もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > AirPowerシリーズ

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本日、期待の新作ゲームを入手しました。
タイトルは"View from a Cockpit #5 Far East Crisis"

実は新作といっても完全な意味での新作ではなく、Clash of Arms社の空戦ゲーム"Air Power"シリーズのサプリメントという位置づけです。

これまで#1~#4の計4作が発表されており、朝鮮半島、中国等、我々にとっては馴染みの深い地域が網羅されておりましたが、今回の特集は「航空自衛隊」。F-86FセイバーからF-35Aライトニング2までの航空自衛隊の主力戦闘機と、対抗馬としての旧ソ連、北朝鮮、中国等の航空機がデータ化されています。

シナリオも豊富に用意されており、1950年代におけるF-86FとMiG-17の対決、1960年代におけるF-104JとMiG-21の対決等の他、「本命」とも言って良い199x年における北海道戦争のシナリオ、さらには202x年における日中の戦いなどもシナリオ化されています。
中でも北海道戦争のシナリオは、F-15JとSu-27の対決という「東西のエース対決」の他、名寄付近での戦車戦闘とそれを支援する日ソ両軍のCAS任務、旭川駐屯地への爆撃とそれを迎え撃つ空自戦闘機といった様々なシチュエーションがシナリオ化されており、シナリオを読んでいるだけでも楽しくなっています。

"View from a Cockpit #5 Far East Crisis"は下記のURLから入手可能なので、興味のある方は覗いてみては如何でしょうか。なお、VfC各シリーズに登場する各種兵装は、"View from a Cockpit #1 Data and Briefing"に掲載されているので、VfCシリーズを楽しむためには#1は必携と言えます。

http://asl66.livedoor.blog/archives/5193388.html

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GDW「Air Superiority」のシナリオをAir Powerのルールでプレイする

Air Superiority(以下、AS)は、米国GDW社が1987年に発売したシミュレーションゲームだ。テーマは、ジェット機時代の空中戦で、当時最新鋭のF-14、F-15や、未だ実態の良く分かっていなかったSu-27、MiG-29等が登場する。1Turnは実際の12秒、1Hexは1/3マイルのスケールである。

1992年には類似のシステムを用いた空戦ゲーム"The Speed of Heat"が米国Clash of Arms社から発売され(テーマは朝鮮、ベトナム及び冷戦期)、システム的にはAir Superiorityの正統な発展形となった。このシリーズをAir Powerシリーズ(以下、AP)と呼ぶが、実際にAPとして発売されたのはThe Speed of Heatだけであった。

今回、ASのシナリオをAPのルールでプレイしてみることにした。参加者は3名である。航空機のデータカードはASオリジナルのものを利用したが、ルールはAPのものを使用し、空対空ミサイルの性能は「今日も6ゾロ」さんが発表された"View from the Cockpit #1"のものを使用させて頂いた。

H-1:シドラ湾、1982年8月

リビアのSu-22フィッターJ 2機が飛び立った時、アメリカ第6艦隊はシドラ湾の問題の海域で演習の最中であった。2機のF-14Aトムキャットが要撃に出た。前方にいたフィッターがリーダーの位置のトムキャットに対して1発のミサイルを発射し、戦闘が始まる。しかしミサイルは後方熱線追尾型で、反航状態から発射されたため命中するわけもなかった。F-14は素早く機首をめぐらし、別々の方向へ分かれて逃げるフィッターを2機とも撃墜した。(シナリオブックより抜粋)

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F-14A 2機とSu-22 2機との可変翼同士の対決である。可変翼同士といっても一方は世界最強の名を欲しいままにしてきたF-14トムキャット、片や戦闘機というよりは戦術爆撃機といった方が良いSu-22である。普通に戦えば-14Aの勝利は動かない。私はSu-22を担当した。

ヘッドオン状態ですれ違った両陣営はそれぞれ反転して敵の背後を狙う。バーティカルロールを使って敵機の背後に回り込んだSu-22は一度はF-14に乗るトップガン達を追い込むが・・・。

