もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 1946年以降

GJ88_表紙


「激闘!マッカーサー国連軍」(以下、本作)は、Game Journal88号の付録ゲームだ。テーマは朝鮮戦争の序盤1950年の戦いで、1ユニット=1個師団、1Turn=半月、1Hex=約20kmのスケールで描く。

基本システムは、名作の誉れ高い「激闘!マンシュタイン軍集団」(2003年)のシステムを採用している。具体的には命令チットをカップに入れて、引いた命令チットに相当する司令部が活性化する。活性化した司令部は、指揮範囲内のユニットを活性化し、移動・戦闘させることができる。さらに特別活性化というルールがあり、司令部からではなく直接ユニットに命令を与えることも可能である。

今回、本作をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

APic00


1Turn

NK_105TD_8410戦争が始まった。国境を突破した北朝鮮軍は、最初の一撃で開城、議政府を占領。さらに韓国の首都ソウルを包囲し、総攻撃によってこれを奪取した。
ただし北朝鮮軍の独立戦車旅団(1-1-8)が、韓国軍の攻撃を受けて壊滅してしまう。

APic01


2Turn

UN_交通妨害国連軍は補給ポイントを増援3ユニットと航空阻止2ヶ所に回した。壊滅した韓国軍ユニットの復活は後回しである。
北朝鮮軍は水原付近で撤退が遅れていた韓国軍1個師団を包囲殲滅した後、国連軍の航空阻止を掻い潜って太田に殺到する。5:1攻撃でRRの結果を出し、韓国軍第2歩兵師団(2-3-5)を太田より駆逐して太田を占領した。

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3Turn

US_TFS_016太田を落とした北朝鮮軍はさらなる南下を続ける。金泉手前の峠道で韓国軍第2歩兵師団を再び捕捉した北朝鮮軍。1度は逃がすも、洛東江東岸まで下がった倭館で再び北朝鮮軍は第2師団を捕捉した。正面攻撃でついにこれを撃破。洛東江も渡河した北朝鮮軍は、倭館に橋頭堡を築いた。
黄海沿岸では群山を守っていたスミス支隊(0-1-6)が北朝鮮軍2個師団の攻撃を受けて壊滅。群山も北朝鮮軍の支配する所となる。

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4Turn

SK_2D_445洛東江が両軍決戦の地となった。北朝鮮軍は洛東江の北側を迂回すべく、提川を守っていた韓国軍第2歩兵師団(4-4-5)を包囲攻撃する。この時初めて北朝鮮軍伝家の宝刀「バンザイ攻撃」がさく裂。韓国軍は抗せず後退する。

一方、洛東江の東岸の大邸では、国連軍が初めての反撃作戦を実施した。アメリカ第1騎兵師団(9-5-8)、第24歩兵師団(6-6-6)と韓国軍2個師団が大邸に迫る北朝鮮軍第12歩兵師団(4-4-5)を包囲攻撃し、5:1の戦闘比でこれを撃破した。北朝鮮軍の歩兵師団が壊滅したのは、この戦争では初めてのことである。

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5Turn

US_1CD_958国連軍は韓国南西部で大々的な反撃作戦を開始した。米第1騎兵師団、同第25歩兵師団(6-6-6)、そして第2歩兵師団の3個師団と韓国軍2個師団による包囲攻撃である。北朝鮮軍第8歩兵師団(4-4-5)が包囲攻撃により壊滅する。
北朝鮮軍は洛東江戦線から部隊を回し、国連軍に対して3個歩兵師団、1個戦車師団を投入した反撃を実施する。北朝鮮軍得意のバンザイ攻撃でなんとか3:1の戦闘比を達成し、米軍スタックを後退させてステップロスを強いた。しかし大々的な反撃にもかかわらず国連軍の損害は比較的軽微であった。
そしてその時バンザイ攻撃を行った北朝鮮軍第3歩兵師団は、国連軍の反撃により壊滅してしまう。

