もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 日本戦国時代

CMJ159表紙


「関ヶ原1600」(以下、本作)は、2021年に国際通信社から「コマンドマガジン159号」の付録ゲームとして発売された作品である。本作のテーマは、1600年の関ヶ原の戦い。日本人なら誰でも知っている有名な戦いだ。

日本史上有名な戦いを扱った本作は、実はデザイナーは日本人ではない。デザイナーは、フランシス・バンダー・ミューレン氏。名前から推測するとフランス人ぽいが、本当の国籍までは知らない。日本人ではないことは確かだが・・・。
元々はフランスのウォーゲームメーカーであるHEXASIM社から2016年に出版された「Tenkatoitsu」という作品に含まれる1作である。ちなみに「Tenkatoitsu」に含まれている他の戦いは。山崎の戦いと長久手の戦いで、いずれも国際通信社より日本語版が発売されている。

本作のゲームシステムは、した 以前に紹介「山崎の戦い」 と同じなので、そちらを参照されたい。
では早速プレイしてみよう。今回はVASSALを使った通信対戦で、私は西軍を担当する。

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作戦計画

このシナリオでは、ゲーム開始時点で戦闘陣形を選択できる。こちらは「車がかり」を選択した。攻防バランスの取れた陣形で、「突撃」命令と「後退」命令を沢山使用できる。
さてさて

1Turn

全軍、防御命令を出して様子を見る。
一方、東軍は戦意満々。まず一番北翼の黒田長政隊が「突撃」命令を受けて石田隊前衛に猛攻撃を加える。島左近隊はたまらず敗走。敵中に取り残された蒲生備中は東軍の包囲攻撃を受けて壊滅してしまう。

戦線中央でも加藤嘉明、筒井定次、田中吉政の各隊が小西隊を攻撃。その側面にいる島津隊を完全無視して・・・。

「おい左近、島津はなぜ動かん?」

と三成が叫んだかどうかは定かではないが、東軍は島津の「日和見」を知ってか知らずか。小西隊に襲いかかる。小西隊は前評判の悪さにも拘らず(小西行長=弱い、というのは偏見だ、と私の友人は叫んでいました)、奮戦する。しかし一部の部隊は後退を余儀なくされる。

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南翼から前進してきた井伊直政隊に対して宇喜多秀家隊が反撃を加える。兵力面ではほぼ互角の両者だが、宇喜多隊は奮戦。井伊隊の先鋒を突き崩しつつある。

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2Turn

「独断専行」

西軍は防御陣形の明石守重(明石全登)に攻撃前進を期待したが、なんと命令変更のダイス目でまさかの1を出してしまい、いきなり自主後退開始。主力の宇喜多本隊左翼に大きく空間ができてしまう。このままでは宇喜多本隊が包囲して潰されてしまう。ヤバイ。

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戦線北方では、石田三成本隊が「突撃」命令を受けて黒田長政隊を左翼から攻撃。その一部を撃破して後退に追い込んだ。ちなみに東軍の戦線は黒田隊と細川忠興隊が交錯しており、混乱状態となっている(普通に見て、戦争できる状態じゃねえよ)。そこを突いた石田隊が細川隊の一隊を攻撃。島左近らの活躍もあって細川勢1ユニットを撃破した。

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南部では宇喜多秀家本隊が側面の脅威を感じながらも寺谷川を渡河してきた井伊直政隊の後尾を攻撃。これを川向うに追い返した。それによって分断された井伊直政隊の別ユニットは、宇喜多秀家本隊からの猛攻撃を受け、壊滅してしまう。

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3Turn

まず動いたのは南部戦線であった。明石全登隊の独断退却によって間隙を突いたのが東軍の猛将福島正則である。正則自らが先頭に立って宇喜多隊の左側面に猛烈な「突撃」を加えてきた。
さらに宇喜多隊の右側面からは東軍本多忠勝、寺沢広高、藤堂高虎らが接近。前後に伸び切った宇喜多隊は退路を断たれて包囲されてしまう。

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北方では、最前線に出てきた石田三成本隊に対して、黒田長政隊の2ユニットが「突撃」命令を受けて猛烈な攻撃を加えてくる。石田三成本隊は、その猛撃に耐えられずに脆くも壊滅。石田三成自身も戦死してしまう。

