もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 電脳ゲーム

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「空母戦記2」(文庫版)は1993年に発表された電脳シミュレーションゲーム「空母戦記」の発展版です。テーマがWW2における空母戦で、プレイヤーは日米英独仏伊の空母部隊を率いてコンピュータが操る敵空母部隊と戦います。
今回、「空母戦記2」を試みにプレイしてみました。今回プレイしたシナリオは「南太平洋海戦」。参加兵力は日本側が空母4隻その他、米側が空母2隻その他です。
下名は米軍を担当し、コンピュータ君が日本軍を担当しました。


同1600

またもや潜水艦「ガション」が雷撃を実施。戦艦「霧島」に魚雷1本を命中せしめた。
と、空母「エンタープライズ」、戦艦「サウスダコタ」を含む第16機動部隊(TF16)から突然の緊急電が入った。TF16が洋上で高速戦艦2隻を含む敵水上部隊と遭遇。交戦状態に入ったという。やばい。戦力は明らかに敵の方が優勢だ。敵は高速戦艦2隻、重巡4隻、軽巡1、駆逐艦9隻の計16隻に対し、TF16は空母1隻、戦艦1隻、重巡1隻、軽巡1隻、駆逐艦8隻に過ぎない。
交戦の結果、TF16は大損害を被った。
重巡「ポートランド」と駆逐艦3隻が沈没。防空軽巡「サンジュアン」が大破、戦艦「サウスダコタ」中破を初め、残りの全ての艦艇が損害を被った。日本軍に与えた損害は不明だが、撃沈は駆逐艦2隻のみ。明らかにこちらの負けである。

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同1700

なおも日本水上部隊と米艦隊の交戦が続いている。戦艦「ワシントン」を基幹とする第64機動部隊(TF64)が交戦に割り込んだが、日本艦隊も高速戦艦2隻を含む新たな敵艦隊が戦闘に参入してきた。交戦の結果、戦艦「ワシントン」が轟沈、空母「エンタープライズ」も撃沈された。戦艦「サウスダコタ」は大破しながらも辛くも戦場を離脱。空母「ホーネット」は先の航空攻撃で既に大破している。他に巡洋艦2~3隻、駆逐艦4~5隻が失われた。他の艦も全て大中破している。
日本艦隊に与えた被害は、戦艦「霧島」撃沈、同「金剛」中破、重巡1、軽巡1、駆逐艦3を撃沈。その他若干を撃破した。

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その後

夜の帳が戦場を覆った。大損害を被った米艦隊は戦場を離脱し、南太平洋海戦は終わった。米艦隊の損害は、史実における南太平洋海戦と第3次ソロモン海戦を足したぐらいで、正に壊滅状態。史上最悪の海軍記念日となった。
ちなみにゲーム上の勝利条件では「引き分け」。序盤の航空攻撃でポイントを稼いだので、なんとか負けは回避した感じだが、気分的には完全に「負け」である。

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感想

意外と面白い。不自然に感じる部分もあるが(詳細は後述)、ゲームとしてみれば目を瞑っても良い部分でもある。現在の視点から見れば操作性にやや難があり、ゲームをしているというよりは、作業をしていると感じる部分もなきにしもあらず。まあ90年代のゲームとしては及第点であろう。当時このゲームをプレイしていれば、ひょっとしたらハマっていたかもしれない。

気になる点をいくつかあげてみる。
まずゲームとした場合、Undoができないのが辛い。フェイズ制を採用しているので、例えば上空直衛機発進フェイズにCAPを出し忘れてフェイズ終了を選択すると、もう戻れない。
またログ機能がないのも辛い。操作が戻せないのもあるが、今回のようにAARを作る場合、記録を取っておかないといけない。折角の電脳ゲームなのに、もう少し何とかならないものかな・・・。まあ古いゲームだから仕方がないが・・・。

シミュレーションとしてみた場合、まず爆弾や魚雷の威力が小さすぎるような気がする。魚雷2本食らった「ホーネット」が小破で済んだり、1000ポンド爆弾7発を食らった駆逐艦「磯風」が沈まなかったり・・・。まあその分、爆弾や魚雷の命中率が高めに設定されているようだが・・・。

