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SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、基本システムはSCSのルールを踏襲しつつ、いくつかの専用ルールが適用される。本作のテーマは西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決である。幸い本作がテーマとした20世紀後半における第3次欧州大戦は実際には起こらなかった。従って本作は完全な仮想戦ゲームとなる。
本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事である。用意されているのは、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオで、さらに1945年、1983年、1989年シナリオでは、西側から東ドイツに侵攻するシナリオも用意されている(東側から侵攻するシナリオは全年度対応)。従って合計8本のシナリオが楽しめることになる。そのために用意されているユニットも膨大なものになり、カウンターシートは計4枚。カウンター数は1120個にも及んでいる。
マップは通常のフルマップ1枚で、東西ドイツを中心に、その周辺諸国が描かれている。マップの北端はユトランド半島北部(北端は見えていない)、マップ南端はイタリア・ユーゴスラビアの北部で、アルプス山脈の南麓までを含んでいる。1Hexは実際の15マイルに相当する。

システムとしては1945年シナリオとその他で多少異なっており、特にCRTと補給ルールで異なっている。ここでは1945年シナリオ以外(つまり冷戦期シナリオ)に適用されるルールについて説明する。
まず補給ルールは適用されない。またCRTは通常使う比率方式とはやや異なるルールとなっている。下図を見て頂きたい。これは本作で使用するCRTである。

写真01_IC_CRT


左から比率、攻撃側損失、防御側損失、後退ヘクス数を現す欄になっている。攻撃側は攻撃に参加したスタック毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。また防御側は参加したユニット毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。さらに防御側は比率に従って後退ヘクス数を判定する。なお一部の地形(大都市等)では後退を無視できる上、その他の地形でもステップロスを適用することで後退結果を吸収することができる。なお、敵ZOC内へ後退すると追加で1ステップを失う。このCRTによって消耗の激しい現在戦闘が上手く表現されているように思う。例えば2ユニットが大都市にスタックしていても、損耗ダイスの出目が悪いと一撃で陥落する可能性もある。

航空戦ルールも本作で特徴的な部分である。航空機は機種名入りで登場し、1ユニットが100~150機(NATO側)又は200~300機(WTO側)の航空機を現す。航空機には機種名が記載され、対応可能な任務(制空、対地攻撃)、全天候能力の有無が表示されている。機種による細かい能力の違い(例えばF-15とF-4の空戦能力の違い)は表現されていないが、例外として一部の対地攻撃機(A-10等)は通常の2倍の対地攻撃力を有している。

航空機の細かい性能差が表現されていないのは、航空戦ファンとしては寂しいが、その一方で1960年代の戦闘機が名前入りで登場するのは嬉しい。1962年でNATOの対地攻撃機の主力がF-84だとか、F-102が制空戦闘機として欧州に君臨していたとか(確か横田あたりにもF-102がいたような・・・)、Javalinが作戦級で登場するゲームって世界初じゃね、とか、そんなしょーもないことでいちいち喜んでいるヒコーキマニアなのであった。

写真02_Javelin


あと現在戦につきものの化学兵器、核兵器は当然のように登場してくる。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

写真03_SetUp


Run Up

このゲームでは戦争前の緊張状態を表すRun Up状態が定義されている。Run Up状態では両軍とも初期配置の部隊を移動させたり、損耗状態の部隊を回復させたりする。Run Up状態の長さはランダムなので、どれだけ準備に時間をかけられるかはダイス次第だ。
今回はある程度戦線を構築できたと思ったのだが、機動反撃部隊をちゃんと作らなかったので、第1Turnに機動反撃部隊を捻出できずに後悔することになってしまう。

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1Turn

制空権ダイスが良く、制空権を取った。ソ連軍が東西国境を超えて前進してくる。NATO軍は遅退戦術を取りつつ、都市部を軸に防衛ラインを構築。適宜反撃を加えてWTO部隊の減殺を図る。また(勝利条件に関係ある)バルト海上のデンマーク領ボロンフォルム島には空挺部隊を降下させ、守りを固める。

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2Turn

制空権はタイになった。また空戦時の損耗チェックでNATO航空兵力に大損害が出て、次ターンの制空権が怪しくなった。
地上では、WTO軍の進撃が明らかに陰りが見えて来た。全般に兵力面ではNATO軍の優位が目立ち、NATO軍は各地で反撃に転じる。一部の米軍部隊は「鉄のカーテン」を超えて東ドイツ領内に進入していた。

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つづく