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Patton's Best(以下、本作)は、第2次欧州大戦時の米軍戦車長になってドイツ軍と戦うソロプレイゲームだ。タイトルの"Patton's Best"は、ジョージ・S・パットン将軍麾下の第4機甲師団のことで、プレイヤーの立場は第4機甲師団に所属するシャーマン戦車の戦車長である。
それでは早速プレイしてみよう。

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8月29日

翌日も晴天であった。我々はまたもや敵の抵抗線にぶつかってしまう。最初に遭遇したのは50mm対戦車砲。サイズが小さい対戦車砲は実に厄介である。75mm榴弾5発を撃ち込んで漸くこれを仕留めた。
一息つく間もなく新たな敵と遭遇。ドイツの誇る5号戦車「パンター」である。パンターの初弾が自車の真上をかすめた。アブねぇ・・・。

「全速後退、急げ」

重装甲を誇るパンターとまともに撃ち合えば勝ち目はない。煙幕を巻きながら後退する。距離を取りつつ敵車の側面に回り込む。重装甲を誇るパンターと言えども、側面装甲なら撃破可能だ。

「敵の側面に回り込め」

前進。敵戦車の側面に回り込んだ。よし、いまだ。距離約400ヤード。

「徹甲弾、装填。ファイア」

命中。続けて撃て。またもや命中。2発の75mm徹甲弾がパンター戦車の側面装甲に吸い込まれた。爆発。1発目はパンターの装甲板に弾き飛ばされたが、2発目はパンターの砲塔基部に命中。砲塔が誘爆したパンターは2つに裂けてその場に停止した。パンター撃破。大殊勲である。

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午後に我々はドイツ軍の待ち伏せに遭遇。前方に突撃砲が出現した。距離1400ヤード。まだ遠い。

「前進。敵の側面へ回り込め」

全速で前進して敵突撃砲の側面に回り込んだ。距離900ヤードまで近づく。敵の姿がはっきり見えてきた。4号駆逐戦車。75mm砲を搭載した対戦車戦闘車両だ。強敵である。

「徹甲弾、装填。ファイア」

しかし徹甲弾は目標をそれた。

「次弾装填、急げ」

「こっちを狙っているぞ・・・」

誰かが叫んだ。敵自走砲は車体を旋回させてこちらを狙っている。やばい。こちらの2発目も外れた。ここまでか・・・。

その時友軍戦車が前進してきて敵駆逐戦車を射撃する。その射弾は外れたが、敵はその味方戦車に車体を向けた。チャンスだ。

「今度こそ当てろよ。ファイア」

しかし無情にも3発目も目標を逸れた。

「何やってんだ砲手!!」
「煙幕が邪魔で敵を上手く狙えません」

何を言い訳してやがる。煙幕なしならこっちがお陀仏だろうが・・・。

5発目、今度こそ当てろよ。心の中で念じる。

命中。さらに引き続いて2発の徹甲弾が目標側面に命中した。1発はハルダウンしている車体前面の土を跳ね上げて、もう1発は砲塔側面に命中したものの装甲板に弾かれた。しかし最後の1発が目標を貫通。漸くこれを撃破した。4号駆逐戦車撃破。

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しかし周囲にはドイツ軍の戦車や対戦車砲などが次々と現れて友軍部隊と交戦している。1両のドイツ軍戦車が爆発。シャーマン戦車の射撃を受けたようだ。
突然機銃弾が私の戦車に浴びせかけられる。体を出して外部を観測していた装填手に機銃弾が命中。肩を射抜かれて悲鳴を上げた。重傷である。砲弾の再装填ができなくなった。やばい。使えるのは今主砲に装填している徹甲弾1発のみ。あとは友軍に期待するしかない。

「後退。ハルダウン姿勢を取れ」
「敵が後に回りました」

やばい。このままではやられる。と思った瞬間。敵の4号駆逐戦車が爆発した。側面に回り込んだ友軍戦車がようやくこれを撃破したのだ。ふーっと一息をつく。にしても装填手を失うと全く何もできなくなるとは・・・。装填手(名前はコバヤシだったかな?)は全治2ヶ月の重傷。直ちに補充兵を受け取る。

日没前に我々はドイツ軍の戦車2両と遭遇した。1両は間接射撃で撃破。もう1両はこちらが後退することで難を逃れた。
さらにその1時間後に戦車2両を含むドイツ軍の抵抗線にぶつかったが、砲撃と友軍戦車の活躍で敵を撃退することができた。

・今日の決算
消費した砲弾:HE弾25、AP弾11
友軍の戦果:歩兵3、対戦車砲2門、突撃砲/駆逐戦車3両、戦車4両、装甲車1両、占領7ヶ所、合計100VP(そのうち自車の戦果はパンター戦車1両、駆逐戦車1両、50mm対戦車砲1門)
友軍の損害:戦車1、歩兵2(-11VP)

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9月12日

1週間の休養期間を経て我々は戦場に戻ってきた。その間、我々は新しい戦車を受け取った。M4A3(76)。後に「イージーエイト」と呼ばれるタイプの原型となった戦車である。主砲は高初速の76mm砲。これまでの75mm砲に比べると砲身が長くなり、貫通力が増した。これまで難敵であったパンターやティーガーといったドイツ軍重戦車に対しても、側面からの射撃であればかなりの確率で貫通が可能となった。さらに新型の高速徹甲弾を用いれば、これら重戦車の正面装甲をも貫通が可能となったのである。

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この日我々はモーゼル川でドイツ軍の反撃を迎え撃った。午前7時前。敵の小部隊が前進してきた。不用意に側面を晒した敵突撃砲に対して必殺の76mm砲が火を噴く。2発の徹甲弾が目標に命中。目標は一撃で沈黙した。しかし敵歩兵の反撃でまたもや装填手が負傷してしまう。負傷者を後送し、直ちに補充兵を受け取る。

午後と夕方にそれぞれ敵の攻撃を受けたが、その時は他の友軍部隊の活躍によって敵を撃退した。結局この日は3度の交戦で以下のような結果となった。

・今日の決算
消費した砲弾:HE弾20、AP弾4
友軍の戦果:歩兵3、突撃砲/駆逐戦車3両、戦車1両、合計42VP(そのうち自車の戦果は突撃砲1両、歩兵2)
友軍の損害:歩兵2(-6VP)

ちなみにこの日の戦果で私が撃破した戦車及び自走砲は計5両となり、タンクキラーエースとなった。

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つづく