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6Turn

US_1MD_666国連軍が甕津半島に上陸した。米第1海兵師団(6-6-6)と米第7歩兵師団(6-6-6)が橋頭堡を固める。同地を守備していた北朝鮮軍後備旅団(1-1-4)は瞬く間に撃破された。米軍2個師団は韓国北部を無人の野を往くがごとく前進し、ソウル、春川を奪回した。これにより韓国南部へ進行中の北朝鮮軍は後方連絡線を断たれてしまう。
韓国南部で行動中の米第8軍も浮足立った北朝鮮軍に反撃を実施。歩兵2個師団を完全包囲して殲滅した。

北朝鮮軍は残存兵力を結集し、第1軍を再編成。歩兵3個師団、戦車1個師団でソウル南部に展開する。ソウルを守る米第1海兵師団は、北朝鮮軍による必死の反撃に晒されようとしていた。

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7Turn

NK_7D_445北朝鮮第1軍を追って韓国国内を北上した米第8軍はソウルに到着。同地を守っていた米第1海兵師団と手を結んだ。ソウル南方に布陣していた北朝鮮第1軍は、ソウルと米第8軍に挟まれて大損害を被り、わずかに生き残った北朝鮮部隊がソウル北方に逃れていく。

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8Turn

ZZ_OOS最終Turnである。国連軍は、ソウル北方に展開していた北朝鮮軍をほぼ掃討し、ソウル周辺の安全を確保した。ゲーム終了時点で韓国領内には北朝鮮軍歩兵師団5個が残留していたが、いずれも補給切れ状態で、生還の可能性はほぼなかった。

最終的に北朝鮮軍が獲得した勝利得点(VP)は27VP。北朝鮮側の勝利条件は37VPなので、今回は国連軍の勝利である。

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感想

NK_金日成ルールはシンプルでプレイしやすい。国連側の海上輸送が強力なので、北朝鮮軍は後方の港湾都市を1つ1つ潰していく必要があるだろう。特に甕津と仁川は確実に落としてしっかり守っておきたい。可能ならこの両港湾には師団規模の部隊を配置しておきたい。師団規模部隊で守っていても国連軍には強力な艦砲射撃があるので、上陸そのものを阻止することはできないが、国連軍の戦争資源を消費させるという意味はある。さらに後方に強力な部隊を残しておけば、最前線に前進している北朝鮮軍が北に引き上げる時間的な余裕を得ることができる。そういった意味では、首都ソウルにも師団規模の守備隊を残しておきたい。ソウルを保持していれば、北朝鮮軍によって死命を制する連絡線を守ることができるだろう。今回のように後備旅団を申し訳程度に海岸守備に残していても、気休め以上の意味はない。

次回プレイする時は、北朝鮮軍でもう少し奮戦してみたいものである。

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仁川上陸McArthur





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231022_ウクライナ大反撃戦

軍事研究2023年11月別冊-ウクライナ戦争大反撃戦

ミリタリー・ジャパン・レビュー

2022年2月に開始されたウクライナ戦争は、開戦から1年半以上経過した2023年10月の段階でも終局の兆しはない。当初電撃的にウクライナ制圧を試みたロシア軍は、ウクライナ軍の果敢な反撃にあって予想以上の損害を被った。しかしロシア軍はウクライナ南東部に侵攻し、未だに同国の一部を支配し続けている。出口の見えない状態に陥ったウクライナ戦争。
本書は、現在までのウクライナ戦争の様相を作戦と兵器システムの両面から分析した内容になっている。作戦面では、今日までのロシア・ウクライナ両軍の戦いや今後の予測、そして2023年6月に開始されたとされるウクライナ軍による大反撃作戦とその顛末について記されている。また兵器システムについては、NATOから供与された新鋭戦車群、ロシア・ウクライナ両軍が使用している旧ソ連製の陸戦兵器、航空戦力、ミサイル、ドローン等についても触れられている。
現代進行形の戦いだけに十分な情報が得られている訳ではなく、記事の多くは推測やカタログ的な内容にとどまる場合が多い。それでも現在進行中の事態について理解を深めるという意味では良い著作といえる。

