Z19DD


第1次ナルヴィク沖海戦は、1949年4月10日、ノルウェー侵攻作戦を開始したドイツ海軍とそれに対抗する英海軍が、ノルウェー北部ナルヴィク沖で激突した戦いである。ドイツ軍の兵力は駆逐艦10隻、英海軍は駆逐艦5隻が対決。双方2隻ずつが沈み、ドイツ側により多くの損傷艦を出した。このバレンツ海海戦を「欧州海域戦」( 「ソロモン夜襲戦」 の欧州戦線版)でシナリオ化してみたい。

状況

前回のテストでは英軍の奇襲効果が効きすぎてドイツ側が大敗した。そこで少し設定を見直してみた。見直した内容は以下の通り。

 ・港内のドイツ艦を雷撃する場合の命中ボーナスを低減した(他の船や桟橋、浅瀬等がある港湾に対する雷撃は洋上雷撃よりも困難と判断)。  
 ・ドイツ軍の指揮値を上方修正
 ・主導権値をドイツ軍有利なように上方修正


この修正を加えてテストしてみた。以下は通算3回目のテスト記録である。


テスト状況

1Turn

昨晩からの吹雪がなおも吹き付ける4月10日のナルヴィク港は、突如砲声に包まれた。ウォーバートン・リー大佐が指揮する英海軍第2駆逐隊がナルヴィク港に停泊するドイツ艦隊に殴り込みをかけたのである。数発の砲弾が材泊中のドイツ駆逐艦に命中した。また英駆逐艦「ハーディ」「ホットスパー」から計8本の魚雷を発射した。
(ここまでは前回までと全く同じ)

Turn01a


2Turn

英駆逐艦の放った魚雷が次々と目標に命中・・・・、する筈が、それが悉く外れてしまう。浅瀬に突っ込む魚雷、商船に命中して爆発する魚雷等はあったが、肝心のドイツ駆逐艦には1発も当たらない・・・。

「そ、そんなはずでは・・・」

焦る英駆逐隊。しかし襲撃を終えた英駆逐艦「ハーディ」以下が左へ反転していくのと入れ替わりに、英駆逐艦「ハンター」「ホスタイル」が北から接近してきた。ナルヴィク沖1,500mまで接近した両鑑はドイツ駆逐艦に砲撃を浴びせかける。ドイツ駆逐艦「アントン・シュミット」「ヴィルヘルム・ハイドカンプ」がそれぞれ命中弾を受けて中小破する。しかしドイツ駆逐艦も反撃し、英駆逐艦「ハンター」が被弾して小破した。
「ハンター」「ホスタイル」は計8本の魚雷を発射。ドイツ側も比較的損傷の軽微な「アントン・シュミット」が魚雷8本を発射する。

Turn02a


3Turn

先に英駆逐艦が放った魚雷がドイツ駆逐艦に命中した。「アントン・シュミット」「ヴィルヘルム・ハイドカンプ」にそれぞれ1本が命中し、両艦とも誘爆を起こして轟沈した。 しかし「アントン・シュミット」の発射したG7a魚雷8本も英駆逐艦をとらえた。反転して退避中の英駆逐艦「ハーディ」(旗艦)に1本が命中した。「ハーディ」は沈没こそ免れたが、大破して速度10ktまで低下してしまう。
ナルヴィクの北東約15kmに位置しているヘリヤンクスフィヨルドに待機していたドイツ駆逐艦3隻が出航。英駆逐艦を追う。

Turn03a


4Turn

英軍は大破した「ハーディ」を残して残り4隻が離脱していく。仲間を見捨てるのは忍びないが、勝利条件の関係上、大破した艦と一緒に走っていると、タイムリミットに間に合わないからだ。

5Turn

バランゲンフィヨルドで警戒配備についていたドイツ駆逐艦2隻が出航する。これでドイツ駆逐艦5隻が英駆逐艦を追撃する体制に入ったことになる。ドイツ第1駆逐隊の3隻が大破した英駆逐艦「ハーディ」を囲んだ。瀕死の駆逐艦に対して周囲から砲撃を浴びせかけるドイツ駆逐艦。「ハーディ」は多数の砲弾を受けてフィヨルドに沈んでいった
 
Turn05a


6Turn

バランゲンフィヨルドを出航したドイツ駆逐艦2隻(第4駆逐隊)と、英駆逐艦が交戦状態に入った。隻数では4:2で英側が有利であったが、機先を制したのはドイツ側であった。

Turn06a


7Turn

ドイツ駆逐艦が発射した計16本の魚雷が次々と英駆逐艦に命中した。狭いフィヨルドの戦い。必然的に接近戦になるが、その時威力を発揮するのが両軍とも魚雷なのだ。命中を受けたのは駆逐艦「ハンター」と「ホスタイル」。両艦とも3分と持たずにフィヨルドにその姿を没した。さらに駆逐艦「ハヴォック」はドイツ駆逐艦の砲撃を受けて中破していた。無傷で残る英駆逐艦は「ホットスパー」だけになってしまう。

Turn07a


8Turn

ドイツ第1駆逐隊がフィヨルド内でUターン。英駆逐艦に対して正面突撃を仕掛ける。それを見た英駆逐艦は左へ回避つつ主砲射撃。至近距離から放たれた「ホットスパー」の射弾がドイツ駆逐艦「ゲオルク・ティーレ」に命中し、同艦を小破せしめていた。

Turn08a


9Turn

一旦やり過ごしたドイツ駆逐艦は再びUターンして英艦隊と平行砲戦に入る。英駆逐艦「ホットスパー」はまたもや射撃の腕の冴えを見せ、ドイツ駆逐艦「ゲオルク・ティーレ」に命中弾を与えてこれを中破した。一方、ドイツ側の射撃は既に損傷していた駆逐艦「ハヴォック」に命中弾を与えてこれを大破させた。

Turn09a


10Turn

この後、駆逐艦「ハヴォック」は集中砲火を浴びて沈没。唯一無傷で生き残った「ホットスパー」は西方に逃れた。英軍の損害は沈没4、対するドイツ軍の損害は沈没2、中破1、小破1である。VPは英軍7、独軍12で独軍の勝利となった。

感想

今回は独軍の勝利に終わったが、その前に行った第2回目のテストでは英軍の圧勝であった(そこからさらに少し手を加えている)。今回は英側がアンラッキーであったが、最初の魚雷が全く命中しないというのは稀有な出来事なので、普通はもう少し当たると思う。まあ英軍としてはこの第1撃で魚雷をケチらず、一気に使い潰すという手もあるだろう。最初にVPを稼いでおけば、VPで逃げ切りを狙えるかもしれない。ただ魚雷がないとドイツ側の追撃部隊と戦う際に苦戦を強いられるかも。なんせフィヨルドは狭いので、魚雷が有効なのだ(反対側に逃げる手が使えない)。

取り合えず今回のテストで第1次ナルビク沖海戦は一応完成としたい。次は北岬沖海戦にでも手を出すか・・・。

HMS_DukeofYork