もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: 戦史

写真07_表紙

SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決を作戦レベルで再現した作品である。本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事で、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオの中から、好みの時代を選択してプレイできるようになっている。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

前回までの展開は --> こちら

3Turn

制空戦闘機の数でNATOが2ユニット、WTOは5ユニットとなり、NATOにとってはかなり厳しい状態になった。しかし制空戦闘ダイスで6ゾロを出し(NATOにとって最良の結果)、NATOが制空権を握った。これによってWTO軍制空戦闘機2ユニットが永久除去又は長期離脱になり、NATOはかなり制空戦闘でWTOとの差を詰めることができた。

本作の航空戦闘ルールはかなり不確実性が強く、結果を予想するのが難しい。とにかく制空戦闘で勝利することが肝要なのだが、これがダイス次第なのでどうしようもない側面がある。一応相手よりも多数の制空戦闘機を投入した方が制空権を取りやすいのだが、それとて確実ではない上、多数機を任務に投入すると大損耗する危険性がある。
NATOの立場から言えば、航空機のユニット数自体はNATO側の方が多いのだが、対地攻撃機が多く、制空戦闘では必ずしもWTO
に対して優越していない。そんなこんなでNATOにとっても空の戦いは楽ではないのである。

NATO軍は戦競有利と判断し、東ドイツ領内に向けて進撃を開始する。各所でソ連軍部隊を包囲し撃破していく。ベルリンまであと4ヘクス(60マイル)。その時、我々は幸せだった。

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4Turn

天候は曇り。航空機は飛べない。悪夢は突然訪れた。どこからともなく現れたWTO軍増援部隊の猛攻でNATO軍は各所で包囲殲滅されていったのである。このTurnだけで10ユニット近いNATO軍ユニットが消滅し、突然の破局に狼狽えるNATO軍なのであった。
NATO軍は直ちに後退し、東西ドイツ国境付近で防衛ラインを築く。さらにハノーバーに立てこもるWTO軍を包囲殲滅せんとしたが、WTO軍が奮戦してハノーバーを死守。ポーランド軍1個師団(6-4-8)が未だにハノーバーで頑張っていた。

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5Turn

このTURNも天候は曇り。両軍とも航空兵力は投入しない。再びWTO軍は鉄のカーテンを超えて西ドイツに大挙進入してきた。フルダギャップの南でNATOの戦線が破られた。ライン川にWTO軍の機械化部隊が迫る。
NATO軍は急遽フランクフルト周辺に機械化部隊を結集し、ライン川に防衛ラインを築く。

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ここで本作の勝利条件を説明する。WTO軍が西側に侵攻するタイプにシナリオでは、WTO軍がNATOを崩壊させればWTO軍の勝利、それ以外はNATO軍の勝利となっている。NATOを崩壊させるためには、西ベルリンをWTO軍が完全占領した上で、以下のいずれかの条件を満たしたTurnの最終時点でNATO崩壊チェックを行う。
  1. NATO軍が核兵器を使用し、WTO軍は同兵器を使用していない
  2. NATO軍が化学兵器を使用し、WTO軍は同兵器を使用していない
  3. WTO軍が北海シーレーンに脅威を及ぼす
  4. WTO軍がルール工業地帯の主要部を占領
  5. WTO軍がライン川を渡河
WTO軍プレイヤーは毎Turnダイスを振り、出目が達成した条件の数以下ならNATOが崩壊する。例えば条件1(核兵器)と条件5(ライン川渡河)を達成している場合、Turn終了時のダイス目が2以下なら即座にWTO軍が勝利する。

6Turn

天候は晴れ。WTO軍が制空権を握った。待機していたソ連空挺部隊がボロンフォルム島に空挺降下する。NATO軍は全軍がライン川に向けて後退を開始。その過程で突出したWTO軍部隊に対して機動反撃を試みみるも、痛恨のオッズ読み間違えで攻撃失敗。貴重な米軍機甲旅団2個がライン川東岸に取り残された。

