もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:世界の軍隊 > ロシア・ソ連軍

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恐ロシア航空機列伝

ユーリィ・イズムィコ パンダ・パブリッシング

主に旧ソ連時代にロシアが開発しながらも実用化されなかった様々な軍用機を紹介した著作である。数々の空母艦載機や3つのエンジンをトライアングル状に配置した巨大ヘリコプター、アメリカ本土を目指した超長距離爆撃機、多種多様なVTOL機などだ。中でも目を引いたのは数多くの「エクラノプラン」達で、これは地面効果を利用して通常の航空機よりも遙かに巨大でペイロードの大きい機体のことだ。カスピ海等国内外に数多くの内海を持つロシアならではの機体といえよう。
これら幻の機体を見ていると、あるものはいかにもSFチックなスタイルのものから、あるものは怪獣映画から出てきたような異様なスタイルのもの、あるいは洗練されたスタイルの機体など、様々である。これらの機体からは当時のソ連航空機産業がはらんでいた熱気のようなものを感じることができる。
旧東側の機体に興味のある向きや20世紀後半の航空機発展史に興味のある向きにはお奨めしたい作品である。

お奨め度★★★

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ソ連/ロシア艦船研究の第1人者として著名な故アンドレイ・V・ポルトフ氏。ポルトフ氏が「世界の艦船」誌に掲載した記事を中心にソ連/ロシア海軍が建造した空母型航空機搭載艦の歴史を記したものである。収録されているのは、「空母」というにはやや弱いモスクワ級ヘリコプター母艦から、キエフ級軽空母、アドミラル・クズネツォフ級空母の3種類。特にキエフ級については個艦別の違いや個々の戦歴など、気合いの入った記事が掲載されている。
今まであまり知られていなかった旧ソ連製空母の実態や政治局と海軍との軋轢など、興味深い記事が掲載されているのでお奨めである。

お奨め度★★★

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世界の傑作機No.166 ツポレフTu-128フィドラー

文林堂

果たしてこの機体が「傑作機」に相当するかどうかは甚だ疑問だが、今回の「世傑」は旧ソ連の大型戦闘機Tu-128である。戦闘機というよりは超音速中型爆撃機といった方が相応しい機体寸法。機体解説を読めば2.5Gを超える旋回はできなかったという。機体強度は旅客機並み。とてもドグファイトなんて無理。空戦ゲームで登場してきたら、余程の事がない限り「カモ」だろう。否、そもそも空戦ゲームに登場するかどうかも怪しい。
本機の最大の価値はその搭載ミサイルで、本機が搭載したR-4(AA-5 Ash)はソ連製ミサイルで初めて正面からの攻撃を可能とした空対空ミサイルだ。性能的には西側のミサイルには劣るとはいえ、他機種にない能力というのは貴重である。また本機の長大な後続力は、遠大な国境線を守らなければならないソ連防空軍にとっては、相応に貴重な存在であっただろう。
無論、本機の性能は後に登場するMiG-25、MiG-31等で十分代替が可能であり、その結果本機の配備は少数にとどまった。それでも世界に類をみない大型ジェット迎撃機Tu-128。本機が他の機体にはない独特の魅力を持っていることは否定できないだろう。

お奨め度★★★

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世界の傑作機No.162 ヤコブレフYak-38"フォージャー"

文林堂

今回の"世傑"は、冷戦時代、米機動部隊を向こうに回して奮闘したYak-38"フォージャー"。冷戦時代を扱った仮想戦ゲームでは、海を舞台とするゲームでキエフ級空母と並んで「ラスボス」的な役割を担っていた「名機」である。しかし実際の所、本機の性能は冷戦時代から疑問視されており、「鳥なき里の蝙蝠」などと言われていた。
本書はYak-38の開発から運用、そして後継機であるYak-141"フリースタイル"まで技術的側面や運用面から詳しく追っている。本書で嬉しいのはYak-38の様々なカラー写真で、キエフ級空母の飛行甲板上や格納内での写真は一見の価値ありだ。
全般として読む所はやや少なく、また機体の運用史も地味な感は否めない。しかしこれは本書の罪というよりは、Yak-38自体の「つまらなさ」を反映しているだけかもしれない。

お奨め度★★★

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Soviet Tactical Aircraft

Yefim Grodon & Dmitriy Komissarov HIKOI Publication

タイトル通りソ連戦術空軍について扱った著作である。時期的にはWW2終了直後からソ連崩壊まで、1946~1991年頃までの約半世紀におけるソ連戦術空軍の軌跡を扱っている。
本書の最大の魅力は多数掲載されている写真である。アフガンにおける戦場写真や冷戦初期の主力機(MiG-15/17、Su-7、Yak-28、Il-28等)は特に貴重である。またカラーで掲載されているソ連機の写真も魅力的で、本書を読むことによって「悪役」のイメージが定着しているソ連戦術機について新たな魅力を見つけることができるだろう。
本文内容も興味深い。例を上げれば、今では旧式機という烙印が押されているIl-28が出現当時は極めて期待された核攻撃機であったことや、冷戦初期におけるカムチャッカ半島沖でのMiG-15と米長距離偵察機(RB-29/WB-50等)との交戦、さらには亡命を図るクリバク1型フリゲート艦とYak-28との交戦等、日本では今まであまり広く知られていなかったことが紹介されている。アフガンでのソ連機とアフガンゲリラとの交戦記録も面白い。
値段がやや高め(日本版アマゾンなら\5,310)なのが難点だが、本書のボリュームを考えれば納得できる。日本語で同種の本を読もうと思えば、恐らく万単位の金額が必要となろう。

お奨め度★★★★

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