お奨め度★★★

ウクライナ戦争大反撃戦 2023年 11 月号 [雑誌]: 軍事研究 別冊

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230408_イラン空軍

イラン空軍のF-14トムキャット飛行隊

トム・クーパー&フィルザード・ビショップ著 平田光夫訳 大日本絵画

イラン空軍のF-14Aトムキャットと言えば、従来は「交換部品が不足しているため殆ど戦力にはなっていない」とか「戦闘機としての運用ではなく簡易AWACS的な運用が主である」といったように、西側からの一方的な情報が長らく信じられていた。
本書は、筆者独自の取材に基づき、イラン空軍のF-14トムキャット飛行隊の活躍について調査した著作である。筆者は、イラン空軍のF-14トムキャットの正確な撃墜数は不明としながらも、相当数のイラク空軍機がイラン空軍F-14の餌食になったと分析している。しかもその数は少数ではなく、100機前後といった大きな数のイラク機がイラン空軍F-14トムキャットの犠牲になったと筆者はみている。
また本書の魅力は詳細な戦闘場面で、特にAWG-9火器管制レーダーとAIM-54フェニックスミサイルが実戦で有効だったのか否かについては、航空戦ファンなら見逃せない場面だろう。さらにF-14最大の特徴である6目標同時攻撃能力やAIM-54フェニックス6発同時発射などの実戦での評価も明らかになっている。
無論、秘密のベールに包まれたイラン空軍の調査であるから、本書の内容が今後の研究で覆る可能性も十分にある。そういった点も含めて現時点におけるイラン空軍F-14トムキャットに関する最新研究成果という見方もできる著作である。

お奨め度★★★★

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230123_DownTown

DownTownは、米国GMT社が2004年に発表したシミュレーションゲームです。
テーマはベトナム戦争における航空戦で、北ベトナム上空での米海空軍と北ベトナム軍との空中戦闘を再現します。
1Turnは実際の1分間、1Hex=2.5海里、1ユニットは1~4機の航空機を表します。
今回、このゲームを対戦してみました。
選択したシナリオはシナリオD5"Spirit in the Sky"で、これは1967年ローリングサンダー作戦最盛期の米海空軍機による北ベトナム主要部攻撃を描いています。

以下の動画はその記録です。



TS

Twilight Struggle(以下、本作)は、米GMT社が2005年に発売したシミュレーションゲームだ。本作は、WW2終了直後から1989年冷戦終結までの約30年間にわたる約半世紀の冷戦時代を扱う。全10Turnなので、1Turnは実際の4~5年間に相当する。プレイヤーは米ソそれぞれの首脳を演じる。

今回は、本作をVASSALでソロプレイしてみた。以下はその記録である。

前回までの展開 --> こちらく

8Turn

Card107_チェゲバラこのTurnから終盤戦に入る。一旦捨て札を山札に戻し、終盤戦カードを加えてシャッフルし、デッキを再構築する。
ヘッドラインはソ連が「東南アジア得点」、米が「ベイルート米海兵隊兵舎爆破」。双方とも自軍に不利なカードであったが、イスラエルの支配権を失い、米軍の方が不利益が大きかっただろう。

米側は「ヨハネ・パウロ二世の教皇選出」でポーランドの共産党一党支配に楔を打ち込む。ソ連は直ちに反応してポーランドでの反政府運動を鎮圧するが、さらに米国は西ドイツにも楔を打ち込み、ヨーロッパでのソ連側の優越に

アフリカ、南米では、「チェ・ゲバラ」がアフリカ、カメルーンでクーデターを起こして現政権を転覆。さらに南米ウルグアイでもクーデターを起こすが、こちらは政権転覆には至らず。

