もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 電脳ゲーム

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先日、とある座談会で空母戦の話をした所、
「Carriers at Warが良いよ」
というお話を聞いてきたので、早速発売元であるMatrix Games社のホームページを覗いてみました。

Matrix Games社といえば、かつて"Steel Panthers World At War"や"Uncommon Valor"を本ブログで取り上げたことがあったのですが、あまり反応が良くなかったので、最近はすっかりご無沙汰でした。

例えばこんな記事-->Steel Panthers WAWでマジノ線を突破
例えばこんな記事-->激闘!珊瑚海海戦(2)

今回、いくつか面白そうなゲームが出ていたので、紹介します。

Carriers at War

詳しくは-->こちら

今回の本命ゲーム。かつてSSG社から発売されていたIBMPC用の同名ゲームは一応保有していたのですが、プレイした感じがやや「アッサリ」していて、食い足りなかった覚えがあります。
今回の版はグラフィックも一新されている上(20年以上も経過しているので当然と言えば当然ですが)、ネット対戦にも対応しているということ。相手がいなければどうしようもないのですが、今回は対戦相手が見つかりそうなので、購入しようかな・・・。

Empire in Arms

詳しくは-->こちら

オーストラリアのADG社が開発し、後にアヴァロンヒル社からも発売されていた同名ボードゲームのPC版です。テーマはナポレオニック時代のキャンペーン級。プレイヤーが国王なり皇帝なりになるゲームです。ボード版の評判が良かったので(私もホンの少しですがプレイしたことがあります)、気になる一作です。

Gary Grigsby's War in the East

詳しくは-->こちら

Gary Grigsby氏といえば、かつて私がGame Journal誌に連載したことのあるPacific Warのデザイナーです。Gary Grigsby氏の作品は、PCゲームであってもボードゲームの色合いが強く、ターン制やヘクス制を採用しています。その分取っつきやすいのが特徴で、メール戦も容易なのですが、同時進行性に弱いため「待ち」が発生してしまう点が欠点かもしれません。(それともその辺りが改良されているのかな?)

Guns of August

詳しくは-->こちら

AH社から発売されていたGuns of Augustと本作との関係は不明です。マップを見ると同じであるような、違うような・・・。

Harpoon 3

詳しくは-->こちら

イメージ 4Harpoonシリーズは沢山出ているので、どれか迷います。他ではHarpoon4をプレイしようという話もあるし・・・。PC版のHarpoonはこのHarpoon3が最新版なのかな?。

Pacific War: Matrix Edition

詳しくは-->こちら

昔のPacific Warとはどこが違うんだろう?。マップやグラフィックを見ると、IBMPC時代と何ら変わらんような気がするが・・・。

Steel Panthers: World at War - Generals Edition

詳しくは-->こちら

スコードリーダー又はASLをPC上でプレイするようなスタイルのゲームです。第2次大戦に登場した主要な国家が全て登場するという豪華さ、1939~1945年(又はそれ以降)もプレイできる豪華さ、対戦型シナリオからキャンペーンまで、ヒストリカルシナリオから架空戦まで再現できるという豪華さ。仮に同じ内容をボードゲームで実現しようと思えば数十枚のマップ、ユニットシート、数百ページに及ぶルールブックが必要だと思われるのですが、それをアッサリ解決できる所がさすが電脳ゲームです。お値段がたった\6,000弱というのもお買い得なのですが、何故かASL程はメジャーになれていないのが不思議。

Storm over the Pacific

詳しくは-->こちら

太平洋戦争のキャンペーンゲーム。Pacific Warとは別のスタイルのようで、こちらの方がPC向きかもしれない。プレイする機会があればプレイしてみたい作品だが、電脳シム自体がマイナーであることが難点。ゲームやテーマは一番期待したい作品なのだが・・・・。

War in Russia: Matrix Edition

詳しくは-->こちら

Gary Grigsby's War in the Eastと似ているように思うが、何が違うんだろう。

War in the Pacific - Admiral's Edition

詳しくは-->こちら

またもや太平洋戦争キャンペーンです。Pacific War: Matrix EditionやStorm over the Pacificと何が違うのかな?。Pacific Warは古い作品だから除外するとしても、Storm over the PacificとWar in the Pacificのどちらを押すかは悩ましい所です。こちらは評価が高いので、こちらの方が安全かも・・・。