夜間に航空機を発進させられないというのも違和感がある。例えば未明のうちに索敵機を発進させ、黎明時に索敵隊の第1陣が索敵線の先端まで出ている、という芸当ができないのも変。
索敵と言えば、1隻の空母から出す索敵隊は1つの索敵方位(開度22.5度)しか索敵隊を出せないのはおかしい。実際には複数の艦艇から別々の方向に索敵隊を発進させることで扇型の索敵は可能だが、米軍の水上艦から水上索敵機を飛ばすのも違和感を感じる。米軍は日本軍ほど水上機による索敵を積極的に行っていないのだから。さらに言えば、戦艦や巡洋艦が水上機をこうもポンポン索敵に出せるのも変。水上偵察機の収容は母艦機ほど簡単ではないのだから・・・。

1Turn1時間の本ゲームで、航空機が必ず2Turnで帰投するのも変である。航続時間を考えれば、3~4時間ぐらいなら当時の艦載機でも平気で飛行できたのだから。同じく200~300浬彼方の敵艦隊への攻撃が一瞬のうちに実現できてしまうのも変。プレイアビリティの為かもしれないが、それなら1Turnを2~4時間程度にしても良かったように思う。

それからこれはバグだと思うのだが、集合攻撃を実施した攻撃隊が、オリジナルの母艦へ帰投できなくなって不時着した。何だかなぁ・・。南太平洋海戦でTBD艦攻が登場するのも、何だかななぁ・・・・。

とまあ、色々書いてみたが、プレイしていてそこそこ楽しいゲームであることは確かだった。

後日談

このまま負けっぱなしでは悔しいので、同じシナリオを再戦した。今度は日本空母2隻を撃沈、2隻を撃破して海戦に勝利した。ばんざーい。

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「空母戦記2」は1993年にジェネラルサポートから発表された電脳シミュレーションゲームです。テーマがタイトル通りWW2における空母戦。プレイヤーは日本軍の空母部隊を率いてコンピュータが操る敵空母部隊と戦うことになります。動作環境はPC-98又はIBM PC/AT互換機で、MS-DOS上で動作します。

今回紹介する「空母戦記2」(文庫版)は、2013年に発売された発展廉価版で、動作環境がWindowsとなり、日本軍以外に米軍も指揮できるようになりました。また英独仏伊といった欧州各国も登場し、例えばドイツの「グラフ・ツェッペリン」やイタリアの未成空母「アキラ」等も登場させることができます。

今回、「空母戦記2」を試みにプレイしてみました。今回プレイしたシナリオは「南太平洋海戦」。ガダルカナル島を巡って日米機動部隊が激突した戦いです。参加兵力は日本側が空母4隻その他、米側が空母2隻その他です。
下名は米軍を担当し、コンピュータ君が日本軍を担当しました。

10月25日0100

このゲームでは、夜間における航空作戦は禁止されている。実際には未明のうちに索敵隊を発進させたり、敵地に対する攻撃隊を発進させた事例は多いのだが、このゲームでは単純化の為か、このような事例は無視されている。そのため夜が明けるまでは暇である。

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同0500

ソロモン海に朝が来た。直ちに各艦隊は索敵機を発進させる。そのうちに1機がサンタイザベル島北北東海域に敵艦隊を発見した。直ちに2隻の米空母(「エンタープライズ」「ホーネット」)から計72機のSBD艦爆が発進する。さらにガダルカナル島からは、海兵隊所属のSBD艦爆20機が発進して同じ目標に向かう。「エンタープライズ」を発進した2機の艦爆が発艦事故で失われたが、残り計90機の艦爆が日本艦隊に殺到する。計90機の攻撃機は対空砲火で7機を失う損害を被ったが、以下の戦果を挙げた。

・ヘンダーソン基地隊20機
 重巡「鈴谷」3発命中、中破
 駆逐「風雲」3発命中、中破

・「ホーネット」隊:36機
 重巡「利根」7発命中、撃沈
 駆逐「浦風」7発命中、撃沈
 駆逐「夕雲」2発命中、小破

・「エンタープライズ」隊:34機
 重巡「筑摩」3発命中、中破
 駆逐「谷風」4発命中、撃沈
 駆逐「磯風」3発命中、中破

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一方、日本空母からは発進したと思われる零戦9、艦爆27の敵編隊がガダルカナル上空に来襲した。これをF4F 25機で迎撃する。攻撃隊の半数以上を撃墜破したものの、敵機の爆撃によって基地設備は大損害を被った。

