もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 日本奈良、平安、鎌倉、室町

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応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱

呉座勇一 中公新書

中世史にはあまり興味が無いのだが、ベストセラーということで読んでみた。「超絶面白い」という程でもないが、応仁の乱についてその発生から進展、そして終焉とその後の影響についてコンパクトにまとめている。本書を読んでいて面白かったのは、戦後の歴史学を支配した「マルクス主義的歴史観」(要するに歴史とは弱い立場の民衆が権力者を倒すことによって発展してきた)に対して真っ向から意義を唱えている点である。その点、「マルクス主義的歴史観」で歴史を学んできた私のような世代の人間にとっては、十分に興味深い内容であった。
筆者は若手(1980年生)の歴史研究家で中世史を専門にしているらしい。本書が面白かったので他の作品にも目を向けてみようと思っている。

お奨め度★★★

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「大戦略、白村江の戦い」は、Game Journal誌第15号の付録ゲームです。歴史の教科書には頻繁に登場する有名な戦いですが、詳しいことは知りません。唐・新羅の連合軍と百済・倭(日本)の連合軍が戦い、前者が勝利した、ぐらいは知っていますけど。時期は663年とあるので、日本では奈良時代に入る少し前ぐらいかな。結果として朝鮮半島における倭の権益は失われ、新羅による朝鮮半島支配が確立されたとか・・・。

システム紹介

私の知る限り、本作について紹介されたことは殆どなかったと思うので、簡単なシステム紹介おば。マップはポイント・トウ・ポイント。行動の基本はアクションチット性です。両軍共通のアクションチットを毎Turn6枚ずつランダムに取得し、そのうちの1枚を密かに選んで同時に公開します。アクション数の多い側が最初にアクション数だけ行動し、続いて少ない側が同様に行動します。このようなアクションを計6回(アクションチット数とイコール)繰り返し、1Turnが終了します。
ここでもし両軍の選んだアクションチットが同じものなら(基本的にアクションチットは同じ内容のものが2枚含まれています)、その瞬間にTurnが終了します。従って守りに立っている倭・百済側は同じアクションチットを狙ってTurn終了を狙う戦術も成り立ちます。
アクションチットの中には「疫病」「内乱」もあり、それぞれ相手に不利な影響を与えます。
戦闘はファイアパワー。防御側の射撃後に生き残った攻撃側が反撃するというシステムです。部隊(将軍)の中には、命中率が他よりも高いユニット、敵に先んじて射撃を実施できるユニット、その逆に敵側から先に射撃を受けるユニット等があります。
他には支配の概念が厳しく、敵国の支配を得るためには、そのスペースに自軍ユニットを配置しておく必要があります。支配下スペース以外は補給線を通さない上、補給切れでTurn終了を迎えると、厳しい消耗チェックが待っています。従って侵攻側である唐・新羅連合軍は、後方連絡線の確保に腐心することになります。

勝利条件については、唐・新羅連合軍は朝鮮半島全域の支配、対する倭、新羅、高句麗連合はその阻止です。ゲーム開始時、唐・新羅連合は、朝鮮半島の約1/3を支配しています。残り2/3は北半分を高句麗が支配し、南半分を百済が支配しています。今の地理で言えば、新羅は韓国の東半分(日本海側)+ソウル周辺、百済はソウルを含まない韓国西半分、高句麗は北朝鮮です。百済と高句麗が連合していますが、その間を新羅によって分断されているため、唐・新羅連合は高句麗、百済の各個撃破を狙うことになります。

ゲーム展開

最初のプレイでは私は倭、百済、高句麗連合(以下、日本軍)を担当しました。最初に唐・新羅連合(以下、中国軍)は高句麗の平定を目指します。中国軍、中でも唐の軍事力が圧倒的で、高句麗の日本軍は対抗できません。日本軍は交戦を避けて首都平壌に向けて撤退していくのみ。中国軍はそれを追って朝鮮半島奥深くに侵攻していきますが、補給ルールが厳しいので各スペースに守備隊を残す必要があり、徐々に先細りになっていきます。
結局中国軍は補給問題解決の糸口がつかめずに投了。
「このゲーム、どうしたらええねん」
と言う意味の呟きを残していました。