取りあえず今回は"Carriers at War"を購入しました。他のゲームにも手を出したい所なのですが、時間がなくて・・・。

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Uncommon Valorリプレイ--激闘!珊瑚海海戦(2)

先日紹介したMatrix Games社の電脳ゲーム「Uncommon Valor」ですが、先日ようやくリプレイを終えることができました。リプレイとはいっても一番簡単なシナリオで、シナリオ1「珊瑚海海戦」を日本側を担当してプレイしたものです。

Uncommon Volorの紹介は--> こちら

珊瑚海海戦(つづき)

前回まで

前回を読んでください。前回は-->こちら

1942年5月9日

敵機動部隊は大胆にも@水道を抜けてソロモン海へと入ってきた。彼我の距離は僅かに120マイル。理想的な決戦距離である。
先手を打ってきたのは敵が早かった。戦爆連合12機の編隊が我が空母を襲ったのである。零戦24機がこれを迎え撃ち、各艦も激しい対空砲火を打ち上げた。零戦の迎撃と対空砲火が功を奏したのか、我が艦隊に被害はなく、敵機約8機を撃墜した。
しかしこれは序の口に過ぎなかった。続いて敵の第2波攻撃隊=戦爆連合約40機が襲いかかってきた。零戦隊は奮戦するも敵機の全てを阻止するには至らず、敵機の大半は防空圏を突破し、艦隊に肉薄した。激しい対空砲火。次々と敵機は被弾していく。それでも勇敢に敵機は肉薄してくる。
「翔鶴」が被弾した。敵艦爆の投じた2発の爆弾が命中したのだ。

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敵機の爆撃を受ける空母「瑞鶴」

敵機の攻撃はなおも続く。三度現れた敵編隊。今度は戦爆連合約50機の編隊が日本艦隊に襲い掛かった。迎撃する20機の零戦をかいくぐり、敵機は次々と爆弾を投下する。またもや「翔鶴」がやられた。2本の魚雷と1発の爆弾が命中した「翔鶴」はがっくりと速度を落とした。その後方を走っていた軽空母「祥鳳」にも敵機は襲いかかり、3本の魚雷と2発の爆弾を受けた「祥鳳」はその場で激しく炎上した。最後に残った空母「瑞鶴」も敵機の激しい攻撃を受けたが、防御砲火と回避運動で辛くも危機を脱した。

報復の刃が敵艦隊に襲い掛かったのはまさにその時だった。零戦26機、99艦爆33機、97艦攻45機の計104機からなる大編隊が敵空母艦隊に殺到したのだ。攻撃隊は11機のワイルドキャットをたやすく蹴散らし、敵空母に必殺の爆弾、魚雷を叩き込んだ。
最初に狙われたのが空母「ヨークタウン」だ。艦爆隊の投じた爆弾数発が立て続けに「ヨークタウン」に命中した。誘爆を起こして激しく炎上する「ヨークタウン」にさらに爆弾が命中。魚雷も1本命中した「ヨークタウン」は重大な損傷を被り洋上に停止した。
僚友の大型空母「レキシントン」も被害を免れなかった。もともと大型の「レキシントン」は「ヨークタウン」に比べて運動性能が悪く、従って魚雷回避は不利だった。両舷から迫った艦攻隊は5本を魚雷を「レキシントン」に命中させた。浸水によって速度の落ちた「レキシントン」にさらに数発の爆弾が命中した。
結局この攻撃で「ヨークタウン」「レキシントン」の2艦は大破し、さらに重巡「ポートランド」にも2発の爆弾が命中した。日本軍の損害は未帰還機21機を数え、他に39機もの要修理機を出したが、彼らはそれに見合う成果を挙げたのである。

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我が攻撃隊の攻撃を受けて激しく炎上する米空母。上が「ヨークタウン」、下が「レキシントン」

