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Red Storm(以下、本作)は、2019年に米国GMT社から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1987年における東西ドイツ上空における航空戦闘である。実際に起こらなかった戦争を再現する本作は、一種の「仮想戦」ゲームといえる。

前回は、シナリオRS3:First StrikeのVASSALによるソロプレイを紹介した。今回はやや大きめのシナリオということで、RS7:Aerial Blockadeに挑戦してみる。今回もVASSALを使ったソロプレイである。

シナリオの背景

1987年5月17日。WP軍による突然の西ヨーロッパ侵攻により開始された第3次世界大戦は、開戦2日目の午後を迎えていた。ここまで優位に戦いを進めてきたWP軍は、制空権の確保を図るべく、NATOの後方地帯にある飛行場攻撃を企図していた。戦闘機やSEAD機に掩護された2個の大編隊がNATOの飛行場目指して飛び立っていく。これはWP軍が初めて実施する重防御された敵後方地帯への航空攻撃であった。

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ゲーム開始手順及び作戦検討

順不同でゲーム開始前の手順について述べる。WP軍によるSEAD攻撃は、位置の判明しているNike-Herculesに対して実施したが、事実上の失敗に終わった。NATOによる早期警戒レベルは、Average-Warningで、中高度以上の高度から進入してくるWP攻撃編隊は自動的に探知状態になる。WP軍の攻撃編成は以下の通り。総計116機の大編隊で、戦闘機が44機、爆撃機が48機、各種支援機が24機である。

ファイタースイープ(合計12機)
  3 x {4} CAP MiG-23MLD(計12機)
北方攻撃部隊(合計48機)
  3 x {1} Escort Jam Su-24MP(計3機)
  3 x {1} Chaff Laying MiG-23M(計3機)
  4 x {4} Close Escort Su-27S(計16機)
  6 x {4} Bombing Su-24(計24機)
  2 x {1} Recon Su-24MR(計2機)
南方攻撃部隊(合計48機)
  3 x {1} Escort Jam Tu-22PD(計3機)
  3 x {1} Chaff Laying MiG-21bis(計3機)
  4 x {4} Close Escort MiG-23MLA(計16機)
  6 x {4} Bombing MiG-27K(計24機)
  2 x {1} Recon MiG-25RB(計2機)
防空制圧(合計8機)
  2 x {4} SEAD Tu-16K(計8機)

WP軍の基本戦略は、Escort Jammerが攻撃経路のWP陣営側(比較的安全な領域)でチャフ回廊を形成し、その後は後方地帯からNATO対空設備に対してスタンドオフジャミングを仕掛ける。
NATO領空内では、Chaff LayingのMiG-21、MiG-23が攻撃進路上で目標までのチャフ回廊を形成する。彼らは単機行動なので撃墜される危険が非常に大きい任務といえる。ファイタースイープ隊はChaff Laying部隊の周囲に展開し、NATO戦闘機の妨害から友軍機を掩護する。
攻撃隊は、目標となる4つの飛行場に対してそれぞれ12機ずつに分かれてチャフ回廊の中を進む。進行高度は高高度とする。超低高度(Deck)の方が敵に発見されるリスクを低減できるが、シナリオ特別ルールによって中高度以上の高度を義務付けられている。それならばWP機の性能が高くなる高高度で侵攻した方が有利だ。序に言えば、高高度飛行ならNATOの中短距離SAM(RolandやRapier)の射程距離外になる上、Hawk地対空ミサイルに対しても有効性を低下させることができる。攻撃編隊は全体の1/3(計16機)が滑走路破壊爆弾(BETAB-500)を搭載し、残り2/3(32機)が通常爆弾で武装する。PGM(精密誘導兵器)の使用も考えたが、低高度は悪天候が予想されPGMの有効性低下が懸念されたため、今回は確実性の高い通常爆弾を使用することとした。
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対するNATO軍は、CAP機が8機、緊急発進(QRA)機が8機の計16機が登場する。CAP機は、北部第2戦術航空軍(2ATAF)は、英空軍のTornado F2Aと西ドイツ空軍のF4F Phantomが各2機。南部第4戦術航空軍(4ATAF)は、米空軍のF-15C Eagleとカナダ空軍のCF-18 Hornetが各2機である。また緊急発進機は、第2戦術航空軍が西ドイツ空軍のF4F Phantomが計4機。第4戦術航空軍が米空軍のF-16C Falconと西ドイツ空軍のF4F Phantomが各2機である。合計すると、F4F Phantomが8機、F-15C、F-16C、CF-18、Tornado F2Aが各2機ということになる。

ゲーム開始

1-3Turn

RU_Tu22_Yuriソ連軍攻撃隊前衛のチャフ散布部隊6機、エスコート・ジャミング部隊6機、空中戦闘哨戒機12機。計24機の攻撃隊前衛がマップに侵入する。NATO軍の早期警戒レーダーは国境に近づくソ連軍編隊を確実に捉えていた。しかし上級司令部からの命令(要するにシナリオ特別ルール)によって、ソ連軍編隊が国境を超えるまでは移動できない。敵の接近をジリジリと待つ。

3-8Turn

RU_Su24_Krylov攻撃本隊がマップ上に侵入する。爆装した攻撃機48機と、それを近接護衛する戦闘機32機、さらにSEAD任務のTu-16K爆撃機8機の計88機からなる大攻撃隊である。彼らは前衛部隊が展開したチャフコリドーに隠れるようにして進攻していく。そして前衛部隊が遂に国境線を超えた。本格的な戦闘の幕開けである。

9Turn

ZZ_StandoffJamming_AWP軍の電子戦機が次々とジャミングを開始した。NATOの統合防空システムを混乱させるためである。敵の領空進入を確認したNATOの迎撃機は目標へ向けて急行する。ただし高度はまだ超低空のままだ。ギリギリまで敵による発見を遅らせようとする魂胆である。
対するWP軍も戦闘隊形に入る。北部攻撃編隊を護衛するのは最新鋭のSu-27S Flanker 16機。そのFlankerが速度を上げて爆撃編隊との距離を少しずつ離していく。NATOの戦闘機が襲いかかってきた時、すぐさま中距離ミサイルで反撃を加えるためだ。

10Turn

UK_Tornardo_Wildcat 彼我の距離はいよいよ迫ってきた。NATO側迎撃機のうち、中距離ミサイルを装備するTornardo F2AとCF-18がズーム上昇で一気に高高度まで上昇した。次のTurnに中距離ミサイルをぶち込む腹である。しかしNATO最強のF-15C Eagleだけは未だに超低空を飛行している。一体何を狙っているのか。
NATOの長距離SAMも交戦を開始する。PatriotやNike-Herculesが約20Hex(50海里)の長距離で目標を捕捉する。

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つづく