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Patton's Best(以下、本作)は、第2次欧州大戦時の米軍戦車長になってドイツ軍と戦うソロプレイゲームだ。タイトルの"Patton's Best"は、ジョージ・S・パットン将軍麾下の第4機甲師団のことで、プレイヤーの立場は第4機甲師団に所属するシャーマン戦車の戦車長である。
それでは早速プレイしてみよう。

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9月19日

この日、私は軍曹に昇進した。そして撃破された戦車に代わる新しい戦車を手に入れた。タイプは前車と同じくM4A3(76)である。また前回重傷を負った装填手に代わる補充要員が到着した。
この日は後に「アランコートの戦い」と呼ばれる激戦の幕開けである。私は新たな戦車に新たな愛称をつけた。「デイトン」。私の故郷である。

今日の天気は霧である。視界が効かず接近戦になる。午前中は敵との交戦もなく、平和な進軍であった。しかし午後に市街地を進撃中にドイツ軍の抵抗線に接触した。戦車2両、機関銃チーム1からなるドイツ軍部隊である。

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まず側面に接近してきた4号戦車に対して「デイトン」は76mm主砲で射撃。徹甲弾が目標に命中して、この4号戦車を撃破した。もう1両は強敵パンター。至近距離から虎の子HVAP弾を発射したが、これは外れ。その間、友軍戦車1両がパンターの射撃を受けて撃破される。友軍のシャーマンはパンターを包囲し、四方八方から射弾を浴びせてこれを撃破した。

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結局、この日の交戦はこれだけで、やがて日没が訪れた。
・今日の決算
消費した砲弾:HE=35、AP=2、HVAP=1
友軍の戦果:歩兵1、4号戦車1両、5号戦車1両、占領7ヶ所、合計51VP(自車の戦果は4号戦車1両)
友軍の損害:戦車1(-5VP)

9月20日

翌日もまた戦闘である。これで6日間連続だ。いい加減、休みをくれ。幸い天候は晴天。
午前8時過ぎ。ドイツ軍の装甲部隊と遭遇する。友軍が煙幕を展開して視界が遮られる中、至近距離に現れたのはドイツ軍の「軍馬」4号戦車だ。幸い脆弱な横っ腹を晒している。チェンス。

「徹甲弾。目標前方400ヤード。ファイア」

初弾から目標を捉えた。76mm徹甲弾は砲塔基部を貫いて車体内部で爆発。砲塔を吹き飛ばされた4号戦車はその場で停止した。

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午後に再び有力なドイツ軍と遭遇した。対戦車砲を含む戦車部隊である。対戦車砲は友軍砲兵部隊による間接射撃で撃破。戦車1両(4号戦車)は、我が「デイトン」が撃破した。もう1両の敵戦車(4号戦車)は煙幕の陰に隠れて姿を晦ませたが、後方から現れた友軍戦車が主砲射撃でこれを撃破した。

・今日の決算
消費した砲弾:HE=28、AP=6、HVAP=0
友軍の戦果:トラック2、装甲車1、対戦車砲1門、4号戦車3両、突撃砲/駆逐戦車1両、占領8ヶ所、合計91VP(自車の戦果は4号戦車2両)
友軍の損害:なし

9月21日

翌日もまた戦闘である。今やアランコートの戦いは最高潮を迎えている。しかしこの日は3度の交戦があったもの、いずれも友軍部隊がこれを撃破又は撃退し、私自身の戦果はなかった。

9月22日

翌日もまた戦闘である。これで8日連続だ。しかも天候は雨模様。最悪の1日にならなければ良いが・・・。
結果から言えば、この日は散々な1日だった。ドイツ人が言う所の「パックフロント」、つまり対戦車陣地帯に入りこんでしまったのである。敵対戦車砲との交戦で友軍は戦車3両を失った。戦果は対戦車砲6門その他だから決して小さくはなかったが、私自身の戦果は歩兵1部隊のみ。そして戦闘の終盤には主砲照準器に砲弾の破片を食らって主砲が使えなくなってしまったのだ。

そしてこの日を最後に我々は2日間の短い休暇を得たのである。

9月25日

本当に2日しか休みがなかった。ドイツ軍が強力な反撃を仕掛けてきたのである。ただ有難い事に「デイトン」が苦手としている対戦車砲の相手をする必要がない。アンブッシュは「デイトン」の得意とする所だ。天候は曇りである。
ところが・・・、早朝早くも敵戦車が前方に現れた。それは・・・、何と強敵ティーガー重戦車である。敵はまだこちらに気づいていない。初弾発射。通常の徹甲弾である。シャーマンの76mm砲ではティーガー正面装甲を貫けない。しかしその射撃は次の射撃の修正情報になる。初弾命中。予想通り徹甲弾はティーガーの正面装甲に弾き飛ばされたが、照準は正確だ。よし、切り札を出そう。

「次弾装填。弾種はHVAP。急げ」

HVAP、つまり高速徹甲弾だ。これならティーガーの正面装甲でも貫通できる可能性がある。

「ファイア!」

期待の一撃。しかし射弾は大きく目標を逸れた。なぜ?。照準は正確な筈なのに・・・。

「主砲が故障しました」

砲手の悲痛な叫びが響く。修理急げ、それを叫ぶ前に操縦手が叫んだ。

「敵はこちらを狙っています」

次の瞬間、衝撃が「デイトン」の車体を揺るがす。車内に悲鳴が上がった。操縦手がやられた。徹甲弾が砲塔を貫き、飛び散った破片が操縦手を傷つけたらしい。

「全員脱出だ」

急いで車外に出る。敵の跳弾によって私は軽傷を負った。続いて3人が次々と脱出する。しかし重傷を負った操縦手が出てこない。動けないようだ。

「俺が助けに行く」

炎上しそうな戦車に駆け寄り、中からうめき声を上げている操縦手を救い出す。戦車から離れようとした時、機銃弾が私の肩を貫いた。うっ。思わずうめき声を上げてしまう。
安全な距離まで離れた所で点呼を取る。全員無事だ。しかし重傷を負った操縦手はしばらく復帰できそうにない。その他、私自身と装填手が軽傷を負っている。振り返ると「デイトン」が激しく炎上している。危ない所だった。

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つづく