攻撃隊が帰ってきた。彼らは、しかし激しく炎上する2隻の空母、「翔鶴」と「祥鳳」を見て着艦を諦めざるを得なかった。彼らはラエ、ガスマタ、ラバウルの各基地へ向かって飛び去っていった(注)。
残った唯一の空母「瑞鶴」からは再び攻撃隊が編成された。零戦7、99艦爆12、97艦攻6からなる第2次攻撃隊が、米空母にトドメを刺すべく、再び西の空に飛び去っていった。
彼らが目指す敵を見つけた時、彼らが見たのは激しく炎上する米空母「ヨークタウン」の姿であった。敵の迎撃機はもういない。彼らは「ヨークタウン」にさらに3発の命中弾を与えた。

(注)後の調査で各基地での収容機数は以下の通りと判明した。
 ラバウル:零戦x12機
 ガスマタ:99艦爆x17機、97艦攻x15機
 ラエ:零戦x18機
 

1942年5月10日

前線からの勝報に司令部は沸き返った。こうなればさらなる追撃戦を行い、敵残存空母を殲滅、さらには水上部隊にも決定的な打撃を与えなければならない。空母「瑞鶴」に対して追撃命令が下った。「瑞鶴」飛行隊は前日の航空戦で大きな打撃を受け、10日朝における稼動機数は零戦x16、艦爆x12、艦攻x5の計33機に過ぎなかったが、彼らは健気にも敵を追って追撃行動に移った。

しかし「瑞鶴」飛行隊が手を下す前に米空母「ヨークタウン」の命運は尽きようとしていた。夜半、@水道を警戒中の我が水上部隊(重巡4、駆逐2)が、単艦炎上中の「ヨークタウン」を捕捉したのである。「青葉」「衣笠」「古鷹」「加古」の20cm砲弾が次々と「ヨークタウン」に降り注いだ。多数の命中弾を受けた「ヨークタウン」は我が水上部隊の見守る中、海中に没していった。

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我が重巡群の砲撃を受け、沈没する「ヨークタウン」

1942年5月11日

敵空母の脅威は去った。しかしニューギニアを目指す我が輸送船団に対してはポートモレスピーから発進する敵機の散発的な攻撃が続いていた。昨日の戦闘では、ブナ近海で我が駆逐艦「望月」が敵の爆撃を受けて中破したのを始め、輸送船2隻も命中弾によって軽微な損害を被っていた。

1942年5月12日

ギリギリに対して我が陸戦隊が上陸に成功した。ニューギニア東端の戦略的要域である。司令部では陸戦隊に対して占領地の拡大を命ずる一方、ラバウルに帰港していた「瑞鶴」を中心とする機動部隊に対し、ギリギリ東方海面の制圧を命じた。

1942年5月13日

我が潜水艦が、大破して単艦航行中の敵駆逐艦「シムス」を発見した。トドメを刺すべく雷撃を敢行したものの、その魚雷は悉く目標を逸れてしまった。情けない。

我が輸送船団も激しい敵機の爆撃を受けていた。ブナ沖では敵機のべ100機以上が3波に渡って飛来し、我が輸送船3隻に甚大な被害が出た他、輸送船3隻が中小破、さらに護衛の掃海艇1隻が大破航行不能になってしまった。それでも我が軍はブナに対する上陸に成功。本作戦における4箇所目の拠点を制圧しつつあった。

1942年5月14日

ギリギリ近海で敵艦隊発見の報が入った。ひょっとしたらギリギリに対する逆上陸を意図しているのかも知れない。空母を失った敵ではあったが、未だ戦意を失っていないらしい。ソロモン海を警戒航行中の「瑞鶴」機動部隊に対してギリギリ近海へ急行するよう命ずる一方、ショートランドに帰投していた水上打撃部隊もギリギリ近海へ向かいよう命じた。「ヨークタウン」撃沈で意気上がる田中頼三麾下の水上部隊は、勇躍ショートランド泊地を後にした。

