KMS_Hipper


「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)でのバレンツ海海戦については、 先日紹介 した。前回のシナリオは史実の展開を重視し、海戦終盤に登場してきた英R部隊や海戦自体では殆ど活躍の機会がなかった装甲艦「リュッツォー」戦隊を敢えてOBから外した。
そこで今回のシナリオでは、R部隊や「リュッツォー」戦隊を加えた拡張版シナリオを紹介したい。このシナリオでは史実の展開よりもやや派手な展開を目指しており、そのためR部隊や「リュッツォー」戦隊が史実よりも1時間ほど早く戦闘に加入したことにしている。そのため勝利条件もやや見直しを行った。ドイツ軍としては必ずしも輸送船団に固執する必要はなく、R部隊を壊滅させれば勝利できるようにもなっている(自軍側に全く損害がなければだが)。

前回 は、JW51B船団の北側から近づくドイツ重巡「ヒッパー」と英艦隊の戦いを追ってみた。個艦性能で勝る「ヒッパー」相手に苦戦する英艦隊であったが・・・。

テスト状況

12Turn

GE_CA4a英駆逐艦の放った魚雷の1本が「ヒッパー」に命中した。重巡の中では防御力の大きい「ヒッパー」は魚雷1本の命中に耐えていたが、最大速度が25ktに低下した他、浸水による傾斜によって砲撃の正確さが失われ始めた。雷撃を終えた英駆逐艦は煙幕を展開しながら避退する。




HMS_Opportune


13Turn

立ち直った英R部隊は、被雷して速度の低下した「ヒッパー」に対して距離10,500m(7Hex)から猛烈な砲撃を浴びせかける。英軽巡の射撃は精度を増し、数発が「ヒッパー」に命中した。魚雷命中によって既に戦闘力の一部が失われていた「ヒッパー」は、今回の被弾によってさらに戦闘能力を失っていった。

Convoy


GE_CA1aJW51B船団の右舷方向に突然正体不明の艦隊が現れた。ポケット戦艦「リュッツォー」(旧名「ドイッチュランド」)と15cm砲装備の大型駆逐艦3隻からなるドイツ艦隊である。「リュッツォー」の28cm砲が距離15,000m(10Hex)から英輸送船1隻を狙って砲火を開いた。1発の28cm砲弾が輸送船に命中する。続行するドイツ超駆逐艦3隻は、JW51B船団を直衛中の英駆逐艦「アケイティーズ」に対して集中砲火を浴びせる。軽巡クラスの主砲を装備する超駆逐艦の砲撃は半端なく、「アケイティーズ」は何度も水柱に包まれたが、奇跡的に命中弾はなかった。

写真08


14Turn

CW_DD4a突然の敵艦出現に狼狽えるJW51B船団は急速回頭で「リュッツォー」の照準を躱す。しかし「リュッツォー」は逃がさない。さらに28cm砲弾2発が輸送船に命中し、その艦は最大速度が5ktまで低下した。英駆逐艦「アケイティーズ」はドイツ大型駆逐艦3隻からの砲撃に対して巧みな回避運動で回避し続ていたが、遂に命中弾1発を食らって小破してしまう。「アケイティーズ」は苦し紛れに魚雷8本を10,000m以上彼方の「リュッツォー」に向けて発射した。無論命中を期待して、というよりは牽制による時間稼ぎを狙ったものだ。
「ヒッパー」を砲撃中であったR部隊は新たな敵艦出現の報を受けて「ヒッパー」に対する砲撃を中断。ポケット戦艦を撃破すべく速度を上げた。

写真09


15-16Turn

R部隊が「リュッツォー」を射程距離に捉えた。「ジャマイカ」が12,000m(8Hex)から「リュッツォー」に対して砲撃を開始する。「ジャマイカ」は軽巡といってもラプラタ沖海戦で「シュペー」と戦った「エイジャックス」や「アキリーズ」よりも一段強力な艦だ。2発の6インチ砲弾が「リュッツォー」に命中して同艦を脅かせる。
左舷から英駆逐艦の放った魚雷8本が「リュッツォー」に迫る。「リュッツォー」は右に舵を切って魚雷回避を試みたが、回避運動が間に合わず遂に魚雷1本を喫してしまった。左舷吃水下が破られ大量の海水が「リュッツォー」の艦内に侵入する。これまで圧倒的に優位に戦いを進めてた「リュッツォー」は、「たかが」旧式駆逐艦が苦し紛れに放った魚雷によって戦闘力を失う羽目になってしまった。

KMS_Lutzow


17-18Turn

GE_DD4aその後の展開を簡単に記載する。魚雷によって大損害を被ったポケット戦艦「リュッツォー」は、それでも輸送船1隻に砲撃を継続し、遂に同船を撃沈した。またドイツ超駆逐艦3隻は、射程距離内に飛び込んできた英軽巡「シェフィールド」に集中砲火を浴びせかけ、砲塔の誘爆を誘って同艦を大破させた。



結果

英軍の損害
沈没:輸送船1隻
大破:軽巡「シェフィールド」、駆逐艦「オンズロー」
中破:駆逐艦「オブデュレイト」
小破:駆逐艦「アケイティーズ」


ドイツ軍の損害
中破:重巡「ヒッパー」「リュッツォー」
小破:駆逐艦「Z4」「Z6」「Z30」

結果
連合軍80VP、ドイツ軍76VPで連合軍の勝利。
もし「リュッツォー」が中破しなかった場合、連合軍のVPは40になる。さらに輸送船もう1隻沈めていればドイツ軍のVPは106VPとなり、ドイツ軍は勝利条件を満足していた。

感想

手頃な中型シナリオになった。オリジナルのバレンツ海海戦よりもこちらの拡張版の方が派手で面白いと思う。個艦性能と兵力で優位に立つドイツ海軍と、指揮能力と練度で勝る英海軍。ジョンブル魂を感じることができるシナリオになったと思っている。
今回のテスト結果を受けて少しドイツ側が有利になるように修正した。
(1) R部隊の登場位置を盤の上方向にずらし、いきなり「ヒッパー」隊と交戦することがないようにした。
(2) JW51B船団に移動制限を適用し、「リュッツォー」隊が近づく前に「リュッツォー」隊の反対側に逃げるのを「なし」とした。

今回のテストでバレンツ海海戦は概ね調整完了である。次はナルビク沖海戦か北岬沖海戦のどちらかである。さて、どちらのしようかな?

ナルビク沖海戦