このTurn終了時点でのVPは米側11点

pic8

9Turn

Card26_CIAの工作このTurn、ソ連側に得点カードが3枚やってきた。「欧州」「中東」「南米」である。作戦ポイントを使って地歩を広げたいソ連側にとって、あまり嬉しい状況ではない。しかし欧州で有利な状況を作り出し、得点差を縮めるという意味ではチャンスでもある。
ヘッドラインはソ連が「スエズ動乱」、米が「CIAの工作」。ソ連側の意図としては「スエズ動乱」でフランスの支配を崩し、欧州で優越を得た上で、「欧州得点」カードを出してVPを稼ぐ魂胆である。 しかし米側が「CIAの工作」を出したことでその意図はほぼ露呈してしまう。ソ連側としては苦々しい展開だ。




Turn09a


ソ連側予定通り「欧州得点」を出して5VPを獲得。得点差を詰める。その後焦点は南米と中東に。まずアメリカが「フンタ」でペルーの親ソ政権に揺さぶりをかけた後、クーデターで政権転覆を狙うが、これは失敗。一方のソ連は3OPでベネゼエラでクーデターを仕掛けて政権転覆に成功した。それに対してアメリカは積極的な対抗手段には出ず、4OPを使ってフランス、イスラエル、ウルグアイで政権固めを行う。
ソ連が「南米得点」カードで空しく得点を数えているのを尻目に、アメリカは「ウスリー川紛争」でソ連の生命線ともいうべき北朝鮮とアフガニスタンに浸透を開始する。

Turn09b


当然ソ連側もこの動きは対処せざるを得ず、北朝鮮に2OPを使って支配固めをする。しかしアメリカも強力な4OPカードで金王朝に圧力をかけ続ける。結局カードの差がモノを言って最終的に金王朝は倒され、北朝鮮に親米政権が樹立した。

このTurn終了時点でのVPは米側8点

pic9


Card100_ウォーゲームちなみにこのTurn、米側に「ウォーゲーム」カードが来ていた。米側はこれをイベントとして発動することにより即座にゲームを終わらせることができる。そしてその場合、VP差でアメリカが勝利できたことはほぼ間違いない。対人戦であれば間違いなくそうしていただろう。しかし今回はソロプレイなので、最後まで見てみたい気持ちがあったので、あえて最善手は採らなかった。







10Turn

Card89_大韓航空機撃墜最終Turnである。既に大勢は決しているが、ソ連としてはどこまで盛り返せるか・・・。
ヘッドラインはソ連が「アンドロポフ書記長への手紙」、米が「大韓航空機撃墜」。ソ連側はささやかなVP獲得を狙ったカードである。一方のアメリカは強力な火0度を序盤に使用した。「大韓航空機撃墜」カードは非常に強力なカードであるが、デフコン値を下げてしまうという副作用がある。つまりデフコン値2の時は核戦争の引き金になるので使えない。現在のデフコン値は3であり、ソ連側がクーデター等でデフコン値を下げる可能性は高い。そこでその前に使ってしまおうという魂胆だ。
因みに、もしこの時ソ連側がデフコン値を下げるようなカード(例えば「オリンピック開催」)を使用した場合、デフコン値が一気に1まで下がって核戦争になる。この場合、最終的な核戦争の原因となるカードを使った側(この場合はソ連側)が敗北になるので、アメリカとしては痛くはない。もっとも、ゲームが「核戦争勃発」で終わってしまうのは、両プレイヤーにとってあまり気持ちの良いものではないと思うが・・・。

