もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 戦術級ゲーム

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Panzer Leader(以下、本作)は、米国Avalon Hill社(The Avalon Hill Game Co)が1974年に発表したシミュレーションゲームである。テーマは1944~45年の欧州西部戦線における戦術戦闘である。1Turnは実際の6分間に相当し、1Hexは250m、1ユニットは1個小隊に相当する。
今から約半世紀前の古いゲームであり、システムは比較的シンプル。両軍とも射撃、移動の順でプレイヤーターンを繰り返すシステム。射撃が移動の前に実施されるが、射撃を実施したユニットは原則として移動できない。従って防御側は通常敵よりも先に発砲できるものの、その場に留まっていれば生き残った敵から痛烈な反撃を食うことになる。

本作は東部戦線における戦術戦闘を扱ったPanzerBlitz(以下、PB)の姉妹編である。ただしPBよりも後発のため、いくつかの点でルールに改良が加えられている。まず制限付きであるが、臨機射撃が可能となった。PBでは臨機射撃ルールがなかったため、自身の移動中に敵から撃たれる心配がなかった。そのために物影から出てきて敵の目の前を横切った後、物影の向こうに姿を消す、という芸当が可能であった。しかし本作の場合、臨機射撃が可能なので、ノンビリ敵の目の前を横切っていると、敵から臨機射撃を浴びて酷い目に合う可能性が出てきた。

スポッティングに関するルールも変更になっている。PBでは市街地や森林などの障害地形にいる敵に対しては、そのヘクスに隣接しているユニットからしか見えない。本作でもその点は同じだが、森林や障害地形によるユニットが一度発砲すると、スポッティングマーカーがそのヘクスに置かれ、それ以降はどのヘクスに対する射撃が可能となる。従って本作では非力な偵察部隊を敵に接敵し、敵が発砲した所でスポッティングマーカーを載せて射撃を加える、という芸当が可能になっている。

その他、間接射撃、空爆、上陸作戦などのルールが用意されれおり、西部戦線における様々な戦術場面を再現できるようになっている。

今回、本作を対人戦でプレイすることになった。私にとっては正真正銘の初プレイとなる(PBはプレイ経験あり)。追加ルールの臨機射撃は採用したが、選択ルールは採用しなかった。

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S.17 セルの転回点

最初にプレイしたのは1944年12月25日におけるセルの戦い。米第2機甲師団とドイツ軍第2装甲師団の「第2対決」である。私はドイツ軍を担当した。

ドイツ軍の任務はセルに突入してくる米運を撃退すること。中央のマップに森があり、その間に道路が走っている。その森が戦場を南北に分けているので、南北それぞれで戦線が構築される。

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米軍は3つに分かれて全戦線で攻勢を仕掛けてきた。ドイツ軍は北部にパンター戦車を主力とする装甲部隊、中央の森林地帯には輸送車両と少数の歩兵、そしてそれを支援する自走砲などある。そして戦線南部には歩兵部隊を展開する。

ドイツ軍は防御側なので米軍の前進を待つのみ。対する米軍は徐々に前進してくるが、積極的に交戦せず、徐々に後退して時間を稼ぐ。

戦線右翼で米独の歩兵部隊同士が接触する。歩兵戦力で勝るドイツ軍が有利に戦いを進めているが、米軍も増援部隊を送り込んで攻勢を強める。

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結局3Turn頃までプレイしてみたが、両軍とも色々ミスをしたので、このシナリオはここでいったんお開きとした。

S.16 バストーニュ戦序章

次に選んだシナリオは、シナリオ16「BASTOGBE PRELUDE」。米第101空挺師団がバストーニュ東部で防衛線を構成し、それをドイツ軍戦車教導師団が攻撃するというシナリオである。両軍とも歩兵兵力が中心で、米軍にはM7プリースト自走砲が2ユニットとM5軽戦車が3ユニット、ドイツ軍はヘッツァー駆逐戦車と装甲車等数ユニットが機甲兵力の全てとなる。私は米軍を担当する。

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歩兵同士の白兵戦合戦になったが、ドイツ軍が押し切る形で勝利した。

