もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > AirPowerシリーズ

AirPower(以下、本作)は、1992年に米国Clash of Arms社から発売された空戦ゲームシリーズです。今回、映画 トップガン マーヴェリック の上映を記念して、オリジナル「トップガン」の空戦シーンをAirPowerシリーズでプレイしてみることにしました。プレイスタイルはVASSALによるソロプレイです。

前回までの展開は --> こちら

Turn18e


19Turn

この段階で、戦闘可能な機体は双方2機ずつ。ただし米軍機には発射可能なミサイルが0発に対し、敵側には6発の発射可能なミサイルが残っている。さてさて。

先にMiGをガンキルしたマーベリック機は、急降下から引き起こしをかけている。しかし急降下により一気に高度が下がってしまう。それを別のMiGが上空から狙っている。危うしマーベリック。

Turn19a


21Turn

マーベリックは降下から上昇に転じて垂直ロール。機首をMiGに相対する。しかし無理な機動が祟ってエネルギーを失う。一方のハリウッド機は後方に食らいつくMiGを振り切ろうと低速で急旋回を行うも、MiGもまたしつこくハリウッド機に食い下がる。

Turn21a


22Turn

正面から接近するマーベリック機とMiG。機銃攻撃を加えようとするMiGに対し、マーベリックは「先制防御」で反応。MiGの正面から突っ込んでいく。約400発の20mm機銃弾をMiGに浴びせかける。10発以上の機銃弾がMiGをバラバラに引き裂いた。

Turn22a
Turn22b
Turn22c

Splash Three!

残ったMiGは1機。しかも新兵が乗り、赤外線誘導ミサイルと機銃弾を撃ち尽くした機体である。MiGは勝機なしとみて戦場を離脱していった。

Mustang, this is Voodoo Three. Remaining MiGs are bugging out.

Turn22d


両軍の戦果と損害

米海軍の損害

F-14A 1機損失、1機中破

某国空軍の損害

MiG-21 3機損失、2機大破

なお、撃墜されたアイスマン機だが、RIOのスライダーは脱出時にパラシュートが開かずに墜死。パイロットのアイスマンは無事脱出に成功し、救難ヘリコプターに救助された。

「スライダー、あいつは良い奴だった」

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感想

序盤はトップガン達にとって苦しい展開でしたが、例の「宇垣裁定」を入れたから状況が逆転。ほぼ映画と同じような状況を再現できました。(スライダーが死んじゃったのは映画にはできないかも・・・)
ミサイルの命中率は、米海軍は計8発のミサイル(AIM-9Lが6発、AIM-7Fが2発)を発射しましたが、AIM-7Fが1発、AIM-9Lが2発が命中しました。命中率37.5%は決して低い数値ではありません。
パイロット別の戦果は、やはりマーベリックのスコアがトップで撃墜3機(史実通り!!)。内訳はAIM-7Fで1機、20mmバルカン砲で2機です。機銃による撃墜数が多かった理由は、マーベリックが「トップガン」ということで命中判定に有利な修正(-2)を得られたことです。
マーベリック以外では、アイスマンとハリウッドがそれぞれAIM-9Lで1機ずつ撃破しました。撃墜に至らなかったのはアンラッキーでしたが、米軍側が撃墜又は不確実撃墜と判定された可能性はあります。

一方の敵側ですが、発射したミサイルは計5発。そのうち2発がハリウッドとアイスマンに命中しました。命中率で言えばトップガン達を上回っています。まあ出目が良かったというのが真相ですが、大型のF-14Aが相手だとミサイルの命中率は10%有利になるというのも効いています。米軍機の損害はすべて赤外線誘導ミサイルによるもの。機銃射撃は4回実施したものの命中はなし。こちらについてはやや運に恵まれなかった感はあります。
あと、今回のプレイで気になったのはF-14Aの運動性。当初予想はしていましたが、俊敏なMiG-21を相手にすると、F-14Aの運動性はどうしても劣ってしまいます。特に厳しいのはエンジン出力で、アフターバーナーを吹かしてもMiGを追い詰めるのは結構至難です。ましてや数に勝るMiGが次々と赤外線誘導ミサイルで波状攻撃を仕掛けてくるので、オチオチアフターバーナーを焚くこともできません。米海軍としては強力なエンジンを搭載したF-14Dスーパートムキャットが欲しい所です。

F-14D


今回久しぶりにAirPowerをソロプレイしてみましたが、やはりこのゲーム、面白いです。ルールは複雑だし時間もかかるゲームなので対戦用アイテムとしてはやや不向きに思えますが、そこはそれ、ソロプレイで楽しむ分には何ら制約にはなりません。実際、様々なシチュエーションがシナリオ化されているので(航空自衛隊が活躍するシナリオもある)、まだまだ楽しみたい作品だと言えます。

