もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 第3次世界大戦

RedStrike表紙


Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したSLGである。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決で、ゲームスケールは1Hex=28km(戦略マップは280km)、1Turn=2日間で、1ユニット=大隊~師団、航空機は1ユニット=10~60機程度、艦船は主力艦1隻又はその他の艦艇数隻を表す。
今回プレイするのが、海空戦シナリオの1つである「B5.Miami 1989」。これは北大西洋における米ソ両海空軍の戦いを描いたシナリオで、ソ連側はSSBN4ユニットを「聖域」と呼ばれる北極海に送り込むことを目指し、NATO側はその阻止を目指す。
今回、このシナリオをVASSALで対戦プレイすることになった。筆者はNATO側を担当する。

前号までは --> こちら

2Turn

第1アクションステージ

SO_SSBN1_Typhoonソ連側がSSBNによる聖域への突破を行ってきた。聖域の入口では、NATOの「無敵艦隊」が居座っていたが、ソ連SSBNはNATO艦隊を無視して強引に聖域への突破を実施。NATO側も「目標撃沈の算なし」としてSSBNを放置(特にタイフーン型は対艦・対潜能力も強力なので、下手に手を出すと、反撃食らって酷い目に遭う可能性があった)。結果としてソ連SSBN3ユニットが聖域への突破に成功した。

写真06


NATO側は、前Turnに使わなかった航空偵察を使うことにした。狙いはソ連北部のNorthern Fleet航空基地である。航空偵察ポイントは2ポイントあるので2回偵察を試みることができ、なおかつ各々の成功率は60%と決して低い値ではなかった。しかしこの時はNATO側のダイス目が悪く、航空偵察は悉く失敗してしまう。

次にNATOが持ち出してきたのは巡航ミサイル。イージス艦や潜水艦、原子力巡洋艦が搭載している巡航ミサイルを次々とソ連本土の航空基地に撃ち込んだ。こちらは一定の成果を発揮し、ソ連航空基地に若干の損害を与えた。

写真07_Tomahawk_Block_IV_cruise_missile_-crop


US_CVN71_F-14A_VF84次にNATO側は空母機動部隊をソ連本土に接近させて、戦爆連合の攻撃隊を発進させた。F-14Aトムキャット1個中隊、F/A-18ホーネット2個中隊、A-6Eイントルーダー2個中隊、そしてEA-6Bプラウター1個部隊からなるアルファストライクチームである。米空母艦載機のほぼ全力出撃であった。

米軍機の接近を察知したソ連軍は迎撃機を発進させた。MiG-25フォックスバット2個中隊である。しかしフォックスバットは米艦載機のミサイル攻撃を受けて撃退され、米側攻撃隊に何ら損害を与えることができなかった。それでも爆装状態であったF/A-18の爆装を投棄させる効果はあった。

US_CVN71_A-6E_VA35なおもソ連本土上空に向って行く米軍機の編隊に対して、ソ連本土防空軍の地対空ミサイルが次々と発射された。米軍はEA-6Bプラウラーの電子妨害で対抗したものの、ついにその1発がプラウラーに命中。プラウラーの編隊は編隊離脱を余儀なくされてしまう。

生き残った米軍機編隊は、ソ連側の対空火器を掻い潜って爆撃を敢行する。しかし事前偵察を欠いた爆撃は正確さを欠き、僅かに飛行場に1打撃を与えたのみ。巡航ミサイル攻撃に比べても明らかに劣った戦果しか挙げられなかった。こうして米空母部隊による乾坤一擲のソ連本土空襲作戦は、甚だ中途半端な結果に終わったのである。

写真08


第2アクションステージ

SO_Su-27_941IAP驕り高ぶった帝国主義者共に正義の鉄槌を下すべく、ソ連軍は猛烈な反撃を開始した。ソ連本土攻撃のためにノルウェー近海に接近してきた米空母部隊は、ソ連自慢の新鋭戦闘機Su-27フランカーの戦闘行動半径内に位置していたからである。

ただちにSu-27フランカー2個中隊に援護されたTu-22Mバックファイア2個中隊が発進していく。なお、本作のSu-27フランカーは、オリジナル版からエラッタにより能力が見違える程改善されているので、本作をプレイする際にはエラッタに注意して頂きたい。