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7Turn

天候は晴れ。NATOは乾坤一擲の制空戦闘に挑むも、見事に失敗。制空権奪取の夢は儚くも潰えた。NATO軍の大半はルール工業地帯とライン川西岸に撤退。一部の部隊がライン川東岸に取り残された。
WTO軍はライン川東岸に残ったNATO部隊を丹念に撃破しつつ、主力はルール工業地帯、そしてライン中流部で同河川渡河を試みる。ルール工業地帯の一角が崩れ、ライン川もフランクフルト南方の防衛ラインが撃破された。 川を超えてライン西岸に殺到するWTO軍。NATOの命運は尽きようとしていたか・・・。
ライン川を渡河してきたWTO軍は2個師団。NATO軍は余剰兵力の全力を挙げてこれを攻撃する。幸い渡河してきたWTO軍は比較的小規模であったためNATOによる反撃は成功し、WTO軍をライン川の対岸に押し返すことに成功した。しかしNATOはこの戦いで2個機甲旅団を失い、その他の損害と相まってその余剰兵力は今や枯渇しようとしていた。

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つづく

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SCS(Standard Combat Series)とは、主にWW2以降の地上戦闘をテーマとした作戦級ゲームのシリーズで、一般的な陸上作戦級ゲームのルールで構成されている。シークエンスは、移動、戦闘、二次移動でプレイヤーTurnを構成し、移動中に一度だけオーバーランを実施できる(オーバーラン終了地点で強制停止)。ZOCは比較的弱く、ZOC進入に追加2MP消費のみ。ZOC to ZOCの移動も可能である。
戦闘は一般的な戦闘比とコラムシフトの組み合わせ。戦闘比の計算がいわゆる「防御側有利な切捨て」ではなく「四捨五入」になっている点が特徴的か。あと「戦場の霧」ルールでスタックは一番上しか見れない。そのためにスタックの順番にも規定がある。ちなみに基本ルールだけなら英文7ページと量的には少なめである。

Iron Curtain(以下、本作)は、SCSシリーズの1作で、基本システムはSCSのルールを踏襲しつつ、いくつかの専用ルールが適用される。本作のテーマは西ドイツ周辺で起こり得た東西両陣営の直接対決である。幸い本作がテーマとした20世紀後半における第3次欧州大戦は実際には起こらなかった。従って本作は完全な仮想戦ゲームとなる。
本作の特徴は、年代別にシナリオが複数用意されている事である。用意されているのは、1945年、1962年、1975年、1983年、1989年の各シナリオで、さらに1945年、1983年、1989年シナリオでは、西側から東ドイツに侵攻するシナリオも用意されている(東側から侵攻するシナリオは全年度対応)。従って合計8本のシナリオが楽しめることになる。そのために用意されているユニットも膨大なものになり、カウンターシートは計4枚。カウンター数は1120個にも及んでいる。
マップは通常のフルマップ1枚で、東西ドイツを中心に、その周辺諸国が描かれている。マップの北端はユトランド半島北部(北端は見えていない)、マップ南端はイタリア・ユーゴスラビアの北部で、アルプス山脈の南麓までを含んでいる。1Hexは実際の15マイルに相当する。

システムとしては1945年シナリオとその他で多少異なっており、特にCRTと補給ルールで異なっている。ここでは1945年シナリオ以外(つまり冷戦期シナリオ)に適用されるルールについて説明する。
まず補給ルールは適用されない。またCRTは通常使う比率方式とはやや異なるルールとなっている。下図を見て頂きたい。これは本作で使用するCRTである。

写真01_IC_CRT


左から比率、攻撃側損失、防御側損失、後退ヘクス数を現す欄になっている。攻撃側は攻撃に参加したスタック毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。また防御側は参加したユニット毎にダイスを振り、該当する出目が出たら1ステップを失う。さらに防御側は比率に従って後退ヘクス数を判定する。なお一部の地形(大都市等)では後退を無視できる上、その他の地形でもステップロスを適用することで後退結果を吸収することができる。なお、敵ZOC内へ後退すると追加で1ステップを失う。このCRTによって消耗の激しい現在戦闘が上手く表現されているように思う。例えば2ユニットが大都市にスタックしていても、損耗ダイスの出目が悪いと一撃で陥落する可能性もある。

航空戦ルールも本作で特徴的な部分である。航空機は機種名入りで登場し、1ユニットが100~150機(NATO側)又は200~300機(WTO側)の航空機を現す。航空機には機種名が記載され、対応可能な任務(制空、対地攻撃)、全天候能力の有無が表示されている。機種による細かい能力の違い(例えばF-15とF-4の空戦能力の違い)は表現されていないが、例外として一部の対地攻撃機(A-10等)は通常の2倍の対地攻撃力を有している。

