写真99


「ソロモン夜襲戦」は、太平洋戦争における艦対艦の戦闘を扱ったシミュレーションゲームである。Turn・Hex方式の伝統的なウォーゲームスタイルを採用しており、1Turnが実際の5分間、1Hexが実際の1500mに相当する。1ユニットは1隻の戦闘艦を表す。

今回、VASSAL版のモジュールが完成したので、そのテストも兼ねてシナリオ1本をソロプレイしてみた。選択したシナリオは、「シナリオ7.戦艦「ワシントン」の激闘」。1942年11月に戦われた第3次ソロモン海戦、そのクライマックスともいうべき戦艦対戦艦の戦いを描いたシナリオである。

写真00


1Turn

US_BB57a日本軍の前衛艦隊が米艦隊に向けて近づく。戦艦を含む米艦隊は主砲を日本側軽艦艇に向けた。距離4500mから射撃を開始する米艦隊。軽巡「川内」は辛くも砲撃を回避したが、駆逐艦「敷波」に「サウスダコタ」の放った40cm砲弾が直撃して「敷波」は轟沈する。

写真01


2Turn

JP_CL8a米戦艦には敵わないと考えた日本艦隊は一旦変針して米艦隊の前後に回り込む。前後を抑えられそうになった米艦隊も左へ回頭して日本艦隊をやり過ごそうとする。「長良」以下第10戦隊が距離9000mから砲火を開いた。まだ距離が遠いので命中率は低かったが、米駆逐艦「ベンハム」に1弾が命中。「ベンハム」は方位盤に損傷を被り、射撃能力が低下する。

写真02


3Turn


US_BB56a日本側主力部隊が戦闘距離に介入してきた。しかし敵の頭を押さえる形になった米艦隊がいち早く砲火を開いた。戦艦「サウスダコタ」が距離12000mから戦艦「霧島」をレーダー射撃。40cm砲弾2発が「霧島」を直撃したが、「霧島」は辛うじて戦闘力を維持した。重巡「愛宕」も米戦艦「ワシントン」が放った40cm砲弾2発が命中する。
日本艦隊の反撃。重巡「愛宕」の20cm砲弾2発が戦艦「サウスダコタ」に直撃するも、「サウスダコタ」の重装甲は20cm砲弾を跳ね返した。駆逐艦「ベンハム」の機関室に12.7cm砲弾が命中。「ベンハム」は最大速度10ktまで低下してしまう。
米艦隊は右舷に向けて魚雷10本を低速モードで発射した。命中を期待して、というよりは、日本艦隊に対する牽制の意味が強い。

写真03


4Turn

JP_CA10a 戦艦「霧島」、重巡「愛宕」「高雄」からなる日本艦隊主力は米艦隊と距離9000mで並行砲戦に入った。先手を取った日本艦隊は、米戦艦「サウスダコタ」に集中砲火を浴びせた。しかし悲しいかな、命中したのは「愛宕」の放った20cm砲弾が2発だけ。この程度の損害は45,000トンの大戦艦「サウスダコタ」にとっては蚊が刺した程度でしかなかった。
米艦隊の反撃はすさまじい。戦艦「ワシントン」は重巡「愛宕」に射撃を継続。さらに3発の40cm砲弾が「愛宕」に命中する。計5発の40cm砲弾を食らった「愛宕」は大爆発を起こして轟沈していった。また高速戦艦「霧島」には「サウスダコタ」の放った40cm砲弾3発が命中する。こちらも累積の命中数が5発となったが、さすがに戦艦である。「霧島」は計5発の40cm砲弾を食らってもなおも戦闘能力を維持していた。

この段階で米艦隊は162VPを獲得したので勝利条件を満たした。しかし折角なのでもう少しプレイしてみたい。

両軍はさらに魚雷を発射し、それぞれの牽制を仕掛ける。

写真04


5Turn

JP_BB4a日本の主力艦隊は舵を右に取って魚雷を回避する。しかし米艦隊の砲火はなおも日本艦隊に降り注いだ。「サウスダコタ」の砲撃が「霧島」に命中。命中弾は3発で累積命中数は8発。大破した「霧島」は大火災を起こした。
「ワシントン」は主砲を重巡「高雄」に向けた。40cm砲弾2発が「高雄」に命中。その1発が弾薬庫を直撃。大爆発を起こした「高雄」は真っ二つに折れて轟沈する。
味方戦艦、重巡の犠牲の下で雷撃射点を得た第10戦隊は、計35本の魚雷を次々と発射した。

写真05


6Turn

Torp93Ba米艦隊は魚雷を回避する暇もなかった。戦艦「ワシントン」に7本の魚雷が次々と命中する。酸素魚雷を含む7本もの魚雷を受ければ、さしもの大戦艦「ワシントン」もひとたまりもなかった。大火炎を噴き上げた戦艦「ワシントン」は、司令塔にリー少将を閉じ込めたまま轟沈した。
「ワシントン」の爆沈を見た「サウスダコタ」は、緊急回頭により魚雷回避を試みる。しかし回避が間に合わず2本の61cm魚雷が「サウスダコタ」の右舷艦首に命中した。しかし惜しいかな魚雷のうちの1本が不発。もう1本も「サウスダコタ」に致命傷を与えるには至らず、「サウスダコタ」はなおも戦闘能力を維持していた。