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しかし機首を起こしたF-14Aは、全角度追尾能力を持つ最新鋭のAIM-9Lで攻撃のチャンスを伺う。

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高偏差角で接近するトムキャットとスホーイ。1機のトムキャットはSu-22の右側前方約1.5マイルの地点からAIM-9Lサイドワインダー1発を発射した。

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狙われたスホーイはエンジン推力を絞りつつミサイルを真横に見るように機動した。これがミサイルの命中率を一番低減させる方法である。しかしサイドワインダーは騙されなかった。ミサイルはスホーイを追って正確に飛行し、目標機に直撃、これを粉砕した。

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残り1機のスホーイはF-14Aとの交戦を避けて上昇し、戦場を離脱していった。


H-2:シリアのベテランパイロット、1982年6月

1982年ベッカー峡谷で発生した空戦は、殆どF-15やF-16が経験もなく逃げ回るだけのMiGを虐殺していく、というものであった。しかし時には極めて積極的な飛行をし、戦いを恐れないMiG-21に出会うことがあった。何機ものF-16がミサイル警報を鳴らされ、優れた旋回性能で辛くも助かったのである。この好戦的なベテランパイロットたちは、シリア空軍の暗黒の日々に一条の光を投げかけた。(シナリオブックより抜粋)

僕の好きなシナリオの1つである。2機のF-16Aと4機のMiG-21MFの対決で、典型的な「質対量」の戦いといえる。F-16A各機はAIM-9Lサイドワインダーを2発ずつ搭載。MiG-21MFは、各機AA-8Aアフィッド、AA-2Bアトールを各2発計4発搭載している。僕はシリア空軍(MiG-21MF)を担当する。

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序盤、約10マイルの距離で接敵したイスラエル空軍(IAF)のF-16Aとシリア空軍(SAF)のMiG-21MF。距離約3マイルに近づいた所でF-16Aの1機がヘッドオンからAIM-9Lサイドワインダー1発を発射した。

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狙われたミグは右へ急旋回してミサイルの回避を図る。しかしミサイルは目標を逃がさず目標機の至近距離で近接信管を作動させた。ミサイルの破片がミグを襲う。ミグは辛くも撃墜を免れたが、大破して戦闘能力を失った。

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一旦すれ違った両軍機。左右に分かれるF-16Aに対し、MiG-21MFは2機と1機分かれてF-16Aを追う。1機のMiG-21MFが3マイル前方を横方向に移動するF-16Aを発見する。直ちにAA-8Aアフィッド空対空ミサイルを発射したが、これが作動不良を起こして墜落。残り1発のAA-8Aが辛うじて発射成功した。

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狙われたF-16Aはエンジンをアイドリングにし、排熱量を最小限にしつつミサイル回避を試みる。
ミサイルが十分に近づいた所でF-16Aはフレアを連続発射し、ミサイルを攪乱する。フレアに騙されたAA-8Aは明後日の方向に飛び去った。

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さらに同じMiG-21MFが、F-16Aの左側後方1マイル強の距離からAA-2Bアトールミサイルを立て続けに2発発射した。しかし高G機動中に発射されたミサイルはいずれも作動不良を起こし、敵機に向けて飛んで行ったミサイルはなかった。

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そうこうしている間に別のF-16Aが左後方から接近してきた。距離約4マイルからミサイルを発射するF-16A

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ミグは必死に回避を試みるが、今まで同様AIM-9Lを騙すのは至難の業であった。ミサイルはミグの胴体に直撃し、ミグは大空に散った。

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しかしこれまで苦戦を強いられてきたシリア空軍にも漸く反撃のチャンスが巡ってきた。ロール機動でF-16Aの背後に回ったMiG-21MFは、約1秒間の長いバースト射撃を行った。23mm連装機関砲GSh-23Lからたっぷり約100発の機関砲弾が発射され数発がF-16Aに命中した。F-16Aは操縦不能となり、墜落していく。無敵のF-16にとって、初めての敗北であった。