航空機の細かい性能差が表現されていないのは、航空戦ファンとしては寂しいが、その一方で1960年代の戦闘機が名前入りで登場するのは嬉しい。1962年でNATOの対地攻撃機の主力がF-84だとか、F-102が制空戦闘機として欧州に君臨していたとか(確か横田あたりにもF-102がいたような・・・)、Javalinが作戦級で登場するゲームって世界初じゃね、とか、そんなしょーもないことでいちいち喜んでいるヒコーキマニアなのであった。

写真02_Javelin


あと現在戦につきものの化学兵器、核兵器は当然のように登場してくる。

今回、本作をプレイすることになり、1962年シナリオ(東側から侵攻)をプレイしてみることにした。1962年といえば例のキューバ危機が発生した年であり、米ソが核戦争に最も近づいた時期でもあった。私はNATO側を担当する。

写真03_SetUp


Run Up

このゲームでは戦争前の緊張状態を表すRun Up状態が定義されている。Run Up状態では両軍とも初期配置の部隊を移動させたり、損耗状態の部隊を回復させたりする。Run Up状態の長さはランダムなので、どれだけ準備に時間をかけられるかはダイス次第だ。
今回はある程度戦線を構築できたと思ったのだが、機動反撃部隊をちゃんと作らなかったので、第1Turnに機動反撃部隊を捻出できずに後悔することになってしまう。

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1Turn

制空権ダイスが良く、制空権を取った。ソ連軍が東西国境を超えて前進してくる。NATO軍は遅退戦術を取りつつ、都市部を軸に防衛ラインを構築。適宜反撃を加えてWTO部隊の減殺を図る。また(勝利条件に関係ある)バルト海上のデンマーク領ボロンフォルム島には空挺部隊を降下させ、守りを固める。

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2Turn

制空権はタイになった。また空戦時の損耗チェックでNATO航空兵力に大損害が出て、次ターンの制空権が怪しくなった。
地上では、WTO軍の進撃が明らかに陰りが見えて来た。全般に兵力面ではNATO軍の優位が目立ち、NATO軍は各地で反撃に転じる。一部の米軍部隊は「鉄のカーテン」を超えて東ドイツ領内に進入していた。

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つづく

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201029_日本軍はなぜ敗れたのか


なぜ日本軍は敗れるのか敗因21ヶ条

山本七平 角川

まずタイトルに注目して欲しい。「なぜ日本軍は敗れたのか」ではなく「なぜ日本軍は敗れるのか」である。一見小さな相違だが、これこそが本書の価値を示している。筆者は言う。戦後の人々は戦前と全く同じような思考図式の中にはまり込んでいる、と。わかりやすくいえば、戦前「非国民」という言葉は戦後「平和の敵」という言葉に置き換わっただけだと・・・。
本書で示されている敗因21ヶ条をここで列挙することはしない。しかし全ての言葉が当時の、否、現在における日本人の弱点を表しているのだと。筆者の掲げる21ヶ条を読んで、ナルホド、と万人が納得する言葉もある。「物量・物資・資源で問題にならないぐらい劣っていた」「電波兵器の劣等」「陸海軍の不協力」ふむふむ、尤もだ。しかし例えば「克己心の欠如」「個人として修養していない」「精神的に弱かった」「精兵がいない」と書けば、旧軍人あたりは反発してくるかもしれない。さらに「思想の不徹底」「日本文化がない」「生物的常識の欠如」「バアーシー海峡の損害」と書けば、あの戦争にそこそこ詳しい我々でさえ、「それが何で敗因なの?」と首を傾げるかもしれない。なぜこれらが敗因なのかは本書を読んで是非確かめて頂きたい。
「竹槍でB-29を落とす」と言えば、旧軍人たちでさえ笑うだろう。しかしそんな職業軍人たちが戦後になってもなお「戦艦同士で艦隊決戦をやれば戦争に勝てた」と言っているのは、「竹槍でB-29」と発想の根本部分で同質なのである。そのことにすら気づかず、気づかない人たちが戦争を指揮していた。それを冷ややかな目で見ていた当時少尉であった山本七平氏。階級の高い人物が階級相応の教養、知識、人格、腕力を持っていたら、軍事組織は堅牢であったろうし、そうではなかった日本軍は崩壊するしかなかった。確かに本書の筆者よりも階級が遥かに上だった旧軍人達が戦争について記した著作の多くが極めて浅薄な内容(特に人間観察という点において)であるのを見た時、結局日本軍は敗れるべくして敗れたのだと思わざるを得ない。
日本軍という軍事組織だけではなく、日本社会の問題点を鋭く抉った本書は、万人にお奨めできる名著である。

