もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:世界の軍隊 > 米軍

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Tank Killers: A History of America's World War II Tank Destroyer Force

Harry Yeide Casemate

WW2期における米駆逐戦車大隊の戦いを俯瞰的に記した著作である。個人的にM10、M18、M36等の駆逐戦車は好きだし、値段(500円弱)の割にボリュームがあったの(英文357ページ)で購入した。北アフリカからイタリア、ノルマンディ、西部防壁、アルデンヌ、ライン川等での米駆逐戦車大隊とドイツ装甲部隊の戦いを描いている。駆逐戦車大隊といっても所謂駆逐戦車だけではなく、自走式の対戦車砲やハーフトラック、装甲車等を改造した機動自動砲にも触れている。米駆逐戦車の戦いについて概要を知るには良い著作。巻末の大隊別の概略には一軒の価値あり。ただ、なぜ戦後駆逐戦車が消えてしまったかについては、もう少し突っ込んだ考察が読みたかった。

お奨め度★★★

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丸2019年5月

光人新社

特集はアイオワ級戦艦。海軍史上一番最後まで現役にあった戦艦たちだ。アイオワといえば、必ず「大和vsアイオワ、もし戦えば」的な仮想戦記的記事が掲載され、それぞれの立場から「大和有利」「アイオワ有利」といった論争に発展する場合が多い。しかし本書ではそのような記事はなく、あくまでも淡々とアイオワ級のメカニズムや戦闘システム、戦歴などを紹介するにとどめている。そういったアプローチもまたありだろう。
他にはINF全廃条約破棄後の米露の核戦略、海底で見つかった戦艦「比叡」、空母「ホーネット」の残骸等の記事が興味深かった。

お奨め度★★★

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US Navy Aircraft Carrier

Progressive Management

タイトル通り米空母に関する解説書である。ラングレーからジェラルド・フォード級までの米空母がコンパクトに纏められている。興味深いのは"Flattops in Wargames"という部分。ここでは戦前における米海軍の演習(Fleet Problem)で米空母が如何に運用され、問題点が洗い出され、戦術が洗練されていったかが興味深く描かれている。これを読むと珊瑚海やミッドウェーで日本海軍が米空母に苦戦した理由もよくわかる。また米空母戦術発展の過程で「レキシントン」「サラトガ」の2艦が果たした役割の大きさもまた。

お奨め度★★★

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丸2018年12月

光人新社

特集はF4Uコルセア。対日戦で活躍した戦闘爆撃機である。コルセアは好きな戦闘機なので購入した。特集は、一般的な機体解説や戦歴の他、ヘルキャットとコルセアとの性能比較、日本側から見たコルセアに対する評価、戦後におけるコルセアの活躍、ヴォート社の機体解説などである。全般的に特集記事は興味深く読めた。

お奨め度★★★

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Cruisers of the US Navy 1922-1962

Stefan Terzibaschitsch Naval Institute Press

オマハ級からロングビーチに至る計20種類の米巡洋艦について、それぞれの仕様と個艦別の簡単な艦歴を記載した著作である。また所謂「正統的な」巡洋艦以外にも、アラスカ級大型巡洋艦、指揮巡洋艦ノーザンプトン、饗導駆逐艦(対潜巡洋艦?)ノフォーク、さらには鹵獲艦プリンツオイゲンなども取り上げられている。大型書籍で計300ページ以上の内容だが、中身は写真が多く、通読するのにそれほど時間はかからない。本書で興味を惹くのは、戦後型の各種ミサイル巡洋艦で、クリーブランド級やバルチモア級を再生利用したボストン級、アルバニー級、ガルベストン級、リトルロック級などである。これは紹介される機会が少ないだけに興味深く読めた。
初版が1988年とやや古く、タイコンデロガ級巡洋艦や当初はフリゲートに類別されていたリーヒ級、ベルナップ級、カリフォルニア級、ヴァーニジア級などが紹介されていないのがちょっと寂しいが、まあ仕方がない。

お奨め度★★★

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