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残ったF-16A 1機は戦意を失って逃走。この戦いは双方1機ずつを失って痛み分けという結果に終わった。

感想

勝利条件的には兎に角、旧式のMiG-21で当時最新鋭のF-16Aを撃墜できたことは大満足である。

AS及びAPは決して簡単なゲームではない。ジェット機時代における戦術レベルの戦い(空対空及び空対地/艦戦闘)のほぼ全てをルール化しているため、ルール量が膨大であり、まさに「空のASL」という呼称が相応しい作品である。実際のプレイ中にもルールの細部を確認するために何度もルールブックをひっくり返していた。そういった意味では初心者が気軽にプレイできるゲームでは決してない。

それでも慣れればこれほど面白いゲームも少ないようにも思う。先にも述べたようにジェット機時代の戦術戦闘のほぼ全てを再現しているため、データさえ用意すれば朝鮮戦争からベトナム戦争、中東戦争、印パ戦争、湾岸戦争、さらには21世紀における空中戦闘等、ありとあらゆる場面を再現できる。

さらにボードゲームの良い所は、現在空中戦における航空機や武器システムの力関係を目に見える形で再現してくれる点があるだろう。例えば今回の戦いでAIM-9Lサイドワインダーは計3発発射され、2発が命中、1発が至近弾となり、2機撃墜、1機大破の戦果をあげた。有効率は実に100%で、正に「必殺野郎」と言うに相応しい。これは史実にもよく合致しており、シドラ湾やフォークランド紛争でのAIM-9Lの有効性は驚異的なものであった事実と符合している。しかし本作をプレイしてみるとAIM-9Lの優秀性は多分に相対的なものであり、単に相手が有効な防御策を講じ得なかったからなし得た戦果に過ぎないことがわかる。そして相手側が様々な防御手段を講じてくると有効性が低下してくることも理解できる。
すなわちAS/APは単なるゲームに留まらず、現代航空戦を理解するための格好の「教材」としても利用できることを意味している。

私自身、まだまだ本シリーズを遊び尽くしていないので、今後機会を見つけてどんどん遊んでいきたい。

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AirPowerシリーズは1950年以降の空中戦、空対地戦闘を扱ったシミュレーションゲームである。このゲームは元々GDW社のAir Superiorityシリーズを元にしているが、ルールは細部で修正されており、機体データや兵装データに互換性はない。本システムは空戦ゲームシステムとして非常に洗練されたシステムとなっており、現時点でも市販された空戦ゲームの中では最も優れたものの一つといって良い(実際にプレイすると結構面倒だが・・・)。

ただしこのゲームシリーズには大きな欠点がある。というのも市販されているゲームが、朝鮮戦争~ベトナム戦争を扱った"The Speed of Heat"(CoA)しかないということだ。従って登場する機体やミサイル類は精々1970年代前半まで。具体的にはF-4ファントム、MiG-21フィッシュベットあたりが最新鋭機のとなる。ミサイルもAIM-9J、AIM-7Eあたりまでだ。前作のAir Superiorityでは1980~90年代あたりの最新鋭機(F-15、F-16、FA-18、MiG-29、Su-27、ラファール等)まで登場しているのだが・・・・。従って現行のAirPowerシリーズだけで湾岸戦争やコソボ紛争、さらには将来想定される米中戦争等はプレイできない。

それでは如何にも残念、ということでASLでも有名な「今日も6ゾロ」さんが発表されたのが、今回紹介する"View from a Cockpit"シリーズだ。"View from a Cockpit"シリーズは、解説本、データ集、シナリオ集からなる小冊子であり、現在Issue#1~#3までの計3作が発表されている。