第2回戦。今度は本作の経験者が中国軍を担当。私は前回同様日本軍を担当します。
中国軍は唐軍主力が前回同様鴨緑江から朝鮮半島に進入。しかし補給問題があるので、大きくは前進せず機会を伺います。また新羅軍を使って百済領内にゲリラ的な侵攻を仕掛けます。対する日本軍は、北部戦線(高句麗)では、唐軍に対して高句麗軍を朝鮮半島核心部に待機させてこれに対峙。また南部戦線(百済)では、先撃ち可能な指揮官(日本の阿倍比羅夫、百済の道探、鬼室福信)を使って先制攻撃により新羅のゲリラ侵攻部隊を各個撃破します。
第4Turnに強力なチットを得た中国軍は大攻勢を開始。一気に高句麗領内に侵攻します。後方連絡線は顧みない全力攻撃。このままではTurn終了時に大消耗する筈でしたが、第6ラウンドまで戦って遂に高句麗全土を制圧。高句麗群を撃破しました。その結果、新羅領内経由での補給線が確保できたため、唐の大軍は辛くも補給切れによる大損耗は免れました。
しかし高句麗攻略戦は唐の侵攻軍に対してもかなりの出血を強いました。そのため唐の軍勢は一旦本土に撤退。再編成に努めます。唐の軍隊は、唐の本国で完全戦力に復帰できるのです。しかし唐の主力が不在の状況で、日本軍は新羅領内に侵攻を実施。新羅の軍勢が残り3ユニットになったので、中国側が敗北を認めて終了となりました。

感想

システムはシンプルで解りやすく、ルールを理解している人がいれば、その場でインストしてプレイできます。勝利条件的には中国軍が難しいように思います。兵力面での優位を利用して一気に高句麗を攻め落とし、そのまま倭・百済の連合軍を撃破するのが良いかと思います。

残念な点としては、(このゲーム自体の問題ではないのですが)白村江の戦い自体が余り歴史的な興味を惹くテーマではないこと。まあマイナーテーマであっても料理の仕方如何では傑作と化ける事例もなきにしも非ず(例えばHere I Stand等)ですが、そういった「隠れた魅力」を発掘するには至っていない作品と言えます。

いずれにしてもマイナーテーマを積極的にゲーム化する制作姿勢には敬意を表したいと思います。

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Middle Earthへ遊びに行きました(承前)

先日、大阪のMiddle Earthへ遊びに行きました。丁度18切符の時期だったので、往路は鈍行を利用して安く移動。お世話になっているワニミさん宅でその晩はゲームを楽しみ、翌日に表題の場所へ遊びに行きました。
本レポートは今回で3回目になります。第1回は「決戦!アバオアクー」(オリジナル)のリプレイを、第2~3回はやはりオリジナルゲームの「ソロモン夜襲戦」のリプレイを紹介しました。今回は最終回。GJ#21の付録ゲーム「義経」を紹介します。



義経(Game Journal#21)

Game Journal最新号に3in1で添付されてきたゲームです。ダイス判定の結果、私が平家、ワニミさんが源氏を担当することになりました。

第1ターン

源氏方は関東周辺の平定を進める一方、南九州の緒方氏を瀬戸内方面の撹乱に出撃させてきました。対する我が平家方は、摂河泉方面の源氏方を制圧する一方、最精鋭の平教経(4-2、武勇値-統率値)を瀬戸内に派遣。緒方何某を壇ノ浦で撃破。瀬戸内海の制海権を取り戻しました。

第2ターン

関東周辺を制圧した源氏方は、徐々に西へ勢力を広げてきました。対する平家方は、摂河泉を中心に防衛ラインを固める一方、平知盛(3-4)が南九州に進出、緒方勢の拠点を一掃して南九州の地歩を固めることに成功しました。また平教経は四国に渡り、伊予に篭る河野通信一派を殲滅。四国一帯は平家の支配する所となりました。

第3ターン

紀伊で源氏の息のかかった僧兵達が騒ぎ始めました。それを制圧すべく我が軍は、摂河泉を中心に兵力を再展開します。

第4ターン

尾張まで進出してきていた源義経(4-3)が突如摂河泉に雪崩れ込んできました。巧みな指揮を見せる義経軍に対し、当初平家は苦戦を強いられますが、平知盛、平重衡(3-3)らの増援を得て辛くも義経軍を撃退しました。この戦いで「臆病者」のレッテルを貼られた平知盛は汚名返上を図るべく南伊勢に進出。同地に進出していた源頼朝(1-6、源氏方総大将)軍と激しい戦いの末これを撃破。源頼朝を捕らえることにも成功し、その首を刎ねました。