S.18 バストーニュ戦包囲戦

次に選択したのはシナリオ18「BASTOGNE: SIEGE」。ドイツ軍戦車教導師団がバストーニュを守る米第101空挺師団に対して最後の総攻撃を敢行する。両軍とも機甲兵力を含む大規模な部隊が登場する。ドイツ軍の戦車は4号戦車とヘッツァー駆逐戦車。米軍はM10とM18ヘルキャット駆逐戦車を含む。またこのシナリオでは米軍に航空兵力(P-47サンダーボルト10機、L-5観測機1機)が登場する。私は独軍を担当した。

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このシナリオの勝利条件は独軍が米軍の戦線を突破して一番右端のマップに部隊を突入させることである。独軍は当初中央の森林地帯を歩兵で突破する作戦に出た。しかし米軍が装甲車の残骸で森林の道路を封鎖する「ダーティーな」戦術を実行。このゲーム、道路に残骸が3個残ると、その道路は使えなくなる。また車両は道路を使わず森林地帯を通過できない。かくして米軍は自軍装甲車の犠牲によって中央部の道路封鎖を達成する。うぐぐ・・・。

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ドイツ軍は攻撃目標を南のST.ATHANに変更する。その時、上空に米軍機が飛来した。4号戦車の車体に20mm4連装機関砲を搭載したヴィルベルヴィント対空自走砲が火を噴いた。1機のサンダーボルトが火を噴いて落ちていく。残った2機のサンダーボルトはヴィルベルヴィントを狙って急降下。ロケット弾の斉射を見舞ったが、出目は(米軍にとって)最悪の"6"。ヴィルベルヴィントは辛うじて生き残った。

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航空機による視認ルールには注意が必要である。我々が参照したHobby Japanの和訳ルールにはスッポリと抜け落ちているからだ。英文ルールで確認すると、航空機と地上部隊の視認は別として扱う、とある。つまり地上部隊が敵を「発見」しても、航空部隊が発見したことにはならないのだ(当時の貧弱な空地通信システムを考慮すれば納得できる話だ)。航空機同士で情報を共有することは可能である。また航空機が敵を発見するためには、平地の場合は30ヘクス以内なら自由、障害地形の場合は敵が射撃を行った場合に敵の10ヘクス以内にいる場合のみ、とある。要するに航空機が狙いたい敵が障害地形にいる場合には、その敵部隊の近くをマッタリと飛行し続けていなければならない。その間当然対空射撃の目標にはなってしまう。だから米軍としては最初に空爆で対空陣地を制圧した方が得策かもしれない。

ドイツ軍の機甲部隊はST.ATHANの市街地に向けて偵察用の装甲車を前進させた。ST.ATHANを守る米軍の砲火が装甲車に命中。装甲車は一撃で残骸と化す。しかし敵の発砲によって位置を掴んだドイツ軍は機甲部隊の全火力をSt.ATHANに集中した。4-1攻撃が見事に成功してST.ATHANの入り口を守っていた米軍守備隊は壊滅する。これによって突破口を得たドイツ軍は、バストーニュへ向けた突破が可能となった。

この時点で勝利を諦めた米軍の投了によって本シナリオは終了となった。

感想

かなり古いゲームなので、アラを探せばいつくも見つかるだろう。しかし好意的に見ると、様々な欠点があるにしても「現時点でも十分に遊べる好ゲーム」という印象を持った。また近年の同種作品に比べるとルールの軽さが圧倒的である。従って盤面一杯に広がるような大部隊を指揮していても、いわゆる「重さ」は殆ど感じない。むしろこのような大軍を縦横無尽に扱えるというのは、ウォーゲーマー冥利に尽きる。本作やPBが現時点でも数多くのファンの心を掴んでいる意味がわかったような気がした。

ちょっと議論になりそうなのはレーティング。確かに米軍が少々強い。特にシャーマン戦車の評価が高い。国防軍のパンターと76mmシャーマンがほぼ同性能と書けば、独軍ファンなら怒りを禁じ得ないかもしれない。本作の後に発表された国産の「装甲擲弾兵」が逆に極端に米英戦車を弱く設定しているのは、本作に対するアンチテーゼかもしれない。