Issue#1は追加兵装のルールとデータで、空対空ミサイル、空対地兵装、電子兵装がいくつかの新ルールと共に紹介されている。登場する兵装類は旧式のAIM-9Bサイドワインダー、AA-2アトールから、最新のAIM-9Xサイドワインダー、AIM-120Cアスラーム、ミーティア、パイソン5等が含まれている。これで今までプレイできなかった2000年代の空中戦が楽しめるようになった(機体データを別途用意しなければならないが・・・)。空対地兵装もGPS爆弾やJSOW等の長距離滑空爆弾も登場している。

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Issue#2は中国と台湾の空中戦を扱ったサプリメントで、中国と台湾の主用な戦闘機、爆撃機がデータ化されている。具体的には、F-86Fセイバー、J-2(MiG-15の中国版)から、F-104G、F-5A/E/G、ミラージュ2000、F-16A/B、経国戦闘機、J-7、J-8、J-10、J-11、さらにはJ-15/16等も登場する。シナリオは計10本で、1955年~2015年までを扱っている。あのF-5Gが入っているので、「エリア●●」ごっこをするには必須だろう。

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Issue#3は朝鮮半島を扱ったサプリメントで、朝鮮戦争時期から2010年までの計15本。うち朝鮮戦争シナリオは8本である。登場する機体はF-86F、MiG-15の両巨頭は勿論、ミーティア、F-84等の旧式機や、新鋭機ではMiG-23、MiG-29、Su-25、F-4D/E、F-16C/D、F-15K、FA-50等が登場する。プレイしてみたいシナリオは、シナリオ14「コブラボール・ダウン」。米軍のRC-135"コブラボール"に対して北朝鮮軍が発砲した状況を再現するシナリオで、MiG-29,23各2機の北朝鮮空軍とF-16C 4機の韓国空軍が激突するというもの。F-16ファンとしてはたまらない。ややバランス的には難がありそうだが、北朝鮮側はマップ北端から逃げる手もあるので、なんとかなりそう。
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今後の発展が楽しみなシリーズだ。

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先に紹介したシナリオH9に続いてプレイしたのは、シナリオH15高空の地獄」。米ソの最新鋭戦闘機同士が激突するというエアスペで最も派手目のシナリオである。オリジナルのシナリオでは双方とも8機ずつ登場する大型シナリオであったが、今回はやや小ぶりにし、双方4機ずつとした。登場兵力は米軍がF-15CとF-16Cが各2機、対するソ連軍はSu-27とMiG-29が各2機である。搭載ミサイルは米軍機がAIM-120AとAIM-9M、ソ連機がAA-10BとAA-11Eである。テクノロジー的には1990年代と言った所か。

下名はソ連軍でMiG-29「ファルクラム」2機を担当した。

1Turn

ミサイル性能で劣るソ連軍にとって、中遠距離からの空対空ミサイル同士の撃ち合いはできれば避けたい所。とはいっても相手がある話なのでそう都合よくは行かない。そこで敵中距離ミサイル、特に「アムラーム」の脅威を最小化すべく、高度8000ft(約2400m)の低空侵攻を選択した。高度の優位を敵に渡すのは癪だが、中距離ミサイルが飛来した時に超低空へ逃げることで、敵ミサイルの命中率を最小化できる。そう期待してのことだった。

果たせるかな、セットアップ時に水平距離約16マイル(約25km)で対峙した両軍。2機のMiG-29は高亜音速からさらに加速して音速を突破。750マイル時(約1200km/h)の速度で敵機との間合いを詰めて行く。水平距離が約12マイルに近づいた所で2機のMiG-29はそれぞれ1機ずつのF-15Cをレーダーロックオンした。と同時に僚機であるSu-27 2機もF-15Cをレーダーロックする。F-15Cのレーダー警戒装置は、喧しい警告音を発してることだろう。
対する敵も味方のSu-27 2機にレーダーロックオンを試み、いずれも成功させていた。