ギリギリ近海の敵は輸送船団であった。「瑞鶴」からは艦戦7、艦爆16、艦攻12からなる攻撃隊が発進。敵船団攻撃に向かった。搭乗員達の報告によれば輸送船4隻に甚大な被害を与えたとことであった。(その後の諜報活動で輸送船撃沈2が確認された。また消息のわからなかった敵空母「レキシントン」についても諜報活動により撃沈が確認された)

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我が艦上攻撃機の攻撃を受けて炎上する輸送船「ネレウス」号

1942年5月15日

最終ターンである。ギリギリ近海で田中部隊が再び大暴れした。まず昼間の攻撃で既に甚大な被害を被っていた2隻の輸送船(「ダイアモンド」号他1隻)に砲雷撃を集中。この2隻を数分で葬り去った。さらにもう1隻、輸送船「マッコリー」号も捕捉。これに41発の砲弾と魚雷1本を命中させて、これも葬り去った。

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田中部隊の砲撃を受けて激しく炎上する輸送船「マッコリー」号

戦い終えて

この一連の戦いで我が軍は2隻の敵空母「ヨークタウン」「レキシントン」を撃沈し、さらに輸送船5隻、潜水艦1隻を葬り去った。我が軍の損失は輸送船1隻と掃海艇1隻のみ。圧倒的勝利である。大本営は華々しく「空母決戦の大勝利」と発表し、日本国内は何度目かの提灯行列に浮かれた。

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(上)この戦いでの日本軍の勝利を称える新聞報道
(下)ラバウルに入港した空母「翔鶴」の惨状

感想

Uncommon Valorでは簡単なシナリオでしたが、リプレイを書きながらのプレイなので結構時間がかかりました。プレイするだけなら2時間もあれば終わります。結構面白いです。電脳ゲームなので「いつでも、どこでも」プレイできるのが嬉しいですね。次はもう少し長めのシナリオに挑戦してみます。

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Uncommon Valorリプレイ--激闘!珊瑚海海戦(1)

先日紹介したMatrix Games社の電脳ゲーム「Uncommon Valor」ですが、先日ようやくリプレイを終えることができました。リプレイとはいっても一番簡単なシナリオで、シナリオ1「珊瑚海海戦」を日本側を担当してプレイしたものです。

Uncommon Volorの紹介は--> こちら

作戦計画

太平洋戦争に詳しい方なら珊瑚海海戦が日本軍のポートモレスピー攻略作戦の一環として起こったことは既にご承知のことと思います。そして海戦の結果モレスピー攻略戦は中止となり、結果的に米国をして「戦略的勝利」を主張せしめる結果となったことも。
今回珊瑚海海戦シナリオで日本軍を担当するにあたり、日本軍プレイヤーとしてはポートモレスピー攻略を是非この手で実現したい所です。しかしながらポートモレスピーは遠く、海路を利用する場合、ラバウルを出港した船団はパプア半島の東を大きく迂回していく必要があります。しかもその海路は敵空母部隊や基地航空隊の攻撃に身を晒すことになります。本作ではユニットの損害の多寡が勝利条件に大きく響くので、モレスピーの攻略に拘り多大な損害を被るのは得策ではありません。船団を守る我が空母艦隊も、トラックを基地とする関係上、ソロモン海を経て遠く珊瑚海まで進出するのは容易なことではありません。航続距離の短い日本駆逐艦の場合は尚更です。
そこで今回私はモレスピー攻略には拘らない方針にしました。すなわち攻略目標をニューギニア方面のブナ、ギリギリ、ソロモン方面のツラギ、ガダルカナルの4箇所と定め、それぞれに上陸部隊を派遣する一方、反撃してくるであろう敵空母部隊に対しては、我が空母戦力を結集しそれに立ち向かうこととしました。空母群は「瑞鶴」「翔鶴」「祥鳳」の3艦を中心として編成し、史実で行われていたような「祥鳳」の分散配置はしません。他に「青葉」「衣笠」「加古」「古鷹」の4重巡を中心とした水上打撃部隊を別途編成し、水上打撃任務を担当させます。これは青葉、古鷹各級重巡の航続距離が短く、空母群と共同させた場合に「足手まとい」になることを避けるための処置です。