いずれにしても本作は面白かったので、姉妹編のPBや「アラブ・イスラエル・ウォー」なんかもプレイしたいと思う今日この頃である。

M4 76mm

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The Enemy is at the Gates はCSSシリーズの新作(2020年10月現在、まだ出版されていませんが)で、テーマは1985年東西両陣営によるベルリン攻防戦です。実際には起こっていない戦いを描いたシリーズで、先日発売された Fulda Gap の続編ともいうべき作品です。

さて、そのFulda Gap。テーマはすごい魅力的なのですが、個々のルールを見ると物理的に何だか変。またゲームとしてみた全体像についても、ややバランスに欠けている感があります。そのあたり、次回作である The Enemy is at the Gates には期待が大なのですが、前作の印象があまりに良くなかっただけに・・・。

取り合えずFulda Gapで「変」だと思った点を列挙してみました。ちなみに以下の(1)~(4)については、Fulda Gapだけではなく、CSSシリーズ全てについて言えることです。

 (1) 小河川の効果が大き過ぎる。幅1メートルにも満たない水たまりに近いような小河川であっても、戦車の移動を完全に阻止してしまう。また移動だけではなく、対戦車ミサイルもこの「水たまり」を飛び越えられない。

 (2) 間接射撃の阻止効果が大き過ぎる。105mmクラスの対応で間接射撃を行うと、500m四方のヘクスが完全な通行不能地形になってしまう。だから砲兵1個中隊があれば、特定方向からの敵の進撃を完全に阻止できてしまいます。

 (3) 直接射撃の阻止効果が乏しい。本来現代戦なら砲兵等の間接射撃よりも戦車砲などの直接射撃の方が効果が大きいように思えるのですが、本作では完全に逆転しています。戦車の臨機射撃は1回きりなので、囮を使って敵に1発撃たせれば、もうあとは敵を無力化できます。例えば「装甲擲弾兵」や「オペドン」のように「対戦車戦は回数無制限で臨機射撃できる」とか、そこまで行かなくても「Old School Tactical」のように射撃は1Turnに2回まで実施できるとすれば、もう少し直接射撃が有効になると思えるのですが・・・。

 (4) 火災の効果が大き過ぎる。簡単に火がついてしまう上、一度火が付けばそのヘクス全体が通行不能地形になってしまう。防御側にしてみれば、いわゆる「火計」によって敵の進撃をストップできてしまいます。

 (5) 対戦車ミサイルが使えない。ATGMに最小射程距離ルールがあって、隣接ヘクスの敵を撃てません。しかし隣接ヘクスといっても距離500メートルは離れているのだから。ATGMで射撃するのに不都合はないと思いますが・・・。

 (6) これはあくまでも私の感想なのですが、「チョバム装甲を摩耗する」ルールが変に感じます。Fulda Gapでは、チョバム装甲を持つ戦車(米国製のエイブラムス)は、1発でも被弾すると「チョバム装甲を摩耗」して以後防御力が低下します。確かにWikipedia等では、チョバム装甲は複数被弾に弱い、ような記述がみられますが、たった1発の被弾で「剥離」するほどのものかなぁ・・・?。それとも近年何か新説が発表されたのかしらん・・・。

 (7) 電子戦の効果が過激すぎてゲームとしての興を殺いでいる。これはシミュレーション云々ではなく、ゲームとしての処理の問題です。


とまあ、色々書きました。
最後の(6)(7)はとにかく、それ以外の問題はかなり重大な問題と考えます。新作The Enemy is at the Gatesでそのあたりの問題が解消していれば「買い」なのですが、そうでなければ見送った方が良いかもしれません。

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The Fulda Gap(以下、本作)は、Compass Games社が2020年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは20世紀後半に起こり得た西ドイツにおける東西両陣営の対決で場所はフルダ峡谷。かつて米ソ両軍による地上部隊同士の決戦場とみなされていた場所だ。

今回、その中からシナリオ2「The Thin Black Line」をVASSALでソロプレイしてみることにした。なお、今回はハウスルールの類は一切利用していない。全て(私が理解している範囲での)デザイナー公認ルールでプレイした。