2Turn

彼我の水平距離が7~9マイルまで近づいた所で、両軍共中距離空対空ミサイルを一斉に発射した。米軍機は計5発のAIM-120A「アムラーム」アクティブレーダー誘導ミサイルを発射。そのうち4発が正常飛行して2機のSu-27へ向けて突進していく。対するソ連軍も計4発のAA-10B「アラモ」セミアクティブレーダー誘導ミサイルを発射した。AA-10Bはいずれも正常な飛行コースに乗り、2機のF-15目がけて突進していく。

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3Turn

Su-27の1機が欺瞞妨害装置によるレーダーロックオンの欺瞞を試みた。それによってF-15によるロックオン1箇所が破断され、1発の「アムラーム」ミサイルが誘導を失って失中した。別のAIM-120 2発もSu-27を狙ったが、1発はSu-27の急旋回を追い切れずに失中、もう1発はSu-27の電子妨害その他によってやはり失中した。残り1発のAIM-120Aは目標に向けて依然として接近していく。

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彼我の距離が5マイル以内に近づいた所で両軍とも赤外線誘導ミサイルを発射した。米軍は計3発のAIM-9M「サイドワインダー」、ソ連軍は2発のAA-11E「アーチャー」である。ミサイルを発射したのは、いずれもこのTurnにミサイルに狙われなかった機体ばかりだ。ミサイル回避中の機体は、当然ながら反撃のミサイルを発射する余裕などない。とりわけ中距離ミサイルに狙われなかった米軍のF-16C 2機、そしてソ連軍のMiG-29 2機が短距離ミサイル戦の主役となった。

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4Turn

F-15の1機が発射したAIM-9Mは、敵機から発見されることなく目標機であるSu-27に接近した。格闘戦性能では第3世代の赤外線誘導ミサイルとも言うべきAIM-9M「サイドワインダー」。当然ながらAIM-9XやAA-11にような第4世代の赤外線誘導ミサイルのような、常識外れの高機動性やヘルメット照準器と連動した目標捕捉といった芸当はできない。しかしいち早く無縁ロケットモーターを取り入れていたため、敵に気づかれることなく目標に接近することが可能なのだ。
1発の「サイドワインダー」がSu-27に命中した。Su-27の機体はそれでも何とか飛行可能な状態を保ったが、破片の1つが操縦席に飛び込みパイロットを死亡させると、主を失ったSu-27はバランスを崩して地面に激突した。
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一方ソ連側の発射したミサイルも目標に到達しつつあった。計4発発射された中距離ミサイル「アラモ」は、1発がF-15の至近距離まで接近しながらもギリギリの所でかわされて戦果なし。また短距離ミサイル「アーチャー」は、1発ずつがそれぞれF-15に向けて接近して行った。

1発はF-15の斜め前方から目標に接近した。目視索敵によりミサイルの接近を察知したF-15C「イーグル」。機首をミサイルとは交差する方向に向けつつフレアを巻きながらミサイルを騙そうとする。しかし第4世代に属するAA-11E「アーチャー」は、フレア等の欺瞞に対しては極めて強い耐性を持っていた。ミサイルは騙されることなく目標に接近。F-15Cの至近距離で近接信管を作動させた。破片のいくつかがF-15に命中。F-15にとって幸いなことに、傷は致命傷ではなかったもの、戦闘力発揮に無視できない影響を与えていた。

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もう1発は別のF-15Cを捕捉する。こちらは目視索敵の失敗によってミサイルの接近を察知できなかった。自動防御プログラムをフルオートにしてミサイルを騙そうとするF-15C。しかしミサイルは騙されなかった。致命的な距離まで近づいた所で近接信管を作動させた「アーチャー」は、「イーグル」のフレームを破壊した。致命的な損傷を受けたF-15Cからパイロットは懸命に脱出を試みたが、脱出に失敗したパイロットは機と運命を共にした。