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同0600

米艦隊上空に敵索敵機が飛来する。上空援護を担当していた戦闘機がこれを迎撃する。4機の三座水偵と2機の艦攻を撃墜した。

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「エンタープライズ」から発進したTBF艦攻7機が先の敵艦隊を攻撃する。しかし対空砲火で5機を失い、戦果はなし。少数機の攻撃が効果に乏しいことを思い知らされた。

日本空母から発進したと思われる零戦21、艦攻14が空母「ホーネット」を基幹とする第17機動部隊(TF17)に来襲した。戦闘機の迎撃は配置高度が高すぎて間に合わず、対空砲火で艦攻2、零戦4撃墜したものの、「ホーネット」にも魚雷2本命中した。「ホーネット」小破。

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同0700

「サウスダコタ」の水偵が敵空母艦隊らしきものを発見した。水偵隊は直衛の零戦隊と交戦。米水偵は1機の零戦を撃墜し、こちらは損害なし。
戦艦「ワシントン」を中心とする第64機動部隊(TF64)が空襲を受ける。敵の編制は、零戦5機、97艦攻16機。しかし対空砲火で計13機を撃墜、残りは引き揚げていった。
TF17が第2波攻撃を受ける。零戦2機、99艦爆18機。迎撃機はF4F 12機。艦爆3機を撃墜し、3機を撃退した。こちらの損失はF4F 1機。さらに対空砲火で艦爆6機、零戦2機を撃墜した。250kg爆弾1発が「ホーネット」に命中した。

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ガダルカナルの飛行場も空襲を受け、遂にその機能を失う。上空直衛任務についていたP-400戦闘機4機は、燃料切れで不時着する。

同0800

TF64がいきなり潜水艦による雷撃を受ける。戦艦「ワシントン」に魚雷1発が命中した。

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TF16,17から先に発見した空母艦隊らしき敵艦隊に向けて攻撃隊が発進する。
TF64に敵機来襲。99艦爆10機、零戦6機。対空砲火で8機撃墜。重巡「サンフランシスコ」に爆弾2発命中。小破。
TF17に敵機来襲。99艦爆16機、零戦11機。迎撃機はF4F 24機。艦爆6機、零戦4機を撃墜し、艦爆5機を撃退した。F4Fの損失は3機。さらに対空砲火が艦爆3機を撃墜し、残りは「ホーネット」に投弾したものの、命中弾はなしだった。

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米攻撃隊が日本艦隊上空に到達した。日本艦隊は空母「隼鷹」、戦艦「金剛」「榛名」を中心とする機動部隊である。敵主力である1航戦ではないので少し残念。
「エンタープライズ」隊のSBD艦爆32機、vs 零戦5機。SBD艦爆1機を失う。
敵戦闘機と対空砲火でSBD艦爆7機が撃墜され、1機が被弾損傷。残り22機が計22発の1000ポンド爆弾を投下した。そのうち13発が「隼鷹」に命中。「隼鷹」は轟沈する。
続いて飛来した「ホーネット」隊のSBD艦爆32機が攻撃を開始。3機を失ったが、残りは爆撃を敢行し、以下のような戦果を収めた。
 重巡「摩耶」:3発命中、中破
 重巡「高雄」:4発命中、大破
 駆逐「早潮」:3発命中、中破

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同0900

味方索敵機が空母を含む新たな敵艦隊を発見した。待機していたTBD艦攻10機が決死の攻撃を仕掛ける。しかし迎撃機と対空砲火によって全機撃墜の憂き目を見る。

いきなり「なんでTBD?」と思ったが、ひょっとしてリサーチミス?

同1000

先に「隼鷹」を撃沈した攻撃隊が母艦に帰ってきた。攻撃隊を収容しつつ米艦隊は敵艦隊との距離を離隔する。
しかし少し遅かったようだ。TF17上空に敵機来襲。99艦爆15機、零戦11機の攻撃隊だ。対空砲火で艦爆8機を撃墜破。しかし「ホーネット」に250kg爆弾計6発が命中した。不死身の「ホーネット」も流石にこれだけ食らうとそろそろヤバイかも。

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同1200

先に発見した敵空母艦隊を見失ってしまった。再発見を期待したが、なかなか発見できない。
「エンタープライズ」から艦爆25機が発進し、既に発見済みの日本水上部隊を攻撃する。攻撃隊の戦果は重巡「筑摩」に6発の1000ポンド爆弾を命中させてこれを大破。駆逐艦「磯風」には1000ポンド爆弾4発を命中させてこれを大破した。

