もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 戦術級ゲーム

UK_U_Carrier


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

前回 はキャンペーンシナリオの序盤戦を紹介した。その時、選択ルールの採用がバランスをより悪化させているという意見が出たため、改めて選択ルールなしでキャンペーンシナリオを仕切り直すことにした。

私の担当は前回同様ドイツ軍である。

ここまでの展開 --> こちら

6Turn

UK49D_6pdr_AT_7DWR第12SS装甲師団戦区で防衛線の一角が破られた。英軍部隊がフォントネ村の東北端を占拠し、そこに拠点を構えたのである。同師団所属の4号中戦車は敵対戦車砲と激しく交戦。6ポンド対戦車砲2ユニットを撃破したが、敵の反撃によって4号戦車も2ステップの損害を出してしまう。あー、やはりティーガー重戦車が欲しい・・・。
敵対戦車砲の脅威を受けて、ドイツ軍戦車部隊はボウデル川のラインの南に下がる。

OpD16


7~8Turn

GE12SS_SP_12_26独軍戦車の後退によって戦車同士の戦闘がなくなったため、ゲームが淡々と進むようになった。英軍は確実にフォントネ村の支配領域を広げていくが、ドイツ軍も撤退しつつ英軍に損害を強いていく。
麾下歩兵の損害に業を煮やしたのか、途中から英軍はAFVだけによる通常戦闘で土地の占領を図ってきた。この方法は有効で(理由は後述)、英軍は大きな損害を受けることなくフォントネ村の支配領域を拡大していく。
ドイツ軍は第10Turnになると第12SS装甲師団に所属する強力なパンター戦車等を投入可能になるので、それまでは忍の一手だ。

第8Turnの終了時点までプレイして英軍はフォントネ村の5Hexを支配下におさめた。フォントネ村全体で14Hexなので、約1/3を支配下に置いたことになる。勝利条件的には、やはり独軍の勝利であった。

今回のプレイ時間はセットアップを含めて約8時間。デザイナーの見積値の約2倍である。

OpD17


教訓

今回のプレイで得た教訓をいくつか列挙してみた。

・戦車を単独で配置してはいけない。敵戦車スタックの良い餌になる。
・アクション終了時点における友軍装甲車両の配置に注意。敵前に放置していると敵側のアクションフェイズと戦闘フェイズで2回タコ殴りされるので、不用意に前線には置かない。
・歩兵の回復(ルール13.3)は重要。ステップロスした歩兵は速やかに後退させ、回復によりステップ回復させるべきである。補充(ルール13.2)よりも速やかにかつ確実に回復できる。適用範囲が広い(キャリア小隊やスカウト小隊も回復可能)な点にも注意せよ。
・平地から攻撃する際には可能な限り築壕すること。DRM-1の効果は予想以上に大きい。
・英軍は平地に歩兵2個中隊以上をスタックさせてはいけない。間接砲撃の好餌になる。
・通常戦闘の際、AFVのみによる攻撃は、意外と有効である。何故ならAFVは通常戦闘の戦闘結果の適用対象外になるので、攻撃側にリスクが殆どないのである(一寸ズルい気もしなくはないが)。
・通常戦闘で敵の後退が予想される際、後退路に平地(畑)があるのであれば、そこを射撃できる友軍ユニットを残しておくこと。後退時の干渉射撃(FF)によって損害を強いることが期待できる。
・ドイツ軍の場合、重戦車/重駆逐戦車と通常の中戦車をスタックのは有効である。重戦車/重駆逐戦車が敵戦車/対戦車砲からの盾になってくれる(撃破された時のショックが大きいので運用は慎重になるべきだが)。