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MiG-29の1機は左前方からAIM-9Mが接近してくるのを目視で確認した。F-16C「ヴァイパー」が放った「サイドワインダー」だ。毒蛇が放ったガラガラ蛇というのも変な感じである。狙われた「ファルクラム」は、エンジンをアイドリングに絞りつつ、フレアによる自動妨害プログラムを作動させながらミサイルの接近を凝視する。ミサイルを十分に引き付けた所で急降下しつつフレアを連続発射。ミサイルは突如現れたフレア弾とグランドクラッターによってMiG-29を見失う筈だった。
しかしAIM-9Mの優れた熱源センサーは目標のMiG-29を逃さなかった。近接信管がMiG-29の至近距離で爆発。MiG-29は中程度の損害を被り、事実上戦闘不能になった(出目が悪かった)。

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もう1機のMiG-29にもF-16Cの放ったAIM-9Mが迫る。こちらはミサイルを目視確認できない状態という不利な状態から攻撃を受けた。しかしこちらはミサイル回避の急降下(グランドクラッターに紛れ込む)と自動妨害プログラムによる欺瞞が奏功して辛くもミサイルを回避した。

そして最後の災厄がソ連軍を襲う。飛行を続けていた「アムラーム」の1発がSu-27の1機に迫ってきたのだ。こちらもミサイルを見ないまま自動妨害プログラム任せのミサイル回避。しかし「アムラーム」は騙されない。ミサイルは「フランカー」の胴体に直撃した。「フランカー」の強靭な機体はそれでも「ミサイル」の直撃に耐えたが、爆発によってコクピットが破壊されたためパイロットが死亡。主を失った「フランカー」は地面に叩きつけられた。

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結局、この交戦で4機中2機を失い、1機を中破させられたソ連側が敗北を認めて投了。米軍の損害は1機損失、1機小破だけだった。

感想

空戦というよりも空対空ミサイルの性能比べのような結果に終わってしまった。米軍の戦果は、AIM-120Aが5発発射して1発直撃で1機撃墜。AIM-9Mが4発発射して2発至近弾1機撃墜、1機中破である。ソ連軍はAA-10Bが4発発射していずれも失中。AA-11Eが2発発射して2発至近弾、1機撃墜、1機小破。こうしてみると、AA-11Eが意外と健闘している。発射数が多ければもう少し戦果を残せただろう。

ミサイル戦に関して言えば、やや出目の悪かったことは否めない。命中修正+6とか+7とかまで持って行きながら、相手に1の目を出されて直撃弾とか至近弾とかを出された例も結構あった。一方こちらは4以下で直撃なのに1度も命中しなかったとか・・・。

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ミサイル戦に関して言えば、厄介だったのは米国製ミサイルの無煙ロケットモーターである。AIM-120AにしてもAIM-9Mにしても、視認性が低く、運よく発射段階で発見しない限り、飛翔中に見つけるのは非常にムツカシイ。見つからなければミサイルと交戦もできず、デコイで騙すのも難しい。超低空飛行とか急旋回とか自動防御プログラムでミサイルの命中率を下げす他はなく、運任せである。あーあ、困ったものだ。

あとF-16の小ささにも参った。バカデカいF-15は案外御しやすいが、小柄なF-16は全く厄介。遠くからは発見できず、近づいてもかなりの確率で見落としてしまう。先の空対空ミサイルの低視認性と相まって、F-16が極めて危険な「殺し屋」だと再認識した。まあF-15が御しやすいからと中距離ミサイルをF-15ばかりに発射し、F-16をフリーにしておいた弊方の戦術にも問題があったが・・・。

ともあれ最新鋭機と最新鋭ミサイルによる空中戦。機体の性能よりもミサイルの性能で決まってしまった感があるが、現在空戦なんで案外こんなものかな、と、妙に納得した一戦だった。

次はF-16Cに「パイソン5」を搭載してミグを虐めてみようか・・・。

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毎年秋に開催するウォーゲーマーの祭典「猿遊会」。今回も参加させて頂き、主題のゲームをプレイした。Air Powerといっても固有のゲームがある訳ではなく、一連のゲームの総称である。ややこしいのは、実際に箱で出ているゲームは、CoA社の「The Speed of Heat」のみ。それ以外は雑誌記事や同人記事等による追加データ、追加シナリオの集まりが「Air Power」シリーズの正体だ。