閑話休題。
US_CVN71護衛戦闘機随伴してきたソ連側攻撃隊に対し、米空母を守るCAP隊も手出しができない。護衛戦闘機に挑戦した所で護衛を突破することはかなり困難だし、逆に数的優位に立っているソ連側護衛戦闘機に返り討ちに遭う可能性が高い。それならば下手に手出しはせず、ここは見送った方が良い。
無傷で米空母部隊を対艦ミサイルの射程内に捉えたバックファイアの編隊は、次々と対艦ミサイルを発射する。
再び米機動部隊の強力な防空システムが対艦ミサイルに対抗する。しかし今回はノルウェー近海へ進出する際に全艦を随伴させることができなかったため、防御の要となるSAGは僅か2ユニットしか存在していなかった。それでも米空母自体が強力なECM値を持っているため、これに対艦ミサイルを命中させるのは、ソ連側にとっても結構難事となる。
結局ソ連側爆撃隊は辛うじて米機動部隊に1発の命中を与えたものの、肝心の米空母には命中を与えることができず、護衛艦艇の一部に被害を与えたに留まった。

SO_CV_Kievソ連軍はなおも諦めない。今度は軽空母「キエフ」を使って攻撃を行ってきたのだ。「キエフ」は比較的長い射程の対艦ミサイルを装備しているので、NATO艦隊をアウトレンジできるためだ。しかしアウトレンジ攻撃を狙うのであれば、「キエフ」ではなくより攻撃力の大きい打撃巡洋艦である「キーロフ」を使った方は良かったように思うのだが・・・。まあ、良いか。
案の定、「キエフ」のミサイル値は僅かに4しかなく、そのミサイルは米機動部隊によって容易に排除されてしまった。

写真09


第3アクションステージ

SO_Tu-22M3_194MRAP再びソ連側は大規模な攻撃隊を発進させて米機動部隊を襲った。今度は、Su-27フランカー2個中隊に護衛された、Tu-22MバックファイアとTu-16Kバジャー各2個中隊からなる計6個中隊の大攻撃隊である。米軍の迎撃戦闘機は、今回も反撃を見送った。
再び大量の対艦ミサイルが大空を覆った。米艦隊は強化されたECM値でこれを迎え撃つ。激しい戦い。しかし今回も米機動部隊の鉄壁の防御が威力を発揮し、ソ連側の対艦ミサイルは1発の命中を得ることもできなかった。

写真10


3Turn

このTurnソ連側は唯一マップ上に残っていたSSBNであるデルタ型を聖域に向けて前進させてきた。これに対してNATO側も様々な手段で反撃を行い、ダメージを与えることには成功した。しかし最終的にはソ連SSBNがNATO対潜部隊の妨害を排除し、聖域に逃げ込むことに成功した。

ソ連基地航空部隊は、またもや米機動部隊を襲った。今度もSu-27フランカー2個中隊に護衛された、Tu-22MバックファイアとTu-16Kバジャー各2個中隊からなる計6個中隊の大攻撃隊である。
一方の米空母も今度は要撃戦闘機を発進させてソ連側攻撃隊を迎え撃つ。
Su-27フランカーとF-14トムキャット、F/A-18ホーネットとの戦い。年式ではフランカーの方が「若い」機体であったが、米軍機はより洗練された視認距離外ミサイルを搭載していたため、まず視認距離外戦闘で米軍が先手を取った。フランカーの半数が米軍機による視認距離外ミサイル攻撃によって撃墜又は強制帰還を余儀なくされた。
引き続いて接近戦を戦う両者であったが、さすがに接近戦ではSu-27は米軍機相手に互角以上の戦いを見せ、数的劣勢にも関わらず米軍機相手に自機とほぼ同等の被害を与えた。そしてSu-27の奮戦があったため、ソ連側爆撃編隊は無傷で米空母部隊をその対艦ミサイルの射程内に捉えた。

再び大量のミサイルが大空を覆った。米艦隊は強化されたECM値でこれを迎え撃つ。激しい戦い。今回はソ連側も2発に命中を得ることに成功した。しかし被弾したのはいずれも空母の護衛艦隊であり、空母自体に対する命中弾はなかった。
結局ソ連軍は、彼ら自身が渇望していた米空母に対するミサイル命中を遂に達成できなかった。

写真11


結果

最終的なVPは以下の通りである。

 ・ソ連SSBN計4ユニットによる聖域到達 :+28VP
 ・NATO側のダメージが合計16ヒット :+32VP
 ・ソ連側のダメージが合計26ヒット :-26VP
  合計:34VP