感想

未だにドイツ軍が有利過ぎる感が強い。選択ルール19.1は個人的に好きなルールなのだが、ただでさえドイツ軍有利なゲームなので、対人戦では上記選択ルールは封印した方が良いのかもしれない。何とか英軍側の勝ち筋が見えてくれば良いのだが・・・。現時点では英軍にとって辛いゲームという印象は変わらない。キャンペーンシナリオで英軍を担当する場合には、強靭な精神力が必要になるだろう(あるいはキャンペーンシナリオ以外をプレイする手もある)。
とはいえ、本作のシステムはWW2における機甲戦闘を再現するのに極めて優れたシステムであると言える。システム面で本作の優れた点はいくつもあるが、小隊~中隊規模の戦術級ゲームでありながら戦車の性能や性格の違い(例えばティーガーとヤクトパンターの違い、ファイアフライの優秀さ等)が見事に再現されている点。あるいは歩兵戦車共同の重要性の再現。さらには大兵力による突撃が容易に大虐殺に変わってしまう点を見事に再現している点は感嘆するしかない。ライバルであるCSSが「砲兵のゲーム」であって機甲戦闘の再現性が今一つだったのに比べると、本作では戦車同士のハードバトルが見事に再現されている。もちろん、歩兵や砲兵に関する再現性も素晴らしい。ゲームバランスの面を除けば、本作は現在プレイ可能な小隊~中隊クラスの戦術級ゲームではベストワンだと思う。

惜しむらくは、(ゲームバランス以外の点として)「ドーントレス作戦」という些かマイナーなテーマを扱っているためにプレイされる機会が少ないこと。また連合軍の雄である米軍とロシア軍が登場しないことが挙げられる。できればこのシステムを流用して米独戦(ノルマンディとかアルデンヌとか)や独ソ戦テーマの作品をデザインして頂きたいものである。
あるいは現在戦(今流行の198x年WW3テーマ)等も面白そうだ。

M4

OpD00


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

前回 はキャンペーンシナリオの序盤戦を紹介した。その時、選択ルールの採用がバランスをより悪化させているという意見が出たため、改めて選択ルールなしでキャンペーンシナリオを仕切り直すことにした。

私の担当は前回同様ドイツ軍である。

OpD11


1Turn

英軍は前回の教訓により第1Turnは積極的な攻撃を行わない。フォントネ村の前面に進出して様子を伺う。

2Turn

GE12SS_Pz4_8_Pz12「今回はオーソドックスにプレイします」

という舌の根も乾かぬうちに、英軍プレイヤーは奇策を弄してきた。戦車を広く散開させて独軍陣地帯の後方に展開せしめてきたのである。しかしこの戦術は独軍にとってはチャンスである。散開した戦車は、戦車同士の接近戦に脆いのだ。4号戦車3個小隊をスタックした打撃部隊を編制したドイツ軍は、シャーマン戦車の小隊に対して接近戦を挑む。最初のシャーマンとの交戦で1ステップロスの損害を与えてこちらは無傷。幸先良し、ということになるが、シャーマンを殲滅できなかったため、突撃はこの時点で頓挫してしまう。ちょっと残念である。

OpD12


3Turn

UK8B_FireFly_A_24Lさすがに英軍は戦車を散開させる不利を悟ったのか、戦車を集結させて歩兵によって援護させる態勢に入った。この態勢だと独軍としても軽々しく接近戦を仕掛けることができなくなる。それでも独軍は強敵ファイアフライ戦車に打撃を与えるチャンスと見、霧の中、ファイアフライのスタックに対して戦車同士のドッグファイトを挑んだ。運命のチット引き。しかし霧の中なので攻撃側が有利な近接戦闘であったが、あまり良いチットが出なかったので戦車戦は不発に終わってしまう。

OpD13


4Turn

次のTurnから霧が明ける。敵中深くに入り込んでいた英軍はスリスリと撤退していく。また英軍はフォントネ村前面に突撃用の塹壕戦を構築。次turnにおける総攻撃準備に入る。

OpD14


5Turn

GE12SS_AT_12_26霧が晴れ上がった。青空に覆われたフォントネ村の前面では、激しい戦いが巻き起こる。
まず戦線右翼で戦いの幕が上がった。最前線に進出していた独軍装甲車に対してシャーマン戦車が射撃を加えてきた。装甲車は命中弾を受けて爆発する。それを見たドイツ75mm対戦車砲。シャーマン戦車に対して報復の射弾を見舞う。

