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2年ほど前から冬山登山を始めました。とはいっても本格的な冬山登山はリスクも多くて技量的にも難しいので、比較的安全な山を選んで、しかも晴天を狙ってので冬山登山です。
そんなこんなで、今回登ってみたのは、九州を代表する名山である九重連山です。ほぼ九州本土の中央部に位置し、九州本土では最高峰を誇る山です。

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九重登山2日目。朝食は0730からでした。山小屋だから5時とか6時では、と予想していた私は予想が外れ。普通の旅館よりも遅い0730というのはちょっと驚きです。おかげで朝はノンビリできたので、それはそれで良かったのですが・・・。
ちなみに食事の際に若女将(かな?)に聞いてみた所、朝早い人は弁当を食べていくそうです。私も弁当にした方が良かったかな、と、ちょっとだけ後悔しました。

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宿の心づくしのおもてなしを堪能した後、0800に法華院温泉を出発しました。出発する際に「また来てくださいね」と言われたので、本当にまた来たくなってしまいました。

今日の予定は、諏蛾守越ルートから左に折れて北千里浜の前を登り、久住分かれから久住山を目指します。コースタイムは3時間弱。天候が途中で悪化しそうなら、無理をせず諏蛾守越から真っすぐ長者原に戻る予定です。
宿を出て登り始めると、すぐに雪がつき始めました。雪が少し深そうなので、ここでアイゼン装着。やや急な斜面を登っていきます。 以前に登った冬の蓼科山 に比べると全然楽ですが、それでも急な岩場に雪がついていると、スリップしそうで警戒します。
一時間弱で北千里浜に到着。向こうには九重山が見え、その進行方向右手には雪を被った硫黄山が荒々しい姿を見せています。

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ここまで比較的順調に来ている上、天候も晴れているので、予定通り久住山山頂を目指すことにしました。北千里浜の登山コースは平坦なので歩きやすく、途中に凍った道路をアイゼンでバリバリと割るのが気持ち良いです。
しかし斜路に差し掛かると様相は一変。先ほどと同じく雪の付いた岩が針路を遮ります。とにかくスリップだけはしないように気をつけながら、斜面を登っていきます。

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1000頃に斜面を登り切って久住分かれに到着。ここからは目の前に久住山の山頂部が見えています。そこから歩いて20分ほどで久住山頂に到着。山頂からは今まで歩いてきた北千里浜の景観や瀬ノ本高原、さらに遠くに雪を被った阿蘇山の景観も見えています。

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山頂での景観を堪能した後、下山へ。下山ルートは当初牧ノ戸峠経由での下山を計画していましたが、諏蛾守越から戻った方が時間的に近い事が判明したため、元来た道を戻ることにしました。先の登った急斜面を今度は慎重に降りていき、諏蛾守越の分岐に戻ったのは1145頃でした。

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10分程斜面を登った所が諏蛾守越。ここには石造りの休憩所があり、恐らく噴火の際のシェルターとして使う場所のようです。

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諏蛾守越からは石のザラザラした下り斜面を降りていきます。夏でも足元が危ない登山路ですが、冬場には雪があるので危険度が増します。滑らないように慎重に降りていきますが、その横を男性の登山者2名のパーティがスイスイと追い抜いていきました。軽やかなステップを踏んで降りていく様は、雪慣れした足さばきを感じてしばし呆然です。

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斜面を降り切ると雪のついた車が走れるくらいの平坦な道に出ます。この道をしばらく歩くと右手に長者原が見えてきます。長者原へ直接降りる登山路が台風被害で切れてしまったため、一旦大曲という所に出て、そこからやまなみハイウェイの車道歩きになります。やまなみハイウェイの車道歩きは3km弱。思ったよりも大したことはありませんでした。途中に九州自然歩道が並走しているので、所々で林道歩きになるのも楽しいです。

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長者原へ降りてきたのは1330頃でした。所要時間は5.5時間。雪道にも関わらず夏のコースタイムを割ることができたので良かったです。

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コース全体の感想ですが、雪道としては難易度は低く、アイゼンがチェーンスパイクがあれば十分に歩けます。一番危険度が低いのは雨ヶ池コースで、この道は樹林帯の中なので強風などの影響が小さくて済みます。雨ヶ池コースであれば、殆ど危険がなく歩けると思います。
諏蛾守越コースは雨ヶ池コースに比べてやや難度が上がりますが、それでも今回のような晴天時には殆ど危険はありません。ただし天候が荒れて風が吹けば、結構厄介なことになりそうです。

北千里浜の登山ルートや今回歩かなかった牧ノ戸峠コースについては、天候さえ良ければ問題ないとは思いますが、風が吹くと結構厄介かも。特に久住分かれ付近は風の通り道になっているので、強風には注意した方が良いかと思います。