前回まで-->こちら

1985年8月1日

1500

Sov_241G_3_3 状況が動いた。米軍の間隙を抜けてソ連軍2個師団が続々と突破を果たしていく。それを阻止すべく米第11機甲騎兵連隊だが、ソ連軍2個師団の砲兵部隊が間接射撃の猛烈な弾幕を騎兵たちに浴びせかける。砲火を浴びて身動きが取れなくなる。これまでNATO側の強い味方だった砲兵火力が、今やソ連軍の突破を助ける存在となっていたのだ。砲火にすくむ米兵の側面をすり抜けてソ連軍の戦車や歩兵戦闘車が殺到してくる。M1エイブラムス戦車の砲火が何両かのソ連歩兵戦闘車を撃破したが、ソ連軍は損害を無視して強引に突破してきた。

「ブラックホース達は地獄の真っただ中にいた」

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US_11_2_FSEソ連軍の一部が遂に盤端に到達した。米第11機甲騎兵連隊は今や散り散りになり、主要な交差点で散発的な抵抗を続けているに過ぎない。しかしソ連軍も西方へ向けた突破に難渋していた。前線を覆う砲煙や山を覆う火炎地獄、そして各地から西へ向けて群れを成して移動する避難民たち。これら西へ向かうソ連兵の進撃を阻んだ。一部ではソ連軍の戦車や歩兵戦闘車が避難民の群れに飛び込んで、これを強引にひき殺す場面も見られたが、そのような暴挙はソ連軍にとって利益になるものではなかった(避難民のヘクスにソ連軍が進入すると避難民は除去されるが、その時NATOは2VPを得る)。

「ブラックホース達は本当の地獄が何なのかを知った」

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感想

Maker_OnFireダイス判定の結果、このTurnでシナリオは終了となった。ソ連軍はNATO側の戦線を食い破ったが、VP的にはNATOの46VPに対してソ連軍は16.5VPでNATOの圧勝となった。ソ連軍ユニットの損失によるVPが大きいため、ソ連軍はユニットを失わないような戦い方が求められるが、それがなかなか難しい。特に序盤に登場する機械化歩兵連隊は、その主力がBMPやBTRといった歩兵戦闘車/装甲兵員輸送車なので、NATO側戦車からの射撃に対して脆い。勢いソ連軍としてはへっぴり腰の前進にならざるを得ないが、そうなるとNATO戦線を突破するのが困難になる。困ったものである。

今回のプレイの目的は、本作のオリジナルルールで果たしてソ連側に突破の可能性があるかどうかを検証することであった。従って河川効果についてはオリジナルのまま(小河川渡河禁止、ATGMは水系越えで攻撃できない)としている。一部に評判の悪い西ドイツ軍国境守備隊ルールもオリジナル通り(シナリオ期間中ずっと有効)としている。
今回の結果を見る限り、オリジナルのままでもソ連軍がある程度突破することは可能だ。もちろんそのためには一定以上の幸運が必要であり、そのような幸運に恵まれなかった場合、ソ連軍が国境付近で進撃をストップさせられてしまう可能性はある。

改めて本作について考えてみると、砲撃や火災の効果が大きすぎて機動戦の醍醐味が損なわれていることは否定できない。また小河川や坂道の地形効果は過剰であり、機甲部隊の自由度を大きく阻害している。前作Montelimarをプレイした時にも少し感じたが、CSSのシステムは機甲戦闘を再現するにはやや不向きであり、どちらかと言えば歩兵と砲兵が主役の戦場を再現するのに向いているのではないかと思う。Montelimarの場合は、両軍ともまだ歩兵の割合がそれなりに多かったので顕著な問題にはならなかった。しかし本作のように登場部隊の全てが機械化した戦場を再現するには、CSSのシステムはミスマッチだという感を抱いてしまう。

なお、本作のプレイ中に小河川に関するルールで大幅な改定があったことを知った。物理的モデルの再現性という観点では、元々の小河川ルールは効果過剰であり、ルール改定は妥当にも思える。しかしこの改定がシナリオのバランスに大幅な影響を与えることは否めないだろう(ソ連軍の進撃がより容易になる)。