「一撃必殺」

を期待したが、無情にも出目は低く、攻撃失敗。それを見たシャーマン戦車が75mm砲に対して反撃を仕掛ける。

「トーチカに守られた75mm砲が簡単に撃破されるはずはないさ」

と高を括っていたドイツ軍プレイヤー(筆者)は、英軍のダイス目に見事に裏切られる。英軍が出した出目はなんと"12"(2d6)。期待の75mm対戦車砲は序盤でアッサリと撃破されてしまった。これにより戦線右翼でシャーマンの跳梁を阻む手段が(一時的に)なくなってしまう。

ちなみに後で計算してみると、トーチカに守られた対戦車砲をシャーマン戦車の反応射撃で撃破できる可能性は、約8%(2d6で11以上、火力5の場合)であった。

戦線右翼でも英軍による跳梁が続く。装甲車やハーフトラックとシャーマン戦車では勝負にならない。霧が晴れる前に装甲の弱い車両群を後方に下げるべきであったか、と、後悔するドイツ軍であったが、後の祭り。白兵戦でのAFV支援効果に期待したドイツ軍の貧乏根性が裏目に出た感がある。ドイツ軍が失った装甲車/ハーフトラックは合計6ステップにも及んだ。
それでもフォントネ村を守るドイツ軍歩兵は善戦を見せ、各地で英軍の攻撃を撃退。強力な盤外砲撃を使って英軍に出血を強い続ける。フォントネ村の1ヶ所で防衛ラインを食い破られたが、その後の白兵戦で街の一角を取り返した。

GELehr_2_654ドイツ軍は増援としてヤークトパンター駆逐戦車を装備した第654重駆逐戦車大隊と4号戦車装備の戦車中隊を増援として投入した。前回活躍したティーガー重戦車は、コスパが良くない(選択ルールなしなので練度優越が使えない)ので今回は投入を見合わせる。

ティーガーは1ユニット(1ステップ)あたり3円、ヤークトパンターは同2円、4号戦車は同1円である。ティーガーは論外としても、ヤークトパンターも「割高」感は拭えない。しかし敵対戦車火器に直面した際、やはり重戦車/重駆逐戦車の重装甲は頼もしい。数が必要な分では4号戦車を揃え、強力な敵を排除する際には重戦車/重駆逐戦車と組み合わせる。いわゆる「ハイ&ローミックス」戦法が有効であると感じた。

重駆逐戦車と4号戦車の組み合わせは効果的で、前線に現れたシャーマン戦車に痛打を浴びせ続けた。シャーマン戦車6ステップと6ポンド対戦車砲2ユニットを撃破。こちらは4号戦車2ステップを失ったのみであった。それでも装甲の弱い4号戦車が6ポンド対戦車砲を前に逡巡する場面も見られ、対戦車砲の厭らしさを感じた。

OpD15


つづく

OpD00


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。
本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。


前回 キャンペーンシナリオの練習としてソロプレイを紹介したが、今回は対人戦を試してみることにした。
選択したシナリオは、18.5「The Campagin Game Operation Dauntless」。1944年6月25日から始まるドーントレス作戦全般を扱った本作最大のシナリオである。
下名はドイツ軍を担当し、選択ルールは19.1「射撃統制」及び19.11「対砲兵射撃」を採用した。またプレイの前にシナリオ18.4「The Battle for the Parc」を2Turnほどプレイし、ルールの感覚を確かめた。

OpD01


1Turn

UK49D_B_Linc以前にも紹介したが このシナリオの最初の4Turnは濃い霧の中の戦いとなる。長射程兵器は一切使えず、隣接ヘクスすら射撃できない。攻撃方法は近接突撃(移動中に敵のヘクスに突入して戦うやり方)のみに限定され、その他の手段では敵を攻撃できない。
また第1Turnのみに適用されるルールとして、英軍の移動支援砲撃ルールがある。英軍の突撃直前の支援射撃を表現するルールで、第1Turnのみ近接突撃時に英軍側に有利な2シフトが得られる。
上記ルールに関連し、ある特定のヘクスに配置される英軍部隊は第1Turnに真っすぐ南に向けて移動し、ぶつかる敵に近接突撃を仕掛けなければならないルールがある。いわゆる「万歳突撃」ルールだが、2シフトが使えるので有利にも思えるが、ドイツ軍の堅固な防衛ラインにまともにぶつかることになるので、どこまで有利なのかはわからない。