今回はルールとしては「Air Power」を使いながらも、シナリオは姉妹品とも言うべき「Air Superiority」シリーズから借用してきた。「Air Superiority」シリーズ、通称エアスペは、1980年代に米国GDW社で発売されていた空戦ゲームシリーズ。日本でもHJ社が和訳付きで紹介しており、そこそこメジャーな存在であった。ルール的には「Air Power」シリーズと共通する所が多いが、世代的にはエアスペの方が古いので、「Air Power」を見た後はやや未整理な感は否めない。

今回選択したのは、エアスペのシナリオH9「小国の意地」。西ヨーロッパへ侵攻したソ連軍がオーストリア領内に侵入。ソ連空軍とオーストリア空軍が交戦するという内容だ。ソ連側の兵力はMiG-23MF「フロッガーG」が6機。対するオーストリア空軍はF-35「ドラケン」4機である。搭載ミサイルはMiG-23がAA-7A/BとAA-8A計6発。「ドラケン」がAIM-9Lが4発である。練度ルールは採用しなかった。

今回の参加プレイヤーは5人で、ソ連側3人、オーストリア側2人で分かれた。

1Turn

6機編隊の最後尾に位置する我が小隊は、オーストリア上空高度3万フィート(約9千メートル)を600マイル時(約960km)の速度で飛行中である。既に地上レーダーからの報告でオーストリア空軍所属のF-35「ドラケン」4機が迎撃に上がってきていることを知っていた。そのうちの2機が機上レーダーによって捉えられた。レーダーロックオン。我が小隊の2番機が前方約15マイル(約24km)の距離で敵機をレーダーで捕捉する。

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2Turn

彼我の距離が10マイルまで近づいた所で、2番機はAA-7A「エイペックス」空対空ミサイルを発射した。レーダー誘導ミサイルによる先制攻撃である。しかし発射したミサイルはロケットモーターに点火せず、そのまま石ころのように落ちて行った。何たる体たらく。

3Turn

彼我の距離が5マイルまで近づいた所で、今度はオーストラリア空軍機が反撃に転じてきた。正面発射が可能なAIM-9L「サイドワインダー」2発を、我が小隊の隊長機に向けて発射してきたのである。俄然緊張するミグ編隊。
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4Turn

ミグ隊長機はデコイ発射プログラムを自動稼働させつつ、飛来してくるミサイルを目で追った。近距離から発射されたミサイルなので、目視確認可能なのだ。2発のミサイルを十分に引き付けた所でフレアを連続発射。赤外線誘導ミサイルを欺瞞する火炎弾だ。2発の「サイドワインダー」はいずれもフレアに騙されて明後日の方向に飛び去った。取りあえず危機を切り抜けたミグ編隊。

今度はこっちの番だ。アフターバーナーを炊いて派手に熱源をまき散らす敵ドラケンの右側面前方に回り込んだミグ2番機は1発のAA-8A「アフィッド」空対空ミサイルを発射した。「アフィッド」は赤外線誘導方式の小型ミサイルで、「エイペックス」に比べると弾頭威力にこそ劣るものの、運動性能と命中精度に優れた比較的新しいミサイルだ。放たれた「アフィッド」は。わずか1マイル前方の「ドラケン」に向けて突進していく。

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5Turn

ミサイルに追われた「ドラケン」は、エンジン推力を絞って発熱量を押さえつつ、飛来するミサイルを正面に見るように機動した。「アフィッド」のように全角度発射能力を持たない赤外線誘導ミサイルの場合、敵機の真正面が最も命中率の低下する角度なのだ。敵機の機動が奏功してミサイルは目標に命中せず、ミグ編隊2度めの攻撃は、またもや失敗に終わる。