珊瑚海海戦

1942年5月1日

トラック島からは艦隊が慌しく準備を進めていた。その主力は空母機動部隊。「瑞鶴」「翔鶴」「祥鳳」の3空母を中心とし、重巡「妙高」「羽黒」、それに3隻の駆逐艦が護衛につく計8隻の艦隊である。旗艦「瑞鶴」の艦上で指揮を採るのは、この作戦で臨時に第5航空戦隊を指揮することとなった山口多聞少将。ゲームによると「日本軍最良の空母戦指揮官」とのことである。
別の1隊は田中頼三少将指揮する水上打撃部隊である。青葉、古鷹級の重巡4隻と駆逐艦2隻からなるこの部隊は、トラックを出港してショートランドに進出。全般作戦の状況を見つつ機をみて各地に出撃する手はずとなっていた。

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トラック島を出撃する我が機動部隊

1942年5月2日

信じられない凶報が入った。ラバウルから発進した我が陸攻隊がポートモレスピー上空で敵機の迎撃を受け、1度に8機もの陸攻を失ってしまったのである。他にも被弾機多数の模様。それも零戦10機が護衛についていたにも関わらずだ。失われたのがいずれも旧式の96陸攻だったが、最早旧式機で米軍機の防空網を突破するのは無理なのか?。
ラバウル基地の稼動機数は各機種合わせて100機に遠く及ばない数である。中でも制空権の要、零戦の稼動機数はわずか20機にも満たない。開戦劈頭、フィリピンを攻撃した我が基地航空部隊は、零戦陸攻合わせて200機以上を数えたが、それからわずかに半年足らずの期間で、これほど戦力が減少してしまった。これも戦線を広げすぎたツケが回ってきたのだと言うことなのだろうか?。開戦時に見せたような鮮やかな航空撃滅戦は最早望めないのか?。

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ポートモレスピー上空で敵機の迎撃を受ける我が陸攻隊

1942年5月3日

ラバウル基地からは健気にもポートモレスピーへの攻撃を続行中である。今回は大被害を免れたようだが、陸攻隊に数機の被弾機を出している模様。先が思いやられる。
肝心の敵艦隊についての情報は未だない。トラックを出港した我が空母部隊がそろそろソロモン海へ入ろうとしていた。

1942年5月4日

我が陸戦隊がガダルカナルへ上陸に成功した。幸い敵機、敵艦の妨害はないらしい。上陸した我が海軍陸戦隊に対し、直ちに周囲の制圧を命ずる。
一方敵艦に関する情報は依然としてない。ショートランド基地からは連日哨戒機を飛ばしているが、未だ有力な情報は入ってこない。ソロモン海まで進出していた我が空母部隊は、一旦燃料を補給するためラバウルへ向けて後退していった。

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ガダルカナル島に上陸した我が海軍陸戦隊

1942年5月5日

盛んに敵の無線を傍受できるようになった。どうやら敵はソロモン諸島各地に沿岸監視員を配置し、我が艦船や航空機の動きを逐一監視しているらしい。忌々しい奴等である。敵地を目指す我が輸送船団もしばしば敵機の触接を受けるようになった。敵は主にPBYカタリナ。まだ攻撃を受けるには至っていないが、そろそろ用心しておいた方が良いかも知れない。
ポートモレスピーで大空中戦があったらしい。我が零戦隊が久しぶりに35機もの大編隊で出動。モレスピー上空で敵機約20機と交戦したのだ。零戦隊は自らの損害なしで、敵機多数を撃墜破した模様。久しぶりに胸のすくような大戦果である。
ラバウルへ帰投した我が空母機動部隊は慌しく燃料補給を済ませ、再びソロモン海へ出撃していった。
占領したガダルカナルには早くも東港空の哨戒飛行艇が進出。珊瑚海東方への哨戒飛行を開始した。

