もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:世界の軍隊 > ドイツ軍

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240216_ミリクラ

Military Classics Vol.84

イカロス出版

特集は「IV号戦車」。パンターやティーガーに比べると地味だが、開戦時から終戦時までドイツ装甲師団の主役の1人として戦い続け、特に長砲身搭載型は連合軍のシャーマンやT-34に対しても十分に対抗できる性能を持っていた。さらに派生型も多く、88mm砲搭載のナースホルンや150mm砲装備のブルムベア、さらに自走砲のフンメル、対空用のヴィルベルヴィント等、バリエーションの多彩さでも他の追随を許さない。本書では、このIV号戦車の魅力を様々な視点で紹介している。IV号戦車のファンのみならず、WW2の欧州戦線に興味のある向きには、一読の価値があるだろう。
第2特集は艦上偵察機「彩雲」。開戦後に開発が始まった艦載機の中では比較的早期に戦力化できた機体である。あ号作戦などの戦歴も豊富であり、戦争末期における海軍航空隊の「眼」となった機体でもあった。
特集記事以外にも連載記事も興味深い内容であった。特に古峰文三氏の「砲兵から見た戦後戦史」は、WW2終了後におけるヨーロッパ正面での東西両陣営の対決を氏独自の視点で分析するもので、今後の内容が楽しみな記事であった。

お奨め度★★★

MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.84(2024冬号)-特集:IV号戦車
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.83(2023年秋号)-特集:三式戦闘機/五式戦闘機
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.82(2023年夏号)-特集:丙型・丁型海防艦
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.81(2023年春号)-特集:ドイツ突撃砲・突撃戦車
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.80(2023年冬号)-特集:Fw190/Ta152
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.79(2022年秋号)-特集:高雄型重巡

230620_ミリクラ

Military Classics Vol.81

イカロス出版

特集はドイツ突撃砲と突撃戦車。3号突撃砲、4号突撃砲、突撃歩兵砲33、ブルムベア等。WW2期におけるドイツ機甲兵力を支えたこれらの車両について、メカニズムや開発経緯、部隊編成とその運用、そして戦歴など、様々な側面から取り上げている。個人的には長砲身を搭載した3号突撃砲G型のいかにも「ドイツ陸軍装甲車両」といった外観が大好き。カッコいい。短砲身の歩兵支援車両も良いけどね。
第2特集は99式双軽爆撃機。こちらも開発経緯や部隊編成等、一通りの記事が掲載されている。日本陸軍機の中では結構活躍した機体だったが、性能面で今一つパッとしない機体であることは否めない。通好みの機体という所だろうか。
今回も結構楽しめる内容であった。

お奨め度★★★★


MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.83(2023年秋号)[雑誌] - 特集:三式戦闘機/五式戦闘機
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 82 (2023年夏号)[雑誌] - 特集:丙型・丁型海防艦
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 81 (2023年春号)[雑誌] - 特集:ドイツ突撃砲・突撃戦車


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黒騎士物語外伝

小林源文 ゴマブックス

戦争劇画作家として有名な小林源文氏。氏の作品群の中でも一二を争う人気作品が「黒騎士物語」だが、本書はその外伝である。元々の「黒騎士物語」が1980年代の作品で、外伝はその約10年後に発表されたものであるとのこと。本書は「黒騎士物語」の主人公であるエルンスト・フォン・バウアーの独ソ戦での活躍を描いた短編集である。舞台は1942年冬のスターリングラード戦から、1943年のウクライナ戦線、1944年のコルスン包囲戦等。キャラ的にも黒騎士中隊の面々以外に、敵ソ連軍の戦車兵、ドイツ軍の宣伝中隊など、多彩な面々が登場し、話に幅を持たせている。絵的にも無印「黒騎士」よりもこちらの外伝の方が遥かに「良い」という印象を持った。
極めつけは巻末の筆者あとがきで、「黒騎士物語」を書くことになったきっかけや当時小林氏がどのような仕事をしていたのか、あるいは仕事に対してどのような考えを持っていたのかを知ることができる。この「あとがき」だけでも定価分の価値がある、と書けば、さすがに言い過ぎか・・・。
「黒騎士物語」のファンなら楽しめること請け合いの作品である。


230324_黒騎士物語

黒騎士物語

小林源文 日本出版社

かつてHobby Japanに連載され、今でもミリオタ界隈ではバイブルともいうべき漫画である。ストーリーは1943年秋、ロシア南部の名もない村から始まる。第8戦車中隊、別名「黒騎士中隊」。10両前後の戦車を保有するその戦車中隊とその将校、兵士達が物語の主役だ。ストーリーは地獄のような東部戦線での黒騎士中隊の戦いを追う形で進められていく。圧倒的な兵力を持つ敵軍、理不尽な上官、戦意の疑わしい友軍等、様々な困難に直面する黒騎士達の運命や如何に・・・。
ミリオタ界隈では評価の高い作品だが、正直な所、絵の質は高いとは言えない。例えば新谷かおる氏の戦闘場面と比べると、場面の描写が分かりにくいのだ。キャラクターの顔も特徴がなく、主人公のバウアー中尉にしても隻眼だから目立つだけ。それがなければ他のキャラクターと区別がつかなかっただろう。
本作が氏の作品群の中でも際立って有名なのは、主人公の「わかりやすさ」が際立っていたから、というのは言い過ぎだろうか?。
とはいえ、そんなウンチク話ができるのも、本書の魅力の1つともいえる。

お奨め度★★★★

黒騎士物語 外伝 (ゴマブックス×ナンバーナイン)
黒騎士物語 愛蔵版 (ゴマブックス×ナンバーナイン)


230311_ミリクラ

Military Classics Vol.80

イカロス出版

特集はフォッケウルフFw190/Ta152。人気の高い機体で、個人的にも好きな部類に入る機体だ。本特集では、Fw190/Ta152の実像を、技術面や戦歴から追っていく。Fw190シリーズに対する評価は評者によって異なる面があるが、全般的には冷静な評価と言って良い。連合軍機との比較でも、Spitfire Mk.Vに比べてもFw190Aでは明確な性能優位はなく、Spitfire Mk.IX以降とは明らかに劣っているとしている。またFw190Dについても全般的に辛口の評価になっている。私的には納得できる評価であったが、枢軸ファンにとってはやや物足りないかもしれない。
第2特集は空母「龍驤」。これも個人的には好きな艦である。特に空母戦ゲーム (「海空戦!南太平洋1942」 もヨロシク) で第2次ソロモン海戦シナリオをプレイした時、「龍驤」が他の軽空母(「瑞鳳」「祥鳳」等)よりも有力な航空兵力を搭載している姿を見た時には、思わず抱きしめたくなる(ウソです)。
「龍驤」の魅力は何といってもその独特の外観とサイズに似合わない搭載機数の多さ。前者ついては、幼少の頃ウォーターラインシリーズで「龍驤」の外観を始めてみた時、アイランド型空母の外観に慣れた目にはその姿が余りに奇異に映ったのを覚えている。だけで、見慣れて来るとその独特の外観が味わい深いものに思えてくるから不思議だ。

何はともあれ、今回は全般に読む所が多かったので、機会があれば是非手に取って頂きたい。

お奨め度★★★★

MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol.83(2023年秋号)[雑誌] - 特集:三式戦闘機/五式戦闘機
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 82 (2023年夏号)[雑誌] - 特集:丙型・丁型海防艦
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 81 (2023年春号)[雑誌] - 特集:ドイツ突撃砲・突撃戦車
MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) Vol. 80 (2023年冬号) [雑誌] - 特集:Fw190/Ta152


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