面倒云々」については既に説明済だが、少なくとも私にとってはそんなことはなかった。確かに作業量は多いが、面倒といった次元の話ではなく、面白いと感じる次元の話であった。また陸戦部分が比較的小規模であるため、陸戦解決がスピーディーであり、全体のスピードアップに一役買っている。この点、シリーズ第1作目のNext War Koreaが、2マップでユニット数が多く、やや「食傷気味」の感があったのに比べて、こちらの方が食後の爽快感がある。

写真10またバランス面では、NATO増援の判定ダイスに依存するきらいはあるが、一方にとって「やりようがない」という程ではないと思う。少なくともゲーム中盤までは両陣営共に十分に楽しめると思われ、かつ2日間例会等でも精々6Turnぐらいまでしか行かないと思われるので、プレイする価値は十分にある作品だ。

写真11Next Warシリーズ全般について言えば、野心的なシステムで現在戦を上手く再現した傑作と評価できる。確かに海空戦、特殊部隊、ミサイル攻撃等手順は多いが、それが見事に現在戦の姿を描いていることに感心を禁じ得ない。ロシア領内に忍び込む特殊部隊の存在は、最近放映された映画「ハンターキラー」の場面が思い出される。また護衛をつけずに単独で進入するB-2Aステルス爆撃機。ワイルドウィーゼルによる防空制圧と、それに続くNATO諸国非ステルス機による破壊的な対地攻撃。少数ながらも高い空戦性能でNATOに手痛い打撃を与えるSu-27フランカー等等。それぞれの戦闘場面が絵としてあるいは動画として再現され、それが納得感のある形で提供される。ウォーゲームの楽しさとは、こういった場面を他のプレイヤーと共に共有できることではないだろうか。
今、私はNext Warシリーズについて2つの野心がある。1つはスルーしてきた他の作品をゲットすること。特にNext War India-Pakistanについては、今まで全く関係ない世界の話だとスルーしてきたが、最近の状況を見て俄かにプレイ意欲が増してきた。機会を見つけて入手したい。

写真12もう1つはもっと壮大なプランだ。それは「Next War Hokkaido 1995」の自作である。テーマは1995年におけるソ連軍による北海道侵攻。言うまでもなく架空戦だ。過去の架空戦なのでNext Warというのは変だが・・・。システムはほぼそのまま流用できると思われるが、北海道全域を1マップに収めたいので、マップスケールについては変更となる可能性がある。リサーチが問題になるが、某SDFシリーズ等を参考にできそうだ(どこで入手するか、という問題はある)。このテーマ、日本では人気が高いが、海空戦はとにかく(7th Fleetは傑作である)、陸戦では決定版と呼べる作品がまだない。私の作るゲームが決定版になる可能性は低いが、それでも人気テーマに一石を投ずる作品としてみたいと思う。

私とNext Warシリーズとの戦いは始まったばかりだ。