1式陸攻

戦史叢書-海軍航空概史

防衛省戦史室

戦史叢書がいつでもどこでも無料で読めるようになったのは良いことだ。今回、海軍航空戦備の概要が知りたくなって読んでみた。戦前における統一空軍論(海軍は反対だったという)、戦時中における機材や搭乗員、装備などの装備状況、燃料状況など、普段余り目にすることのない情報に接することができて面白かった。
戦史叢書全般に通じることだが、旧軍人又はその関係者が書いた書籍だけに旧軍に対する評価は全般に甘めである。もう少し辛辣な評価があっても良かったのかなとも思う。そんな中でも日本海軍航空隊の教育上の問題点(狭義の術科に重点を置きすぎて、戦術眼などの総合的な能力を養う訓練には不熱心。攻撃偏重防御軽視など)についても書かれており、必ずしも「旧軍万歳」的な内容ばかりではない。
資料的な価値も高く、海軍航空史に興味があるのであれば、一読の価値はある。

お奨め度★★★