もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 読書(洋書)

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Essex Class Aircraft Carriers, 1943-1991

Leo Marriott Pen & Sword Maritime

Images of Warシリーズというミリタリー関係の書籍群の1冊である。タイトル通りエセックス級空母の登場から退役までを写真を中心に解説した著作である。エセックス級空母といえば、我々にとっては太平洋戦争時期での活躍を思い浮かべるが、エセックス級空母の活躍はそれだけに済まない。朝鮮戦争やベトナム戦争での活躍は勿論、宇宙開発への貢献など、米海軍における貢献度は計り知れない。活躍期間の長さや隻数の多さに比例する形で、エセックス級空母は様々なバリエーションがある。一番ベーシックな短船体型と、その後改造型である長船体型があるが、太平洋戦争で日本海軍と戦ったのは殆どが短船体型。長船体型の中で対日戦で活躍したのは「ハンコック」「タイコンデロガ」「ランドルフ」「シャングリラ」ぐらい。
その後の改造型もサイドエレベーターと改造型のカタパルトを装備したSCB-27、アングルド・デッキを装備したSCB-125、さらに強襲揚陸艦に改造されたモデルもある。本書ではこれらの改造型についても写真付きで説明している。
ボリューム的にはそれほどでもないが、その分気楽に読めるので、英語が苦手な私のような人にもお奨めできる著作である。

Essex Class Aircraft Carriers, 1943–1991: Rare Photographs from Naval Archives (Images of War) (English Edition)

お奨め度★★★


4
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South Pacific Air War Vol.2

Michael Claringbould/Peter Ingman Avonmore Books

South Pacific Air Warシリーズの第2弾。1942年3月から4月のポートモレスピーを巡る航空戦を扱っている。この時期の戦いについては、日本側が「台南空の零戦隊が連合軍のキティホーク、ハリケーン、スピットファイアを圧倒」という感じで扱われているが、本書を読むと実際はかなり異なっていることがわかる。
まず連合軍の航空戦力についてだが、この時期ポートモレスピーで防空任務を担っていたのは、オーストラリア空軍第75戦闘機中隊のP-40Eキティホークのみ。スピットファイアはおろか、ハリケーンもいない。また損失比についても、単純に機体の損失数でいえば、キティホークの損失19機に対し、零戦は36機を失っている。無論、空戦による比較だけではないので空対空戦闘のキルレシオではないが、いずれにしても零戦が連合軍機を一方的に圧倒していた訳ではない。
まあオーストラリア第75戦闘機中隊は大損害を被ったので、4月末にポートモレスピーを離れてオーストラリア本土へ引き上げている。日本側はそれを以てポートモレスピー上空の制空権を握ったとし、5月のMO作戦発動につながってくる。しかしオーストラリア空軍に代わって米陸軍のP-39Dエアラコブラの2個飛行隊が進出してきたので、日本軍の勝利は幻に終わった。その後、米陸軍P-39と台南空零戦隊との激闘、さらに珊瑚海海戦での空母同士の戦いは、続編で語られることになるだろう。
本書は比較的平易な英文で書かれており、しかもイラストが多くて読みやすい。やや値段が高いのが難点だが、今まであまり知られてこなかった南西太平洋方面での連合軍の航空作戦について理解を深めることできるので、興味ある人にはお奨めしたい。

South Pacific Air War: The Struggle for Moresby March-April 1942 (2)

お奨め度★★★★


3
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Arctic Convoys.1941-1945

Richard Woodman Pen & Sword Maritime

WW2中の極北船団と言えば、PQ-17やPQ-18の戦いが有名である。その主役は、当然輸送船団だが、船団を守る護衛艦隊、護衛空母、そして空母や船団から飛び立つ艦載機もまた主役と言って良い。一方のドイツ軍は、ノルウェー沿岸から発進する航空機がその主役だが、水上部隊やUボートもその一翼を担っていた。
本書は、極北船団を巡る戦いを、その始まりから終了までを追った著作である。PQ船団を巡る戦いといえば、大抵がPQ-18までで記述が終わっていることが多いが、本書はその後JW/RAと名称を変えた後の極北船団にもページを割いている。有名なバレンツ海海戦や北岬沖海戦は勿論、それ以降のJW56/RA55B船団から最後のJW67/RA67船団までキッチリと描いている。そういった意味で本書は極北船団の集大成とも呼べる内容となっている。
難点と言えば、資料類や図表が殆どついていないので(そういえば写真も殆どなかった)、英語に慣れていない我々にとってはやや読み辛い著作であった。かくいう私も丹念に読む気力はなかったので、流し読みである。内容を完全に理解するには、相応の英語力と時間が必要と思われる。

お奨め度★★★

Arctic Convoys, 1941–1945: 1941-1945 (English Edition)


3
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The Naval War in the Mediterranean 1940-1945

Jack Green & Alessandro Massignani Naval Institute Press

「地中海における海上戦争1940-1943」は、その名の通りWW2における地中海の海上戦闘を描いた作品である。英文352ページ(脚注含む)とあれば、ボリューム的にはそれほどでもないような気もするが、細かい字で(まるでミリクラのよう)びっしりと書かれると、老眼にはちょっとキツイ。
本書は地中海の戦いを両陣営の立場から記した著作である。劇的な場面は極力控えて、「いつ、どこで、何が起こった」といった事実関係の記載をメインにしている。そういった意味では我々のような英文を苦手とする異民族にとってもとっつきやすい内容だ。
字が小さいと言ってもこのボリュームで地中海の海戦全てを描ききるのは難しい。ここの戦いについては概要レベルの記載に留まっている。そういった意味では本書だけで地中海の戦い全てを把握するのは難しいが、最初のスタートラインとしては良い著作と言えよう。

お奨め度★★★

Naval War In The Mediterranean


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Eagles Over the Sea

Lawrence Paterson Seaforth Publishing

サブタイトルの通り1935年から42年にかけてドイツ空軍の海上作戦についての著作である。600ページ弱の大作なので、それなりに読みごたえはある。
本書はWW1におけるドイツ軍の海上航空作戦から始まり、ヴァイマル時代における再建、スペイン内戦での活躍を経て(この時、初めて航空魚雷を実戦使用している)、WW2に突入していく。
序盤のポーランド戦からノルウェーでの戦い、英本土周辺における輸送船攻撃と機雷敷設任務、大西洋へ進出した偵察・攻撃任務、そして地中海での苦闘を経て、援ソ船団を巡る戦いが本書最大のクライマックスとなる。
戦争全体を描いているので個々の戦闘場面での記述は比較的アッサリしているが、ドイツ側の編制(オーダーオブバトル)等は比較的しっかりと書かれている。また海上航空兵力を巡るドイツ海軍とドイツ空軍との「縄張り争い」とその顛末、航空魚雷開発を巡るドイツ側の動き(一時期は日本から九一式魚雷を輸入しようともした)、さらには空母「グラーフ・ツェッペリン」建造やその艦載航空部隊の編制についてなど、本書の見どころは多い。

お奨め度★★★★

Eagles Over the Sea: Luftwaffe Maritime Operations 1935–1942 (English Edition)
Eagles over the Sea, 1943–45: A History of Luftwaffe Maritime Operations (English Edition)


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