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ガダルカナル島に進出した我が哨戒飛行艇

1942年5月6日

ガダルカナルに続いてツラギにも我が陸戦隊が上陸したようである。直ちに周囲の制圧に入る。一方ソロモン海を南下する我が空母部隊は敵PBY哨戒機の発見するところとなった。また別の輸送船団も敵哨戒機によって発見されてしまう。敵艦隊の姿は依然として不明である。不安な航海が続く。

1942年5月7日

ブナ攻略を目指す我が輸送船団が敵機の攻撃を受けた。敵はポートモレスピーを発進した戦爆連合約40機の大編隊である。敵の技量拙劣のため我が船団の被害は小さかったが、それでも輸送船の1隻が直撃弾を受け、無視できない損傷を被った。

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敵機の爆撃を受け炎上する我が輸送船

1942年5月8日

遂に敵空母を発見した。位置はギリギリ南東約90マイルの地点である。敵兵力は空母1、重巡1とのことであるが、常識的に考えて敵有力機動部隊の出現と考えて間違いない。位置は我が空母部隊の西南西約300マイルである。ただちに追撃したい所であるが、折からの悪天候のため攻撃隊を出すことができない。燃料にも不安を感じ始めた我が空母群は、燃料補給の為に一旦ショートランドへ帰投することにした。

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敵空母発見

1942年5月9日

雨は上がった。所々雲が残っているものの、まずまずの決戦日和である。前夜のうちにショートランドへ帰投していた我が空母部隊は速やかに燃料補給を済ませると、敵空母が遊弋しているニューギニア東方海域に向けて出撃していった。いよいよ決戦の朝が来た。司令部では固唾を飲んで機動部隊からの報告を待つ。

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「Uncommon Valor」の紹介

「Uncommon Valor」とは、米国"Matrix Games"社が開発した電脳シミュレーションゲームです。テーマは太平洋戦争における南太平洋戦役で、1942年5月の珊瑚海海戦から、連合軍によるラバウル包囲がほぼ完了する1943年12月までを扱います。マップは1ヘクス30マイルで北はトラック島、南は豪州大陸東海岸あるいはニューカレドニア島を含んでいます。
1ユニットは艦艇1隻、航空機1個飛行隊、地上部隊は1個大隊から1個旅団に相当に相当します。電脳ゲームですから当然ステップロスは細かく、航空機は1機単位、艦船は各武装単位で損傷し、地上部隊も砲1門、歩兵1個分隊レベルで損耗していきます。
1ターンは現実の1日に相当します。1日単位で麾下の部隊に命令を与えておけば、あとはコンピューターが自動的に戦闘解決を行ってくれます。もし毎日毎日命令を入力するのが面倒ならば、最大7日単位までターンスケールを拡大することができます。
プレイヤーは日本軍又は連合軍どちらでも担当できます。また人間対コンピューターの対戦だけではなく、人間対人間の対戦、あるいはE-Mailによる対人戦もサポートしています。ただオンラインの通信対戦はサポートしていないようです。

「Uncommon Valor」マニュアル読了

電脳ゲームなのでマニュアルを読まなくてもプレイすることは可能なのですが、折角なので一通り目を通してみることにしました。とはいっても英文で70ページにも及ぶ分厚いマニュアルを完全に理解することはほぼ不可能です。それにコンピュータゲームなので大雑把に理解して、あとは「実地で覚え」た方が効率が良いでしょう。今回はざっと目を通した上で、気づいたことを書き連ねたいと思います。

5.MAP

地図についての説明です。「Uncommon Valor」の地図はウォーゲームとしてはシンプルな部類に属します。自然地形としては、海、海岸、陸地(ジャングル)、山岳、河川ぐらい。人口地形としては、基地、道路、小道ぐらいしかありません。

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(写真)ラバウル周辺

6.Unit Symbol

地図上に表示されるユニットシンボルの説明です。タスクフォースは任務別にシルエットが区別され、航空部隊は機種別にシルエットが区分されています。

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(写真)「Uncommon Valor」に表示されるタスクフォース、航空部隊のユニットシンボル

7.Interface

ゲームの開始方法、オプションの設定方法、メール戦の方法、メニューバー及び戦術マップの使い方、タスクフォース・スクリーン、航空機スクリーンといった各種スクリーンの使い方、さらにはホットキーの使い方について説明しています。