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いきなり西軍の主将が氏んでやばくね、とお思いのアナタ。ご安心ください。このゲームでは、石田三成が56されても、大丈夫なのです。西軍には石田三成の他、宇喜多秀家と大谷吉継が次席指揮官に設定されており、彼らが三成の代わりをちゃんとつめてくれます。

「三成の代わりなんていくらでもいるぜよ」


再び南方戦線。

「お前ら何やってんだ」

の一喝があったかどうか。宇喜多秀家からの厳命を受けて明石全登隊が「突撃」命令で戦場に舞い戻ってきた。そして宇喜多本隊を殲滅せんと突出してきた福島正則隊の右側面から襲いかかったのである。福島隊は南北に分断され、福島正則本隊は、宇喜多・明石隊の重囲下に陥った。

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つづく




230423_応仁の乱

応仁の乱と言えば、戦国時代の始まりとなった大乱で、中学校の歴史の教科書にも出てくる有名な戦いだ。しかし名前は有名だが、その実情は殆ど知られていない。思えば関ヶ原や桶狭間のような劇的な展開がなく、主役となった細川氏、山名氏とも人気があるとは言えない。当時の将軍足利義政についても、人気のある政治家ではない。
本書を読もうと思ったきっかけは、少しでも応仁の乱について理解を深めようと思ったからだが、果たしてその目的が達成できたかどうかは怪しい所。意外だったのが応仁の乱の原因が大和にあったという点。畠山氏という我々が見れば「誰それ?」的な一族がキーパーソンを演じたこと。さらに大和が興福寺によって支配され、その中心にいたのは大乗院経覚という僧侶であったという点は本書を読んで気づかされた。
いずれにしも応仁の乱は極めて政治色の強い戦いであり、敵味方を簡単に区別できないところが理解を難しくしている。ただし、裏返せばそんな複雑な政治的背景を上手くゲームシステムに取り込むことができれば、意外と面白いウォーゲームになりそうかな、とも思った次第。


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「山崎の戦い」(以下、本作)は、2016年に国際通信社から「コマンドマガジン149号」の付録ゲームとして発売された作品である。本作のテーマは、1582年の山崎の戦い。日本人なら誰でも知っている有名な戦いだ。

今回プレイしたのはショートシナリオ。ゲーム中盤から開始される全11Turnのシナリオである。両軍が既に戦場に展開した状況で開始されるシナリオであり、兵力に劣る明智方は苦しい戦いを強いられることになるだろう。今回、私は羽柴方を担当した。

前回までのあらすじは、-->こちら

11Turn

B池田恒興このシナリオは、第11Turnより始まり、第21Turnに終了する。羽柴軍は当初の予定に従い、円明寺川に沿って布陣する明智勢左翼に対し、羽柴側右翼に展開する池田恒興隊、加藤光康隊が粛々と前進していく。そして円明寺川を挟んで対峙する両軍だが、未だ戦端を開くには至らない。本作の戦闘システムは所謂「マストアタック」だが、川沿いのヘクスサイドでは攻撃が免除されるのだ。

その間、羽柴側の主力部隊である秀吉本隊、丹波長秀隊、神戸信孝隊が西国街道に沿って北上し、明智側右翼を狙う。

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12Turn

I加藤光康羽柴側右翼で戦端が開かれる。羽柴側池田恒興隊と加藤光康隊が、明智側左翼を守る斎藤利三隊、津田信春隊と円明寺川を挟んで激しく戦う。池田隊は津田隊の一部を撃破し、円明寺川対岸に渡った。

戦線左翼では、羽柴側の中川清秀隊が、明智側左翼に展開する松田政近らと接触。交戦を開始していた。

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13Turn

C斎藤利三最初は面倒なシステムだと思ったが、慣れてくると結構サクサク進む。移動や戦闘の機会は多いが、それを実行できるユニットが命令やチットによって限定されているので、1度に実行できることが少ないのだ。その分、色々な可能性を検討する必要性がなく、勢い目の前の敵を叩く、という短絡的な展開になりやすい。これは別に欠点ではなく、当時の戦争はそんなものだったんだろう、と考えるしかない。だからこそ両者が接敵する前の事前計画が重要だと思い知ることになる。

