HMS_Obedient


バレンツ海海戦は1942年12月31日にノルウェー北岬沖バレンツ海で生起した海戦で、ソ連へ向かうJW51B船団を護衛する英国艦隊と、船団襲撃を企図するドイツ艦隊との間で戦われた。兵力的には重巡2隻(うち1隻はいわゆるポケット戦艦)を有するドイツ艦隊が有利だったが、英艦隊の巧みな戦闘によって船団攻撃に失敗した。このバレンツ海海戦を「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)でシナリオ化してみたい。

前回までの展開 --> こちら

テスト状況(承前)

6Turn

Torp9Laドイツ艦隊も単縦陣を構成し、「ヒッパー」と駆逐艦3隻が列を組む。「ヒッパー」は英駆逐艦「オビーディアント」に目標を変更して距離10,500mから主砲射撃。しかし外れ。英駆逐艦は魚雷8本を「ヒッパー」めがけて発射する。もとより命中を期待した訳ではないが、ドイツ艦隊を回避させて時間を稼ぐ算段だ。



写真05


7Turn

ドイツ艦隊は右へ一斉回頭して魚雷を回避する。そしてすれ違いざま「ヒッパー」が英駆逐艦「オーウェル」に対して距離6,000m(4Hex)から急斉射。2発を命中させて「オーウェル」を撃沈した。

写真06


8Turn

CW_DD4aドイツ艦隊は態勢を立て直すために左へ回頭して単縦陣を形成する。英艦隊はドイツ艦隊に反撃を加えるべく再び接近を図る。英駆逐艦「アケイティーズ」が距離6,000mから「ヒッパー」を射撃。命中弾を与えたが、駆逐艦の豆鉄砲では大して効果がない。他に英駆逐艦「オブデュレイト」がドイツ駆逐艦「Z6」に命中弾を与え、これを小破させた。
英駆逐艦は重巡「ヒッパー」に対して魚雷12本を発射する。距離6,000m。今度は命中を期待したい英艦隊なのであった。

写真07


9Turn

魚雷を回避するためにドイツ艦隊は左へ旋回。英艦隊との距離を離隔する。英駆逐艦はドイツ艦隊に砲撃を継続し、ドイツ駆逐艦「Z16」が被弾して小破した。

10Turn

ドイツ艦隊は魚雷回避に成功した。しかしJW51Bとの距離が約20kmまで開いてしまう。大破し船団から遅れて航行していた駆逐艦「オンズロー」が「ヒッパー」からの砲撃を受けて被弾、沈没する。
写真08


11Turn

ドイツ艦隊は単縦陣で再び右へ変針する。遠距離からドイツ艦隊が砲撃を再開するが、距離が遠いために命中弾はない。

12Turn

英駆逐艦「アケイティーズ」が放った魚雷4本が「ヒッパー」に迫る。しかし「ヒッパー」は前進する。残り時間が少ないため幸運に期待した賭けだ。

写真09


13Turn

魚雷4本は「ヒッパー」の舷側をかすめて走り去った。「ヒッパー」は距離6,000m(4hex)まで近づいた英駆逐艦に対して砲撃を実施。駆逐艦「オブデュレイト」に20cm砲弾1発が命中して「オブデュレイト」が小破した。
ドイツ駆逐艦3隻は英駆逐艦「アケイティーズ」に対して十字砲火を浴びせかけた。2発が「アケイティーズ」に命中して同艦は中破した。

14Turn

残り2Turnである。英駆逐艦は煙幕を展張しながら逃げの姿勢である。駆逐艦「オブデュレイト」に「ヒッパー」の主砲弾が命中。「オブデュレイト」は中破した。

写真10


15Turn

最終Turnである。煙幕を展張しながら逃げる英駆逐艦に対してドイツ艦隊は砲撃を行う。独重巡「ヒッパー」からの砲撃で「オブデュレイト」に2発が命中したが、同艦は大破するにとどまった。

結果

英軍の損害
沈没:駆逐艦「オンズロー」「オーウェル」
大破:駆逐艦「オブデュレイト」
中破:駆逐艦「アケイティーズ」


ドイツ軍の損害
小破:駆逐艦「Z6」「Z16」 損害軽微:重巡「ヒッパー」

艦船同士の戦いではドイツ軍に有利な結果であったが、輸送船が無傷で残ったので英軍の勝利。

感想

このシナリオは3回テストして英軍の2勝1敗であった(今回紹介したのは3回目の経過)。史実で英軍が勝利した戦いなので、バランス的には悪くないと思う。多くの場合、英軍の損害は史実を上回ることが多くなるが、勝利条件でバランスを取っている。まあ、兵力的には明らかに独軍有利だし、個艦性能もドイツ軍の方が上(駆逐艦同士で比較してもドイツ駆逐艦の方が大型で強力)である。CP値を英軍有利にしてバランスを図ったが、ハードウェアの差は如何ともし難いという所だろう。

このシナリオはまあこんな所で良いとして、次は「ジャマイカ」と「リュッツォー」が登場するバレンツ海海戦拡張版シナリオに手掛けてみようかと思う。

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