JP_DD5a回頭して北上する第10戦隊。しかし駆逐艦「初雪」は機関部に命中弾を受けて最大速度10ktまで低下。列から脱落していく。残った4艦はなおも巨体を見せている新鋭戦艦「サウスダコタ」へ向けて砲火を集中する。14cmや12cmクラスの小口径砲による砲撃。しかし的がデカイので面白いように命中する。14cm砲弾2発、12cm砲弾4発が次々と「サウスダコタ」に命中する。しかし重装甲を誇る「サウスダコタ」はその殆どを跳ね返し、実質的損害を与えたのは僅かに駆逐艦「白雪」の放った12cm砲弾1発だけだった。しかしその1発がこともあろうに「サウスダコタ」の主電路を切断。動力を失った「サウスダコタ」は一時的に戦闘能力を失ってしまう。日本艦隊にとってはチャンスだ。<

写真06


7Turn

US_DD2a回頭中の日本艦隊で衝突事故が発生する。新鋭駆逐艦「照月」と駆逐艦「白雪」が衝突したのだ。「照月」は小破、「白雪」は中破する。
先のTurn、軽巡「長良」の放った61cm魚雷1本が戦艦「サウスダコタ」に命中した。「サウスダコタ」は損傷したものの、なおも戦闘力を維持している。「長良」はなおも混乱している「サウスダコタ」に対して反航戦から14cm砲を連射。2発を命中させたが、「サウスダコタ」の重装甲はそれを跳ね返した。


写真07


8Turn


US_BB57b「サウスダコタ」の戦闘能力が復活した。距離4500mに迫った新たな日本駆逐艦2隻に対して砲撃を開始する。駆逐艦「朝雲」には40cm砲弾1発が命中する。一撃で「朝雲」は大破した。砲撃を掻い潜った駆逐艦「照月」が「サウスダコタ」に向けて4本の93式酸素魚雷を発射する。しかし「サウスダコタ」の艦尾方向から発射された魚雷は「サウスダコタ」を追う形となり、惜しいかな命中しなかった。

写真08


9Turn

JP_CL14a両軍ともやや距離が開く。戦線に漸く戻ってきた軽巡「川内」以下の第3水雷戦隊が米駆逐艦「ベンハム」の至近距離を通過する。第3水戦から猛烈な射撃が「ベンハム」に向けられ、命中弾を受けた「ベンハム」は大破した(実際には駆逐艦「照月」の戦果)。
写真09


10Turn

軽艦艇同士の砲撃戦。軽巡「川内」の砲撃を受けて米駆逐艦「ウォーク」が中破する。

11Turn

回頭して再び日本艦隊に向かう戦艦「サウスダコタ」。左舷7500mに迫った日本軍第3水雷戦隊を狙って主砲斉射。40cm砲弾2発が軽巡「川内」に命中。「川内」はいきなり中破する。3水戦の駆逐艦2隻は次々と魚雷を発射した 。

12Turn

駆逐艦「浦波」の放った魚雷2本が駆逐艦「グゥイン」に命中した。たちまち轟沈、かと思われたが、なんと魚雷が2本とも不発。艦首波の影響で自爆してしまったのだろうか・・・。

13Turn

駆逐艦「綾波」の放った90式魚雷1本が「サウスダコタ」に命中した。さしもの「サウスダコタ」も中破してしまう。それでも「サウスダコタ」は大破して撤退中の駆逐艦「朝雲」に主砲弾を命中させて、これを撃沈した。

実質的にこの時点で戦闘は終了し、両軍は戦場を離脱していった。

両軍の損害

日本軍

沈没:重巡「高雄」「愛宕」、駆逐艦「朝雲」「敷波」
大破:戦艦「霧島」
中破:軽巡「川内、駆逐艦「白雪」
小破:駆逐艦「照月」「浦波」「初雪」

連合軍

沈没:戦艦「ワシントン」
大破:駆逐艦「ベンハム」

中破:戦艦「サウスダコタ」、駆逐艦「ウォーク」
小破:駆逐艦「グウィン」「プレストン」

VPは日本軍177、連合軍321、連合軍の勝利

感想

結構面白い展開になったと思う。序盤、米戦艦の砲撃が立て続けに日本艦に命中し、日本艦が次々轟沈した時には、「あーあ、やっぱりバランス悪いかな」と思ったが、その後の雷撃で挽回できたので良かった。とはいえ、日本側の雷撃成功は米軍の油断に依る所が大きく、米軍がもう少し巧妙に振舞えば、災厄を回避できた可能性はあった。
何はともあれ、砲撃力に劣る艦隊にとっても雷撃力を生かすことで勝機が得られることがわかったことは今回の収穫であった。

写真98