ちなみにこの時点で「筑摩」の累積命中爆弾数は9発、「磯風」は7発である。「筑摩」の9発も凄いが、駆逐艦「磯風」に1000ポンド爆弾7発が命中しても沈まないというのは、如何なものかな・・・。

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同1300

相変わらず敵空母部隊は見つからない。TF16が敵戦爆連合20機弱の攻撃を受けた。直衛機不在の隙を突かれたため、「エンタープライズ」に250kg爆弾2発が命中。被害は軽微であったが、困ったものである。

同1500

潜水艦「ガション」が敵艦隊に対する奇襲に成功した。重巡「筑摩」に魚雷1本が命中。不死身の「筑摩」を漸く撃沈した。
「エンタープライズ」から発進した22機のSBD艦爆が、この水上部隊に追い打ちをかける。重巡「鈴谷」に7発の1000ポンド爆弾を命中させてこれを撃沈。駆逐艦「風雲」には4発を命中させてこれを大破した。

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Carriers at Warは米Matrix Games社から発売されているPC用空母戦ゲームです。
今回、Carriers at Warでミッドウェー海戦をプレイしました。私は米軍を担当し、日本軍はA/Iが担当します。
Carriers at Warについて詳しくは-->こちら


6月6日

決戦3日目の朝が来た。昨晩、日本の巡洋艦隊がミッドウェー島に対して艦砲射撃を加えたらしい。ミッドウェーの基地航空隊はその巡洋艦部隊に報復攻撃を加えるべく朝から活動を開始していたが、空母部隊は周囲に索敵機を飛ばし、日本空母の姿を追う。

0900過ぎ、我が巡洋艦隊と敵巡洋艦隊が洋上で遭遇、砲撃戦に入ったという報告が入った。我が巡洋艦隊は兵力に劣っているため苦戦しているという。ここに至って米空母部隊は日本巡洋艦に対する航空攻撃を決意。攻撃隊の発進を命じた。

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攻撃隊は約1時間後に目標上空に到達。まず急降下爆撃機が襲いかかった。「熊野」「鈴谷」「最上」の3艦に命中弾を与えた模様。昨日までは航続距離の関係で出番のなかったTBD艦攻隊もこの日は攻撃に参加し、「熊野」「鈴谷」にそれぞれ2本の命中魚雷を与えたと報じてきた。

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午後に入っても攻撃は繰り返された。何といっても彼我の距離が小さいため収容後の再発進が容易だ。結局この日1日だけで日本艦隊は重巡4隻、駆逐艦1隻を主に航空攻撃によって撃沈された。

6月7~8日

この後、2日間に渡って米空母部隊は日本艦隊の姿を追ってミッドウェー近海を探しまわったが日本艦隊の姿はなかった。日本軍はミッドウェー近海から撤退したのが明らかになったのは6月8日の夜半に入った後だった。MI作戦は失敗。日本軍は珊瑚海に引き続き、このミッドウェーでも戦略目的を達成することに失敗した。

後日暗号解読によって判明した実際の戦果は恐るべきものだった。撃沈は計13隻。空母「赤城」「加賀」、重巡「最上」「三隅」「鈴谷」「熊野」、水上機母艦「千歳」「神川丸」、駆逐艦3隻、輸送船2隻。撃破は6隻で、その中には空母「蒼龍」「瑞鳳」、重巡「妙高」も含まれていた。航空機の損失は約160機。
対する米艦隊の損害は、重巡2隻、駆逐艦3隻の沈没と航空機155機の損失。この戦いで勝利を収めたのがどちらの陣営なのかは、火を見るより明らかだった。

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まとめ

まず特筆すべきはそのプレイアビリティの高さです。
例えばマリアナ沖海戦のような大規模空母戦を戦っても、実質2時間とかかりません。もちろん進行速度を遅くしてじっくり楽しむこともできますが、それでも半日はかからないでしょう。ちなみに今回のミッドウェー海戦はリプレイを書いたり、画面のスクリーンショットを取ったりしながらの同時進行でしたが、プレイ時間は4時間弱でした。
また指揮権の一部をコンピュータに委譲できる点も良いです。例えば輸送船団や基地航空隊といった「重要だが面倒な」部隊を一々プレイヤーが指揮するのは面倒です。そこで本作の場合は指揮の一部をコンピュータに任せてしまうことができます。これは非常に良いアイデアで、プレイアビリティとゲームとしての面白さを両立させることに成功しています。
空母戦と言えば索敵ルールが注目されますが、本作の場合はコンピュータゲームである利点を利用し、索敵に関する諸問題はほぼ完全に解消されています。また空母戦の複雑な計算も全てコンピュータが処理してくれるので、ディテールとプレイアビリティを両立させている点も本作の優れた点です。

