カテゴリ:世界の軍隊 > 英軍
書籍紹介「Royal Navy Aces of World War 2」
Royal Navy Aces of World War 2
Andrew Thomas/Chris Devey Osprey Publishing
オスプレイシリーズの1作品で、タイトル通り第2次大戦における英海軍のエースパイロットを取り上げている。WW2期における英海軍の戦闘機といえば、シーグラディエター、フルマー、シーハリケーン等、今ひとつパッとしない機体が多いが、本書はその中でも5機以上撃墜したパイロット達を取り上げ、英本土近海、地中海、そして極東海域での彼らの活躍を簡潔に描いている。オスプレイの他の作品と同じく内容はあまり深くはないが、イラストが豊富で読みやすく、主題のイメージを大雑把に掴むには適切な書籍である。
お奨め度★★★
書籍紹介「The Squadrons of the Fleet Air Arm」
書籍紹介「The War at Sea Vol.3-2 "The Offensive"」
The War at Sea Vol.3-2 "The Offensive"
Stephen Roskill
The War at Seaの最終巻はノルマンディー上陸作戦から沖縄戦、日本本土攻撃といった戦争末期における英海軍の戦いを描く。概要レベルの記述だが、交換戦史並みに詳細な内容なので、資料性は高い。そのような書籍が218円(Kindle版)で入手できることが驚異だ。圧倒的勝利の感が強い戦争末期の連合国海軍だが、本書を読めば必ずしも「楽勝」ではなかったことが伺える。例えば英国全体における人的資源の枯渇は深刻で、本書によれば戦争後期に旧式戦艦4隻、小型巡洋艦5隻、駆逐艦40隻の乗組員を他の重要なポストに振り向けざるを得なかったという。またドイツ軍の敷設する磁気機雷の脅威も深刻であり、その掃海は殆ど不可能に近い状態だったという。本書を読めば「機雷」という一見地味な兵器が、英本土周辺や北海では最も有効な兵器だったことがわかる。
他にはノルマンディー近海での英独駆逐艦同士の戦い、ドイツの新型潜水艦XXI型の出撃、知らざれる英太平洋艦隊の戦いなど、興味深い記述が多い。
コスパを考えれば、WW2の海戦に興味がある方であれば、万人にお奨めしたい作品である。
お奨め度★★★★★