お奨め度★★★★★

4
201027_Battleship

Battleship Victory: Principles of Sea Power in the War in the Pacific

Rovert Lundgren Nimble Books

「太平洋戦争におけるシーパワーの原則」というサブタイトルの本書は、太平洋戦争における戦艦の役割を戦略論の立場から再評価しようとする内容である。筆者によれば「戦艦は戦争の全期間を通じて決定的な役割を果たし続けた」とし、戦争のターニングポイントは「第3次ソロモン海戦で米戦艦2隻が日本戦艦「霧島」を撃沈した瞬間である」としている。
また筆者は戦時中における日本海軍の戦略を批判し、山本五十六の戦略が日本海軍を敗北に導いたとしている。筆者の言葉を借りれば「日本は戦前から準備していた全ての計画を窓から投げ捨てて、殆ど航空戦力だけで戦争を戦った」とし、日本海軍は決して戦艦に固執していた訳ではなく、むしろ戦艦を捨てて空母や航空戦力に過度に依存したとしている。同様の批判は日本海軍にもあり、特に旧海軍の砲術関係者から発せらることが多い。
このように筆者は空母や航空戦力をあまり評価せず、それよりも戦艦の役割を高く評価する傾向が強い。「空母の航空戦力は全ての艦隊や機動群を破壊することはできず、その一方で空母自体は爆弾1~2発で破壊される脆弱な存在である」と筆者は述べている。
筆者の主張にはかなりクセがあり、全てに合意するのは難しいが、「まあそんな見方もあるのかな」という感じで一歩引いた視点から読んでみると興味深い。また欧米人の著作にしては日本側の事情に明るく(生麦事件や佐藤鉄太郎、樋端久利雄まで言及していたのには驚いた)、欧米人から見た日本海軍や日本人についてその一端を知ることができる。

お奨め度★★★★

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「西国の雄」 (以下、本作)は、 以前に紹介した「信玄上洛」 と同じく、群雄伝シリーズの作品である。「信玄上洛」が(結果的にではあるが)群雄伝シリーズの第1番目の作品となったのに対し、本作は比較的後期の作品になり、システム的にも洗練されたものになっている。本作の舞台は中国地方における毛利、大内、尼子の三つ巴の戦いで、別々の時期を扱う4本のシナリオが用意されている。
今回、本作を対人戦でプレイすることになった。

前回はシナリオ1「折敷畑の戦い」 について紹介した。

シナリオ3「郡山の戦い」

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尼子晴久時間がまだ十分あったので、もう1本シナリオをやりましょう、ということで、シナリオ3「郡山の戦い」をプレイしてみた。これは若き日の毛利元就の活躍を描いたシナリオで、出雲を支配する尼子氏と毛利氏との戦いを描いたものである。毛利方の兵力は5ユニット10ステップ。対する尼子氏は37ユニット74ステップ。兵力差は圧倒的で、まともに戦えば毛利方に勝ち目はない。しかし毛利方は指揮能力において勝っており、かつ本城である郡山城一点を守っていればよい。自城のヘクスでは合戦を回避できるため、尼子の武将が個別に元就と戦う必要があり、兵力の優位を生かしきれない。また毛利方は本城なので補充能力が高い。従って郡山城に毛利全軍がスタックしている限り、郡山城は難攻不落の要塞になる。

とはいえ、それだけなら単に「岩山に卵をぶつける」だけの単純なゲームになるのだが、そこに一捻り加えているのが面白い所。ゲーム途中から毛利方の友軍として大内勢26ユニット(52ステップ)が登場する。尼子勢はあえて郡山城を落とさなくても、例えば毛利の持ち城である高松城を落として、あとは逃げ切っても勝利条件的には勝利が可能だ。毛利勢は郡山城にいてこそ無敵だが、城から離れた瞬間脆弱な存在となる。そのための大内勢だ。大内の援軍が安芸に到着した時こそ、本当の戦いが始まるといって良い。

