
黒騎士物語
小林源文 日本出版社
かつてHobby Japanに連載され、今でもミリオタ界隈ではバイブルともいうべき漫画である。ストーリーは1943年秋、ロシア南部の名もない村から始まる。第8戦車中隊、別名「黒騎士中隊」。10両前後の戦車を保有するその戦車中隊とその将校、兵士達が物語の主役だ。ストーリーは地獄のような東部戦線での黒騎士中隊の戦いを追う形で進められていく。圧倒的な兵力を持つ敵軍、理不尽な上官、戦意の疑わしい友軍等、様々な困難に直面する黒騎士達の運命や如何に・・・。
ミリオタ界隈では評価の高い作品だが、正直な所、絵の質は高いとは言えない。例えば新谷かおる氏の戦闘場面と比べると、場面の描写が分かりにくいのだ。キャラクターの顔も特徴がなく、主人公のバウアー中尉にしても隻眼だから目立つだけ。それがなければ他のキャラクターと区別がつかなかっただろう。
本作が氏の作品群の中でも際立って有名なのは、主人公の「わかりやすさ」が際立っていたから、というのは言い過ぎだろうか?。
とはいえ、そんなウンチク話ができるのも、本書の魅力の1つともいえる。
お奨め度★★★★