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Compass Gamesの"Saopan - The Bloody Rock"(以下、本作)は、1944年6~7月におけるサイパン島の戦いを中隊規模で描いた作品だ。CSS(Company Scale Serise)と呼ばれる共通のルールで構成されている。Saipanの概要については こちら を参照されたい。

これまでのプレイでは、常に海岸付近で米海兵隊が壊滅的損害を被って上陸失敗というパターンばかりであった。そこで 前回 はルール改定によって米海兵隊に勝機がないか、見直してみることにしたが、やはり海岸堡の戦闘で海兵隊が大損害を受けるというパターンは変わらなかった。
しかし前回対戦は時間の関係で前半部分の3Turn分しかプレイできていない。米軍の反撃はむしろ後半。午後に入ってからだ。戦車や火炎放射器の支援を受けた米軍の攻撃がどの程度の威力を持っているのか、その点はまだ検証できていない。
さらに夜になって実施される日本軍の反撃(所謂「万歳突撃」)についても、その威力は未だ未知数である。果たして海岸堡の海兵隊を一掃出来る程に強力なものなのか。あるいは単なる自殺攻撃なのか。そういった点も見てみたい。

そう考えた私は、本作を再度ソロプレイしてみることにした。選択したシナリオは、上陸初日を描いたシナリオ3「犬の日」である。果たして米海兵隊はサイパン島に橋頭保を築くことができるか・・・。

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6月15日0700

最初に米軍は航空支援を5ユニット得る。続いで艦砲射撃。これらの攻撃は主に海岸線を守る日本軍に向けられた。
続いて米海兵隊が海岸線に殺到する。チャランカノア市街地を挟むように、北側には第2海兵師団が殺到。町の南側には第4海兵師団が上陸する。チットの順番の関係でこのTurnは日本軍の攻撃はなし。しかし防御射撃によって水陸両用戦車1ユニットが海没する。そしてこのTurnは嵐の前の静けさに過ぎなかった。

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6月15日0900

続々と海兵隊が上陸してくる。海岸から突撃に移った海兵隊。第2海兵師団戦区からが第8海兵連隊の歩兵中隊は湿地帯を抜けてチャランカノア市街地に突入する。湿地に足を取られた海兵1個中隊は日本軍の銃撃を受けて壊滅したが、1個中隊がチャランカノア市街地突入に成功する。同地に司令部を置いていた日本軍第43師団は、慌てて後方に向けて撤退していく。
しかし日本軍の抵抗もまた激しかった。第4海兵師団の上陸地点には日本軍の迫撃砲弾が降り注ぎ、海兵隊をなぎ倒していく。このTurn、海兵隊が失った兵力は、歩兵5個中隊、水陸両用戦車1個中隊に及んだ。しかし地獄はまだ始まったばかりである。

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6月15日1100

日本軍はDispatch Point(DP)が足りなくなってきた。このTurnは海軍部隊のみ活性化する。一方の海兵隊もDPが不足気味だが、第4海兵師団がDPチェックに成功したため、6DPまで回復した。

先のTurnに大きな損害を被った海兵隊だが、それでも激しい砲火の中を前進し、少しでも橋頭保を広げようとしている。そこへ日本軍の砲火が降り注いだ。海兵隊の前面を守るのは水陸両用戦車だが、日本軍の砲火はその水陸両用戦車をも叩き潰した。第4海兵師団のハロルド・G・エバーソン一等兵は、死んだふりをした日本兵が突然投げつけてきた手榴弾から味方を守るため、その身を手榴弾に踊らせて爆死した。彼の死後、エバーソン一等兵は名誉勲章を叙勲した。
このTurn、海兵隊が失った兵力は、歩兵5個中隊、水陸両用戦車3個中隊である。現在、サイパン島に上陸して生き残っている海兵隊は、歩兵13個中隊、水陸両用戦車3個中隊である。実に歩兵戦力の43%、水陸両用戦車の57%が失われた計算になる。

しかし海兵隊にとっての地獄は、まだ終わりが見えない。

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6月15日1300

米護衛空母から発進したアヴェンジャー攻撃機がサイパン上空に飛来し、日本軍陣地に向けて連続爆撃を敢行した。3ヶ所で爆撃が成功。日本軍陣地に痛打を与える。このチャンスに第4海兵師団の第24海兵連隊がチャランカノア南方で爆撃を受けた日本軍陣地に対して集中射撃を実施し、遂にこれを撃破して突破口を啓開した。その突破口から遂に第4海兵師団の各連隊が敵中に突入していく。
日本軍は第47独立混成旅団の中島少佐が切り込み隊を組織し、チャランカノア飛行場に布陣する米海兵隊に対して突撃を敢行する。不意を打たれた海兵隊は日本軍の突撃により混乱してしまう。

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6月15日1500

米軍の戦車小隊や火炎放射器、対戦車砲等の支援火器が上陸し、ようやく米軍部隊の火力が強化された。特に戦車小隊4個が上陸したおかげで米軍の火力は著しく強化された。
第4海兵師団が日本軍の前線に突破口を穿った。歩兵部隊が前進し、As Perdioの村落を目指す。チャランカノア方面でも第23海兵連隊がチャランカノア市街地の大半を占領し、今津大尉麾下の日本兵1個中隊を町の一角に追い詰めた。
第2海兵師団戦区では、DPが不足していたため大きな動きはなし。先に突撃してきた日本軍中島少佐の切り込み隊によって第9海兵連隊の1個中隊が撃破されてしまう。そこで米海兵隊は艦砲射撃の支援を要請。艦砲射撃によってようやく切り込み隊を撃破することに成功した。

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6月15日1700

西の空を夕陽が赤く染めている。長かった1日が終わりを告げようとしていた。
波打ち際には両軍兵士の死体と上陸用舟艇の残骸が横たわり、生き残った兵士達や海から上陸してきた増援部隊が海岸から続々と内陸へ進んでいく。そして海上にはさらなる上陸部隊が上陸の順番を待っている。
チャランカノア市街地とその南方海岸地区では、米第4海兵師団が苦戦を続けている。第24海兵連隊のハリス大佐が砲弾の破片を受けて戦死した。チャランカノア市街地では、シャーマン戦車の小隊を指揮するロバート・H・マッカード特務曹長が獅子奮迅の働きを見せて日本兵を殺しまくり(うーわー・・・)、遂に米海兵隊がチャランカノア市街地全域を制圧した。

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つづく