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「大東亜共栄圏」 (以下、本作)は、2017年にボンサイゲームズから発売されたシミュレーションゲームだ。テーマはアジア・太平洋戦争で、1939~1944年までの期間を扱っている。マップはポイントtoポイント方式で、アジア・太平洋地区の主要地区が描かれている。マップの描かれている範囲は東はハワイ、西はカルカッタである。
ユニットのスケールは不明確だが、陸上ユニットは軍~方面軍(一部師団クラスもあり?)、航空機は1ユニット数百機、艦船は数隻から十数隻の艦隊を著わしている。1Turnは1年に相当する。

基本システムは所謂カードドリブンで、両プレイヤーはルールで指定された枚数のカードを自身で選択して受け取る。カードには実行可能なアクションがアイコンの形で記載されている。実行可能なアクションは、開発、生産、補充、戦略移動、海上移動、陸上移動、リアクション等があり、プレイヤーはお互いに交互にカードを出し合ってアクションを実行する。プレイヤーは途中で「パス」を宣言することもできるが、両方のプレイヤーが連続して「パス」した場合、手札に関係なくそのTurnのアクションは終了する。

本作で面白いのは、日本は宣戦布告する相手を自由に選択できることである。ゲーム自体は1939年からのスタートなので既に日中戦争は開始されており、中国は交戦国である。しかし米英は参戦していない(ちなみに英連邦諸国とオランダは、本作では英国として一括りにされている)。そこで日本は史実通り米英に宣戦布告するか、米のみ、あるいは英のみに対して宣戦布告する、さらには米英に全く宣戦布告しないといった選択が可能である。
勝利条件を考えると米英に全く宣戦布告しないというのは余り得策とは思えないが、米を外して英のみに宣戦布告するというのは一見すると良い手にも思える。しかし宣戦布告しなくても時間が経てば逆に米から日本に宣戦布告することが可能になってくる。さらに史実の真珠湾攻撃がないので、米海軍は強大なまま。さらには米から宣戦布告してきた場合には米側が先制奇襲の権利が得られるので、呉軍港に集結した聯合艦隊が米空母艦載機による集中攻撃で全滅する可能性がある。そして米軍がいきなり日本本土を直撃できるので、日本の継戦能力が破綻する可能性がある。さらに米に宣戦布告しないとマリアナからフィリピンのラインで日本はトラック、マーシャルラインと寸断される形となり、南方展開が著しく阻害されてしまう。結局の所、史実通り米が弱いうちに対米参戦し、真珠湾攻撃で米艦隊に一撃を加えて形成を有利にしておいた方が良いとも思える。いずれにしても大戦略のレベルで色々な選択肢があるこのゲームは楽しい。

今回1日の例会で計3回(その他途中やり直し2回)プレイした。いずれのプレイでも細かいルールミスがあり、完全なプレイではなかったが、それでも本作の面白さを堪能できた。最初の段階では、米軍が最終Turnを待たずに日本本土をサドンデスするとか、やはり1943年に米軍が沖縄を占領して南方資源地帯との連絡線を遮断してしまうとか、そんな感じで「日本軍勝目ないじゃん」的な展開であった(そもそも日本軍が米軍と互角に戦うこと自体異常なので、「勝目ないじゃん」でも無問題だと思うのだが・・・)。しかし日本軍が重慶占領に成功し、開戦奇襲でサモアを電撃占領してサドンデスする。あるいはラングーンを落として中国を南側から脅威し、昆明とカルカッタのCBI軍を慌てさせて戦争資源をそちらに引つけて米軍の反攻を遅らすなど。日本軍の戦略が見えてくると俄然面白くなってきた。結構細かいルールが多いので最初数回のプレイでルール適用ミスの可能性は高いが、1時間ほどで1ゲームが終わるので間違えればやり直せばよい。僅か1時間でアジア・太平洋戦争を堪能できるのは素晴らしい。機会があれば再戦してみたい作品である。
(ただし、超ベテランの方との対戦はご勘弁を)

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