今回英軍は支配下の3個歩兵大隊全力を以てフォントネ・ル・プネル(以下、フォントネ)のドイツ軍陣地に対して正面攻撃を実施した。しかし拠点に陣取るドイツ軍の防衛ラインは堅固であり、英軍は大損害を被り撃退された。英軍はフォントネを1ヘクスも占領できず、あまつさえ歩兵戦力多数を失うことになったのである。ドイツ軍の損害は歩兵支援用の装甲車2ステップのみであった。

OpD02
OpD03

2Turn

UK79AD_Churchill_141RACフォントネの正面突破が困難だと悟った英軍は、ドイツ軍の両翼を突破して戦線後方への雪崩れ込みを図る。戦線左翼(ドイツ軍から見た場合、左翼は西側)では、LINC歩兵大隊(薄緑)とHAL歩兵大隊(濃緑)がボウデル(BORDEL)川の浅瀬を渡って戦線後方に進入。こちたは渡河点をドイツ軍が押さえていたので、歩兵戦力のみによる浸透戦術だ(装甲車両は橋がないと川を渡れない)。

戦線右翼では、水障壁はないため、ドイツ軍戦線の外側を大きく迂回したRSF歩兵大隊(橙色)大隊がSRY戦車中隊所属シャーマン戦車の援護を受けつつフォントネ村の背後に回り込む。

OpD04


さらに英軍はチャーチル重戦車の改良型であるAVREとクロコダイル火炎放射戦車を増援として投入した。頑強なドイツ軍陣地に対する突破戦力の切り札を期待してのことである。

GE_Tiger_1_101ドイツ軍はなけなしの増援ポイントを投入して第101重戦車大隊所属のティーガー戦車3ユニットを増援として投入。戦線右翼に無造作に展開していたシャーマン戦車に対して果敢な近接突撃を敢行した。選択ルール19.1を採用していた効果もあって練度に勝るティーガー戦車(あのミハエル・ヴィットマンSS大尉が所属している)の威力は凄まじい。シャーマン戦車4ステップ(2個小隊)が瞬時にスクラップと化し、ティーガーの方は完全に無傷である。

OpD05


German_Michael_Wittmann_Tiger1


3Turn

UK49D_CP_RSFシャーマン戦車の損害に驚いたのか、英軍も戦車単独での布陣を改め、戦車と歩兵をスタックさせた。こうすることによってティーガーの練度面での優位を打ち消すことができるようになり、練度・性能に劣るシャーマン戦車でも反撃の可能性が生まれてくる。
連合軍は戦線後方での浸透戦術をさらに推し進め、ドイツ軍が守るテセルの森の一角を占領した。
戦線右翼では英RSF歩兵大隊が大きく迂回して戦線背後を伺う。

OpD06


4Turn

このTurnが霧の最終Turnである。英軍はドイツ軍の分散を強いるべく敵中後方に広く散開していた。
またフォントネ正面では、チャーチルAVRE特殊戦車に支援された部隊が、近接突撃によりフォントネの一角を漸く占領した。
ドイツ軍の方は、対戦車火力を強化するため第654重戦車駆逐大隊所属のヤークトパンター1ユニットを増援として投入した。そして重要拠点を中心に拠点防御を固めていく。

OpD07


JagdPanther_1944


5Turn

UK79AD_Churchill_82_RE 霧が晴れた。英軍はチャーチルAVRE特殊戦車を支柱としてフォントネの制圧地域を広げてく。またシャーマンはファイアフライ戦車もそれを直接・間接に支援する。ドイツ軍の戦車兵力はフォントネ正面には投入されておらず、フォントネ後方に回り込んだ英軍の殲滅に躍起となっていた。そのためフォントネ正面は連合軍戦車が跳梁する所となり、ドイツ軍の軽装甲戦闘車両は、連合軍戦車を避けるべく後退する他なかった。こうしてAFVよる優位を得たフォントネ正面の連合軍は、少しずつその占領地域を拡大していった。