残念な点は、まず過去にSSGから出版されていたCarriers at War 2等に収録されていた数々のシナリオ、例えば「大和の沖縄特攻」「インド洋海戦」「欧州戦線における海戦」が収録されていないこと。まあ「大和の沖縄特攻」や「インド洋海戦」をプレイしても何が面白いの、という話もあるので、これは致命的な欠点ではありません。
もう1つは戦闘解決があまりにアッサリしていて物足りないこと。これはボードゲーマー独特の感覚であり、本作の欠点ではありませんが、ボードゲーマーとしてはもう少しプロセスが見えた方が良かったかな。例えば急降下爆撃の場面では、単に命中弾が何発だけではなく、命中率がいくつくらい(概算で構わないので)と併記してくれた方が良かったかな。

いずれにしてもCarriers at Warは、電脳系、非電源系を問わず空母戦ゲームとしては最も優れた作品の1つであり、傑作ゲームと評して良いと思われます。

P.S. 本作は対人戦機能もついているので、いつか対人戦を戦ったみたいです。

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Carriers at Warは米Matrix Games社から発売されているPC用空母戦ゲームです。
今回、Carriers at Warでミッドウェー海戦をプレイしました。私は米軍を担当し、日本軍はA/Iが担当します。
Carriers at Warについて詳しくは-->こちら


6月5日

翌6月5日。0540に敵発見報告が届いた。場所はミッドウェー北西海域。戦力は戦艦又は重巡2、その他1。これが本隊なのかどうかはわからない。艦隊は速度を25ノットに上げて西へ向かう。新たな情報を待ちながら・・・・。

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0605、待ちに待った報告が届いた。敵空母発見。その位置は先に見つけた敵水上部隊のほぼ真後ろである。我が空母部隊との距離は約300海里。少し遠いが間合いを詰めて攻撃を仕掛ければ良い。我々はこの敵艦隊に対して「タスクフォース・ベイカー」のコードネームを与えた。艦隊速度を33ノットの全力運転としつつ私は叫んだ。
「攻撃、攻撃、全機発進せよ」

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0655、ミッドウェーが空襲を受けたという報告が入った。それは良い。問題はその直後に入った別の報告だ。
「敵空母見ゆ。敵兵力は空母5、戦艦又は重巡3、駆逐艦6、位置はミッドウェー西方250海里」
えーっ、第2の空母部隊がいたのか?。先に発見したTFベイカーは空母5、駆逐艦15からなる艦隊だという報告が届いている。編成から見て敵の本隊はこちらに間違いないと思っていたが、別の報告が入ると混乱する。この新たな発見情報はTFチャーリーと名付けられた。
私は悩んだ。
そして決断した。
「予定通りTFベイカーを攻撃する。直ちに攻撃隊発進せよ」
サイは投げられた。

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0715、待望の攻撃開始の報が入った。ミッドウェーを発進したB-17飛行隊だ。敵の主力空母「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」を含む大機動部隊だ。我々は賭けに勝ったのか?。固唾を飲んで続報を待つ。

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ミッドウェーから発進した攻撃隊からは空母「蒼龍」に命中弾を与えたという報告が入った。取りあえずは朗報だが、それにしても攻撃規模を考えれば戦果は寂しい。後は空母艦載機の戦果に期待するしかないが、その空母艦載機はようやく発進したばかりだ。
その頃、空母部隊の前衛に展開していた我が巡洋艦部隊が日本機の攻撃を受けた。2機の急降下爆撃機による奇襲攻撃であったが、幸い被害はなかった。

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前衛艦隊が日本機の大空襲を受けた。重巡「ペンサコラ」「ヴィンセンス」、駆逐艦「カニンガム」「エールウィン」「マーレイ」等が命中弾の受け、相当な被害が出たという。「ペンサコラ」と「ヴィンセンス」は恐らく助かるまい。悲しいことだが日本機が前衛艦隊に吸収されていることは有難い。前衛艦隊の諸君、必ず仇は取って見せる。