 ソ連側決定的勝利



感想

得点的には完敗であった。ただ、個人的には、このシナリオでNATO側が勝利するのはかなり困難だと思える。ソ連側SSBN4ユニットのうち半数が聖域に突破できれば、それだけでソ連側の勝利条件ラインを超えられる。NATO側が損害覚悟で阻止戦を行っても、1損害当たりのVPがNATOの方が不利なので、消耗戦はNATOにとって不利である。

ただし反省点も多い。例えば巡航ミサイルの使い方とか、空母の守り方については、もう少し工夫の余地があっただろう。特に米艦隊が1ヶ所に集結するとほぼ無敵状態になるので、米艦隊は下手に動き回るよりも拠点防御に徹した方が良いのかもしれない。

いずれにしても今回のプレイで海戦ルールも概ね分かってきたので、別のシナリオも試してみたいと思う。

写真12_CVN-71





幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦

RedStrike表紙


Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したSLGである。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決で、ゲームスケールは1Hex=28km(戦略マップは280km)、1Turn=2日間で、1ユニット=大隊~師団、航空機は1ユニット=10~60機程度、艦船は主力艦1隻又はその他の艦艇数隻を表す。
このゲームはこれまでにも何度か紹介してきたが、今回は初めて海戦シナリオに挑戦してみた。本作には多数のシナリオが含まれているが、そのうちいくつかは海空戦専用シナリオになっている。これらのシナリオには陸戦部隊が一切登場せず、専ら艦船と航空機のみが登場する(航空基地は別)。
今回プレイするのが、海空戦シナリオの1つである「B5.Miami 1989」。これは中級向けシナリオの1つだが、戦略マップしか使用せず、戦術マップは一切使用しない。
この「マイアミ1989」は、北大西洋における米ソ両海空軍の戦いを描いたシナリオで、ソ連側はSSBN4ユニットを「聖域」と呼ばれる北極海に送り込むことを目指し、NATO側はその阻止を目指す。
NATO側は空母「セオドラ・ルーズベルト」とその空母航空団、そして支援水上部隊、潜水艦部隊と若干の航空兵力が登場する・ソ連側は4ユニットのSSBNの他、攻撃型原潜5ユニット、水上打撃部隊、基地航空部隊が登場する。いわば「役者がそろった」訳だ。

今回、このシナリオをVASSALで対戦プレイすることになった。筆者はNATO側を担当する。


写真00


1Turn

第1アクションステージ

まずは両プレイヤーがダイスを振って活性化できる海軍ユニット数を決める。本作では、各アクションステージに両プレイヤーがダイス(D10)を振り、出目の半分(切り上げ)が当該アクションステージに活性化できる艦船ユニット数になる。今回、ソ連側の出目は4、NATO(筆者)側は9であった。従ってこのアクションステージにはソ連側は2ユニット、NATOは5ユニットまでの海軍ユニットを活性化できる。

SO_SSN1_Alfaソ連軍は、まずアルファ型原潜を活性化させた。最大速力40ノット以上の超高速原潜として有名だが、本作でもアルファ型の高速性能は表現されており、その移動力は110に達する。ちなみに戦略マップでは1Hex移動する際に10MPを消費する。とはいっても戦略マップ上であってもアルファ型の移動力は11に達し、他艦の追随を許さない。

余談だが、本作ではソ連艦の移動力はNATOのそれよりも大きくなっており、例えばNATOの空母は移動力40が一般的なのに対し、ソ連のキエフ級空母、キーロフ級巡洋戦艦は移動力100。つまり米空母の2.5倍である。カタログスペックでは両者の最大速力に大きな差は示されていない(共に30kt前後)なので、なぜソ連艦の移動力が極端に大きな値になっているかは不明である。

閑話休題。アルファ型潜水艦は米機動部隊を求めて索敵を実施したが、運悪く米空母を発見できなかった。その後もオスカー型巡航ミサイル原潜、Il-38哨戒機、Tu-142哨戒機等もNATO側水上部隊を求めて索敵を行ったが、いずれも索敵に失敗した。