フォントネの後方ではドイツ軍戦車の天下である。4号戦車やティーガー重戦車が連合軍の後方を断ちつつ包囲下にある英SRY戦車中隊のシャーマン戦車をなぶり殺しにしていた。連合軍は反撃したくても、下手に反撃するとARCによって倍返しを食らってしまうので、やられるがままであった。この戦線で失われたシャーマンはこのTurnだけで3ステップ(1.5個小隊)にも及び、その他歩兵部隊も3ステップを失っていた。

OpD08


6Turn

GE_ART_88mm英軍は歩兵1個大隊(DLI大隊=薄青)を増援として投入し、フォントネへの正面攻撃を実行した。しかし平地に2個歩兵中隊をスタックさせたことが致命傷になる。280mmロケット砲を含む強力な砲兵戦力を投入したドイツ軍。その間接射撃が致命的な威力を発揮した。突撃部隊は砲撃により大損害を被り、その上で低比率攻撃を強いられたため、歩兵2個中隊とキャリア1個小隊が壊滅。DLI大隊は一瞬にして戦闘能力を喪失した。
同じ頃、フォントネ南方へ浸透中であった英SRY戦車中隊とRSF歩兵大隊はドイツ軍の包囲攻撃を受けていた。重装甲を誇るチャーチルAVRE特殊戦車は、ドイツ軍の包囲を破って撤退を図ったが、ドイツ軍4号戦車からの射撃を側面後方から受けて撃破されてしまう。また先ほど来ドイツ軍戦車の攻撃を受けている英SRY戦車中隊のシャーマン戦車は、火力に勝るドイツ戦車の包囲攻撃を受けて壊滅した。また英RSF歩兵大隊の方も3個目の歩兵中隊を失い「崩壊」の適用を受けた。

OpD10
OpD11


この段階で英軍は攻撃力が失われたと判断。この時点でお開きとした。

感想

ここまでの所要時間はセットアップを含めて約6時間である。このシナリオは両軍とも大部隊同士が登場するが、所要時間としてはデザイナーの主張する見積値の約2倍であった(デザイナー氏は1~7Turnのシナリオで所要時間3~4時間と主張している)。

今回の展開としては、前回のソロプレイとほぼ同様の展開となった。正面攻撃の危険、兵力分散の不利などはソロプレイで判明していたので、英軍が兵力を散開させてきたときもそれほど慌てることはなかった。むしろフォントネに対する衝撃力が殺がれるので、兵力分散は有難いともいえる。勿論渡河点や制高点といった重要拠点は敵に奪われないようにする必要があることは言うまでもない。
勿論英軍としても独軍に散開を強要させるという意味で分散攻撃は有効だと思う。ただしあくまでも主攻勢はフォントネに向けられるべきであろう。

ちなみに英軍プレイヤーから選択ルール19.1は独軍に有利過ぎるのではないかという意見が出た。確かにこれまでの展開を見ていると本シナリオは元々独軍が有利な上、19.1を入れると練度に勝るドイツ軍がさらに有利になることは否めない。そういった意味でゲームバランスを取るという観点からは「選択ルールなし」というのが妥当という主張も頷ける。という訳で 翌日、選択ルールなしで再戦 することになった。

(個人的には19.1は戦車戦の雰囲気が出ていて好きなルールなので、些か残念ではある)