結果

平家方の勝利

感想

実はこのゲームは昨晩ワニミさん宅で再三に渡ってプレイしていました。その時も多くの場合私が平家を担当していたのですが、大抵はゲーム途中で平宗盛(1-6、平家方総大将)が源氏勢に討ち取られ、ゲームエンドまで行きませんでした。今回は今までの反省に立ち、東部防衛ラインからの速やかなる撤退と平宗盛の四国への避難(地続きの中国地方だと義経の奇襲が怖い)、そして四国、九州の源氏方豪族の速やかなる排除を心がけました。結果的にはそれらの作戦が成功した形になったのですが、最終ターンまでプレイできたかったことについては一抹の寂しさを覚えます。平家方に寝返った木曽義仲の活躍や藤原秀衡による鎌倉乱入なんかもゲーム上で確かめてみたいですね。
ゲームとしてはなかなか面白いです。「太平記」システムのようなトリッキーさが少なく、かといって読み合いの要素も適度に混ざっているのが良いですね。面白いのが後白河法皇関係のカード。これは後白河法皇を味方に付けている側が使えるのですが、後白河法皇の支配状況がゲーム途中でコロコロと入れ替わるので性質が悪い。例えばターン開始時に後白河法皇が平家に味方していたために平家プレイヤーは法皇関連のカードをデッキに組んだ所、いざそのカードがプレイされる時に法皇が源氏に味方していたためそのカードは源氏プレイヤーが使うことになってしまうとか。特に「追討令」カードはかなり強力なので使い所が悩ましいです。
プレイ時間も1時間弱と手頃で、ルールも簡単なので、時間が余ったときなどにプレイするには丁度良いゲームではないでしょうか。

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最近、仕事が忙しくてゲームをするヒマがない。
今朝、出勤前(今日は休日出勤)の時間を利用して表題のゲームをした。
今まで何度かソロプレイをしていたが、いずれもルールの誤読があり、ちゃんとしたルールでプレイするのは今回が初めてだ。
(簡単なゲームと舐めてはいけない)
結果が平家方の勝利。源氏は京の支配を得るのが遅すぎて、VPの差を埋められなかった。
序盤の畿内攻防戦(第1次宇治川の合戦)では、平家の大兵力に源氏が押しつぶされて平家方の勝利。
続いて北陸時から攻め上った木曽義仲後白河院に篭絡されてあえなく平家方に組し。
東海に攻め上ってきた平家方(指揮官は木曽義仲)に対しては、源義経の獅子奮迅の働きによってそれを撃破。
勢いを取り戻した源氏は源義経を旗頭に入京を果たすものの時既に遅し
最後は屋島の合戦で平家の大軍に包囲された源義経があえなく最期を遂げた。
(写真はゲーム終了時の状況)

30シリーズとうたっているが、確かに30分でプレイできたのは驚きである。
またそこそこ盛り上がる部分もあるのでそれなりに楽しめる。
気になるプレイバランスの方は、最初見た感じでは「源氏圧勝か」とも思ったが、プレイしてみると結構平家方にも勝ち目がある。歴史的に勝ったのは源氏方なので最終局面の源氏優勢は動かし難いと思われるが、VPでバランスが取れている。(Victory in the Pacificのようなもの)
難点を挙げるとすれば(これは太平記システム共通なのだが)、
 (1) 慣れないうちは選択肢が多すぎて何をして良いのか迷ってしまう。
 (2) ゲームシステムにトリッキーな部分があって(例えば撤退は1~3武将しかできない等)、慣れないと不本意な負け方をすることがある。
欠点はあるものの、時間が余った時にするゲームとしては適当なのではないだろうか?。

ただ・・・、
最近この種のミニゲームがもてはやされる傾向にあるように思うのだが、いかがなものか。確かに短時間で終わるゲームは望ましいが、所詮ミニゲームばミニゲームに過ぎない。プレイの満足度も得られる歴史的興奮も到底フルサイズゲームには及ばない。
1日でプレイできる範囲のプレイ時間で、歴史的な興奮を感じることもでき、なおかつプレイ後に十分な満足感を残せるゲームはないものだろうか?。少なくとも表題のゲームがそれに該当するものではない、ということは確かだ。

ということで、私は仕事に行ってきます。

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