もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > ノウハウ

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231015_暇力

暇力: 50人企業の経営者が実践する一番「ユルい」令和の働き方

松本毅史 けやき出版

「会社になんて来なくてOK」「仕事よりもプライベートを優先して」「仕事はさっさと終わらせよう」「短時間で高収入こそ正義」「副業もご自由に」。
本書でのメッセージは衝撃的だった。こんな仕事をしてみたいと思う強く惹かれる自分がいた。
そして本書の内容は期待を裏切らないものだった。本書には筆者が提唱する「暇な仕事」の考え方とその実現方法が詳しく表現されている。本書を読めば「暇力」の本質が理解できる。
本書に書かれたメッセージをいくつか紹介しよう。
・社員に「媚びる」ような福利厚生施策は社員の定着に貢献しない
・リーダー資質を磨くためには失敗を経験させる必要があるが、日本の企業では失敗を避けるような仕組みになっている
・「苦労が報われる」という発想は危険である
・成功には再現性がないが、失敗には再現性がある
・シェアや資本拡大が経営目標になると、従業員も強制的にその一部になってしまう
・崇高な経営理念は、理念を利用した従業員搾取(理念搾取)である
・本当に良い会社なら経営者が会社にいなくても動くはず
・情報の民主化が会社を良くする
・自分で考えて行動できる人が住みよい会社になる必要がある
・・・
これらのメッセージを見ると、自分の知っている会社と真逆なことに気づく。福利厚生と言えば強制イベント、ハードワークを崇高なものとする企業文化、失敗から学ばず同じ失敗を繰り返す、企業体力を無視したシェア拡大、理念の押し付け、情報の閉鎖性(ISMSの強要)等等。なぜ自分が会社を好きになれないのかを理解できたような気がした。

暇力: 50人企業の経営者が実践する一番「ユルい」令和の働き方

P.S. ChatGPTですら自由に使えない日本の企業に未来はないと思う。

お奨め度★★★★


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231007_夢と金

夢と金

西野亮廣 幻冬舎

芸能界に詳しくない私にとって、西野亮廣なる人物が何者か知らない。「キングコング西野」ということだが、さてそんな芸人がいたっけ?。ま、それは良いとして。
本書はお金の話、金儲けについて書かれた書物だ。本書の趣旨は帯に書かれている一言で説明できる。
「お金が尽きると、夢が尽きる。これが真実だ」
本書で扱っているのは、コミュニティ、クラウドファンディング、AI、NFTなど。2023年現在におけるお金儲けの最新事情について書かれている。しかし本書は単に知識を並べた書籍ではない。なぜお金の知識が必要なのか、お金の知識がどうして不幸を拡大するのかについて、わかりやすく述べている。
私のような「頭の固い」人間にとっては、筆者の語り口が少し気になる所もあったが、そういった点を差し置いても読む価値の高い著作だと思う。

Amazon「夢と金」

お奨め度★★★★




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230908_なぜ美意識

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

山口周 光文社新書

本書は、ビジネスにおける論理的思考の限界と非論理的思考の必要性を説いた著作である。筆者はVUCAといわれる不確実性の高い状況において論理的思考のみに頼った判断だけではビジネスで勝てないとしている。筆者曰く、ビジネスにおける決断は美意識、言い換えると「善悪の観念」を主軸にすべきであり、論理的思考は決断を補佐する役割を果たすことが良いとしている。筆者は自説を説明するために、古今東西様々な人物を登場させている。
一見すると筆者はいかにも「目新しい」ことを述べているようにも見えるが、何のことはない。論理的思考が優れていても、倫理的に間違った考えの元では誤った成果しか出せないと主張しているだけ、これは京セラの稲森和夫氏もその著書で述べていることである。かつて「マレーの虎」と称えられた猛将山下奉文大将も、「作戦の神様」辻正信を「いわゆる「こすき男」にして国家の大をなすに足らざる小人なり」と酷評している。(辻が論理的だったか否かは置いておいて)計算能力のみに優れて哲学を持たない輩がリーダーの器ではないことは、筆者が改めて主張するようなことでもないと思うのだが・・・。

お奨め度★★★




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230714_後回しにしない

「後回し」にしない技術

イ・ミンギュ/吉川南訳 文響社

この本は如何にして「悔いのない人生」を送るかを記した著作だ。著者イ・ミンギュは韓国人で、心理学博士で臨床心理の専門家である。人生を豊かに生きるためのノウハウが詰まった著作だ。
筆者は言う
・人生で最も破壊的な単語は「あとで」、最も建設的な単語は「いま」だ
・成果の上がらない人や組織に共通する特徴は難しい仕事よりも簡単な仕事から先に片付けようとすることだ
・望むべきものがあれば、そこから目をそらしてはならない
なるほど、筆者の言葉はどれも示唆に富んでいる。しかし筆者は最初にこう
「平凡な人と成功した人の違いは知識ではなく実践にある」
「成果は実行力に比例する」
だから本書を読んで、まずは本書に書かれていることを1つでも良いから「今すぐ」実行に移す必要があると思った。

お奨め度★★★★



230625_週刊東洋経済

週刊東洋経済2023/4/22号

特集はChatGPT。今話題のオープン対話型AIを様々な観点から論じている。単に仕事を便利にする道具と見るとのか、あるいは人類を救う救世主と見るのか、あるいは世界を破壊する悪魔と見るのか、見方は人それぞれだろう。まあ便利な道具であることは間違いないので、距離感を間違えないようにしながら付き合っていきたい所だ。

お奨め度★★


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