
暇力: 50人企業の経営者が実践する一番「ユルい」令和の働き方
松本毅史 けやき出版
「会社になんて来なくてOK」「仕事よりもプライベートを優先して」「仕事はさっさと終わらせよう」「短時間で高収入こそ正義」「副業もご自由に」。
本書でのメッセージは衝撃的だった。こんな仕事をしてみたいと思う強く惹かれる自分がいた。
そして本書の内容は期待を裏切らないものだった。本書には筆者が提唱する「暇な仕事」の考え方とその実現方法が詳しく表現されている。本書を読めば「暇力」の本質が理解できる。
本書に書かれたメッセージをいくつか紹介しよう。
・社員に「媚びる」ような福利厚生施策は社員の定着に貢献しない
・リーダー資質を磨くためには失敗を経験させる必要があるが、日本の企業では失敗を避けるような仕組みになっている
・「苦労が報われる」という発想は危険である
・成功には再現性がないが、失敗には再現性がある
・シェアや資本拡大が経営目標になると、従業員も強制的にその一部になってしまう
・崇高な経営理念は、理念を利用した従業員搾取(理念搾取)である
・本当に良い会社なら経営者が会社にいなくても動くはず
・情報の民主化が会社を良くする
・自分で考えて行動できる人が住みよい会社になる必要がある
・・・
これらのメッセージを見ると、自分の知っている会社と真逆なことに気づく。福利厚生と言えば強制イベント、ハードワークを崇高なものとする企業文化、失敗から学ばず同じ失敗を繰り返す、企業体力を無視したシェア拡大、理念の押し付け、情報の閉鎖性(ISMSの強要)等等。なぜ自分が会社を好きになれないのかを理解できたような気がした。
暇力: 50人企業の経営者が実践する一番「ユルい」令和の働き方
P.S. ChatGPTですら自由に使えない日本の企業に未来はないと思う。
お奨め度★★★★