「ゲームバランスは大丈夫か?」
「今までのテストプレイの結果は何だったのか?」

と、様々な疑問が頭をよぎってしまう。

取り合えず本作については一旦封印し、安定版のルールが発表されるまで待った方がよさそうだ。

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The Fulda Gap(以下、本作)は、Compass Games社が2020年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは20世紀後半に起こり得た西ドイツにおける東西両陣営の対決で場所はフルダ峡谷。かつて米ソ両軍による地上部隊同士の決戦場とみなされていた場所だ。
今回、その中からシナリオ2「The Thin Black Line」をVASSALでソロプレイしてみることにした。なお、今回はハウスルールの類は一切利用していない。全て(私が理解している範囲での)デザイナー公認ルールでプレイした。

前回まで-->こちら

1985年8月1日

0900

Sov_27G_Heloソ連軍に増援が登場する。第27親衛機械化師団所属の第243親衛機械化歩兵連隊(243GMRR)だ。BTR80兵員輸送車とT-62M主力戦車を主要装備とする部隊である。
そしてこのTURN、ソ連軍は幸運に恵まれた。DPチェック2回実施していずれも成功したのである。27GMRD(第27親衛機械化師団)のDP値は5に回復した。

最初に引いたのが「航空任務」。NATO軍はVPを支払って強引にF-15部隊を登場させた。制空権を1点NATO側に戻す。
ソ連軍はヘリ部隊を投入した。スパイラルATGMで自走砲部隊を攻撃する。そして遂に米軍の自走砲1ユニットを葬った。

次が「11Cav」、すなわち第11機甲騎兵連隊である。弾幕射撃を浴びせる。しかし自走砲1ユニットが失われていたのでやや弾幕が薄い。

「何やってんの、弾幕薄いよ」

次がソ連軍の「68GMRR」である。弾幕が薄くなった間隙を縫って機械化歩兵中隊が前進する。

続いて「風」が吹いて弾幕が吹き払われた。そこでNATOが「11Cav」で割り込みをかける。弾幕射撃によって新たな阻止線を形成する。

次は「電子戦」を引いたが、両軍とも失敗。
その後「第5軍団」が出てNATOの重砲部隊が弾幕射撃を浴びせかける。

US_11_Leader_Driskill次は「無作為イベント」。「ソ連狙撃兵による射撃」が出た。11Cavの連隊長であるDriskillが撃たれた 。能力+2のリーダーが失われたのは、NATOにとっては痛い。

次が「ソ連直接命令」。ソ連軍部隊の一部が前進して突破口を伺う。

次がソ連軍の「243GMRR」である。Rendaの丘に布陣した敵指揮官ユニット(Driskillの代替指揮官)を直接射撃で撃破し、遂に突破口を開いた第243GMRRは戦線中央を突破した。11Cavの後方に回り込んでこれを包囲せんとする。

下図がTurn終了時点の状況だ。戦線が中央部で食い破られた。11Cavは一部が後方を遮断されて包囲の危機に瀕している。

「ブラックホース達は今や地獄の入り口に立っていた」

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1100

Sov_28G_2_1 ソ連軍は第27親衛機械化歩兵師団の3個連隊が総登場し、国境線を超えて米軍を圧迫している。一部のソ連軍部隊は敵中に突入し、要域ベーブラ(Bebra)を占領していた。さらに第2の師団である第57親衛機械化歩兵師団も、その一部が盤上に登場している。
一方の米軍。次第に西方に圧迫されつつあるが、先に包囲されていた戦車中隊の多くは敵中を突破して後退に成功。ソ連軍部隊の西側で新たな防衛ラインを構築しつつあった。さらに言えば、両軍の砲撃によって各地に発生した火災が広がりつつあり、両軍の移動を妨げていた。

