もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 歴史

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220725_松岡洋右

松岡洋右-悲劇の外交官(下)

豊田穣 新潮文庫

前回紹介した続きである。国際連盟を脱退して松岡が日本に帰国してから、戦後まもなく松岡が病死するまでを描いている。本書の見所は何と言っても外務大臣となった松岡が1940年に訪欧する場面で、この訪欧によって松岡は三国同盟を締結し、さらに日ソ中立条約の締結に成功する。現在の視点で見れば、この2つが太平洋戦争への道を開き、さらに日本の敗戦へと繋がっていった訳だが、当事者の松岡がどう考えていたのか。本書によれば、松岡は対米戦を主張していたのではなく、対米戦を止めるためにこれらの条約を締結したのだという。しかし訪欧から帰ってきた松岡を待っていたのは、日米了解案という松岡の意に沿わない日米合意であった。そして近衛文麿との対立などもあり、松岡は次第に孤立を深めていく。近衛によって外務大臣を追われた松岡は、政権から遠のき、そして運命の日米開戦を迎える。
本書は松岡を主人公にしている関係上、松岡に対しては好意的であり、また日米交渉における米側の行動に対して批判的である。本書の内容が妥当かどうかは読者それぞれが判断すれば良いと思うが、松岡洋右という人物について考えるきっかけにはなると思う。

お奨め度★★★

3
220531_松岡洋右

松岡洋右-悲劇の外交官(上)

豊田穣 新潮文庫

戦時中に艦爆に乗ってソロモン諸島で撃墜され、捕虜になった後帰国した筆者=豊田氏は、戦史モノのフィクション、ノンフィクション作家として知られている。本書は豊田氏が国連脱退、日ソ不可侵条約等で活躍した外交官である松岡洋右について描いたノンフィクション作品である。上下2巻構成の上巻では、松岡の生い立ちから満州時代の働き、そして満州事変を受けて国際連盟で日本の立場を守るために奮闘する姿を描いている。テーマの割にページが多いので、やや余談じみた話でページ数を稼いでいる感があるのが気になる所だ。下巻ではいよいよ松岡が国際舞台で活躍することになるので、楽しみである。

お奨め度★★★

3
220413_歴史問題は解決しない

歴史問題は解決しない:日本はこれからも敗戦国でありつづける理由

倉山満 PHP文庫

本書はなぜ日本において歴史問題は解決しないかを記した著作である。本書は歴史問題の解決方法を記した著作ではない。そうではなくて歴史問題の解決が困難な理由を記したものである。本書曰く、ウェストファリア体制によってヨーロッパで確立した限定戦争の思想。それはヨーロッパ人によって都合の良い身勝手なものであったが、明治以降の日本はその思想(「文明」を言い換えることもできる)を受け入れ、模範生となった。しかしウェストファリア体制を受け入れないアメリカ、ロシア、中共が世界の大国を占めた時、限定戦争は無制限戦争に変わった。そこには敵を犯罪者と捉え、戦闘員と非戦闘員を区別しない野蛮な戦争(「聖戦」と呼び変えることもできる)を引き起こした。そこに戦時と平時の区別はなく、そのことは日本に対するアメリカの戦後政策がそれを如実に著わしてる。
本書の主張がどこまで正しいかは判断に迷う所だが、歴史問題の本質を考える際に参考となる著作とはいえるだろう。

お奨め度★★★

4
220210_朝鮮戦争と

朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作

江崎道朗 PHP新書

第2次世界大戦が終わった後もアジアでは戦乱が続いていた。中国大陸における国共内戦とそれに続く台湾紛争、そして朝鮮戦争、さらにインドシナ戦争など。さらに日本国内でも日本共産党による革命工作が活発に行われていた。さらにアメリカでもGHQ内部に共産党シンパと言われるグループが支配権をにぎり、陰に陽にアジアの赤化に力を貸していた。まさに日本は赤化革命寸前の状態であった。
本書ではそのように混乱した戦後期の東アジアを舞台に、スターリン、毛沢東、金日成、そして日本共産党の面々がどのような形で赤化革命を成し遂げようとしたのか。またそれに対して日本政府、日本の民間人(元軍人達)はそれを阻止しようとしたのか(そして阻止したのか)。本書はそのことを追った著作である。
内容は本書をお読みいただきたいが、以下の筆者の言葉は現在の我々も肝に銘じるべきだろう。
「敗戦後、日本の命運をアメリカ任せにするような愚かな判断をしなかった日本の政治家、軍人たちが存在したからこそ、日本は敗戦後の「危機」を乗り越えることができた。たった1回、戦争に負けたぐらいで、独立国家としての誇りを失うような情けない人ばかりではなかったのだ」

P.S. 本書を読んで現在の日本の政治状況に当てはめると、例えば立〇党などは単に「愚か」なだけだが、共産党は真に「狡猾で恐るべき」脅威であると考えうる。

お奨め度★★★★

3
211228_東海道五十三次

東海道五十三次が超おもしろくなる本

街道の旅を楽しむ会 扶桑社文庫

江戸時代に整備された五街道。その中でも最も有名な東海道の旅について、当時の旅のスタイルを交通、宿泊、食事、娯楽等の観点で描いた小ネタ本である。当時の旅行スタイルを知ることができ、東海道を歩いてみようと思わせてくれる著作である。

お奨め度★★★

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