SO_Tu-16K_574MRAP_1業を煮やしたソ連側は、索敵攻撃隊を発進させた。対艦ミサイル装備のTu-16Kバジャー2個中隊を発進させたのである。これで敵艦を発見できなければ、ミサイルを抱えたまま帰投しなければならない。あるいは危険を避けるためにミサイルを投棄するのか・・・?
ソ連軍にとっては幸いなことに、バジャーの編隊は遂にレーダーによってNATOの対潜水上部隊を発見した。即座に対艦ミサイルが発射された。本作の戦闘システムは、まず攻撃側がダイス(D10)を振り、攻撃力以下の出目を出す必要がある。続いて防御側はECM判定のためのダイス(D10)を振る。その時の出目がECM値未満の場合、ECM値とダイス目の差分だけ命中マーカーを左にシフトさせる。と、言葉に書くと面倒だが、実際の概念はそれほど難解なものではない。

US_SAG6_Ticonderogaここで問題になるのが、SAGの存在である。SAGとはSurface Action Group(水上戦闘グループ)のことで、本作では広域防御能力を持った水上部隊のことを指す。このSAGが同一Hexに存在していると、SAGが1ユニットあたりECM判定時にDRM-1が適用される。言い方を変えれば、SAG 1ユニットにつきECM値が+1されると考えるとわかりやすい。
今回、攻撃目標となったNATOの対潜部隊にはSAGが3ユニット含まれていた。これはNATO部隊のECM値が+3されることと同義になる。しかも、この時のNATO対潜部隊にはECM値6を持つタイコンデロガ級イージス巡洋艦が含まれていた。つまり事実上ECM値が9に相当することになる。
結果、バジャー2ユニットの攻撃がいずれもECM判定で無効化され、ミサイル攻撃は効果なしとなった。

SO_Tu-22M3_194MRAPソ連軍は、引き続いてTu-22Mバックファイア2個中隊からなる攻撃隊を発進させた。こちらは先ほどのバジャーとは違って対艦ミサイル値9を誇る精鋭である。
しかしこの時もNATO側のECM判定が功を奏し、バックファイアの放った対艦ミサイルは全て無効化された。まさに

「イージス艦、恐るべし」

である。

写真01


続いてNATO側の移動である。NATO側では移動可能なユニット数が5ユニットなので、先ほどからソ連爆撃機によるミサイル攻撃を受けていた対潜部隊を一旦後退させることにした。そして勝利条件となるSSBNの突破を防ぐ位置に移動する。その際、目標地点に位置していたエコー型巡航ミサイル原潜に集中攻撃を加えてこれを撃沈した。

さらにノルウェー海軍所属のP-3C哨戒機もソ連アルファ型原潜を攻撃し、これに2ヒットを与えた。

写真02


第2アクションステージ

SO_SSGN1_Charlie2ソ連軍のチャーリー2型巡航ミサイル原潜が米空母部隊に対する索敵を実施し、遂にこれを発見した。ちなみに本作の索敵システムでは、一旦発見された海上ユニットは、Turn終了時点で敵の探知範囲外になった時点で非発見状態に戻ることになる。だからソ連側としては、このTurnの間に発見対称となったNATO海上ユニットを攻撃するのが得策である。
チャーリー2型は即座に対艦ミサイルを発射したものの、さすがに米空母の防御は固く、ミサイルを命中させることはできなかった。

さらにソ連軍は残った移動可能ユニット容量を使ってタイフーン型SSBNを出撃させてきた。次のTurnに聖域への突破を狙っているのは明らかである。

さらにソ連軍はバックファイアとバジャー計4個中隊でNATOの対潜部隊をミサイル攻撃してきた。NATO艦隊の防御力は相変わらず強固であったが、それでも毎回攻撃を阻止することはできずに遂にタイコンデロガ級巡洋艦が被弾してしまう。防御の要であるタイコンデロガ級が被弾すると艦隊全体のECM値は大幅に減少してしまう。その隙を突いて発射されたバジャー隊の対艦ミサイルを受けて、遂にタイコンデロガ級巡洋艦が撃沈されてしまった。
ソ連側にとっては初めての大戦果である。

写真03


ようやくNATO側の手番である。NATO側は対潜哨戒機や原潜部隊でソ連潜水艦隊を攻撃し、アルファ型原潜1ユニットとオスカー型巡航ミサイル原潜1ユニットを撃沈した。
さらに米空母「セオドラ・ルーズベルト」を含む空母部隊を前進させ、先にミサイル攻撃を受けていたNATO対潜部隊と合流した。これによってNATO水上部隊の主力が一か所に集結することになり、その防御力がまたもや強化されることとなる。