次は、F-20A TigerSharkでも出してみましょうか・・・。

MiG21_Burning



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AirPower(以下、本作)は、1992年に米国Clash of Arms社から発売された空戦ゲームシリーズです。今回、映画 トップガン マーヴェリック の上映を記念して、オリジナル「トップガン」の空戦シーンをAirPowerシリーズでプレイしてみることにしました。プレイスタイルはVASSALによるソロプレイです。

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Turn09a


10Turn

マーベリックは2発目のスパローミサイルを放った。しかし今回もMiG側の妨害と出目の悪さに祟られてミサイルは外れ。

ここで「宇垣裁定」発令。未発見のミサイルに対して自動防御プログラムを始動できるのは変なので、自動防御プログラムはミサイルを発見しないと作動できないものとした(まあミサイル探知装置の類が搭載されていれば自動防御も可能でしょうけど、MiG21にその手の装備はないと思マス)。また自動防御プログラムと手動によるミサイル妨害は併用できないとした。

ダイスを振りなおした結果、ミサイルはMiGを直撃した。ようやく米海軍も1機撃墜。一矢を報いた。

Splash One!

Turn10a


11Turn

MiG側は1機が撃墜されて1機が大破して戦場を離脱した。残りは4機。うち1機は赤外線誘導ミサイルと機銃弾を撃ち尽くしたが、被弾損傷したハリウッド機の後方にピタリとつけている。ハリウッド機は低空飛行によりMiGのレーダーロックオンを防いでいるが、少しでも高度を上げると後方に食いついているMiGにレーダーロックオンされてしまうだろう。

ここでMiGは戦術を変更した。ハリウッド機に食いついている1機を除いた3機。そのうち1機が翼を翻して降下を開始。ハリウッド機に止めを刺さんと急降下していく。残り2機のMiGが米海軍側の増援機であるマーベリック機に向かう。マーベリックに向かったMiG 2機はマーベリックを挟み込むように機動する。しかし高度で優位に立つマーベリック機はまだ少し余裕がある。正面を横切ろうとしたMiGに対し、マーベリックはAIM-9Lサイドワインダー赤外線誘導ミサイルを発射した。

I got tone. I got tone! Firing!
(あがちょん、あがちょん)

Turn11a


12-13Turn

渾身を込めて放ったマーベリックの2発のミサイルは、しかしMiGの発射したフレアに騙されて左に逸れていった。ミサイルに狙われたMiGは急降下して逃れていく。マーベリックはそれを追わず、もう1機のMiGに機首を向けた。

Turn13a


14Turn

Shit he's gonna lock on us!
(ロックオンされた)

マーベリック機の後方に回り込んだMiGがマーベリック機をそのレーダーでとらえた。どうする、マーベリック。

Turn14a


15Turn

マーベリック機はチャフを巻きつつ右へ降下旋回を行う。そのため追尾するMiGはマーベリック機をトラッキングコーンから外した。ロックオンが外れて一息つくマーベリック。その頃、敵に追われていたはずのハリウッド機が急旋回で立場を逆転。AIM-9Lサイドワインダーを立て続けに2発発射した。

Turn15a

16Turn

ハリウッド機の放った2発のサイドワインダーのうち1発がMiGの至近距離で炸裂した。MiGは撃墜こそ免れたものの、兵装を全て失い、戦闘能力を喪失した。これで残りのMiGは3機のみ。しかしトップガン達もハリウッド機、マーベリック機共にミサイルの残量が事実上ゼロ。ハリウッド機にはAIN-7Fスパロー2発を残していたが、レーダーが使用不能になっているので、発射は不可能であった。

Turn16a


18Turn

マーベリック機とMiGは垂直降下戦闘を行う。MiGがバーティカルロールを利用してマーベリック機の背後に回り込み、23mm機関砲を浴びせかける。

MiG is coming into gun's range.
He's firing. Break right.

Turn18a
Turn18b

MiGの機関砲はスレスレでマーベリック機の機体を逸れた。
その刹那、射撃を終えたMiGがマーベリック機の後下方をすり抜けていく。

There he is. Get him, Maverick! Get him!
OK, you guys, I'm coming in.

マーベリックは機体を急降下させてバーティカルロールを行い、MiGの背後に回り込む。ミサイルは残っていないが、機銃弾はタップリと残っている。

Turn18c


I got him. I got him.
Here comes take a shot. Firing!

