台湾は面積の上では九州と同じぐらいですが、地形的には九州よりもシンプルです。例えて言うのなら、豆をタテに置いた感じ。さらに九州のように内陸部を横断する鉄道線(九大線、豊肥線等)がない。従って島を1周するのも容易です。そこで台湾旅行3日目。台湾鉄道旅行の基本形ともいうべき台湾1周旅行にチャレンジしてみました。

高鐵(南港-->左営)

最初に乗ったのは高鐵(新幹線のこと)。高鐵の始発駅である南岸から終点の左榮まで乗りました。日本で言えばグリーン車とでも言うべき商務車を利用。これまた日本のグリーン車と同じくアテンダントのサービスがつきます。台湾のアテンダントさんは可愛らしい感じの女性(複数)でしたが、残念ながら日本語はダメでした。英語はOKです。英語のやり取りなので、事務的な話に留まり、それ以上の話が盛り上がらなかったのは少し残念でした。
コーヒーを飲みながら終点の左榮までワープ。所要時間は約2時間です。景観的には特にいうべき事はありませんです。

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ろ光701号(新左営-->台東)

(「ろ」は草冠に呂)。高鐵の左営駅は台鐵(台湾国鉄)の新左営駅と直結しています。日本なら新幹線と在来線は駅名を合わせるのが常なのですが、台湾の場合は高鐵は台鐵とは営業母体が違うよう。高鐵には高鐵の拘りがあるようです。他にも台湾と日本では鉄道の乗り方に一部違いがあるので要注意です。余談ついでに、台湾の道路は右側通行で、地下鉄(MRT)も右側通行です。しかし台鐵や高鐵は左側通行です。台鐵の場合は日本統治時代の影響、高鐵は恐らく日本の技術を導入したので左側通行のままになっているようです。我々にとっては左側通行の方がわかりやすく、実際初めて台北に行ったとき、地下鉄の乗り方を何度か間違えました。
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閑話休題。新左営からは台東行きの急行「ろ光701号」に乗ります。これは気動車が引く客車タイプの急行列車で、日本では最近まで走っていた「はまなす」のようなイメージです。リクライニングシートでシートピッチも十分に広く、快適な旅を楽しめました。
この路線、台湾の南廻線ということで鉄道ファンの間では注目されているようです。景観が良いのは、枕寮から台東までで、右手に東シナ海、左手には山岳地帯が広がります。ちなみに枕寮までは長閑な田園風景といった感じです。
この路線も近代化工事が進み、2019年秋には電化されるそうです。

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ろ光1号(台東ーー>台北)

台東駅に着いたのは1300前。台湾東部を代表する都市だと思っていましたが、駅前は思ったよりもガランとしていました。食堂を探すのが面倒だったので駅弁を購入。台鐵自慢の駅弁です。排骨鶏肉弁当(80元)。安くて旨い。台湾に感じるのは兎に角物価が安いこと。駅弁が300円弱というのも、日本の感覚と比べて1/3~1/4ぐらいです。お陰で両替所で交換した現地通貨がなかなか減らない。この分では現地通貨を使い切るためにまた台湾にくる羽目になりそうです。

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次の急行「ろ光1号」は、所謂観光列車で、早朝6時に台北を出発。台湾をぐるっと1周回って夜8時前に台北に戻ります。所要時間14時間。長距離を走る観光列車といえば日本の「ななつ星」等がありますが、それらに比べると泥臭い感は否めません。一応アテンダントさんが乗務していますが、サービスの度合いは日本のそれに比べるとやはり落ちます。

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何はともあれ、観光列車に乗って台北へ。台東から台北の所要時間は約6時間。ノンビリした汽車の旅が続きます。車窓風景は日本と殆ど同じ田園風景。時折見える看板の文字と意味不明の会話だけが「ここは異国だよ」と物語っているかのよう。都会で見る異国と田舎で見る異国とはまた違ったものであることを感じました。

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