写真04


第3アクションステージ

第3アクションステージでは先攻後攻が入れ替わり、非主導権側(今回はNATO側)が先に移動することになる。今回NATO側は海軍ユニット移動判定のダイス目が良く、海軍ユニット5ユニットが活性化できるようになった。

NATO側はまず後方に残っていた水上部隊を前進させて空母部隊に合流させた。これでNATO側の水上部隊は全て同一Hexに集結することとなった。これだけ集結していれば、ソ連側としても損害を与えるのは非常に困難となる。

US_SSN1_LosAngelesそして先ほど前進してきたソ連のタイフーン型SSBNに対して集中攻撃を開始した。まずノルウェー海軍のP-3Cが攻撃を実施したが、これは外れ。続いて米海軍自慢の「688型」ロサンゼルス級攻撃型原潜2ユニットを投入してタイフーン型SSBNを攻撃する。しかしさすがにタイフーン型SSBNは強く、ロス級の攻撃はいずれも失敗。逆にタイフーン型による反撃によりロス級1ユニットが命中1を受けてしまう。そのロサンゼルス級原潜は、この後でTu-142哨戒機による攻撃を受けて、さらに1発の命中を受けてしまう。

この不幸なロサンゼルス級原潜は、この後のTurnでさらに1発の命中を受け、遂に撃沈されてしまう。

写真05


つづく



幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦

240324_RedStrike_シナリオB5

Red Strikeは、2023年にドイツのVUCA Simulationsが発売したシミュレーション・ウォーゲームです。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決で、世界中のウォーゲームメーカーから発売されてきた鉄板テーマです。
Red Stormはこのテーマをフルマップ2枚+戦略マップ、カウンター2000個以上で再現するビッグゲームとなっています。

今回、Red Stormの中ではユニークな位置づけの中規模シナリオの1つである「B5.Miami 1989」をプレイしてみたので、その内容を動画化してみました。このシナリオは、北大西洋での米ソ海軍の激突を描いた海空戦シナリオです。このシナリオでは、地上部隊が全く登場せず、両軍とも艦船と航空機ユニットのみが登場してきます。
今回、このシナリオをVASSALでプレイしてみました。うp主はNATO側を担当しました。
「Red Strike」の新たな側面を楽しめる海空戦シナリオの醍醐味をお楽しみください。



幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦

写真00


Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したシミュレーション・ウォーゲームだ。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決。世界中のウォーゲームメーカーから発売されてきた鉄板テーマで、本作はそれをフルマップ2枚;戦略マップ、カウンター2000個以上で再現するビッグゲームとなっている。

今回、中規模シナリオの1つである「B1.FULDA GAP」をVASSALでプレイしてみた。このシナリオは、タイトル通りフルダギャップと呼ばれる西ドイツ中央部の高地帯を巡る戦いで、登場するユニット数が両軍合わせて176個、長さが3Turnという比較的プレイし易い規模のものである。ソ連軍はゲーム終了時までにライン川の渡河を目指し、NATO側はその阻止を試みる。

写真00c


今回、このシナリオを3人でプレイしてみた。NATO側1名、WP側が2名である。筆者はWP側を担当し、地対地ミサイルと航空戦力を担当した。

前回までの展開は --> こちら

1Turn(章前)

1st Action ステージ(章前)

WG_12PzDiv_36_1018戦闘フェイズである。ソ連軍地上部隊がNATO側防衛線に襲いかかった。攻撃を行ったのはソ連第8親衛戦車軍の2個師団、防御側は西ドイツ軍第12装甲擲弾兵師団である。
このゲーム、空戦と海戦ルールはかなり凝っているが、陸戦ルールは比較的シンプルである。攻撃側と防御側はそれぞれ戦闘モードを決める。戦闘モードといっても通常戦闘、急速戦闘、徹底戦闘の3種類があり、それぞれ消費する補給ポイント量や戦闘力修正が異なるというもの。ソ連側は大抵の場合、一番有利な「徹底攻撃」を選ぶことになるが、NATO側は微妙。戦闘モードも違いによる防御力の修正は攻撃力程には過激ではないので、NATO側は補給ポイントをケチって弱い戦闘モードを選択する余地がある。