Turn18d


約200発の20mm機関砲弾がMiGに浴びせられた。そのうち数発がMiGの機体を直撃する。脆弱なMiGはバラバラになり、海に向かって落ちていく。

Bingo! Splash Two.

Turn18e


MiG-21


つづく

AirPower(以下、本作)は、1992年に米国Clash of Arms社から発売された空戦ゲームシリーズです。今回、映画 トップガン マーヴェリック の上映を記念して、オリジナル「トップガン」の空戦シーンをAirPowerシリーズでプレイしてみることにしました。プレイスタイルはVASSALによるソロプレイです。

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Turn04a


5Turn

慌てたのはMiGである。トップガン共を追い詰めていたはずが、突然ミサイルが飛んできたからさあ大変。フレアを発射しつ右へ回避してミサイルを避ける。しかし当時最新鋭のAIM-9Lサイドワインダーは、フレアには騙されない。しかも命中精度も抜群。右斜め後方という不利な角度にも関わらず、サイドワインダーは目標に命中した。右翼の半分が吹き飛ばされたMiG21。墜落は時間の問題か・・・。

Bingo!

アイスマン機後席のスライダーが叫ぶ。
しかしMiGはギリギリで持ちこたえた。右翼の半分を失いながらも、尚も飛行を続けている。

Damn it

一方のハリウッド機。ミサイルの至近直撃を受けて一瞬バランスを失ったが、何とか機体を持ちこたえた。エンジンの半分を失いつつも、残り半分で何とか飛行を続けている。そのハリウッド機を追って1機のMiGが迫る。先にハリウッド機にミサイル攻撃を行った機体だ。

Hollywood, that bogey's still behind you. I'm manoeuvring for a shot.

アイスマンが叫ぶ。先に撃破したMiGを無視して左旋回したアイスマンは、ハリウッド機を追うMiGの後方距離約3マイルからミサイルを発射した。

Fox Tow! Fox Tow! Fox Tow!

サイドワインダーが再び空中に放たれた。

Turn05a


6Turn

ミサイルに追われたMiGは、しかしミサイルを無視してハリウッド機を追う。

Oh, shit! He's got a radar lock on us.

ハリウッドの叫びが無線に響く。ハリウッド機の背後に回り込んだMiGは、たっぷり2秒間のバースト射撃をハリウッド機に浴びせかけた。
しかし機銃弾は悉く外れ。胸をなでおろすハリウッド&ウルフマンコンビ。

一方そのMiGを追っていたサイドワインダーミサイルは、MiGが自動防御システムでフレアをまき散らしたため、それに吸い込まれて行って外れた。

Turn06a


7Turn

Maverick's supersonic. I'll be there in 30 seconds.

ヒーロー登場である。ブードゥ3、すなわちマーベリック・マーリンが乗る援護機が戦場に姿を現した。しかしまだ距離は遠い。マーベリック機が戦場に到着するまで、アイスマンとハリウッドは持ちこたえられるか。

アイスマンは低速のまま左へ90度旋回を実施。向き直した所で左前方に1機のMiGをレーダーでロックオンした。

被弾したハリウッドは低空を逃げ回っている。先ほどからハリウッドを付け狙っているMiGは、赤外線誘導ミサイルと機関砲を全て撃ち尽くしているため、一旦ハリウッド機との距離を離隔。レーダー誘導ミサイルで勝負をかけるべく機動を行う。

Turn07a


8Turn

Ice, MiG on our tail.

アイスマンの後席スライダーが叫ぶ。アイスマンがレーダーロックオンした目標へスパローを叩きこむべく機動した所へ、背後に回り込んだ別のMiGが後方下からミサイルを発射したのだ。発射したミサイルは1発のみ。一方、そのMiGに対して、後方から接近中のマーベリック機が、距離8マイルからAIM-7Fスパローを発射した。

Fox One! Fox One! Fox One!

Turn08a


9Turn

ミサイルに追われたアイスマンは、機体を急降下に入れてロール機動で回避を試みる。フレアを発射してミサイルを騙すが、何故かミサイルは騙されない。R-60赤外線誘導ミサイルは、まるで吸い込まれるかのようにアイスマンの機体に近づいていく。そして・・・、爆発。

I'm hit! I'm hit! We're coming apart. I can't control it!
Eject! Eject! Eject!

アイスマン機の射出座席が始動し、まず後席のスライダーが射出座席で飛び出す。続いてアイスマンが飛び出す。無事脱出に成功したかに見えたが、先に飛び出したスライダーのパラシュートは炎に包まれていた。これでは助かりようがない。

Ice's been hit. Ice's been hit! Shit! Ice's been hit!
Voodoo Three, Voodoo Three, Ice's been hit, Ice's been hit!
We've lost Iceman! Repeat, we've lost Iceman!

