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Patton's Best(以下、本作)は、第2次欧州大戦時の米軍戦車長になってドイツ軍と戦うソロプレイゲームだ。タイトルの"Patton's Best"は、ジョージ・S・パットン将軍麾下の第4機甲師団のことで、プレイヤーの立場は第4機甲師団に所属するシャーマン戦車の戦車長である。
マップは2枚用意されており、1枚は戦場の概要を表すエリアマップ。もう1枚はシャーマン戦車を中心に見立てたPPIスコープ方式のマップである。前者はやや大きな戦場の動きを表し、後者は個々の戦闘場面で使用する。
ドイツ軍はルールによって自動的に行動を行い、移動や射撃を行う。
とまあ、細かい説明はこれぐらいにして、早速プレイしてみよう。

1944年7月下旬、北フランス・ノルマンディ

私の名前はアナベル・カトー。アメリカ陸軍第4機甲師団所属のシャーマン戦車の戦車長である。私の部下たちを紹介しよう。
 砲手:デューク・トーゴ―
 装填手:ハヤト・コバヤシ
 操縦手:ミライ・ヤシマ
 副操縦手:(うーん、もうどうでもええわ)

そうそう、名前なんてどうでも良い。(外国人の名前って仮にでもつけるの難しいねぇ。まあ日本人の名前でも野球選手とか歴史上の人物とか、あまり芸のない名前をつけてしまいそうだけど・・・。

という訳で我々は戦場にやってきた。1944年8月終わりのノルマンディ戦線。我々は連合軍の切り札としてここにやってきた。断末魔のドイツ軍は我々に対して最後の反撃を試みるが・・・。

8月5日

我々が初めて敵と遭遇したのは、上陸から10日後のヴァンヌ付近であった。これまで抵抗らしい抵抗を受けずに前進してきた我々は、初めてドイツ軍の激しい抵抗に遭遇したのである。我々の戦車はM4シャーマン。75mm砲を搭載した最もベーシックなモデルだ。

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1130頃。敵対戦車砲その他と遭遇する。対戦車砲は前進射撃で後退させたが、軽歩兵部隊相手に手間取った。10発近い75mm砲弾を浴びせてようやくこれを撃破した。

午後に入って初めて敵戦車と遭遇する。V号戦車パンターだ。シャーマンよりもはるかに強力な敵戦車で、側面から75mm徹甲弾を放ったが、照準が拙くて外れ。幸いにその直後に友軍の側面攻撃が奏功してこれを撃破した。

1500過ぎに別の敵と遭遇する。自走砲と対戦車砲からなる敵部隊だ。航空支援によって自走砲は撃破したが、対戦車砲は撃破できず、逆に敵の待ち伏せによって友軍戦車が1台撃破された。さらに私の戦車も徹甲弾の直撃を受けてビビったが、何とか持ちこたえた。

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「操縦手、ハルダウンポジションを探せ」
「砲手、発煙弾だ。急げ」

シャーマン戦ははくぼ地を見つけて車体を隠す。発煙弾が発射されたが、移動射撃のために外れだ。

「来るぞ」

敵対戦車砲がまたもや撃ってきた。しかし今度は外れである。
友軍の射撃で目標が再び煙幕に包まれる。パンツァーファストが飛来した。ハッチから身を乗り出していた私は思わず身をひそめる。

「見えた」

砲手が叫ぶ。距離1.6kmに敵の75mm対戦車砲がその姿を現した。

「榴弾装填。急げ」
「撃て」

榴弾が砲口から放たれる。しかし距離が遠い。またもや外れだ。

「敵が後退しました」

操縦手が嬉しそうに叫んだ。敵対戦車砲が視認距離外に後退していった。大きく息をつく。全く以て厄介な対戦車砲である。

対戦車砲とまともに撃ち合ってはいけない。対戦車砲には手を出さず(手出しをすれば、報復を食らって酷い目に合う)、他の友軍(歩兵部隊や砲兵部隊など)に期待する。

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17時過ぎに敵装甲車などと遭遇したが、これは前進射撃と砲兵支援によって撃退した。
日没前にさらに敵歩兵部隊と遭遇した。敵を榴弾射撃で制圧する前に、敵歩兵の攻撃によって友軍歩兵が2個失われる。

・今日の決算
消費した砲弾:HE弾28、AP弾1、WP弾1
友軍の戦果:歩兵3、5号戦車1両、占領7ヶ所、退出エリア1、合計46VP(そのうち自車の戦果は歩兵1)
友軍の損害:歩兵2、戦車1両、合計-11VP
合計18VP

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8月7日

2日後、我々は再び敵と遭遇した。
この日、先導戦車を命じられた我々は慎重に前進する。先導戦車とは文字通り部隊の先頭に立って進む戦車のことで、敵の待ち伏せ攻撃を受けた場合等は最初に撃破される可能性の高い損な役回りだ。 幸い午前中は敵との交戦はなかった。午後になって有力な敵部隊の抵抗線に接触する。しかし友軍の砲撃や航空攻撃でこれを撃退し、我々は被害がなかった。
夕陽が西の空に沈む頃、長かった1日がようやく終わると思った我々は、突如強力なドイツ軍の抵抗線に遭遇した。機関銃に支援された対戦車砲陣地である。しかも敵は我々にとって最も厄介な88mm対戦車砲だ。先導戦車である我々にとって最も危険な状況と言える。
機関銃部隊は友軍の砲爆撃でなんとか撃破したものの、森に隠れた対戦車砲は頑強であった。我々も「他人のふり」をする訳にもいかず(先導戦車は真っ先に狙われる)、とにかく対戦車砲を黙らせるしかない。車体を敵に向けて主砲発射。75mm榴弾は間違いなく敵陣地付近に着弾しているのだが、敵の抵抗は止まない。
突如、強烈な衝撃が車体を揺さぶった。車体前部にドイツ軍の88mm徹甲弾が命中したのだ。シャーマンの薄い正面装甲は88mm徹甲弾に耐えられるはずもなく、まるでバターナイフでバターを裂くように砲弾は装甲を切り裂いた。戦車内部で爆発した徹甲弾。砲弾の破片で私を含めた2名が負傷したが、幸い負傷の程度は軽かった。また「燃えやすい」ことで有名なシャーマン戦車も、この時は爆発もせず。炎上もしなかった。

「全員脱出!!」

私を含めた5名の戦車兵が次々をハッチを開いて外に飛び出す。脱出時のアクシデントでさらに1名が負傷。計3名が負傷したが、いずれも軽傷で任務に差し支えない程度であった。
こうして我々は2回目の交戦で早くも愛車を失うという苦い経験を得たのである。戦車を失ったことは辛いことであったが、戦死者や重傷者が1名も出なかったことは、まさに不幸中の幸いといえた。

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つづく