もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 政治外交

5

201116_テレビ界

テレビ界の「バカのクラスター」を一掃せよ

藤原かずえ 飛鳥新書

コロナ禍では日本における様々な課題を表出させたが、その中の1つにマスメディアの劣化がある。自国の政策を無条件に批判し恐怖を煽る一方で日本よりも感染率・致死率が遥かに高い諸外国のコロナ対策を絶賛する。そこには科学的な知見や冷静な判断はなく、素人の思い付き以上ではないアイデアをあたかも「全能の神による神託」のごとく騒ぎ続ける。これが単なる「素人の戯言」で済めば良かったものを、「腐ってもマスメディア」なので現場対応に追われている医療現場に大きなダメージを与えたことは否めない。

本書では、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」、テレビ朝日「報道ステーション」、TBS「サンデーモーニング」、TBS「報道特集」、TBS「news23」といった番組と、これらの番組で主役を演じた玉川徹氏、青木理氏、金平茂紀氏、後藤謙次氏らの偏向かつ無責任は発言を取り上げ、その矛盾を突いている。彼らの発言は反日、反米、反安倍、親中、親朝、親韓という点で一貫しているが、その中で展開される論理は粗雑そのもの。前言撤回、ダブルスタンダード等は日常茶飯事。コロナ禍も大災害も北朝鮮のミサイル攻撃も拉致問題も、全て「安倍批判」につなげるという。

さらに彼らはマスメディアの枠組みを超えて露骨な選挙介入や国政介入を行う。沖縄の基地問題にしても基地反対派を英雄視する一方、彼らの悪行(機動隊員やその家族に対する暴行)を一切報じない。ここまでくるとマスメディアは「正当な国政チェックを行う監視機構」ではなく、政策論争を放棄した野党勢力や日本を脅かす外国勢力に与する政治工作であり、国民にとっては迷惑極まりない存在と言える。

幸い近年はインターネットの発展によってマスメディアによる情報独占は崩れつつある。そのことが偏向したマスメディアを焦らせ、より極端な偏向放送につながっているといえる。このようなマスメディアがやがて大多数の国民からの支持を失い、世間から無視されるようになることは疑う余地がない。そうなる前にマスメディア自身が自らの問題に気づいて改善を行い、政権のチェック機構として正しく機能するよう願ってやまない(ムリだろうな・・・)。

お奨め度★★★★★

3
201010_国家の怠慢

国家の怠慢

高橋洋一/原英史 新潮新書

本書はコロナ禍で明らかになった日本の統治システムの欠陥を対談形式で論じていく著作である。対談形式なので全体にやや散漫な感は否めないが、本書の目的である日本型システムの欠陥については、過不足なく論じられていると評してい良い。
本書はまずコロナ対策をして、何故日本のコロナ対策が後手に回ったのかを論じている。一言でいえば「緊急事態を否定し続けた日本」が根本的な問題。筆者らによれば、日本の有事体制における弱点がコロナ禍で一気に露呈したということになる。
本書では他にも教育改革の遅れ、マイナンバー制度の導入遅れ、マスコミの劣化等にも触れており、さらになぜ役人が改革を嫌がるのか、行革が進まないかについても触れている。
かつて幕藩体制が時代の流れにそぐわないものになり、黒船来航と明治維新によって徳川幕府は倒された。現在の日本の統治システムもあの戦争に敗れて早くも100年近く、その間抜本的な改造は行われることなく現在に至っている。果たして今回のコロナ禍が日本にとって黒船や明治維新となるのか・・・。

多分、ならないだろうなぁ・・・。

お奨め度★★★

201018_パンデミック

緊急提言パンデミック

ユヴァル・ノア・ハラリ/柴田裕之訳 河出書房

「サピエンス全史」「ホモ・デウス」で人類史を論じた筆者が、コロナ禍について論じた著作である。2020年春に緊急出版された著作なので、そのボリュームはあまり多くはない。
筆者の主張はいくつかあるが、その一つは協調の重要性である。筆者によればウィルスと人類との闘争の中で人類の最も強みは「情報」にあるという。だから我々は孤立すべきではなく協調すべきと筆者は説く。一時的なロックダウンは仕方がないとしても、ウィルスによってそれぞれの国家が孤立化してはならない。筆者によれば。グローバル化こそがウィルスに対する人類の最も有利な点なのだから。
また筆者はウィルス対策と民主主義とのかかわりについても論じている。ウィルスとの戦いで情報を国家権力が一手に握るのは危険かつ有害だと筆者は説く。筆者によれば、ウィルス対策のためには情報が必要であるが、その情報は国家権力が強制的に収集すべきものではなく、一般国民が自主的に提供するものでなければならない。そのために情報は国家権力ではない中立の機関が収集・管理すべきと筆者は説く。
上記以外にもナショナリズムとグローバリズムとの関係、現在の世界情勢に対する筆者の見解なども窺い知ることができる内容になっている。

