The War for the Union(以下、本作)は、米南北戦争をキャンペーンレベルで再現するSLGである。1Turnは1ヶ月、1Hexは実際の35kmに相当し、1戦力は約5000人の兵員に相当する。
本作は元々米国Clash of Arms社から1992年に発表された作品で、2018年にCompassGames社から第2版が発表された。今回プレイしたのは第2版の方で、旧版ではフルマップ1枚であったのがフルマップ2枚に拡大され、プレイしやすくなっている。
今回プレイしたのは1863年シナリオ。史実ではゲティスバーグの戦いや奴隷解放宣言等が発出された年で、戦争の転換点となった年でもある。
今回、私は北軍を担当した。
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1863年8年
バンクス将軍麾下の北軍約2万が、バトンルージュの北にあるPort Hudsonにある南軍砲台陣地を攻撃する。この砲台は南軍にとってミシシッピ川河畔に残った最後の砲台であった。この攻略に成功したことで、北軍はミシシッピ川全域を支配下に収めた。1863年9年

テネシー州チャタヌーガ正面では、新たにカンバーランド軍司令官に就任したグラント将軍が、兵約10万を率いて南軍のテネシー軍を攻撃する。兵力では約2倍の優勢を誇る北軍であったが、地形と南軍による塹壕戦に阻まれて攻撃に失敗してしまう。
1863年10年

チャタヌーガでは、グラント軍が攻撃を行ったが、またもや攻撃に失敗。グラント軍は後退を余儀なくされる。
南軍はチャールストンにて建造中であった装甲艦が完成したため、2ユニットでチャールストンを封鎖する北軍艦隊に交戦を挑んだ。装甲艦の火力は凄まじく、北軍は戦闘艦2ユニットが大中破してしまう。しかし北軍艦隊の反撃で、南軍の装甲艦1ユニットも撃沈されてしまう。
1863年11年
チャタヌーガでは、グラント軍が攻撃を行ったが、またもや攻撃に失敗。しかも前線で指揮にあたっていたグラント将軍が流れ弾に当たって負傷してしまう。死ななくて良かったが、このシナリオでは最早グラントは使えない。
1863年12年

ここでゲーム終了。勝利得点は南軍の64点。結果は北軍の作戦的勝利であった。
感想

ゲームとしては比較的シンプルでわかりやすい。南北戦争ゲームと言えば、米国人の同戦争に対する興味を反映してか、凝ったシステムや複雑なシステムを持ったゲームが多い。本作も決してルールが簡単な訳ではなく、特に海戦や経済戦の部分はやや凝ったルールが多い。だから全てのルールを使いこなすのは相当の慣れが必要となる。
[CSA_4SP_Vet]ただし先も書いたが陸戦部分のルールは非常にシンプルで、移動・戦闘の繰り返しである。追加移動や二次移動といったルールもなく、極端な展開になりにくい。南軍がワシントンDCを占領するといった極端な展開にはなりにくいので、極端な展開を嫌がる私のようなプレイヤーにとってはプレイし易い。ただ、その分ゲームとして派手な展開は望むべくもなく、その点は評価の分かれる部分であろう。
個人的には好きになれそうなゲームであり、次回のプレイが楽しみである。難点を上げれば、指揮官ユニットのデザインに味気がないこと。指揮官の名前と能力を示す数字が書かれているだけ。せめて指揮官の肖像画でも添付すればよいものを・・・。この点は、GMTのThe U.S. Civil Warに軍配が上がる。