「ブラックホース達は地獄から逃れようともがいていた」

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Sov_27G_GSPここで重大な事実は判明した。本作で散々問題になっている小川の効果がエラッタで修正されているというのだ。今まで小川は「橋がないと渡河できない」存在だったし、対戦車ミサイルは「小川を通過できない」となっていた。しかし エラッタ によると、小河川は追加の移動力消費で渡河できるし、対戦車ミサイルは水障壁を飛び越えて撃てるようになったという。
これはかなり重大な変更なので、どうしようかと迷ったが、取り合えずこのプレイは古いルールのままプレイを続けることにした。


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確かに幅数フィートの小河川を渡河するために上図のような重装備が必要とするオリジナルルールが、些か異常であることは否定しないが・・・。

Maker_Chit_EWこのTurn、最初に11Cavが出た後、次に引いたのが電子戦である。しかも電子戦でNATOが勝利してしまったのだ。電子戦に勝利した場合、勝利した側は自由にチットを選ぶことができる。さらにいえばこのTURN、勝負に出たソ連軍は、各師団が3DPを消費してチットを2枚ずつカップに入れていたのだ。この分では折角のチットが無力化されてしまう恐れがある。否、そうなる公算が大なのだ。

このあたりのイベントの強烈さが本作を含めたCSSシリーズに対する印象を悪くしている感は否定できない。Montelimarでも敵ユニットを無条件に降伏させる無敵のヒーローやイベントによってDPが急に増えたり減ったりする。イベントは「隠し味」程度にしておいた方が良いと思うのだが・・・。

電子戦のおかげで有利なチット引きを行うNATO軍。しかし兵力に勝るソ連軍は強引に西へ向かう。11Cavは最前線の陣地を捨てて後退を実施。殆ど部隊が第2線に下がった。しかしソ連軍の一部も米軍の後退に合わせるように進撃を実施。さらにヘリのミサイル攻撃によって2両目の自走砲を撃破した。

「ブラックホース達は地獄の入り口で踏みとどまっていた」

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写真10


つづく

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The Fulda Gap(以下、本作)は、Compass Games社が2020年に発表したシミュレーションゲームだ。テーマは20世紀後半に起こり得た西ドイツにおける東西両陣営の対決で場所はフルダ峡谷。かつて米ソ両軍による地上部隊同士の決戦場とみなされていた場所だ。

本作については既に何度か紹介してきた。

シナリオ1ソロプレイ
シナリオ4対戦
シナリオ5対戦


これまでの戦いでは、残念ながら本作の欠点が目に付いてしまった。私及び私以外の参加者についても、本作に対してあまり良い印象を持つには至らなかった。

曰く「砲撃が強すぎる」
曰く「小川を戦車が超えられないのはおかしい」
曰く「米軍部隊が強力すぎる」
曰く「火災が邪魔で前に進めない」
曰く「電子戦は面倒」

等等。

批判の多くは本作におけるNATOとソ連軍の能力差に関するものであった。
確かに本作のシステムは様々な面でNATO側が有利な内容になっており、ソ連側で勝利を得るのは難しい。これまでプレイしたシナリオのいずれについても戦場での勝利者はNATO軍であった。

とはいえ、本作は非常に興味深いシステム、興味深いテーマを扱った作品なのでこのまま埋もれてしまうのは如何にも惜しい。とはいえ私は基本的には「デザイナーの考え方を尊重したい」派なので、気に入らないからルールをちょこちょこ変えよう、というプレイスタイルにはあまり合意できない(まずは「何もつけずにお召し上がりください」)。取りあえずはデザイナーの考え方を理解した上で、合意できる・合意できないと判断してみたい。そのためにはデザイナーが提唱するルールを忠実にトレースしてプレイしてみたい。とはいえ、今まで散々な目にあったプレイヤーを集めて再び再戦するのも難しい。さて、どうしたものか・・・・。

そんなことを思いながら本作のシナリオブックをつらつら眺めていると、気になるシナリオが目に付いた。シナリオ2「The Thin Black Line」である。これは、以前に紹介した シナリオ4「Hold The Line At All Costs!」
に似ている。シナリオ4との違いは、扱うプレイ期間がシナリオ4は4日間に対し、こちらは僅か半日である。また登場する部隊もNATO軍は米第11機甲騎兵連隊(11Cav)と若干の付属部隊のみ。シナリオ4よりもNATO軍は遥かに弱体化している。対するソ連軍はシナリオ4の序盤兵力とほぼ変わらない。

