
パール判事の東京裁判日本無罪論

田中正明 小学館文庫
東京裁判(極東軍事裁判)とは、1946年から1948年にかけて戦勝国である連合国が「戦争犯罪人」として指定した日本の指導者たちを裁いた軍事裁判である。この裁判で東条英機をはじめとするA級戦犯7名が絞首刑となった。本書は、東京裁判に参加した判事・裁判官のうち、唯一「全員無罪」を主張したラダ・ビノート・パール博士の主張を紹介し、それと共に東京裁判なるものが如何に欺瞞に満ちた茶番劇であったかを論ずる著作である。 本書によれば、東京裁判は「原告は文明である」としながらこの裁判自体が文明を冒とくし文明に逆行するものであったとしている。例えば「法の不遡及」(法は遡らない)が法治社会の根本原則であることについて、敢えて説明するまでもないだろう。しかし東京裁判は、この根本原則すら無視した暴挙であった。 さらに本書は訴える。東京裁判で醸成された日本人の自虐史観が、日本人から誇りを失わせ、占領政策の精神的虜になっていると。東京裁判の判決が全く不当なものであり、裁判自体が茶番劇に過ぎなかったことが既に世界的な常識となっているにも関わらず、当の日本人が誤った占領政策によって精神的俘虜状態を脱していないことは悲しむべきことだ。未だに東京裁判史観に基づいて反日宣伝を繰り広げる中朝韓の姿勢には呆れる他ないが、まずは当の日本人が東京裁判史観から抜け出して、誇りを取り戻すことが喫緊の課題と言えよう。お奨め度★★★★★