核爆発


アメリカが西ドイツで攻勢を強めてくる。それに対してソ連は対応せず、「イラン革命」で中東での勢力拡大を図る。アメリカは「ジハード」カードを「国連調停」で無効化し、4OPを使って一気に西ドイツ支配を固める。
ソ連はそれに対抗せず、宇宙開発に精を出す。「小さな一歩」を月面に記したのはソ連の宇宙飛行士であった。年齢的に見てガガーリンではないと思うが、1980年代で現役バリバリの宇宙飛行士と言えば・・・、ま、誰でも良いか・・・。
さらにソ連はなけなしの3OPカードを使ってスペースシャトルの打ち上げを試みる。成功すれば4VPと結構大きな得点になるが、出目に恵まれず失敗。ソ連邦存続の夢を賭けた宇宙往還機は無残にも爆散した。

シャトル爆発


その間、アメリカは「パナマ運河を返還」し、パナマ、コスタリカの親米政権を支援。ベネゼエラの共産政権に圧力をかける。さすがにベネゼエラをソ連としても無視できず、こちらに影響を行使する。するとアメリカは今度はヨーロッパに影響拡大。デンマークを親米化する。
ソ連は一か八かの「サミット」を開催。それが奏功してソ連が2VP獲得。その後は中米とヨーロッパで勢力争いになる。劣勢なソ連側は、それでも中米で拮抗を維持したが、ヨーロッパでは東ドイツで親米政権樹立(ベルリンの壁崩壊か?)、ポーランドでも共産党の一党独裁が揺らいだ。

Turn終了時点でのVPは米3VP。その後最終結果判定でヨーロッパはアメリカ優勢(+8)(カッコ内の数値は当該地域における勝利得点の差分、主戦場国や隣接国支配の修正は適用済み)、アジアはアメリカ支配(+13)、中東はソ連支配(-4)、アフリカは拮抗(-1)、中米は拮抗(+1)、南米は拮抗(0)。最終結果は米20VPとなり、史実通り冷戦に勝利したのはアメリカ合衆国であった。

pic10



感想

Card94_チェルノブイリまずはルールについて。
今回もいくつかのルールミスを犯した。一つは敵側イベントの発動について。敵側イベントが発動した際、その効果を適用するのはカードを使わなかった側なのだが、それを逆にして適用してしまった。
例を上げよう。「スエズ動乱」というソ連側に有利なカードがある。このカードでイベントが発動した場合、イギリス、フランス、イスラエルのいずれから合計4ポイントの米国側影響ポイントを取り除かなければならない。この時、仮にカードを使ったのがアメリカプレイヤーだったとしても、どこの国から取り除くかを決めるのは、常にソ連側プレイヤーになるということだ。そこを間違えて「カードを使ったプレイヤーが選択する」としてしまった。途中で気が付いて修正したが、序盤、ソ連が有利な時に間違ったルールを適用したから、ソ連側に不利に働いたことは否めない。

もう1つはカードの効果だ。いくつかのイベントカードには、そのカードを無効化するカードが設定されているのだが、あるイベントカードを出した時に既に無効化するカードが有効だった場合、イベントは無効化されるのだろうか?。
例を上げよう。「NORAD」というカードは、「ベトナムの泥沼」が有効になった時点で無効化される。では、既に「ベトナムの泥沼」がイベントとしてプレイされた後に「NORAD」をプレイした場合はどうなるのだろう。
この点、最初は「無効化しない」としてプレイしていたが、ルールを読むとやはり「無効化される」が正しいようだ。この間違いも少しばかりアメリカ側に利していたように思う。

ゲームとしては素直に面白いと思う。まず設定が秀逸。1945~1990年の冷戦時代。それを皆が良く知る歴史的事件(例えば「大韓航空機撃墜」「朝鮮戦争」「ベルリン封鎖」等)をゲーム上で再現でき、しかもルールが簡単でエキサイティング。ゲームとしての面白さと歴史ゲームとしてのフレーバーが上手く調和した作品といえる。無論、描かれている歴史的状況はかなり抽象化されており、シミュレーションゲームというに相応しいかどうかはやや疑問が残るが、そういった点を差し引いても本作は優れたゲームであると言えよう。

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