テレビ界の「バカのクラスター」を一掃せよ
藤原かずえ 飛鳥新書
コロナ禍では日本における様々な課題を表出させたが、その中の1つにマスメディアの劣化がある。自国の政策を無条件に批判し恐怖を煽る一方で日本よりも感染率・致死率が遥かに高い諸外国のコロナ対策を絶賛する。そこには科学的な知見や冷静な判断はなく、素人の思い付き以上ではないアイデアをあたかも「全能の神による神託」のごとく騒ぎ続ける。これが単なる「素人の戯言」で済めば良かったものを、「腐ってもマスメディア」なので現場対応に追われている医療現場に大きなダメージを与えたことは否めない。本書では、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」、テレビ朝日「報道ステーション」、TBS「サンデーモーニング」、TBS「報道特集」、TBS「news23」といった番組と、これらの番組で主役を演じた玉川徹氏、青木理氏、金平茂紀氏、後藤謙次氏らの偏向かつ無責任は発言を取り上げ、その矛盾を突いている。彼らの発言は反日、反米、反安倍、親中、親朝、親韓という点で一貫しているが、その中で展開される論理は粗雑そのもの。前言撤回、ダブルスタンダード等は日常茶飯事。コロナ禍も大災害も北朝鮮のミサイル攻撃も拉致問題も、全て「安倍批判」につなげるという。
さらに彼らはマスメディアの枠組みを超えて露骨な選挙介入や国政介入を行う。沖縄の基地問題にしても基地反対派を英雄視する一方、彼らの悪行(機動隊員やその家族に対する暴行)を一切報じない。ここまでくるとマスメディアは「正当な国政チェックを行う監視機構」ではなく、政策論争を放棄した野党勢力や日本を脅かす外国勢力に与する政治工作であり、国民にとっては迷惑極まりない存在と言える。
幸い近年はインターネットの発展によってマスメディアによる情報独占は崩れつつある。そのことが偏向したマスメディアを焦らせ、より極端な偏向放送につながっているといえる。このようなマスメディアがやがて大多数の国民からの支持を失い、世間から無視されるようになることは疑う余地がない。そうなる前にマスメディア自身が自らの問題に気づいて改善を行い、政権のチェック機構として正しく機能するよう願ってやまない(ムリだろうな・・・)。
お奨め度★★★★★
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