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待望の攻撃報告が入ったのはその直後のことであった。3隻の米空母を発進した攻撃隊が日本機動部隊を捉えたのだ。次々と襲いかかる急降下爆撃機。報告によれば「赤城」「加賀」「蒼龍」の3艦に命中弾を与え、「加賀」「蒼龍」は恐らく大破又は沈没とのこと。日本空母戦力を半減させたのは大きかったが、まだ敵は全滅した訳ではない。攻撃、攻撃あるのみだ。

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1200頃にミッドウェーから発進した攻撃隊が日本機動部隊を攻撃した。報告によれば「加賀」は既に沈み、「蒼龍」も姿が見えないという。彼らは「赤城」に3発の命中弾を与えてこれを撃沈したと報告してきた。残るは「飛龍」1隻のみか?。
午後に入って帰還してきた攻撃隊から第2次攻撃隊が編成された。かき集めたSBD艦爆約30機。当初の保有機数の4割以下である。2日間に渡って繰り広げられた航空戦は、米空母航空団に多大な出血を強いていた。

攻撃隊は夕刻に入る頃、日本空母を捉えた。急降下爆撃機が最後に残った「飛龍」に対して急降下爆撃を繰り返したが、「飛龍」は巧みな操艦でこれを回避、1発の命中弾を与えることもできなかった。

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攻撃隊は日暮れまでに空母に帰還してきた。決戦2日目は終わった。我々は日本艦隊が誇る艦隊空母4隻のうち2隻を撃沈、1隻にも大損害を与えて列外に去らしめた。残る敵空母は「飛龍」のみ。我々の方は前衛巡洋艦隊に大損害を被ったが、空母部隊は無傷である。艦載機についてもまだ180機が残っているので十分に戦える。空母を失った日本艦隊に追撃をかけるのは今だ。艦隊は速度を18ノットに下げつつ、ミッドウェー北北西海域に向けて針路を取った。

明日は追撃戦だ。

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序論

Carriers at Warは米Matrix Games社から発売されているPC用空母戦ゲームです。
テーマは太平洋戦争における日米海戦で以下のシナリオが収録されています。(*は仮想戦)

 真珠湾攻撃
 *ウェーク沖海戦
 珊瑚海海戦
 ミッドウェー海戦
 第2次ソロモン海戦
 南太平洋海戦
 *タラワ沖海戦
 マリアナ沖海戦

各シナリオには歴史的状況設定の他、いくつかの仮想設定があり、例えばマリアナ沖海戦で「赤城」「加賀」が登場する設定もあります。またシナリオエディタも内蔵されているので、例えば「大鳳」を「ミッドウェー」のような超大型空母に化けさせたり、マリアナ沖海戦に紫電改の艦載機版を登場させることも可能です。
ちなみに価格は日本円で4,999円とリーズナブルです。

Carriers at Warについて詳しくは-->こちら


ミッドウェー海戦

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まずは史実のミッドウェー海戦を米軍でプレイします。空母部隊と水上部隊はプレイヤー(つまり私自身)が担当し、米基地航空隊はA/Iに委ねました。日本軍はA/Iです。
作戦方針としてはほぼ史実通りを狙います。基地航空隊の長距離偵察機に期待して先制発見を達成した後、空母部隊は最大戦速で敵空母に向けて前進。200海里以内に踏み込むことを目標としますが、敵に発見されたら速やかに攻撃隊を発進。先制攻撃を狙うことにします。

さてさてどうなることか・・・・。

6月3日

1942年6月3日2100。ミッドウェー北東約200海里に集結した米機動部隊は緊張に包まれながらも翌日の決戦に備えて準備が進められていた。情報によると日本艦隊は空母4~5隻、戦艦又は重巡約10隻、その他多数の大艦隊でミッドウェー島に近付いているという。既にミッドウェー近海では交戦も始まっている。強大な日本艦隊に対し、我々の手元にあるのはミッドウェー基地の航空部隊の他、空母3隻、巡洋艦8隻、駆逐艦17隻のちっぽけな機動部隊のみ。まともに戦えば歴戦の日本艦隊相手に勝ち目はない。唯一の強みは情報面での優位さだ。我々は日本艦隊の接近を知っているのに対し、日本人は我々が近くに来ていることを知らない。
「奇襲」
この2文字だけが我々にとって頼みの綱だ。