戦線右翼では羽柴勢が苦戦を強いられている。明智勢の猛攻を受けた加藤光康隊は、痛打を受けて淀川沿いに撤退を余儀なくされる。さらに円明寺川対岸に進出した池田恒興隊も明智側斎藤利三隊等のタコ殴りを食らい、進退がままならない状態になる。

一方戦線左翼では、中川清秀隊が奮戦し明智側右翼戦線の一角と突破した。

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14Turn

E中川清秀戦線右翼。先に円明寺川対岸に渡った池田恒興隊の一部は明智隊の攻撃により壊滅。池田隊は円明寺川の対岸にまで押し返された。一方、池田恒興隊の左隣を進む高山右近隊も明智側前線と接触。これに猛攻を加えて円明寺川を再び渡河した。

戦線左翼では、中川清秀隊が明智勢の反撃を受けて苦戦を強いられるも、戦線後方からはせ参じた羽柴秀長隊、蜂屋頼隆隊が明智側と接触。攻撃を開始する。

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15Turn

J中村一氏戦線右翼。加藤光康隊に代わって前線に姿を現した中村一氏隊が淀川沿いに前進して円明寺川を渡河。明智側左翼を圧迫する。高山右近隊も奮戦を続けており、円明寺川を守る明智側の前線は綻びを見せ始める。

戦線左翼では中川清秀隊が明智側の戦線を突破し、これを分断した。これにより明智側の一部は退路を遮断されて包囲下に陥る。さらに羽柴側の主力である秀吉本隊、そして信長公の三男信孝率いる部隊も敵と接触。交戦状態になる。

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16Turn

J松田政近明智側の戦線は両翼から突破されつある。特に明智側右翼は危機的な状況で、戦線の体をなしていない。それを守るため明智側は総予備とも言うべき光秀本隊を明智側右翼に投入。中川清秀隊の前面に立ちふさがる。

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17Turn

B津田信春明智側の左翼が危機的な状況に陥っている。これまで奮戦していた斎藤利三隊、津田信春隊も背後を遮断され、羽柴勢の包囲下に陥る。

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18-21Turn

A明智光秀この後の展開は駆け足で紹介したい。羽柴勢は各地で明智勢を包囲し、個々に殲滅していく。局地的には明智側が善戦し、羽柴側に打撃を与えることもあるが、全般的には兵力に勝る羽柴側が明智勢を個別に撃破していく展開である。
第10Turn終了時には津田信春隊は壊滅、斎藤利三隊も斉藤利三旗本隊1ユニットを残して壊滅する。

そして最終の第11Turn。残るは光秀本隊のみとなった明智勢は、全力で勝竜寺城目掛けて撤退を開始。それを追う羽柴勢。さらに秀吉本隊が先回りして勝竜寺城前面に展開する。結局明智隊は勝竜寺城に到着することなく羽柴側の大軍に取り囲まれ、ゲーム終了となる。

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結果

A羽柴秀吉勝利得点は羽柴側が11点以上リード、さらに光秀が勝竜寺城外にいるので、羽柴側は史実を上回る決定的勝利を収めた。とはいえ、この兵力差、このシチュエーションでは、明智側が勝利を収めることは難しいだろう。

感想

ルールが意外に多い上、ルールの説明がアッサリしているので最初は戸惑う。しかも先の戦闘ルールのように「ルールに書いていないルール」が多く、ソロプレイだけだとプレイに漕ぎ着けるのは困難だろう。筆者自身、対戦前にソロプレイで練習した時には、正直「どこが面白いんだろう?」と思った程である。

実際にプレイしてみると、確かに細かいルールは多いし、ルールブックの書き方は不親切だが、ゲームのテンポ自体は意外なほどサクサク進む。今回のプレイでも全11Turnという長丁場ながらもプレイ時間は実質6時間ほど。この分ならロングシナリオでも2日ほどあれば余裕でプレイできそうな感じだ。

