94eb150f.jpg


===========================================================
「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは --> こちらを参照して下さい。
===========================================================

JP_DD6a「海空戦!南太平洋1942」(以下、本作)は空母戦をテーマにしたゲームである。しかし空母戦ゲームとしてはかなり詳細な水上戦ルールを用意している。実際、空母戦の最中に水上戦が生じる可能性はそれほど大きくないが、決定的場面で水上戦が発生する可能性がゼロではない。そしてそれは当時の空母部隊指揮官たちが密かに恐れていた事態でもある。

ところで本作の水上戦ルールは少し気になる所がある。それはゲームシステムの関係上、近距離戦闘が起こりやすい点である。本作の水上戦システムは、ダイスで主導権判定を行った後、主導権を得た側が移動、砲撃、雷撃のいずれかを選択する。何故近距離戦闘が起こりやすいかといえば、距離が近い場合は砲雷撃の効果が高くなるので砲雷撃を選択しやすく、距離が遠い場合は移動を選択しやすい。結果、砲雷撃の実施は必然的に近距離になる。これは特に駆逐艦兵力に勝り、個艦の雷撃力に優れた日本軍にとって有利に働く。水上戦では練度や隻数の関係上日本海軍が有利なのに、ゲームシステムでも日本軍に有利に働くとなれば、連合軍にとって水上戦は甚だ不利になる。水上戦で連合軍が一方的に不利なのはゲームの上からも史実からも望ましいことではない。

そこで、水上戦ルールの見直しを図ってみた。

見直しの骨子はこうだ。まずダイスを振って主導権を判定するシステムを廃止し、チットドリブンシステムとする。アクションチット(両軍それぞれ5枚ずつ、計10枚)をカップに入れて無作為抽出する。引いてきたチットに相当する行動を実施する。1Turnに8アクションまでというルールに変更はないので、引かれなかったアクションは実施できない。
また両陣営の主導権値に差がある場合、今までは主導権判定のダイス目に対する修正という形で適用していたが、今回のチット式の場合はカップに入れるチットを減らすという方式とした。例えば連合軍の主導権値が1不利な場合、連合軍がカップに入れるチットは5枚ではなく4枚になる。そしてどのチットをカップから除外するかは無作為に当該競技者が任意に決定する。
主導権差が3以上の場合。有利な側に「引き直し」の権利が発生する。主導権差が3の場合は1Turnに最大1回、主導権差が4の場合は1Turnに最大2回、・・・、という具合になる。

という訳で本システムが上手く機能するか、試してみた。

テストプレイ

T6.第1ソロモン海戦

JP_CA3a日本軍=重巡5、軽巡2、駆逐艦1、連合軍=重巡6、駆逐艦4の対決である。兵力的にはやや連合軍有利。また日本軍の重巡は古鷹型、青葉型の7000トン級が主力なので、実質的には中巡である。従って額面戦力では連合軍有利。しかし史実の奇襲効果をは反映して主導権で日本軍が有利としている。

このシナリオは主導権値の差が大きいので、そのような状況下で本システムが上手く機能するか見たかった。

写真01

CW_CA7a海戦の結果は、オーストラリア重巡「キャンベラ」が沈没、同「オーストラリア」が大破、米重巡「ヴィンセンス」が中破。米駆逐艦1隻沈没1隻中破。日本軍は重巡「鳥海」「青葉」が小破した。勝利得点的には日本軍の辛勝である。

プレイ時間は25分

写真02

T7.「ガダルカナル夜戦」

US_BB56a第3次ソロモン海戦の一場面を再現したシナリオである。日本側が高速戦艦「霧島」、重巡「愛宕」「高雄」、軽巡2、駆逐艦9。連合軍が新鋭戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」と駆逐艦4隻である。
このシナリオは主導権判定に優劣がないので、そのような条件下で本システムが上手く機能するか確かめたい。また夜戦における戦艦の威力がどのように表現されているかを確かめたかった。

写真03


JP_BB4a序盤、新戦艦「サウスダコタ」が魚雷を食らって中破した。しかしその直後「ワシントン」「サウスダコタ」の主砲が火を噴き、「霧島」「愛宕」が中破する。その後両軍の間で激しい砲撃戦になるが、砲力に勝る米戦艦が優位に戦いを進める。
最終的に日本軍は戦艦「霧島」、重巡「愛宕」「高雄」と駆逐艦4隻を失う。連合軍は駆逐艦3隻が沈没、戦艦「サウスダコタ」と駆逐艦1隻が中破した。勝利得点的には連合軍側の圧勝である。

プレイ時間は30分

写真04
 

T8.戦艦対戦艦

JP_BB11a仮想戦シナリオである。戦艦対戦艦の昼間砲撃戦を扱ったシナリオで、日本側は「大和」「陸奥」、連合軍側は「ノースカロライナ」「ワシントン」「サウスダコタ」の3隻が登場する。ここでは本システムが昼間砲戦での適合性を確認する。

写真05


US_CA38a激しい砲撃戦。日本軍は戦艦「陸奥」が大破。軽巡1、駆逐艦5が沈没。重巡2、駆逐艦2が大中破。重巡1が小破で、無傷なのは戦艦「大和」だけだった。連合軍も重巡「サンフランシスコ」、駆逐艦1が沈没した他、戦艦「サウスダコタ」、重巡1、駆逐艦1が中破、戦艦「ワシントン」「ノースカロライナ」が小破した。勝利得点的には、連合軍の実質的勝利である。

プレイ時間は60分


写真06
 

感想

US_CL52a射撃や雷撃のタイミングが任意に選択できなくすることで水上戦の苛烈度を下げたい。また雷撃実施のタイミングをプレイヤーが調整し難くすることで水上戦での日本軍の優位性を弱めたい。この2つの目的に対しては新システムは概ね上手く機能しているように思える。
こちらのルールを正式版にするかどうかはもう少し検討の余地があるが、新ルールはデザイナー推奨ルールということで、半正式ルール扱いとしたい。

写真07