マーベリックの悲痛な叫びが無線機に響く。さらにマーベリックの放ったスパローは、MiGのチャフに騙されて目標を逸れた。

Damn it, missed.

Turn09a


F-14Burning


つづく
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AirPower(以下、本作)は、1992年に米国Clash of Arms社から発売された空戦ゲームシリーズです。シリーズと言っても実際に発売されたのは、同年に発売されたClash of Arms社の「The Speed of Heat」だけで、あとはAirPower Journalという雑誌で追加シナリオや追加データが掲載されていたようです。あと、忘れちゃいけない View from a Cockpit (以下、VfaC) 。和製のAirPowerシリーズサプリメントですが、そのクォリティの高さは半端ないです。

今回、映画 トップガン マーヴェリック の上映を記念して(という程のことではないのですが)、オリジナル「トップガン」の空戦シーンをAirPowerシリーズでプレイしてみることにしました。AirPowerの前作ともいうべきGDW社のAir Superiority(1987)(以下、AS)にクライマックスシーンを再現したシナリオが用意されていたので、そちらを使用します。個人的にはA-4改「マングース」とトップガン達の戦いを描いたシナリオがプレイしたかったのですが(旧式だが小型軽量のA-4が、当時最新鋭のF-14Aを翻弄する様が見てみたい)、残念ながらシナリオが見つかりませんでした。ちなみに機体のデータはASから流用(早くVfaCの米海軍サプリメントが見てみたい・・・)、ミサイルはVfaCのデータを使用しました。また劇中で「MiG28ファンタジー」となっている架空のミグは、シナリオではMiG21扱いとなっています。現代のイメージなら、MiG29の輸出型あたりがしっくりくるかもしれません(それだとF-14は勝てないか・・・)。
またオリジナルのシナリオでは特に指定がない搭乗員の練度についてですが、米側トップガン卒業生(3番機のRIO=マーリンを除く全員)は、ヴェテランでかつTactical Master扱いとしました。さらに1番機と3番機のパイロット(アイスマンとマーヴェリック)は、Combat Hero扱いにしました(ちょッと下駄を履かせすぎかな?)。また1番機のRIO=スライダーは、ガタイがデカイので体力優秀。また3番機のパイロット=マーヴェリックは、自信が劣悪(グースの死からまだ立ち直っていないため)としました。
敵側については、6機のMiG21が登場し、うち2機はソ連の軍事顧問団が乗っているという設定のようです(劇中でハリウッドのF-14Aを撃墜したのは、軍事顧問団のMiGらしい)。そこで練度は軍事顧問団が平均、地元兵は平均、ノービス、ノービス、グリーンとしました。

プレイスタイルはVASSALによるソロプレイです。

Turn00a


1-2Turn

Ice, we've got a problem here. Now we've got four aircraft on radar.
Not one pair, two pair. Repeat, four bogeys.
No! Make that five!
(「違うぞ、敵機は5機だ」)

ブードゥ2(2番機)のRIOを務めるウルフマンが叫ぶ。今や状況は急速に悪化しつつあった。当初2機と思われていたMiG戦闘機が実は4機、いや5機目も彼らの眼前に現れたのである。実際の状況はさらに悪く、彼らが未だ発見していない第6のMiGが彼らの後方から攻撃を機会を伺っていたのだ。
相手が同数なら練度と機体性能の優位を生かして苦も無く相手を圧倒出来るはずのトップガン達であったが、2倍以上の敵となると話は別だ。さすがのトップガン達も2倍以上の敵が相手なら確実な勝利は期待できない。
無論相手の立場に立って考えると、これは当然と言えば当然と言える。トップガン達の技量とF-14の性能の高さは敵側も当然知悉している。同数で戦えば勝てないことは、既に実戦の場面で何度も証明されていた。であれば数的優位に持ち込むべく敢えて密集編隊を組んで相手に少数機と思わせておいて、空戦場面で散開させて数的優位でトップガン達を圧倒しようというのは理にかなった戦術といえよう。この時点では有り体に言えば、敵側の作戦勝ち。トップガン達は罠にはまったといえる。

Mustang, This is Voodoo One. We are totally defensive. Launch the alert fighters
(こちらブードゥ1。完全に囲まれた。援護機を頼む)

その時彼らの後方から近づいていた「6番目のMiG」が、2番機のハリウッド機を狙ってミサイルを発射した。R-60赤外線誘導ミサイル。NATOコードネーム"AA-8Aエイフィッド"だ。機動力に優れた小型ミサイルである。その2発がMiGから放たれ、トップガン達の乗るF-14の右後方から迫ってきた。トップガン達はまだ気が付かない。

Turn02a


3Turn

右後方で何か光った。そう思ったハリウッドが右後方を振り返ると、驚くべき光景が。6番目のMiGの姿と、そこから放たれた2発のミサイルが真っすぐこちらに向かってくるのではないか。

Break Left. Break Left!

