もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 架空戦史

230306_第3次世界大戦

第三次世界大戦

ジョン・ハケット 青木栄一訳 講談社文庫


久しぶりにハケット将軍の「第三次世界大戦」を読んでみた。二見書房のオリジナル版である。エンタメ要素は少ないが、極めて硬派で描かれた「未来戦争」は、今読んでみても説得力がある。戦闘シーンは地味だが説得力があり、西ドイツにおける地上戦や大西洋上での海上戦、さらには西ドイツ上空や英本土上空での航空戦は、さすがにプロの軍人が書いただけのことはある、と思わせる内容であった。兵器名や個艦名を出さないあたりはストイックで、逆に兵器や個艦を前面に出している「レッドストームライジング」とは対極をなす。
全般的にはハッピーエンドで終わるのだが、ソ連という超大国が実在していた1970年代後半に本書を読んだ時には、やや「出来すぎ」ではないかと思った。現在読み返してみると、本書が示した未来史と実際の歴史を対比してみるのも興味深いだろう。


2
220318_第3次世界大戦2

第三次世界大戦(2)

大石英司 中央公論

太平洋を舞台として米中の全面戦争がテーマの仮想戦記だ。設定は恐らく2020年代だろう。第1巻はそこそこ面白かったが、果たして第2巻は・・・。
ネタバレすれすれで、メインテーマは重要物資の本国への輸送とそれを妨害する側とのせめぎ合い。ただ、展開が一方的過ぎてやや興ざめ。まるで「紺〇の艦隊」みたい。この巻まではKindleUnlimitedで無料だったけど、第3巻からは有料になるので、果たして金を払ってまで読み続ける価値があるかどうか・・・。

お奨め度★★

3
220311_第3次世界大戦1

第三次世界大戦(1)

大石英司 中央公論

太平洋を舞台として米中の全面戦争がテーマの仮想戦記だ。設定は恐らく2020年代だろう。とあるテロ事件をきっかけに米中でサイバー戦争が起こり、その結果米国で多くの死者が出た。それに怒った米軍が動き出し・・・。という感じで米中の全面対決へ向かうのかな?。それは読んでみてのお楽しみ。
そこそこボリュームがあるが、偶発的な事態が武力衝突に発展していく過程が丹念に描かれている。荒唐無稽な展開でもなく、かつ読んでいて楽しい作品。続編を読むのが楽しみだ。

お奨め度★★★

3
220225_RSBC

2017年に亡くなった佐藤大輔氏が1990年代に発表した架空戦記「レッドサンブラッククロス」。その短編集を収録した書籍である。値段は5000円近くで結構高い。まあ700ページ以上の大作なのでその価値ありかどうか・・・。
内容的には、前半部分の戦記モノはやはり面白い。日本戦艦が勝った勝った勝った・・・、というパターンなので、同じパターンばかりだと飽きるかも知れないが、重爆隊によるドイツ本土空襲や地上部隊同士の戦闘などもあって、バリエーションがあって楽しい。ただ、後半、戦争とは直接関係ない話になってくると、やや疲れる。
架空戦記好きの方にはお奨めできるが、値段を考えると万人にお奨めするのはどうかと・・・。

お奨め度★★★




190423_北海道

バトルオーバー北海道/第三次世界大戦

小林源文 ゴマブックス
戦記漫画家として有名な小林源文氏による近未来戦記である。源文氏といえばドイツ軍を主体とするWW2欧州戦線に関する作品が有名だが、本書のような現代戦でも卓越した筆致を見せている。本書は日ソ戦を扱った「バトルオーバー北海道」とNATOとWPの西ドイツにおける激突を描く「第三次世界大戦」の2本立てである。元々は前後編に分けて販売されていたが、今回前後編合わせて500円という安価で入手が可能になった。有難い話である。戦闘場面がリアルなので、本書を読むと現代戦ゲームをプレイしたいとか、デザインしたいとか、そんな気分になる。かく言う筆者も北海道戦争のゲームをデザインしてみたくなった。

お奨め度★★★

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