もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 読書(洋書)

4
220313_A6M2vsP-40E

P-40E Warhawk vs A6M2 Zero-sen: East Indies and Darwin

Peter Ingman Osprey Publishing

1942年前半におけるジャワ上空及び豪北地区における零戦と米陸軍航空軍のP-40Eの対決というやや異色のテーマである。日本側の主役は第3航空隊。ポートダーウィン上空でスピットファイア相手に大勝したことで知られる零戦部隊だ。対する米軍は第49戦闘グループ。これまた戦争全期間を通じて667機の撃墜を記録した歴戦部隊だ。本書は上記の戦いを簡潔かつ的確に記載している。Ospreyの他の作品と同じく文書量は少ないが、英文は平易で読みやすい。また事実関係も押さえてあり(零戦とP-40Eのキルレシオも記載されている)、資料性もそこそこある。ジャワ及び豪北方面での戦いといったこれまであまり焦点が当てられなかった戦いについて知ることができる良書。

お奨め度★★★★

4
220309_JavaSea

Java Sea 1942: Japan's conquest of the Netherlands East Indies

Mark Stiile Osprey Publishing

サブタイトルが「日本軍によるオランダ領東インド征服」とあるが、実際には1942年に蘭印地区で発生した日本と連合国との水上戦闘を扱ったものである。バリクパパン沖海戦、バリ島沖海戦、スラバヤ沖海戦、バタビヤ沖海戦が主なテーマで、これらの戦いの戦術的、技術的な面での調査と考察を記している。Ospreyの他の作品と同じく簡潔で読み易く、非英語圏の人間でも苦も無く読める。細かいレベルでの記載は弱いが、ポイントは押さえてあり、例えばスラバヤ沖海戦で日本重巡の8インチ砲弾が何発命中したか、等の所説入り混じっている事項についてもしっかりと記載されている。
洋書なので値段がやや高いという難点はあるが、洋書としては廉価であり、しかも読みやすいので、コストパフォーマンスは十分に高い。

お奨め度★★★★

3
220305_HeldtheLine

The Ship That Held the Line

Lislie Rose Naval Institute Press

「戦線を支えた艦」。本書は米空母「ホーネット」の太平洋戦線での活躍とその最期を記した著作だ。「ホーネット」の戦歴としては、ドゥーリトル空襲、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦等が良く知られているが、それ以外に1942年10月初旬、米太平洋艦隊唯一の艦隊空母として日本軍の増援部隊阻止に活躍した。本書はそれら「ホーネット」の戦いぶりを詳細に紹介している。
本書は大きな戦史を追うというよりは、「ホーネット」に乗り組んだそれぞれの人々に焦点を当てて、彼らの活躍を追いながら全体の流れを構成している。やや強引に例えるなら、「ボトム・アップ・アプローチ」とでもいうべきか。そのために我々のような英語が苦手な人間にとっては、やや全体像が掴みにくかった。今回も流し読みであったので、結構重要な部分を読み落としている可能性が高い。そういった意味では再読してみたい1冊ではあるが、資料性はそれほど高くないので、果たして再読する価値があるかどうか・・・。

お奨め度★★★

3
220217_英海軍

The Royal Navy and the Mediterranean Convoys: A Naval Staff History

Malcolm Llewellyn-Jones Routledge

WW2地中海の戦い、その中でもマルタ島を巡る輸送作戦のみを取り上げた著作である。本書は1941年1月のExcess作戦から始まり、1942年8月のPedestal作戦までの計7回の輸送作戦についてその経緯をまとめた著作である。本書は主に英海軍の視点から描かれており、枢軸側の事情についても「英海軍が見た枢軸軍」という立場で記されている。いわば英海軍の公刊戦史に近いイメージといえよう。資料も豊富であり、そういった意味では重宝だが、記述内容はやや簡素で、8000円近い購入費用を思えば些か寂しい。その点を除けば地中海の戦いに興味のある向きにはお奨めできる著作である。

お奨め度★★★

4
220210_NavlaGunFire

Naval FirePower Battleship Guns and Gunnery in the Dreadnought Era

Norman Friedman Seaforth Publishing

本書については 以前に紹介 した。ドレットノート以降の戦艦における艦砲射撃を射撃システムから解説した著作である。本書は前半と後半に分かれており、前半では艦砲射撃の原則や方法、その問題点について戦術面や技術面で考察した後、20世紀初頭の前ド級戦艦の時代からWW1、戦間期そしてWW2至るまでの艦砲射撃の発展について主に英海軍の視点で流れを追っている。
後半は世界の主要海軍における艦砲射撃の発展と実戦での評価について国別に記載されている。紹介されているのは、掲載順にドイツ、アメリカ、日本、フランス、イタリア、ロシア/ソ連となっている。この中で一番ボリュームが多いがアメリカで、特に彼らの実戦における艦砲射撃やレーダー射撃の実態を記した部分については日本の研究者にとても十分に有益なものであろう。
戦艦の運用や艦砲射撃、戦艦同士の戦いに興味のある向きには必読書と言って良いと思う。

お奨め度★★★★

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