ゲーム自体も慣れれば結構面白い。似ていると言えば、かつてツクダホビーから出版されていた戦国合戦シリーズに似た感じのゲーム展開(テーマが同じ戦国時代の合戦なので、アタリマエなのだが・・・)。日本製ゲームのようにキャラを際立たせるようなことはしていないが、その分リアルな感じがしてよい。また戦闘陣形や攻城戦など、日本製合戦ゲームではあまり見られないルールがあるが、それが合戦の感じを上手く表現していて良い。
「てんかとういつ」シリーズは、山崎の合戦以外に、長久手の戦い、関ヶ原の戦いがある。特に関ヶ原は日本人としては是非プレイしてみたいテーマなので、機会を見つけてプレイしてみたい。






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「山崎の戦い」(以下、本作)は、2019年に国際通信社から「コマンドマガジン149号」の付録ゲームとして発売された作品である。本作のテーマは、1582年の山崎の戦い。日本人なら誰でも知っている有名な戦いだ。
簡単に背景を説明すると、天下統一を目前として本能寺の変で斃れた織田信長。その信長を斃した明智光秀と、信長の弔い合戦を企図して急遽畿内に舞い戻った羽柴秀吉。その両者が激突したのが山崎の戦いである。この戦いで勝利した秀吉は、その後天下人への道をひた走ることになり、一方の光秀は敗走中に落ち武者狩りの襲撃を受けて命を落としている。
日本史上有名な戦いを扱った本作は、実はデザイナーは日本人ではない。デザイナーは、フランシス・バンダー・ミューレン氏。名前から推測するとフランス人ぽいが、本当の国籍までは知らない。日本人ではないことは確かだが・・・。
元々はフランスのウォーゲームメーカーであるHEXASIM社から2016年に出版された「Tenkatoitsu」という作品に含まれる1作である。ちなみに「Tenkatoitsu」に含まれている他の戦いは。長久手の戦いと関ヶ原の合戦で、いずれも国際通信社より日本語版が発売されている。

ゲームシステムを紹介しよう。
基本的にはチットプルである。両軍ともダイスを振って命令ポイントに相当する軍勢チットをカップに入れる。それ以外に「強制チット」と呼ばれるものがあり、それもカップに入れるのだが、そのことは後で説明しよう。カップからチットを順番に引き、引いてきた軍勢が命令に従って行動を解決する。ちなみに軍勢というのは、1~3個程度のユニットからなる戦闘グループで、史実での「斎藤利三隊」「加藤光康隊」等である。
ここで「命令」という言葉が出てきた。本作では、軍勢ごとに命令を与えて、命令に従った行動を行う。命令には移動、攻撃、防御、再編成の4種類があり、それぞれ命令によってできること/できないことが決まってくる。途中で命令を変更することも可能だが、そのためにはダイスチェックに成功しなければならない。
先に説明した「強制チット」は、行軍、戦闘、回復、独断専行の4種類があり、戦闘チットは羽柴、明智それぞれ1枚ずつあるので、計5枚の「強制チット」が存在する。これらのチットは、チットの種類と合致する軍勢が全て活性化できる。例えば「行軍チット」を引けば、移動命令下にある軍勢が全て移動できるという案配。
移動システムは一般的なウォーゲームと同じだが、移動力消費がHex単位ではなく、ヘクスサイドで計算する点がユニークである。また与えられた命令に応じて移動力が異なってくる。スタック制限は常時1枚で、移動中や退却時にもスタック制限超過は認められない。
戦闘ルールは一見するとやや特殊に思えるが、戦闘修正が特殊なだけで、基本的にはマストアタックである。練度と兵力数がダイス修正になり、その他状況に応じたダイス修正が適用される。戦闘結果は攻撃側又は防御側への打撃数の形で与えられ、さらに防御側は後退を強いられることもある。
本作を分かりにくくしているルールの1つが戦闘陣形である。これは魚鱗の陣や鶴翼の陣といった戦国時代特有の陣形を再現するためのルールだが、例えば魚鱗の陣を選んでも、盤面のユニットが「魚鱗の陣」になる訳ではない。これらの戦闘陣形は、各ユニットに「突撃」や「機動」といった特殊な行動を実施できるようにするために使われる。戦闘陣形を獲得するためには、命令ポイントの残りを「貯金」する必要があり、戦闘陣形を有効にするには2d6で「貯金」したCPの合計値以下の目を出す必要がある。
他に攻城戦ルール等もあるが、詳細は省略する。