SO_Mi-24_336OVP_1戦闘が始まると両軍が近接航空支援を実施する。防御側から先に近接航空支援を実施する。近接航空支援は通常の航空任務と同様に解決される。つまり実際に航空機ユニットを飛ばして、探知処理を行い、必要なら空対空戦闘や地対空戦闘を行う必要がある。地上戦闘で一番時間がかかる部分がこの近接航空支援であると言える。
今回の戦闘ではNATO側が攻撃ヘリによる近接航空支援を試みたものの失敗。ソ連軍はMil-24ハインド3ユニットを投入して近接航空支援を試みたものの、CAP機のF-16と対空砲火に阻まれて支援に失敗(ヘリによるCASは意外と失敗し易い)。ソ連空軍は護衛付きの攻撃編隊を近接航空支援に送り込み、F-16の迎撃を掻い潜て攻撃を敢行し、命中を与えたので近接航空支援を成功させた。

SO_8GA_79TD_2938実際の地上戦闘は戦闘比による修正とその他のダイス修正を加えて最終的な修正値を得て、ダイスを振って修正後のダイス目を戦闘結果表に当てはめて戦闘結果を決める。最初の戦闘比は4:1。修正後の戦闘比は5:1でダイス修正は+6(砲兵支援と近接航空支援)。戦闘比5:1の場合は+4のダイス修正がつくので、最終的なダイス修正は+10。出目は7でダイス修正を適用した後の出目は17。戦闘結果は0/4Rとなる。防御側は4打撃食らって強制後退となるが、この時防御側は「徹底防御」を選択していた。「徹底防御」では後退しない代わりに後退できない分1打撃を余分に食らってしまう。

US_3AD_1_1018同様に第8親衛軍と第1親衛戦車軍所属のソ連機械化師団が米第3機甲師団を攻撃する。NATO軍は基地航空機を投入して近接航空支援を試みるが、MiG-21のCAPに阻まれて攻撃失敗。護衛なしの攻撃編隊は脆いものよのぉ。諦めないNATO軍は攻撃ヘリを近接航空支援に投入するも、やはりCAP機に阻まれて失敗。航空兵力は五月雨式に投入せずまとめて投入した方が有利になるのだが、NATO軍はそのセオリーに反したため徒に損害を増やす結果となった。
一方のソ連軍はMil-24ハインド3ユニットを投入して近接航空支援を試みるが、F-16のCAPに阻まれて攻撃失敗。こちらもCAP機の威力圏内でヘリの活動が自殺攻撃に過ぎないことを証明することになってしまう。ちなみにその時はソ連空軍も近接航空支援に出撃したもの、やはりCAP機に阻まれて近接航空支援に失敗。
仕方がないのでソ連軍は唯一残っていたBVRミサイル搭載のMiG-23MLDフロッガーを護衛につけて攻撃隊を発進させた。しかし虎の子MiG-23MLDにもF-16の餌食となり、戦果なしで撃退されてしまう。辛うじてF-16の迎撃を突破したSu-25フロッグフットも対空砲火を食らって1打撃。近接航空支援は失敗に終わった。

「F-16強すぎ・・・」

ソ連軍プレイヤーからため息交じりの呟きが漏れた。

写真04_USAF_F-16FightingFalcon


今回の教訓として、WP側はCASに固執するのではなく、攻撃前に通常の爆撃でNATO軍地上部隊を弱体化させた方が良いと感じた。というのも、CASはどうしても五月雨式の攻撃になってしまってCAPや対空砲火に阻まれてしまう傾向が強いが、護衛を2~3ユニット程度つけた攻撃編隊であれば、CAP機を数の力で圧倒できる可能性が高い。仮にCAPが仕掛けてこなかった場合には爆撃自体が成功するのでこれも悪い話ではない。ということで、CASよりも通常爆撃を行った方が良いのではないかというお話。

写真05


2nd Action ステージ

何はともあれ、NATO側前線に大きな打撃を与えたWP軍は、予備部隊を投入して一気にNATO側防衛ラインの突破を図る。しかしNATO軍は戦闘前退却ルールを利用して打撃を受ける前に粛々と後退していく。焦るWP軍。
結局このステージのWP軍は、戦闘前撤退に失敗した米第3機甲師団に対して4個師団による猛攻を行い、これに壊滅的な打撃を与えたに留まった。

3rd Action ステージ

US_AH-64_VIIC_2_6このゲームは1Turnが3つのアクションステージに分割されており、それぞれのアクションステージで航空部隊は毎回活動できるが、海上部隊は3つのアクションステージの中でいずれか1つのアクションステージしか活動できない。地上部隊も同様だが、地上部隊はさらにモードによる制約が加わり、予備モードのユニット以外は主導権側は第1アクションステージ、非主導権側は第3アクションステージのみ移動できる。予備モードのユニットは、もう少し柔軟な活動が可能になる。