8.Task Forces and Ships

タスクフォースの作成方法や任務の設定、目標地点の設定について説明しています。タスクフォースの任務については、航空戦闘、水上戦闘、対地砲撃、輸送等に分類されており、そのため空母部隊がそのまま水上戦闘に雪崩れ込む、といった非現実的な運用は自ずと制限されることになります。また速度設定はコンピューターが自動的に行ってくれるのですが、そのアルゴリズムについて説明しています(敵の飛行場に突入する際は空襲を避けるために最大速度で航行するらしい)。任務の中には機雷敷設や掃海といったものもあり、機雷戦を再現することもできます。
他には燃料消耗や弾薬消耗に関するルールもあります。航続距離の短い日本駆逐艦の場合、すぐに燃料欠乏を起こしてしまう傾向があるので、小まめに洋上補給してやる必要があるみたいです(と、マニュアルには書かれてありました)。
他に面白いルールとしては、個艦毎に練度(昼間練度と夜間練度に区別されている)が設定されており、増援としてゲームに登場してきた艦艇は低練度になっているようです(特に連合軍側)。これに対して「Shakedown Cruises」というルールもあり、本格的な戦闘を経験する前に簡単な任務を経験させることで技量向上を図ることができるようです。

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(写真)珊瑚海海戦に参加するMO機動部隊。所属艦艇の状況は勿論、任務、目標地点、指揮官の氏名やその技量等が事細かに記載されています。

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(写真)1942年8月シナリオに登場する米戦艦「ノースカロライナ」。夜戦技量「36」は決して高練度とは言えません。

9.Ground Units

地上部隊の詳細や移動方法が記載されています。戦車1両、砲1門レベルでレーティングされていますが、戦車や火砲が主役ではない太平洋戦役の場合、あまり気にならない部分です。

10.Aircraft

航空戦の手順、任務や目標地点の設定、基地変更の手順等が記載されています。任務には海上攻撃任務や基地攻撃任務、哨戒任務等があります。さらに各航空隊は飛行高度を設定することもできます。特に米軍のP-39シリーズは高度10000ftを越えると極端に性能が悪化するため(そのことを再現する特別ルールがあります)、日本側はP-39の迎撃を回避するために中高高度の侵攻を多用するのが良いかもしれません。
他にも損傷した航空機が近くの母艦や基地に緊急着陸/着艦したり、悪天候のために目標を見失ったりすることもルール化されています。

11.Naval Combat

艦対艦戦闘、対地艦砲射撃、潜水艦戦闘や対潜水艦戦闘、機雷戦についての進行手順を説明しています。

12.Air Combat

空対空戦闘の進め方を説明しています。面白いのは迎撃戦闘の際に最も重要な要素を「上昇性能」としていること。これは現実の世界では自明のことなのですが、ボードゲームではなかなか再現できない要素の1つです。電脳ゲームでは上昇性能の優れた戦闘機が迎撃任務に有利であることを簡単に再現できるので、今までやや不遇な扱いを受けることの多かった高速迎撃戦闘機達がクローズアップされることになるかもしれません。

14.Spotting

航空機等による敵艦隊や基地に対する偵察方法を説明しています。探知レベルという概念が導入され、それを向上させるために偵察機の役割がクローズアップされてきます。そのため「Uncommon Valor」では写真偵察機が個別にユニット化され、ゲームに登場してきます。

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(写真)米陸軍第8偵察飛行中隊。装備機はP-38を偵察用に改造したF-5A Lightning。本作以外でこの機体が登場するゲームを私は殆ど知りません。

16.Bases

基地建設の方法や基地に対するダメージ、さらには基地の修理方法について説明しています。基地設営隊もユニット化されています。

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(写真)1942年8月シナリオにおいて、ルンガ飛行場の建設に励む海軍設営隊。その後の彼らの運命は・・・・。

17.Logistics

補給活動の方法、艦船、地上部隊、航空機に対する補給方法について説明しています。補給がこのゲームのキーワードみたいなのですが、実はここはあまり詳しく理解していなかったりします(^^;。まあやってみればわかってくるでしょう。