「決戦天王寺」(以下、本作)は、2021年にBonsai Gamesから発表されたシミュレーションゲームだ。テーマは大阪夏の陣。日本人にはお馴染みのテーマで、真田信繁(最近は「幸村」と言わなくなったのがチト寂しい)ら浪人勢が、数を頼む東軍相手に最期の死闘を繰り広げた戦いである。デザイナーのGavin Huさんは中国の方だとのこと。最近何かとキナ臭い日中関係ですが、ウォーゲームの世界では仲良くしたいものである。
本作はチット方式を採用しており、チットに指定された部隊が移動戦闘を行うシステムである。チットシステムといえば、カップにチットを入れてランダムに引くという所謂「チットドリブン」方式が知られているが、本作はそのようなシステムではない。先攻、後攻でそれぞれ1枚ずつチットを選択し、該当する部隊を活性化させていくシステムになっている。活性化できるチットの枚数は、西軍の場合は戦意によって増減し、東軍はTurn数と同じ枚数(つまりTurnが進むと活性化できるチットが自動的に増える)となっている。
またパスは認められていない。従ってチットの少ない側は必然的に先に活性化が完全終了してしまい、後はチットの多い側が自由に活性化できるということになる。
戦闘は基本的に1対1で、攻撃力+D6≧防御力、で攻撃成功となり、相手は混乱又は1ヘクス後退を強いられる。攻撃側に損害が出ることはない。また防御側に隣接する他の攻撃側ユニットの存在によって攻撃側に有利なDRMが発生する場合がある。
戦闘の結果、後退や混乱が発生すると、士気の変動がある。混乱の場合は1段階、後退の場合は2段階士気値が悪化する。こうしてみると混乱で我慢した方が有利に思えるが、兵力に余裕のある東軍はとにかく、予備兵力に乏しい西軍の場合は部隊を生き残らせるために泣く泣く後退を強いられる場面も多い。
勝利条件は真田信繁戦死、家康討死等のサドンデス条件の他、茶臼山等の重要拠点の支配と戦意の大小によって決まる。

今回、本作をソロプレイしてみた。

Turn00


1Turn

イベントは10で黒田長政が出陣する。
行動数は東軍1、西軍2。先攻は東軍である。
東軍は岡山口三番手(薄緑)を選択した。藤堂高虎麾下の藤堂、井伊隊である。この隊は前田隊と真田(信吉)隊(東軍)の間に布陣し、その間隙を埋める。
西軍は真田隊と遊軍を選択。早速真田信繁で東軍本多忠朝を攻撃し、これを混乱状態に追い込んだ。
Turn終了時の戦意は東軍2

Turn01


2Turn

イベントは2で「毛利勢の先走り」である。
行動数は東軍2、西軍2。先攻は東軍である。
東軍天王寺口先鋒が最初に行動を起こす。先に攻撃を受けた本多忠朝を後方に下がらせて、雑魚ユニットで防御スクリーンを張る。
西軍真田隊は東軍真田隊と藤堂隊を攻撃し、2ユニットを混乱に追い込む。
東軍榊原康勝隊が活性化。西軍真田隊に反撃する。真田隊の鉄砲隊を後退に追い込む。
最後に西軍毛利勝永隊が活性化。藤堂隊、前田隊の各1ユニットを混乱に追い込む。

Turn終了時の戦意は西軍1

Turn02


3Turn

イベントは8。東軍加藤嘉明が出陣する。
行動数は東軍3、西軍3。先攻は東軍である。
最初に藤堂隊が活性化。前線で混乱しているユニットを後方に収容しつつ、後退掩護のために鉄砲隊が突出してきた真田信繁を攻撃した。この攻撃が見事に成功し、真田信繁を後退に追い込む。
西軍は遊軍を茶臼山の守りに入れる。
東軍は本多忠朝隊で戦線整理。
西軍は大野治長隊を前に出す。
東軍は松平忠直隊を投入。西軍真田隊の右側面を攻撃する。その攻撃が見事に決まって2ユニットに後退を強いた。これで西軍の戦意が一気に低下した。

Turn終了時の戦意は東軍5

Turn03


4Turn

イベントは6。毛利勝永奮戦である。毛利勝永絡みのイベントが多い気がするが、このデザイナー、毛利勝永のファンなのだろうか?。
行動数は東軍4、西軍2。先攻は西軍である。
西軍毛利勝永隊が前進して真田隊の救援に回る。東軍1ユニットを混乱させたが、やや期待外れ。
東軍松平忠直隊が西軍真田隊右翼を攻撃。混乱していた1ユニットを葬った。
西軍真田隊が右翼の救援に向かい、松平忠直隊の鉄砲隊1ユニットを混乱させた。
その後東軍3隊が動いたが、何とか西軍は戦線を支えた。

