もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: 戦史

230107_マンシュタインの切り札


「マンシュタインの切り札」は、2016年に国際通信社から発売されたシミュレーション・ウォーゲームです。
テーマは1943年1~3月に行われた第3次ハリコフ攻防戦です。
今回、「マンシュタインの切り札」の対戦記録を収録したYouTube動画を作成しました。
お楽しみ頂ければ幸いです。


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Ukraine'43(以下、本作)は、1943年8月~11月にかけてウクライナにおけるソ連軍の攻勢を扱うシミュレーション・ウォーゲームである。ウクライナといえば、2022年に開始されたウクライナ戦争で戦場となった地域で、本作でもハリコフ(ハリキウ)、ザボロジェ(ザボリージャ)、キエフ(キーウ)、ヘルソン、マウリポリといったウクライナ戦争での激戦地がマップに収められている。
今回はVASSALを使ったソロプレイで、プレイするシナリオはシナリオ1「ジューコフ攻勢」。このシナリオは1943年8月~9月にかけて実施された「ルミャンチェフ攻勢」を再現するもので、ソ連軍の目標はハリコフの占領とドンバス地方での支配領域拡大である。まさに2022年のウクライナ侵攻を地でいくような戦いだが、果たして・・・。

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1Turn(1943年8月5日)

ソ連軍プレイヤーTurn

RU_S25_ArtDこのTurn、ソ連軍は大規模な砲兵支援を受けた大攻勢を仕掛ける。ドイツ側も強力な陣地帯に籠っているがソ連側の物量攻勢が数の力でそれを押しつぶしていく。

まず戦線北部のスミー(Sumi 3407)では、1-1の低比率攻撃とソ連第1戦車軍が主体となった5-1の高比率攻撃(ジューコフ将軍の苛烈な指揮もあった)が上手くハマってドイツ軍2個歩兵師団を撃破。要域スミーを占領して早くもソ連軍が1VPを獲得した。

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要域ベルゴロド(Bekgorod 4409)西方ではヴォロネシ方面軍が第5親衛戦車軍を初めとする大軍で攻勢を行い、2個所の高比率攻撃でドイツ軍2個歩兵師団を撃破。ドイツ軍の陣地線を突破した後、さらにドイツ軍2個装甲師団(第7装甲師団、第19装甲師団)を機動強襲で撃破。ベルゴルド西部で大きくドイツ軍戦線を食い破った。

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ベルゴルド東部では、ステップ方面軍は2個所で低比率攻撃を実施し、ソ連第1機械化歩兵軍団(7-8-6)がドネツ川の渡河に成功。ベルゴルド南翼を突破し、ベルゴルド周囲でドイツ軍3個師団を包囲した。

さらにその南、イジウム付近の湾曲部では、ソ連第23戦車師団(7-6-6)を主力とするソ連軍が1-1の戦闘比でドイツ軍2個師団を撃破。イジウムの渡河点を確保した。

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戦線南部、ドンバス正面では、ソ連第1打撃軍を主体とする3-1攻撃でドイツ歩兵師団を撃破。ここに突破口を開いた。

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ドイツ軍プレイヤーTurn

GE_325_503Tigerいきなりドイツ軍は苦しい立場に立たされている。ドイツ軍2個所で反撃を実施。ハリコフ前面では虎の子ティーガー重戦車大隊を投入して5-1で必勝の攻撃を仕掛けたが、出目は最悪の1。結果はDRX。マンシュタインによる振り直しを行ったが、この時も出目1。まさに「虎の子」ティーガー重戦車大隊が初戦で失われたのは、ドイツ軍にとっては辛い。

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イジウムでは精強な第5SS装甲師団「ヴィーキング」(12-10-7)を含む戦力で3-1の攻撃を仕掛けてDRの結果を得たが、ソ連側の断固たる防御が成功し、イジウムからソ連軍を排除するのに失敗した。