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初期画面

6月4日

25ノットの高速で西に向かう我々にとって待ちに待った報告が届いたのは、翌6月4日の0710のことであった。
「敵空母見ゆ。敵の戦力は空母1、戦艦又は重巡1、その他1」
その時、彼我の距離は360海里。攻撃するにはまだ少し遠い。さらに敵兵力についても気になる。空母1、戦艦又は重巡1というのは兵力として少なすぎる。我々は慎重に続報を待った。

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0725、ミッドウェーを発進したB26マローダー爆撃機が先の日本艦隊を攻撃した。敵の正体は軽空母「瑞鳳」と駆逐艦3隻。敵の本隊ではない。敵の本隊はどこにいるのだ。次第に焦りの色が濃くなっていく。

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0750、待ちに待った情報が届いた。
「敵空母見ゆ。敵の戦力は空母3」
これだ。間違いない。遂に敵の本隊を捕まえたのだ。その位置は我が空母部隊から340海里。まだ攻撃にはやや遠い。もっと近づかなくては・・・。
しかしその時恐れていたことが遂に起こってしまった。
「敵偵察機、我が艦隊に近付く」
遂に見つかってしまったのだ。これからは時間との戦い。戦力と技量に勝る日本艦隊を打ち破るには、先制攻撃しかない。艦隊は速度を28ノットに上げ、日本艦隊に向けて突進した。

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0810、ミッドウェーから発進した基地航空部隊が「瑞鳳」の機動部隊を襲った。軽空母「瑞鳳」と重巡「妙高」「鈴谷」に命中弾を与えたという報告が入る。違う!。敵はそっちじゃない、南から来た奴等が本命だ。叫んでみても始まらない。日本側の巧妙な囮作戦に引っかかったのか。
こちらももはや猶予はない。
「各機発進準備。攻撃距離内に入り次第逐次発進せよ」
サイは投げられた。

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0900攻撃隊発進。ただし、どうも情報がおかしい。敵の位置は確定しない上、空母の数もばらつきがある。本当にこいつは本命なのか。不安を覚えた司令部は攻撃隊の一部を発進させたに留め、なおも続報を待つ。ミッドウェー西方海域からは敵水上部隊発見の報が続々と入ってくる。しかし敵空母発見の報は杳としてない。一体敵はどこにいるのだ?。

1005、ミッドウェー島が空襲を受けた旨報告が入ってきた。幸い大きな被害はなかったらしい。敵は南西方向から飛来してきた。やはり敵空母は南西にいた。既に敵偵察機の発見する所となっている我が機動部隊が、遮二無二突進するのは危険である。
我々は一旦敵との距離を離隔すべく命令を発した。
「進路045。速度28ノット」

1105、新たな発見報告が入った。
「敵空母3、その他5発見。ミッドウェー西方300海里」
今日3度目の敵空母発見だ。
こいつが本命なのか?。しかし距離が遠い。一旦攻撃隊を収容し、明日の決戦に備えた方が良さそうだ。我々は進路を135に変針しつつ、敵空母に近付かないよう注意しながら、攻撃隊を収容すべく針路を取った。

1135、攻撃隊が目標を捉えた。しかしやはりこちらは本命ではなかった。水上機母艦「千歳」「神川丸」と駆逐艦1隻。
畜生。敵の空母はどこにいるんだ・・・。

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午後に入ってようやく敵の動きがわかってきた。敵空母はミッドウェーのほぼ真西方向から近付いているらしい。既に我が空母は敵偵察機によって何度も発見されている。このまま突進するのも危険だ。
1500頃から攻撃隊が空母に帰還してきた。攻撃隊の報告によれば、水上機母艦「千歳」を撃沈した他、「神川丸」にも多数の命中弾を与えてこれもほぼ撃沈したとのこと。他に駆逐艦1隻、輸送船数隻を撃沈との報告であった。さらに午前中に撃破した軽空母「瑞鳳」と重巡2隻、その他を加えると、かなりの戦果をあげたことになる。敵空母本隊に打撃を与えていないのは遺憾とする所だが、焦っても仕方がない。やがて夜の帳が戦場を覆った。米空母部隊は速度を15ノットに落としつつ南下を続ける。翌朝はミッドウェー南東海域に占位。味方の偵察情報に期待しつつ決戦を指向する。

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