Turn終了時の戦意は東軍7

Turn04


5Turn

イベントは8。特になし。
行動数は東軍5、西軍1。先攻は西軍である。既に西軍は勝ち目がないが、一応最後までプレイしてみる。
西軍は真田隊を選択。決死の敵中突破を試みる。真田隊は久々に大戦果を挙げ、1ユニット撃破、2ユニットを混乱させた。
しかし西軍の抵抗もそこまでだった。その後の東軍による連続攻撃を受け、戦意が振り切ったため東軍のサドンデス勝利に終わった。

Turn05


感想

ご覧の通り東軍の圧勝である。東軍としては前線を構成し、少々の損害は我慢し、適宜反撃して西軍部隊を痛めつけて行けば、そのうちに勝ちが見えてくると思う。逆に東軍が堅実にプレイした場合、西軍が勝利を得るのはかなり困難なのではないだろうか。西軍が勝てるとすれば戦意による逃げ切りが一番可能性が高いと思う。東軍の前線を突破して家康本陣への殴り込み、は、かなり困難なのではないだろうか。

ルールは簡単でプレイのテンポも良い。フルターンプレイしても1時間程度で終わると思う。ただし東軍が堅実にプレイすると、「突破戦」というよりは「第1次大戦の塹壕戦」にみたいな雰囲気になる点が少し気になる。

この記事を読んで気になった方は、是非ご自身でプレイして、確かめてほしい。

OpD


「Operation Dauntless」(以下、本作)は、1944年6月のノルマンディ上陸作戦に伴うカーン西方の戦いを戦術レベルで再現したシミュレーションゲームだ。1ユニット=小隊~中隊、1Hex=425ヤード、1Turn=90分(夜間は330分)というスケールから分かる通り、やや大きめの戦術級ゲーム(戦術作戦級)と言って良い。本作のシステムについては、 以前の記事 で紹介済なので、詳細はそちらを参照されたい。

今回、本作のキャンペーンシナリオを対戦することになったので、そのための事前準備として本作のシナリオをソロプレイで試してみた。選択したシナリオは「18.7 "Barracuda"」。1944年6月25日から始まるドーントレス作戦の最初の半日を扱うものである。キャンペーンシナリオの序盤戦を再現する。
今回、全てのルールを使用することにし、選択ルールは19.1「射撃統制」を採用した。

前回までの展開 --> こちら

7Turn

最終Turnである。勝利条件はとにかく、英軍としてはフォントネの完全支配だけは達成したい。残りは4ヘクスなので、ギリギリなんとかなりそうだ。

英軍アクションフェイズ

UK_TacReconアセットで得た観測機をヘクス0911に配置。独軍の突出部だ。英軍は0911に重砲射撃を集中。6ゾロを出してステップロスの結果を得た。残り1ステップまで減少した独軍陣地に対してチャーチルAVRE特殊戦車2個中隊に掩護された歩兵部隊が突撃を仕掛ける。戦闘比は5:1。英軍の勝利はほぼ約束されていたはずだが、何とここで禁断のピンゾロを出してしまう。英軍の攻撃は見事失敗。仕方なく英軍はアセットで温存していた9火力の重砲をそのヘクスに投入。砲撃が命中して独軍は壊滅し、何とか突撃失敗の尻ぬぐいが出来た。

GE12SS_AT_12_26続いて1112に攻撃。ここには独軍歩兵の他に装甲車がいたので、シャーマン戦車がまず装甲車を撃破。それに対して独軍75mm対戦車砲がシャーマンを狙ってAT射撃を行うも外れ。それに対して英軍はキャリア歩兵がRAT(遠距離射撃)で対戦車砲を狙う。これが見事に命中して難敵対戦車砲を撃破。やはり「歩戦共同は大事だなぁ」と改めて感じた次第

Churchill_Crocodile


UK79AD_Churchill_141RACさらに1112に攻撃を続ける。盤外砲撃が降り注ぐ。命中が出て独軍歩兵がステップロス。頃合い良しと見た英軍は、増援で登場した火炎放射器つきチャーチル戦車が歩兵を伴って突撃を敢行する。今度は順当な目が出て突撃が成功。0911は英軍の支配する所となった。フォントネで独軍が支配しているのは、あと2ヘクスである。

