もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: 読書

230810_漫画三国志1

漫画三国志【2】:赤壁の戦いと三国の攻防

飛鳥新社

前作に引き続き、赤壁の攻防から五丈原での諸葛孔明の死までを描く。赤壁での勝利とその後蜀と呉の対決。諸葛孔明と周瑜の戦い。劉備の皇帝即位、関羽、張飛そして劉備の死。諸葛孔明の北伐と司馬懿との対決等が本書の主なテーマとなる。本格的な三国時代となり、諸葛孔明がストーリーの中心になっていく。その一方で曹操や孫権の出番が少ないのは少し寂しい気がするが・・・。
第1巻目と合わせて三国志の流れを端的に理解するには良い著作と思える。

お奨め度★★★


230802_波まくら

波まくらいくたびぞ:悲劇の提督・南雲忠一中将

豊田穣 講談社文庫


太平洋戦史に興味のある方に南雲忠一を知らない人はほとんどいないと思う。空母6隻を有する第1航空艦隊を率いて真珠湾攻撃を成功させ、半年後のミッドウェー海戦で大敗を喫し、南太平洋で戦い一定の戦果を挙げたものの、最後はサイパン島の地上戦で戦死した、まさに「悲劇の提督」というのが相応しい人物である。
本書は、南雲忠一の太平洋戦争での活躍を彼自身の視点から描いた著作である。また太平洋戦争時だけではなく、戦前における艦隊派と条約派の対立、艦隊派の急先鋒としての南雲の活動(井上成美との対立は興味深い)についても相応のページ数を割いている。さらに本書は人間としての南雲忠一についても触れており、特に家族との関わりについては他書では見られない部分である。
また本書で秀逸なのはストーリーの進め方で、太平洋戦争における南雲の活躍を中心に据えながら、その前後に関連する挿話を埋め込んでいる(「宇宙兄弟」みたいな感じ)。この方式は読者を飽きさせないという点で優れた方法であり、そういった意味で本書は「読んでいて楽しい」著作である。
初版出版が1980年なのでかなり古い著作であり、戦史についての部分では明らかな勘違い(サウスダコタの主砲が36cmとなっている等)や現在では否定されている見解(ミッドウェー海戦での運命の5分間等)も散見されるが、些細な点であろう。

お奨め度★★★★


230730_漫画三国志1

漫画三国志【1】:劉備と諸葛孔明

飛鳥新社

三国志の世界を2冊の漫画で再現しようとする第1冊目である。ベースは吉川英治氏の「三国志」で、桃園の誓いから黄巾の乱、董卓、呂布の活躍と最期あたりを描き、その後は劉備を中心に曹操との対決を描きながら、諸葛亮との出会い、諸葛亮の活躍などを描いている。本書は赤壁の戦い直前で終わっており、つづきは第2巻目となっている。
ページ数が500ページ以上もあり、普通の漫画よりはボリュームがある。それでも扱っている時期が長い(本書の中で20年以上が経過している)ので、いきなり展開が飛んでしまう感もある(いつの間にやら劉備が妻子持ちになっていた)。全体的な流れはわかりやすく、私のような「三国志音痴」が三国志の概要を理解するには適切な書籍といえよう。
第2巻も是非読んでみたい。

お奨め度★★★


3

230728_旅と鉄道

旅と鉄道-2023年5月号-春の鉄道ひとり旅

春の鉄道ひとり旅。ということで紹介されているのは、岡山地区の観光列車「Saku美・Saku楽」、井原鉄道、房総半島の小湊鉄道といすみ鉄道、そして北陸方面の旅行などである。特集が「春の旅」なので今だと少し季節外れだが、鉄道というのは季節に関係なく楽しめるので、記事の内容を参考にして旅をしてみるのも良いのではないだろうか

お奨め度★★★


230727_US

US Navy Aircraft Carriers 1922-45

Mark Stille Osprey Publishing

オスプレイの1冊で内容も少なめで読みやすい。タイトルでは「1922~45年の米海軍空母」となっているが、本書に登場するのは戦前に完成したCV-1からCV-8の8隻のみ。クラスで言えば、ラングレー、レキシントン級、レンジャー、ヨークタウン級、ワスプである。戦時中に完成したエセックス級やインデペンデンス級は登場しない。
本書は戦前における米空母の開発期に始まり、ラングレーからワスプまでの5クラス計8隻をクラス別に解説している。この種の本は日本にも多いが、米側の視点から米空母の開発について記載している点が面白い、英文も比較的平易で読みやすく、我々のように英語を母国語としない場合でも十分に楽しめる著作となっている。

お奨め度★★★★


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