何はともあれ、第3アクションステージは非主導権側、すなわちNATO側の地上部隊が活動する機会となる。これまでやられっ放しであったNATO軍であったが、この機会に戦線の整理を行う。NATO軍が選んだ防御陣形は一線防御。これは戦線を全てユニットで敷き詰めてソ連側の浸透を阻むという布陣であった。各Hexの部隊密度は薄くなり、ZOC形成もできなくなるが(このゲーム、1Hexに3個連隊相当の部隊が存在するとZOCを形成する)、WP軍の後方への突破を防ぐための苦肉の策と言えた。

ただ個人的には薄い一線防御よりも、ZOCに依存した定点防御の方がNATO側にとっては有利だと思っている。

写真06


つづく



幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦
幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦
CPS Compass Games NATO デザイナーシグネチャーエディション
Operation Theseus - Gazala 1942
Donnerschlag - Escape from Stalingrad

写真00

Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したシミュレーション・ウォーゲームだ。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決。世界中のウォーゲームメーカーから発売されてきた鉄板テーマで、本作はそれをフルマップ2枚;戦略マップ、カウンター2000個以上で再現するビッグゲームとなっている。

本作の基本システムは、かつてVictory Gamesから出版されていたGulf StrikeやAegean Strikeと同様のシステムを採用している。このシステムは一言で説明するのは難しいが、陸戦だけではなく海戦や航空戦を詳細なシステムで再現するシステムで、陸海空の行動を統合的なシステムで再現している。従って本作には地上部隊だけではなく、空母やフリゲート艦、潜水艦といった海上部隊、F-15やB-52といった航空部隊も登場する。しかも恐ろしいことに米空母艦載機は中隊別でユニット化されており、そのため米空母1隻に搭載されている航空機ユニットは最大10個にも達する。
ちなみに本作のスケールは1Hex=28km(戦略マップは280km)、1Turn=2日間、1ユニット=大隊~師団、航空機は1ユニット=10~60機程度、艦船は主力艦1隻又はその他の艦艇数隻を表す。

写真00a


本作には多数のシナリオが含まれている。最大のものは全マップ、ユニットを使用するキャンペーンシナリオ(計4本)の他、練習用のミニシナリオが10本、中規模シナリオが6本用意されている。
今回、中規模シナリオの1つである「B1.FULDA GAP」をプレイしてみた。このシナリオは、タイトル通りフルダギャップと呼ばれる西ドイツ中央部の高地帯を巡る戦いで、登場するユニット数が両軍合わせて176個、長さが3Turnという比較的プレイし易い規模のものである。ソ連軍はゲーム終了時までにライン川の渡河を目指し、NATO側はその阻止を試みる。

写真00c



今回、このシナリオを3人でプレイしてみた。NATO側1名、WP側が2名である。筆者はWP側を担当し、地対地ミサイルと航空戦力を担当した。

0Turn

このシナリオは、両軍が戦端を開く前に一定の「事前移動」が認められている。NATO側は移動力の半分で移動可能。WP側は移動力の2倍まで移動可能だ。当然両陣営とも国境を超える移動は認められない。なお、この移動は地上部隊だけではなく、航空部隊も移動可能のようだ。そこで両軍とも地上部隊だけではなく、航空部隊についても運用し易いように再配置を行う。

1Turn

1st Action ステージ

SO_1GTA_432まずWP軍は地対地ミサイルでNATO軍の後方拠点に攻撃を加える。まずはヴュルツブルク南方の4thATAF(第4連合戦術航空群)のCRC(Control and Reporting Centre)を攻撃する。短射程弾道ミサイルOTR-21トーチカ(NATOコードネーム:SS-21 スカラベ)を集中投入する。数発の弾道ミサイル弾がCRCを直撃。CRCは機能停止した。これによってNATOのADN(Air Defence Network)の機能は半減した。

写真01_Tochka-U_rep_parad_Yekat


両軍の地対空ミサイル防衛網は抽象的に表現されており、CRCの他、SOC(Sector Operations Center)がマップ上に配置されている。これらの施設に打撃を与えることで防空組織を弱体化できる。通常は合計8打撃を与えた時点で防空組織の能力を弱体化できるのだが、このシナリオでは特別に4Hitの損害でNATO側防空組織を弱体化できる。