Turn07a


英軍戦闘フェイズ

英軍は残った2ヘクスに対して通常攻撃を行う。0912に対しては5:1で攻撃。結果は0/3で英軍の勝利。独軍歩兵は損害を避けるために後退していく。もう1ヶ所、1011に対しては4:1で攻撃を実施する。独軍を逃がさないために完全包囲した上で攻撃。しかし完全包囲したことが裏目に。独軍2ステップを葬ったものの、残り1ステップが頑張ってしまったので、1011の占領は失敗に終わる。

Turn07b


独軍アクションフェイズ

GE12SS_AT_26独軍は特に第2SS装甲師団正面で歩兵戦力が不足している。歩兵の増援を投入したい所だが、残念ながら歩兵の増援兵力は殆ど残っていない。機械化兵力で何とか凌ぐしかない。そこで75mm対戦車砲を1小隊投入した。これを生き残ったティーガ―と組ませることで強力な対戦車火網を構成するという算段だ。また如何に強力なティーガーであっても、集中投入されたファイアフライやアキリーズと戦って勝利するのは難しい。そこでティーガーと対戦車砲が相互に支援できる形とし、数を頼みとする連合軍戦車の攻撃に対抗しようとした。
また火力7を誇る装甲車小隊を投入。敵歩兵や対戦車砲に対して強力な制圧火力を見舞えるようにした。

Turn07c


独軍戦闘フェイズ

特になし。

結果

この時点でゲーム終了である。VPを計算すると、敵撃破によるものが英軍44VP、独軍64V。その他シナリオで指定されていたVPとして、ドイツ軍はフォントネの1ヘクスと0312を支配して+10VP。またマップ上に残るドイツ軍の築壕、拠点マーカーが10個で+10VP。
全てを合計すると、英軍44VP、独軍84VP。その差40なのでスレッシュホールドである15VP差を超えているので独軍の勝利である(若干の得点計算ミスがあっても勝敗は動かないだろう)

英軍としては序盤に兵力を大きく失ったのが痛かった。突撃を多用するのではなく、勝てる所で確実に勝つという戦略が必要だったということだろう。

感想

英軍惨敗となってしまったが、このゲーム、慣れないと英軍は難しいと思う。今回失敗したのは、上にも書いた通り歩兵兵力大量に失ったことで、英軍としては兵力の大量損失にならないように心がけて戦う必要がある。今回は正面攻撃に固執し過ぎた。独軍も決して兵力が潤沢という訳ではないので、正面攻撃ではなく敵の弱い所を突いてできるだけ損害を出さないようにしながら地歩を広げていくのが得策だと思う。もう一度同じシチュエーションを試してみて、今度はもう少し上手く攻めてみたいものである。

本作の感想だが、歩兵戦と戦車戦の雰囲気の違いが上手く再現されている。AFVと歩兵は共同作戦を取った方が良いこと、AFV同士の戦闘は短時間で激しく、歩兵戦闘は長時間でそこそこの激しさ、といった戦いの雰囲気がいい感じで表現されている。プレイする際にも各兵科の特徴を上手く連携させる重要性がさりげなく表現されている所が良い。

本作は確かにルールが多く、またルールの概念が斬新なので、いわゆる「とっつきにくい」作品といえる。自分自身今回のプレイでもいくつかルール間違い、ルール適用漏れがあった(英軍歩兵大隊の崩壊、独軍盤外砲撃の制約(第12SS用とLehr用はシェアできない等)。しかし本作はこれらの制約条件を克服してプレイする価値のある作品だと思う。
本作と似たようなスケールの作品としては、Compass Games社が出版しているCSS(Comapany Scale System)の作品群がある。しかしCSSは装甲兵科に対する射撃が今一つ「爽快感に欠ける」と思える節がある。また撃たれてもなかなか死なないAFV等、実際のAFV戦闘とはややイメージが異なっているように思う。そういった意味では、本作はCSSよりも少なくとも機甲戦闘を再現するという意味では優位であったのではないだろうか。

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