ルールの説明は以上だが、ルールブックを読んでいただけでは分かりにくい個所を少し説明する。
1つは戦闘ルール。ルールの書き方はやや曖昧だが、本作の戦闘システムは一般的なマストアタックである。すなわち攻撃する際にはZOCを及ぼしている全ての敵ユニットを攻撃しなければならない。ただし例外として「強制攻撃ではないヘクスサイド」越えの敵ユニットは攻撃しなくても良い。
戦闘ルールでもう1つ。複数ユニット間の戦闘についての説明が曖昧である。攻撃側、防御側のいずれかが複数の場合の戦闘解決方法についての記載がルールにない。我々は攻撃側が複数の場合は「戦闘支援」として扱い、防御側のユニットが複数の場合、防御側の練度と兵力を合計して適用することにした。この解釈が正しいかどうかは自信がない(明智方に不利に適用される)。

プレイの後、Board Game Geekでのルールのやり取りについて追いかけていると、まさに「複数ユニットが防御している戦闘」というそのものズバリの質問があった。それによると、攻撃側、防御側いずれについても複数ユニットが参加する場合には練度、兵力を全部合計するとのことであった。また部隊の状態については、攻撃側は最悪のもの、防御側は最良のものを適用するとのことらしい。意外と「数の暴力」が有効なシステムなので、ちょっと意外であった。

Combat - multiple defenders


今回プレイしたシナリオについて説明する。
本作には、ロングシナリオとショートシナリオの2種類がある。ロングシナリオは合戦前夜から開始され、両軍が戦場へ展開する所から始まる。全21Turnである。
一方ショートシナリオはゲーム中盤から開始される全11Turnのシナリオである。両軍が既に戦場に展開した状況で開始されるシナリオであり、兵力に劣る明智方は苦しい戦いを強いられることになるだろう。

今回はショートシナリオをプレイし、私は羽柴方を担当した。

作戦計画

ゲームを開始する時にいきなり疑問にぶつかる。それは戦闘陣形についてだ。コマンドマガジン本文記事のリプレイによると、ショートシナリオでは両軍とも戦闘陣形を発動済としているが、ルールを読んでみてもそのような記述は見つからない。今回は「戦闘陣形発動済」(つまり本文記事の記載内容に従う)としたが、ルールの記載漏れがあるのなら改善して欲しい所だ。

作戦計画の話をする。ショートシナリオでは、羽柴側が既に天王山を支配し、大兵力を山裾に展開している状況で開始される。このような状況では明智側に勝機は乏しい。羽柴側としては大兵力を生かして順当に勝利を狙っていけばよい。とはいえ、大兵力を効率よく活用するには少々コツがある。そこで順当に勝つ方法を考えよう。

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上図はショートシナリオのセットアップ時の状況である。白のユニットが羽柴側、茶色が明智側である。明智側がほぼ全兵力を鶴翼に展開しているのに対し、羽柴側は天王山麓の隘路に秀吉本隊を含む主力部隊が集結しているのがわかる。
この状況を生かして羽柴側は主力部隊を戦線左翼に注ぎ込み、明智側右翼を捕捉し、突破せん滅を図りたい。そして後方の勝龍寺城を狙う。そこで選択した戦闘陣形は「鶴翼」。機動的な攻撃を行うには最適な戦闘陣形である。実際にも盤面の状況が鶴翼に近い形を狙っている所も興味深い。さてさて・・・。

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つづく




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「関ヶ原1600」は、2021年に国際通信社から「コマンドマガジン159号」の付録ゲームとして発売された作品です。本作のテーマは、1600年の関ヶ原の戦い。日本人なら誰でも知っている有名な戦いです。

このゲームは、以前に紹介した「山崎の戦い」と同じシステムを採用しています。というのも、本作や「山崎の戦い」は、元々はフランスのウォーゲームメーカーであるHEXASIM社から2016年に出版された「Tenkatoitsu」という作品に含まれていたゲームなのです。ちなみに「Tenkatoitsu」に含まれるもう1つのゲームは「長久手の戦い」で、これもコマンドマガジンで日本語化されています。

今回、「関ヶ原1600」のVASSAL対戦の模様を動画にしました。お楽しみ頂ければ幸いです。




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