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6Turn

2機のミグは同じく2機の「ドラケン」とドッグファイトに入る。お互いに相手の背後を取ろうとするミグとドラケン。しかしその後方からさらに2機の「ドラケン」が高度を挙げつつ近づいてきた。危うし、ミグ編隊。

7Turn

敵機の背後を取ったミグ隊長機が、距離3マイルから連続して2発のAA-8A「アフィッド」を発射した。前回の発射は敵機の前側面から発射であり、元々命中を期待したミサイル攻撃ではなかったのだが、今回は敵の真後ろからの発射である。今度こそ「ドラケン」の1機を仕留められよう、発射された2発の「アフィッド」は、「ドラケン」の背後から迫っていく。

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8Turn

ミサイルに狙われた「ドラケン」は、エンジンをアイドリングに絞って発熱量を小さくしつつ、垂直降下でミサイルから逃れようとする。しかし2発の「アフィッド」も同じく垂直降下でこれを追う。1発目が「ドラケン」の背後から接近。近接信管を作動させたが、爆発した距離が遠すぎたのだろう。「ドラケン」に損害はなかった(至近弾を与えたが、損害判定で出目が悪く、ノーダメージだった)。さらにもう1発のミサイルも引き続いて近接信管を作動させたものの、今度も爆発のタイミングにズレがあったのか、目標は被害なしだった。

2発のミサイルの至近直撃を受けても敵機に目立った損害のないのを見て取ったミグ隊長機。背後から別の敵機が迫ってくるのも構わず逃げる「ドラケン」を追う。そして距離約4マイルからさらに2発の「アフィッド」を発射した。この2発がミグ隊長機に残された最後のミサイルである。そのうちの1発は不良品であり明後日の方向に飛び去ったが、もう1発は正常作動し、急降下で逃げる「ドラケン」を追った。

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隊長機の放った渾身の1発は「ドラケン」の背後から迫った。そして再び近接信管が「ドラケン」の至近距離で作動する。今度は効果があったようだ。破片の何発かが「ドラケン」に突き刺さった。「ドラケン」はすぐには落ちることはないにしても、僅かながら損害を被ったことになる。

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結果

「ドラケン」1機小破、ソ連側損害なし。オーストリア空軍の勝利。

感想

ミサイル計6発を発射して直撃ゼロ、至近3、失中1、故障2。戦果は敵機1小破。出目に祟られた感があるのは否めない。ちなみに下名以外の僚機4機については、発射施行3、直撃/至近ゼロ、失中1、故障2であった。トータルでは、9発発射を試行して、有効弾は僅か1発。しかも撃墜なし。どこのベトナム戦争かと思うような実態であった。ちなみに相手はDDS(デコイ発射機)なし。それでこの体たらくである。
対する敵機については、AIM9Lを計4発発射し、4発とも失中した。こちらはDDSを装備していたので、フレアで騙したのが2発、機動回避したのが2発である。

全般的には、数的優位に立つソ連側のペースであった。数に劣るオーストリア側は主導権を相手に握られる形に終始し、なかなか積極的に攻勢を仕掛ける余裕はなかったようである。オーストリア側の強みは、搭載しているミサイルの優秀性(AIM-9L)ぐらい。後はソ連側の弱点としてMiG-23の脆弱性と運動性能の低さか。

プレイ時間はセットアップ等も含めて約9時間。5人のプレイヤーがあーでもない、こーでもないと言いながらプレイするのは楽しかった。結果からみれば冴えない感じ(10機の戦闘機が入り乱れて1機小破のみ)もするが、まあジェット空戦なんて案外こんなものだろうと考えれば妙にリアルでもある。プレイのペースについてもお互いにルールに習熟すれば、もう少しペースアップは可能だと思われる。エアパワーシリーズはルールが複雑な上、取り得る選択肢が多いので、なかなか最適解を見出しにくい。その辺り「慣れも」重要だが、ある程度割り切ってプレイするのも必要かもしれないと思った次第。

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