US_4ATAF_SOC_Borfink続いて少し射程の長いR-17弾道ミサイル(西側で悪名高いSS-1Cスカッドミサイル)で後方のPOMCUS(装備事前集積地点)を攻撃する。POMCUSは複数の命中を受けて破壊されてしまう。さらに4thATAFのSOCを攻撃する。2発のミサイルが命中し、SOCの機能は半減する。この結果、同地区のNATO側地対空防空ネットワークは事実上機能を停止した。

このシナリオの特別ルールにより、NATO防空組織に合計6打撃を与えると、この地区におけるNATO地対空防空組織は完全に機能を停止する。

Z_Marker_SO_Game_Available_SFWP軍の攻撃はなおも続く。西ドイツ西方のビットブルク航空基地(Bitburg 1213)に対して航空偵察を行う。航空偵察は成功した。このゲームでは、地上目標に対して航空偵察が成功すると、爆撃やミサイル攻撃、さらに特殊部隊による攻撃効果が高まる。
ソ連特殊部隊スペツナツがビットブルク基地を襲撃する。D10で7以下を出すと襲撃成功。襲撃に成功すると航空基地に1打撃を与えることができるが、航空偵察に成功した航空基地に対するスペツナツ襲撃に成功すると、目標が被る被害が通常の2倍になる。ビットブルクは計6打撃を受けて機能が半減してしまう。

ちなみにスペツナツの襲撃を受けたビットブルク基地では、米陸軍の攻撃ヘリ部隊が付随損害で壊滅した。この基地にはF-15やF-16といった虎の子戦闘機も在地していたのだが、「付随損害は攻撃を受けた側が選択できる」というルールによってF-15、F-16は無傷であった。

「これはいくらなんでも・・・」

という声が参加者から上がったので、次回のプレイでは「付随損害の適用は損害の小さいものから優先する」というローカルルールを適用したい。


SO_Su-24_116APIB_3ビットブルク基地にさらなる打撃を与えるべく、航空攻撃を行う。Su-24フェンサー2ユニットからなる攻撃隊をMiG-29フルクラム、MiG-23MLDフロッガー計3個編隊が護衛するというソ連側最精鋭と言うべき攻撃編隊だ。東西国境を越えて西ドイツ領空内に進入した攻撃編隊をE-3AセントリーAWACS機が探知する。フルダ上空でCAP任務中であったF-15イーグルがこれを迎え撃つが、ソ連側護衛機がこれを排除。攻撃隊はさらに進撃を続ける。
続いてハーン(Hahn 1215)から米軍のF-16戦闘機が飛び立つ。F-16が放ったAIM-7スパローは外れ。続いてF-16とMiG-29、MiG-23が交戦する。数で勝るソ連側だったが、ここでは性能とAWACSの援護を得たF-16の勝利で、ソ連側はMiG-23が1損害を被り、基地への帰還を余儀なくされる。
さらに米軍はF-15イーグルを発進させてソ連軍攻撃隊を迎え撃つ。ここでも数に勝るソ連軍は性能に勝る米軍機によって一方的に損害を被り、護衛戦闘機計3戦力を失った。しかし護衛機の犠牲により無傷で目標上空に進入したSu-24フェンサーの2個編隊がビットブルク基地を攻撃。合計4打撃を与えて、ビットブルク基地の損害は計10ポイントに達した。

写真02_800px-Sukhoi_Su-24_inflight_Mishin


SO_MiG-29_31IAPさらにソ連軍はMiG-29が1ユニット、MiG-23が2ユニットからなる戦闘機編隊を送り込んだ。この編隊の狙いはAWACSの撃墜にある。米軍のCAP網を避けてAWACSに近づくソ連攻撃隊。米軍はF-15を迎撃のために発進させたが、米軍機が接近戦を躊躇っている隙にソ連軍編隊はAWACSに発見し、これを攻撃。AWACS機を撃墜した。

NATO側の迎撃機が品切れになったので、ソ連軍はさらにビットブルク基地を攻撃。同基地の累積損害は14ポイントに達した。

ソ連軍による地対地ミサイルと航空機による攻撃は、所要時間約1時間にも及び、他のプレイヤーをして「キャンペーンシナリオなら航空攻撃だけでプレイ時間が終わってしまうんじゃないか」という乾いた感想も出てくる有様であった。

写真03




つづく

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