お奨め度★★★

4
200925_疫病2020

疫病2020

門田隆将 産経新聞出版

本書は2020年前半におけるコロナ禍とそれに対する各国の対応を追ったノンフィクションである。本書は、コロナ禍真っただ中の2020年6月の段階で初版が出版されているので、コロナ禍をほぼリアルタイムで描写している点が特徴である。これは非常に重要な点で、事態が明らかになってから批判するのとは全く意味が違う。

本書はまず1~2月における日本政府のコロナ対策を強烈に非難している。武漢が都市封鎖される中、世界各国が中国や武漢からの人の流れを遮断する中、日本政府は相変わらず中国に対して門戸を開き続けた。筆者は1月の段階で既にTwiiterでコロナ対策の重要性を唱え続けていたが、その声が官邸に届くことはなかった。筆者の言葉を借りれば、安倍政権はコロナ対策の初動で失敗したことになる。

その後「ダイヤモンド・プリンセス」号事件があり、先に述べた小中学校の一斉休校、緊急事態宣言、自粛期間、そしてコロナの一時的な鎮静化、緊急事態宣言の解除という一連の流れについては今更述べることではない。筆者は一連の流れの中で、政府の対応は後手であったと強い口調で非難している(それもリアルタイムで、決して後知恵ではない)。にも拘らず日本は世界的にみればコロナ対策に「比較的成功した側」の国である。それはコロナによる死者数が欧米諸国に比べて圧倒的に少ないことからもわかる。筆者はその原因を医療現場の現場力と国民の衛生観念、そして他人を思いやる気持ちが強い文化にあるとする。筆者の言葉を借りれば、勝利したのは「政府」ではなく、「国民」だったのだ、と。

さらに筆者はコロナ対策に最も成功したといわれる台湾に着目し、台湾でのコロナ対策と、その成功要因について触れている。その最大の要因は、危機意識の高さとリーダーの対応の早さ、そして危機管理に対応可能な法制度であろう。その点日本との違いは明白で、危機意識については上記に述べた通り。リーダーについても残念ながら安倍首相の対応は台湾蔡英文総統のスピード感に比べると「牛歩」の感があった。危機管理体制については言わずもがなだろう。100年近くも前に制定された憲法改正について「議論」すらできないとは「平和ボケ」以外の何物でもない。

さらに筆者はコロナが最初に拡散した中国の実情に触れ、中国共産党が今回のコロナ被害を如何にして隠蔽したのか、またそのことによって世界がどのような災厄を被ったかについて厳しく批判している。筆者の言葉が中国共産党を動かすことは期待できないが、我々は共産中国の危険性や害悪についてもっと注意する必要があるだろう。さらに恐ろしいのは、共産中国がコロナをその全体主義的な対応で極めて効果的に乗り切った(欧米諸国がコロナ対応に失敗して甚大な被害を被ったのに対して対照的と言える)こと。さらにコロナ対策を通じて共産党による国民監視がより徹底したレベルになったことである。コロナ対策で自信を深めた習近平体制は、自由主義世界に対してより挑発的な態度を強める可能性は高い。

コロナは現在進行形で続く厄災である。現時点で「総括」や「結論」を出す段階ではない。そういった意味で本書は中間報告として読むべき著作である。そんな中、コロナ禍は日本の危機管理体制の甘さは白日の下にさらした。我々は今後日本が生き残るために何をすべきか、真剣に考える時を迎えた。これほどの国難でも未だ明後日の方向を向いている政治家やマスコミもいる。真に国民の命を守ろうとしない人たちは日本に必要はない。

お奨め度★★★★

3
200816_カエルの楽園

カエルの楽園

百田尚樹 新潮文庫

この本は寓話である。現在の日本を模した架空の「カエルの楽園」を舞台に繰り広げられるカエルたちの葛藤を描いている。本書を通じて筆者は現在の我が国の安全保障政策を批判している。小学生でも読めるような平易な文章だが、もし小学生が本書を読書感想文のテーマに選んだら、先生はどんな顔をするんだろう。と想像するのは楽しい。自分が小中学生だったら、多分本書で読書感想文を書くだろうな、と思ってしまった(中学生ぐらいなら教師のスタイルが右か左かぐらいは判断できる)。
2~3時間ぐらいで読める内容であり、また「カエルの楽園」がどうなるかワクワクするので、結構楽しめる作品である。

お奨め度★★★

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