ハリウッド機後席のウルフマンが叫ぶ。排気熱の量を絞るべくスロットルを下げて、左に急旋回。さらに立て続けに数発のフレア弾が発射された。赤外線誘導ミサイルを騙す熱源体である。
MiGの放ったミサイルは、いずれもフレアに引き寄せられて外れ。ハリウッド・ウルフマンコンビはとりあえず最初の危機は乗り切った。しかし・・・、

Lead MiG is coming into gun's range.

「6番目のMiG」はハリウッド機の後方から近づき、23mm機関砲を撃ってくる。緊急回避で左へ避けるトップガン。機銃弾はギリギリの所で機体を逸れた。

Shit! That was close.


Turn03a


4Turn

「ウッド、さらにミサイルが1発来るぞ」

ウルフマンが叫ぶ。右後方から近づいてきた別のMiGが、ハリウッド機にR-60赤外線誘導ミサイル2発を発射したのだ。2発のうち1発は発射タイミングが早すぎて誘導に失敗して自爆したが、もう1発は正確な軌跡を描いてハリウッド機に迫ってきた。

Break right! Break right!

右へ降下旋回しながらミサイルから逃げる。フレアも発射されたが、今度はミサイルは騙されない。ミサイルはF-14の至近距離に近づき、近接信管を作動させた。

I'm hit. I'm hit!

ハリウッド機は胴体付近に被弾した。電子装備も破壊されたため、チャフ・フレアの放出が不可能となってしまう。さらにレーダーも機能を停止する。しかも彼らの危機はまだ終わってはいない。別のMiGが傷ついたハリウッド機に止めを刺すべく、近づいている。

一方、アイスマンのブードゥ1は、一旦MiGの包囲から逃れた後、垂直上昇してバーティカルロールを実施、機首を翻してMiG編隊に相対している。

One MiG 12 o'clock high, one MiG 12 o'clock high!
OK, you guys, I'm coming in.
I'm on his tail. I'm on his tail. I'm going for it. I'm going for the shot right now.
Roger, engaged!
I got tone, taking the shot. Fire!
Fox Tow! Fox Tow! Fox Tow!

アイスマンの機体から1発のAIM-9Lサイドワインダー赤外線誘導ミサイルが放たれた。ミサイルは前方1マイルを飛行中のMiGのエンジンテールに向かって飛んでいく。

Turn04a


F-14A


つづく

5
写真1


本日、期待の新作ゲームを入手しました。
タイトルは"View from a Cockpit #5 Far East Crisis"

実は新作といっても完全な意味での新作ではなく、Clash of Arms社の空戦ゲーム"Air Power"シリーズのサプリメントという位置づけです。

これまで#1~#4の計4作が発表されており、朝鮮半島、中国等、我々にとっては馴染みの深い地域が網羅されておりましたが、今回の特集は「航空自衛隊」。F-86FセイバーからF-35Aライトニング2までの航空自衛隊の主力戦闘機と、対抗馬としての旧ソ連、北朝鮮、中国等の航空機がデータ化されています。

シナリオも豊富に用意されており、1950年代におけるF-86FとMiG-17の対決、1960年代におけるF-104JとMiG-21の対決等の他、「本命」とも言って良い199x年における北海道戦争のシナリオ、さらには202x年における日中の戦いなどもシナリオ化されています。
中でも北海道戦争のシナリオは、F-15JとSu-27の対決という「東西のエース対決」の他、名寄付近での戦車戦闘とそれを支援する日ソ両軍のCAS任務、旭川駐屯地への爆撃とそれを迎え撃つ空自戦闘機といった様々なシチュエーションがシナリオ化されており、シナリオを読んでいるだけでも楽しくなっています。

"View from a Cockpit #5 Far East Crisis"は下記のURLから入手可能なので、興味のある方は覗いてみては如何でしょうか。なお、VfC各シリーズに登場する各種兵装は、"View from a Cockpit #1 Data and Briefing"に掲載されているので、VfCシリーズを楽しむためには#1は必携と言えます。

http://asl66.livedoor.blog/archives/5193388.html

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