もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > ノウハウ

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恐れのない組織

エイミー・C・エドモンドソン/野津智子訳 英治出版

240112_恐れのない組織

心理的安全性という言葉が注目されている。昨今話題のハラスメントという言葉と似たような文脈で語られることが多いが、本書を読めば心理的安全性とハラスメントは全く異なる概念であることがわかる。
心理的安全性とは、エンゲージメント向上が主目的ではなく、むしろ組織の生産性向上やイノベーション創造のための不可欠の手段としてとらえる必要がある。VUCAの時代と呼ばれる不確実で変化の激しい世界においては、組織は常に変化し、新たな試みに挑戦する必要がある。しかしそのためには数多くのアイデアを出し、様々な立場から多様な意見をぶつけ合う必要がある。そのために欠かせない背景が心理的安全性なのだ。

「私はこの中で何を言っても許される」

その安心感がなければ人は組織の中で積極的に発言しようとしない。むしろリスクを回避しようと沈黙を選ぶだろう。思い出してほしい。かつての日本軍が「空気」という沈黙を重視し、そのためいかに数多くの学びの機会を失ってきたかを。ミッドウェー海戦しかり、沖縄戦しかり。
本書は、心理的安全性の本質を理解し、組織の中で活用していくために極めて良質な著作といえる。


3
231231_しれっと逃げ出すための本

しれっと逃げ出すための本

ヨシダナギ PHP研究所

ヨシダナギという人がどういう人物か知らなかったが、タイトルに惹かれて読んでみた。この本は、あまり熱量がないけど好奇心だけは旺盛な筆者が語る人生論である。筆者は幼い頃からアフリカに興味を持ち、20代の時に初めてアフリカに渡って、その後はアフリカに通い詰めているという。それだけ聞くと結構羨ましいとも思える。
比較的短い著作であったが、興味を引いたのは点をいくつか挙げてみた。
まず筆者は協調性が必要とされる集団行動や毎日決まった時間に同じ場所に出かけていくことが嫌だという。これは会社員生活に心底ウンザリしている我々リーマンには結構刺さる言葉ではないだろうか。少なくとも私には刺さった。
また「空気を読んで皆に合わせるのが苦手」「空気を読まないと嫌われるのなら嫌われた方が楽」「世の中が決めた枠にはまる必要なんてない」「人に迷惑をかけても良いし、かけられることも覚悟しなければならない」等は結構刺さった言葉である。
短い本なので小一時間で読み通すことができるので、軽く読んでみる分にはお奨めしたい。



4
231226_不条理な会社人生

不条理な会社人生から自由になる方法

橘玲 PHP文庫

実の所、私は現在早期退職を考えている。自身の残り人生を考えた時、収入よりも時間の方が重要だと考えているからだ。そんな私にとって本書のタイトル「不条理な会社人生から自由になる方法」は魅力的であった。
本書の見どころは色々とあるが、まず日本のサラリーマンが世界で一番「会社を憎んでいる」というのは衝撃的な内容ではあったが、首肯せざるを得ないものだった。言われてみれば確かにそう思える。さらに本書では日本の組織が抱えている矛盾についても触れており、正社員と派遣社員という「差別」、年功序列の歪み等、日本企業の闇の部分を容赦なく暴いていく。このあたり、実際に企業人として仕事をしていると、日々感じていることばかりだ。
そして筆者は言う。これからの仕事はフリーエージェント化していくと。そして未来社会で生き延びるのは、会社やブランドに依存することなく、自分自身をフリーエージェントとして良い評判を増やしていける人間だけだと。
本書中で述べられている政治的な主張については首肯できない部分もあったが、それでも本書は私にとって有益な著作であり、フリーエージェント化するに際して背中を押してくれる著作となった。

不条理な会社人生から自由になる方法 働き方2.0vs4.0 (PHP文庫)

お奨め度★★★★




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231218_オートモード

オートモードで月に18.5万円が入ってくる高配当株投資

長期株式投資 KADOKAWA

この本は、日本の個別高配当株投資で大きな利益を得た人物の体験談だ。年間の配当金額は税引き後で220万円以上。これだけ見れば結構な金額だが、この収入だけで生活するのはさすがに辛そう。まあギリギリ切り詰めれば何とかなるかもね。
それは兎に角、本書では筆者の体験談を述べただけではなく、筆者が勧める具体的な銘柄や投資について学ぶ際に読むべき著作について紹介している。そういった意味では投資で資産を増やそうと思っている人にとっては読んでみて損はないだろう。ただ本書で書かれていることはどちらかといえば投資の基礎的な部分なので、上級者にとってはあまり得る所はないかもしれない。

オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!

お奨め度★★★

231206_幸福のための努力論

努力論

幸田露伴著/三輪裕範編 ディスカヴァー・トゥエンティワン

幸田露伴といえば明治期~昭和初期における日本の文壇を代表する小説家の1人である。本書は、幸田露伴が大正期に記した「努力論」の現代語版である。
本書は努力論となっているが、単に努力について記した著作ではない。自身が幸福になるにはどうすれば良いのか、自身の能力を生かして生きる方法、あるいは目標を達成したり心穏やかに生きていくにはどうすれば良いのかを記したノウハウ本である。現在の我々から見るとやや禁欲的すぎるきらいがあるが、本書の言わんとする所は人生における普遍的な価値を述べていると言えよう。



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