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下名は毛利・大内側を担当する。

このシナリオについては詳細な記録をつけていなかったので、概略を記するに留める。
尼子久幸序盤、定石通り尼子の大軍が郡山城を囲むが、郡山城に対する攻撃は一向に功を奏さず、徒に尼子側の損害だけが増えてくる。業を煮やした尼子勢は郡山城を後方に残したまま南下。尼子方の武将本城常光(2-2-2★)が高松城を包囲しこれを落城。尼子久幸(2-2-3★)、尼子誠久(2-1-3★)は大内方の城郭である八尾城、神戸城などを伺う。

やがて高松城が陥落。毛利の城が1つでも落城すると大内氏が介入してくる可能性がある。確率は毎Turn1/6であるが、2ターン目に大内参戦の目が出たので、大内の大軍が陶晴賢、江良房栄、吉見正頼らに率いられて安芸国に入る。安芸南部の銀山城、鏡山城、竹原城あたりが焦点となるが、大内が重視した竹原城は、増援部隊の到着が間に合わず、城主である小早川奥景(2-1-2★)は切腹して果てた。

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大内軍は目標を銀山城に変更。銀山城は安芸南部に位置する尼子の城郭である。銀山城が実は安芸から尼子勢を追い出すキーストーンとなるのだが、こんな田舎の小城がまさか戦略的な要域になるとは・・・。だから戦略は難しい。そしてウォーゲームは面白い・・・。

宍戸隆家銀山城を攻め落としたのは、大内きっての名将、陶晴賢。銀山を拠点とした大内勢は北上への道が開ける。また銀山の落城と前後して郡山の毛利が動いた。尼子の出城である日野山と尼子が奪取した高松城の間に毛利方武将である宍戸隆家を出陣させた。

本城常光驚いたのは、高松城を守る尼子方武将本城常光である。いきなり後方連絡線を遮断され、補給切れに陥ってしまう。しかしそれに対処する尼子方の予備兵力も今や乏しい。本城常光は高松城を捨てて後退。石見に向けて北上していく。さらに予備兵力捻出と戦線整理のために安芸南部に布陣していた尼子方の諸将が次々と北上を開始。出雲との国境付近まで後退していく。
高松城に抑えの兵力を残し、陶晴賢が遂に郡山城に入った。これにより郡山城を守っていた毛利元就はフリーハンドになった。いよいよ野戦能力と機動力で他を圧する毛利元就が動き始める。狙いは石見山中を彷徨う尼子方の本城常光。士気が低下したままの状態で回復の目途が立たず、何とか尼子の勢力圏まで後退を図る。その背後を追う毛利元就。本城常光の運命は正に風前の灯火である。

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といった所でお開きとした。尼子側プレイヤーによるとこの時点で勝ち目なしと見たとのこと。私の見た所では、まだ絶望的な状況でもないようにも思えるが・・・。まあ、それはそれとして・・・。

ゲーム終了まで後5Turn残した状態での終了となった。全体で20Turnのシナリオなので、全体の3/4が終了したことになる。プレイ時間はセットアップ等を除いて約3時間であった。1Turnの平均所要時間は10分強といった所か。

陶晴賢今回、対人戦で久しぶりに群雄伝をプレイしてみたが、群雄伝はやはり面白い。特に後期の作品はシステム面で洗練されているだけではなく、シナリオのバランスについても良く練られている。つくづく「ゲームシステムとシチュエーション(シナリオ)のバランスって大事だなぁ」と改めて感じた。
プレイ時間の短さも魅力の1つで、1Turnの所要時間が10~15分程度というのも嬉しい所。最近のゲームでは1Turnの所要時間が1時間を超えるものも少なくないので、本シリーズの「軽さ」は感動的ですらある。本作でも今回プレイしたシナリオ以外にまだ未プレイのシナリオが2本もあるし、他にも「秀吉軍記」「九州三国志」等のシナリオもまだまだプレイしたい。

群雄伝シリーズはやはり傑作だなぁ、と改めて感じた。

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