「これなら、NATOが本当の地獄を味わうことができるのではないか」

そんな期待を込めながらシナリオに書かれているデザイナーのコメントを読んでみると・・・。

「ここには第11機甲騎兵連隊の本物の任務が描かれている。これはNATOにとって大変ハードなシナリオだ。私はバランス調整を試みたが、NATOにとって開戦初日がいかにハードであるかを否定することはできない」

よし、決めた。このシナリオにトライしてみよう。これでダメなら・・・、このゲームは一旦封印しよう。

なお、今回はハウスルールの類は一切利用していない。全て(私が理解している範囲での)デザイナー公認ルールでプレイした。

1985年8月1日

開戦前移動

ゲーム開始前にNATO軍の事前移動がある。ダイスで移動回数を決定する方法と中間値を用いる方法の2種類があるが、今回は中間値を使用した。ランダム性を避けるのが目的である。事前移動後における11Cavの展開状況が下図である。これで一応WP軍が突破できない形に布陣しているはず。

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Sov_68GMRR_HQ最初にソ連軍第68機械化歩兵連隊(68GMRR)のチット(「68GMRR」)を引いた。ソ連軍にとっては期待通りの展開である。進撃を開始した68GMRRに対して丘の上に布陣していた11CavのM1エイブラムスが距離6Hex(3000m)の遠距離射撃を実施。早くも偵察中隊が直撃を受けて撃破されてしまう。それでも68GMRRは11cavに接敵し、その射撃範囲を封じた。CSSシリーズ共通ルールとして敵に隣接されたユニットは、射撃範囲が隣接ヘクス限定となってしまうのだ。

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US_11_3_M続いて「NATO直接命令」。M109自走砲3ユニットが猛烈な間接射撃を開始。ソ連軍の進撃路を阻む。そして接敵してきた敵に対してM1エイブラムスが直接射撃を浴びせる。BMP1 2ユニットが戦車砲の直撃を受けて四散した。早くもソ連軍の損害は3ユニットに達する。前途多難なソ連軍である。

さらに「11Cav」チットが続く。砲撃はなおも激しさを増し、68GMRR前面には激しい弾幕射撃が浴びせかけられる。高地に布陣するM1エイブラムスも猛烈な射撃を継続し、さらにBMP1 1ユニットを撃破、歩兵戦闘車とT80戦車各1ユニットを潰走させた。

Sov_MiG21次に引いたのは「航空任務」。WP側のMiG-21が制空任務で登場する。MATO側の戦闘機が登場しなかったため、制空値がWP側に1有利になる。さらにWP側の攻撃ヘリが出撃する。NATOの防空網を掻い潜って飛来したMil-24 Hindが戦場に到着。米自走砲部隊に対してスパイラルミサイルによる攻撃を実施した。攻撃に気づいた自走砲はスモークディスチャージャーで煙幕を展開して危うく難を躱したが、煙幕弾を撃ち尽くした。やばいぞ。

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次は「無作為イベント」。WP軍の弾薬不足。進撃を開始していきなり弾薬不足とは一体・・・。これが共産主義の非効率性というやつか。

Sov_68G_Eng次に「風」が吹いて弾幕が吹き払われた。そこでNATO側は2DPを消費して「11Cav」の割り込みを実施した。またもや激しい砲撃が浴びせかけられ、ソ連軍が動けなくなる。さらにとうとう山火事も発生した。そしてソ連軍にとって貴重極まりない工兵部隊がM1エイブラムスの直接射撃によって撃破されたのも痛かった。

次は「ソ連直接命令」。しかしソ連側の部隊は砲撃によって拘束されているため大きく動けない。68GMRRの砲兵部隊が反撃の砲火を浴びせるのが精いっぱいであった。

最後に引いたのが「電子戦」。どちらも電子戦での優位を獲得できなかった。

ここで最初のTurn終了である。現時点では叩かれっ放しのソ連軍。未だに光明は見えない。そして

「ブラックホース達は未だに本当の地獄を知らない」


写真04


つづく

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