Victory in the Pacific(以下、VITP)は、太平洋戦争の全般を主に海軍戦力の側面から再現したシミュレーションゲームだ。今回、そのVITPをVASSALによる通信対戦で戦ってみることになった。シナリオは標準シナリオで選択ルールはなし。私は連合軍を担当する。さてさてどうなることやら・・・。

前回までの展開は --> こちら

VITP_Map


5Turn

RN_Victorious遂に太平洋方面で使用可能な空母はゼロになってしまった。開戦以来戦ってきた「ホーネット」も「レキシントン」もいない。欧州戦線から送られてきた「ワスプ」も初陣で海の藻屑と化した。急遽英軍の増援である空母「ヴィクトリアス」が真珠湾に到着したが、英空母の限られた航続距離と搭載機数では多くは期待できなかった。

破れかぶれか。日本軍はハワイ海域に戦艦部隊による突入戦を仕掛けてきた。もう一体がまたもや珊瑚海である。対する連合軍は、ハワイへの攻撃に対しては基地航空部隊で凌ぐことにし、水上部隊の主力を珊瑚海に送り込んだ。その戦力はレーダー装備の新鋭戦艦3隻を含む戦艦4隻と重巡7隻である。

Turn05a


US_BB_Missisippiしかし航空戦力を欠いた珊瑚海への出撃は明らかに失敗であった。航空機の傘を持たない艦隊は、敵機の好餌に過ぎないことを証明するだけの結果に終わってしまったのである。空母「加賀」の攻撃を受けて戦艦「ミシシッピー」が轟沈。空母「飛龍」の攻撃で新鋭戦艦「サウスダコタ」は強制帰還。そして空母「飛鷹」の攻撃で新鋭戦艦「インディアナ」が大破すると、最早逃げるしかなかった。日本軍による猛烈な追撃を受けて大破していた「インディアナ」は轟沈。「インディアナ」と同行していた新鋭戦艦「マサチューセッツ」も「インディアナ」と運命を共にした。重巡部隊も7隻中4隻が沈み、残り3隻が命かながらサモアの基地に逃げ帰ってきた。
繰り返すが、航空兵力を伴わない水上部隊は、敵機の好餌でしかない。貴重な新鋭戦艦2隻を失った我々はそのことを思い知らされた。
なおあくまで結果論であるが、戦艦群はハワイ近海に集結させて日本戦艦を迎え撃った方が余程有意義な戦いができたと思う。

このTurnで日本軍はインドネシアの支配を取り戻した。日本軍のPOCは14、連合軍は7POC。その差は7POC。累積では25POCとなった。

Turn05c


6Turn

US_CV_Essex先のTurnの大損害は痛かったが、このTurn、ようやく待ちに待った増援部隊が到着する。エセックス級大型艦隊空母が3隻、インデペンデンス級高速軽空母が5隻だ。これによって米軍の空母戦力は日本軍のそれを大きく凌駕するに至った。またレーダー装備の新鋭戦艦「アラバマ」も艦隊に加わり、先の新鋭戦艦2隻損失の埋め合わせも少しは可能となった。

兵力に余裕を得た連合軍は、3正面から攻勢を仕掛ける。ミッドウェー、マーシャル諸島、南太平洋、そして恨み重なる珊瑚海だ。対する日本軍は珊瑚海の守りをほぼ諦め、艦隊戦力の主力をミッドウェー、一部を南太平洋に向けてきた。
米軍はミッドウェー近海での日本機動部隊との決戦を回避し、空母群を2グループに分けてマーシャル諸島と南太平洋に攻めあがった。また珊瑚海は基地航空部隊による制海権確保を図る。

Turn06a


JP_BB_比叡珊瑚海では日米戦艦同士の対決。戦艦「比叡」と米戦艦「サウスダコタ」の撃ち合いである。レーダー装備の「サウスダコタ」は、旧式の戦艦「比叡」を苦も無く撃沈したが、「比叡」の反撃によって「サウスダコタ」も5ダメージという大損害を被った。

マーシャル諸島の戦いでは兵力に勝る米軍が日本の戦艦「山城」を撃沈、基地航空兵力も撃破したが、哨戒艦艇が撃破されて制海権が得られず、貴重なPOCを獲得できなかった。

このTurnで連合軍は珊瑚海、南太平洋そしてアリューシャン列島の支配を得て、さらにマーシャル諸島も中立化した。日本軍は9POCで連合軍は11POC。その差は-2POC。累積では23POCとなった。またこのTurn、日本は戦艦3隻を失い、残りは「大和」「武蔵」を含めた6隻まで減少した。最盛時の半分である。

Turn06b


7Turn

US_BB_Iowaさらに連合軍に増援部隊が登場する。エセックス級空母4隻、インデペンデンス級高速軽空母3隻、さらにアイオワ級高速戦艦2隻も加わる。圧倒的な兵力を持つ連合軍は南太平洋、マーシャル諸島、そしてミッドウェー近海で攻勢を仕掛けた。ただし日本艦隊が集結しているインドネシア方面には手を出さない。

Turn07a


US_F_Boat海戦の結果は米軍の一方的な勝利に終わった。日本軍はマリアナ諸島の制海権すら失った。しかし連合軍も哨戒艦が次々と撃破されたことでマーシャル諸島とミッドウェー海域の制海権を奪えなかった。第6Turnに引き続いての失策。哨戒艦を複数出していれば避けられた事態である。
一方の日本軍もミスを犯した。日本本土に哨戒艦を1隻しか配置しなかったため、その艦が米潜水艦の攻撃を受けて撃沈されてしまったのである。おかげで日本本土の制海権を失った日本軍。
このTurn、日本軍は3POCを獲得。連合軍は11POCでその差は-8PC。累積は15POCとなった。

Turn07b


つづく