もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 太平洋戦争

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221228_歴史群像

歴史群像2022年12月号

学研

特集は「比島攻略作戦」。開戦劈頭に行われたフィリピン攻略作戦について、主に陸軍第14軍の作戦指導に着目して評価した記事である。バターン戦での苦戦のみが知られているフィリピン戦だが、その実態と、第14軍首脳部が犯した作戦ミスにメスを入れていて興味深い内容であった。他にもウクライナ戦争に関する記事が2点。ウクライナ空軍に関する記事は、期待して読んだのだが、ちょっと肩透かしを食らった感じがした。まあ情報が錯綜しているだけに仕方がないか。YouTube動画も話題性のみ先行している感が強いしね。
今回も全般に読む所が多く、「買い」であった。

お奨め度★★★★

3
221124_世界の艦船

世界の艦船2021年5月号増刊-太平洋戦争の日本戦艦

海人社

太平洋戦争で戦った日本戦艦に関する写真と記事を集めた一冊である。写真と文章からなる内容だが、写真は全体の3割弱で、どちらかというと本文記事の方が多い。そういった意味では結構読み応えのある1冊である。
記事の内容は主に旧海軍軍人が書いた日本戦艦に関するもので、「世界の艦船」誌にかつて掲載された記事が中心である。昭和時代に書かれた記事が多く、現在の視点から見れば首を傾げるような内容も多いが、昭和時代の戦史研究の実態を知るという意味でも興味深い。一部で有名な黛治夫氏の「日本戦艦3倍命中率」を読めるのも現在では貴重であろう。黛氏以外の投稿者も日本戦艦の水上砲戦能力に高い評価を与えているのが特徴だが、戦史関係の記事については命中弾数の数値等でかなり日本海軍によって有利な見解が採用されている点は注意が必要である。

お奨め度★★★

SilentVictory01

太平洋戦争の潜水艦戦を扱ったソロプレイゲーム「Silent Victory」。
そのプレイ状況を動画にしました。
今回は前編です。




つづく

2
220901_太平洋戦争

太平洋戦争通説のウソ

彩図社

サブタイトル「最新研究でここまでわかった」とあるが、正直な所、「最新研究」という程でもないと思う。例えば米本土を日本機が爆撃した件などは、昭和時代から知られており、零戦無敵神話のウソ、3倍命中率のウソ等は、「何を今さら」といった感が否めない。さらに「中国大陸では日本軍は補給に苦しむことはなかった」等と書いているあたり、「どこが最新研究やねん」と突っ込みたくなる(「日本軍兵士-アジア・太平洋戦争の現実」吉田裕参照)。勿論本書に書かれてあることを「すべて俺は知っていたぜ」等と嘯くつもりは毛頭なく、国際関係や外交関係で新たな知見を得た面もある。しかし全般的には「新説と呼ぶほどではないことを殊更大袈裟に書いている」感は拭えず、Kindle Unlimitedで無料でなければ、読む価値のない書籍と思えた。

お奨め度★★

3

220630_SBDvsA6M

SBD Dauntless vs A6M Zero-Sen

Donald Nijboer Osprey

太平洋戦争の空戦について調べてみると、日本の戦闘機(特に零戦)が意外と爆撃機相手に苦戦しているのに気づく。それもB-17やB-24のような大型機ではなく、SBDドーントレスやTBFアヴェンジャーといった単発艦載機にも苦戦しているのだ。あの「サムライ」サカイが危うく命を落としかけたのもSBDドーントレス編隊との空中戦であった。
本書では、太平洋戦争におけるSBDドーントレスと零式艦上戦闘機の対決にスコープをあてて、その実態を両軍の史料資料を基に分析した作品である。米軍側の史料だけではなく日本側の資料にもあたっているので、比較的精度は高いと言えよう。
両者の対決がどのようなものだったかは本書を読んでいただくとして、その意外な結果に読者は驚くかもしれない。

お奨め度★★★

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