その後

とまあ、こんな感じのゲームです。マニュアルを読むだけでワクワクしてくるようなゲームであることは間違いないです。ここまで読んだのだから早速プレイしてみたいですね。平行して進めているBattlefield Europeももう少し研究したいし、なかなか時間が取れないのですが、なんとか時間を見つけてチャレンジしてみたいと思います。

P.S. ぢつはこのゲームのマニュアルについては日本語訳がちゃんとあったりします。ちょっと「気どって」英語マニュアルに挑戦してみましたが、英語を読むのにも疲れてきたので、次は日本語版を読んでみることにします。

「Uncommon Valor」に見る南太平洋航空決戦

Unccomon Valorは、米国"Matrixgames"が出版している電脳ゲームです。
テーマは南太平洋決戦で、1942年5月から1943年12月までを1ターン1~7日のスケールで描きます。


このゲームについては、つい先日入手したばかりで「チュートリアル」も着手していない状態なのですが、別の意味でちょっと興味が湧きました。というのも、このゲームは基地航空部隊が飛行中隊規模で登場するのですが、各中隊毎に装備機種、機数、技量、パイロット数等が事細かにレーティングされているのです。ということは、このゲームのシナリオを調べていけば、我々にとっては馴染みの薄い南太平洋方面における連合軍航空兵力の実態についても、ある程度伺い知ることができる訳です。

という訳で早速いくつかのシナリオについて調査してみました。

(注)以下の記述には"Uncommon Valor"におけるネタバレを含んでいます。

1942年5月

珊瑚海海戦の時期です。各基地毎の装備状況です。

連合軍

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基地機約250機、母艦機約140機といった所ですね。主力はP-39DやP-40E、爆撃機はB-26Bというのが目に付きます。量的には日本軍を上回っていますが、質的な面ではまだまだといった感がありますね。

日本軍

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基地機約120機、母艦機約130機、水上機約30機といった所です。基地機の数的な劣勢は顕著です。特に零戦隊が稼働機約30機の台南空のみというのはお寒い限り。既に前線が広がりすぎてしまった弊害が出ています。


1942年10月

南太平洋海戦の時期です。

連合軍

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基地機約900機、母艦機約160機といった所です。数量的にはかなり充実してきました。機材面ではまだまだ旧式機が目に付きますが、その中でB-17E、B-24Dといった四発爆撃機が徐々にその数を増しているのが伺えます。

日本軍

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基地機約350機、母艦機約230機、水上機約80機といった所です。母艦航空兵力では連合軍を上回っていますが、基地機の数では負けています。ただ連合軍機が広範囲に分散して局所集中できていないのに対し、日本軍は基地航空兵力の約70%を前線に近いラバウル、ニューギニア、ソロモン諸島に配置しています。


1943年6月

ガダルカナル戦が終わり、日本軍の「い号作戦」も実質的に失敗に終わった後、いよいよ中部ソロモンで連合軍の反攻開始、といった時期です。

連合軍

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基地機約1300機、母艦機約200機の航空兵力は、最早日本軍とは比較になりません。中でもガダルカナルを周辺とした地区には400機を越える基地機が集結し、東部ニューギニア方面に進出してきた200機以上と並んで一大航空要塞の様相を呈しています。
機材面も従来の旧式機に代わってより高性能のP-38GやF4U-1といった新型機がその数を増やしています。重爆撃機も16個中隊約170機を数えるに至りました。
母艦機では目立った動きはありませんが、この時期、早くもインデペンデンス級の軽空母が第一線に姿を見せているということは、新鮮な驚きでした。

日本軍

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基地機約350機、母艦機約30機。最早連合軍とは比較にもなりません。機材も相変わらずの零戦や一式陸攻であり、一部で月光やキ61といった新型機が姿を見せているものの、高性能化の著しい連合軍機に対する劣勢は最早否めません。
動ける母艦も「瑞鳳」のみ。「龍鳳」はどうしたのでしょうか?。

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