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2Turn

ソ連軍プレイヤーTurn

RU_896_3GdMC先のTurn、鉄道末端マーカーを前進させ忘れた。ソ連軍補給フェイズに各マーカーが最大2Hexまで前進可能なので、前進する。
続いて砲兵ユニット3個を表に向ける。

ソ連軍の攻勢である。まずスミーの北方を歩兵3ユニットで攻撃する。1-1の低比率攻撃だが、出目に恵まれて結果はDR。地形が悪いのでドイツ軍は後退する。

その南、スミーとベルゴルドの間では、第5親衛戦車軍を主力とするソ連軍機械化部隊が3ヶ所で攻勢を実施。ダイス目にも恵まれていずれも攻撃成功。ドイツ軍は必死の「断固たる防御」を試みたが、こちらはダイス目に恵まれずに失敗。大きく突破口を開けられた。

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ベルゴルドでは、同市を守るドイツ第167歩兵師団(5-7-4)をソ連軍が包囲攻撃。砲兵支援の元、3-1で攻撃を仕掛けてDRの結果を得たが、ドイツ軍が死守に成功してベルゴルドは守り切った。
戦線中央のイジウム付近では、ソ連軍が突破口拡張のため3ヶ所で攻勢を実施。損害を被りながらも2個所で戦線に突破口を広げた。

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南方では、タガンログ(Taganrog 5832)北部の戦線屈折点を守る弱体化したドイツ軍第302歩兵師団(2-5-4)に対してソ連軍第4騎兵師団(5-7-6)歩兵2個師団が戦車旅団と航空支援を受けて1-1で攻撃を受けたが。ここはドイツ軍は奮戦してソ連軍を撃退(A!)。タガンログ北方を守り切った。

ただしドンバス正面では、ドイツ軍第3SS装甲師団「トーテンコップ」が守る高台をソ連軍が1-1の低比率攻撃を実施。出目に恵まれて結果はD1。ドイツ軍は死守を試みるも、こちらは出目に恵まれずに失敗。ドイツ軍歩兵師団1個が包囲され、退路が断たれた。

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ドイツ軍プレイヤーTurn

GE_987_6PzDドイツ軍は反撃というよりは戦線整理のために4ヶ所で攻撃を実施した。そこそこ攻撃自体は成功したものの、ギリギリで戦線を支える状態である。なお、ハリコフで構築中の陣地はこのTurnに完成した。

3Turn

ソ連軍プレイヤーTurn

RU_226_T34-1このTurn、ソ連軍の目玉はハリコフの包囲網完成である。ハリコフを包囲し、その補給線を遮断できれば、1個軍相当のドイツ軍を包囲できる。まさにスターリングラード戦の再現だ。

まず北方ではドイツ軍の目を引き付けるため、第1戦車軍がスミー西方で攻勢を実施。

そして本命のハリコフ後方では、ハリコフ西方でソ連第5親衛戦車軍がドイツ第39歩兵師団(4-7-4)を撃破。ハリコフの後方を遮断。さらにイジーム方面から突破してきたソ連軍部隊を連結し、ハリコフ包囲が完成した。

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ドイツ軍プレイヤーTurn

GE_657_7PzDドイツ軍としては、ハリコフ包囲を解囲するのが兎に角の目標になる。しかし反撃兵力は明らかに不足しており、包囲解囲の可能性は厳しい。
それでも北方から個別反撃。南方からはSS装甲軍団がハリコフ目指して反撃を仕掛ける。ドイツ軍の反撃はギリギリで成功し、なんとかハリコフへの補給線を解囲した。
さらに包囲下にあるベルゴルドのドイツ軍歩兵師団は、ソ連軍の2-1攻撃を見事に撃退し、さらに包囲下の損耗チェックにも耐えて、ベルゴルドを守り抜いた。

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つづく

221224b_Undaunted


Undauntedノルマンディは、米国OSPREY GAMES社が発売し、アークライトが日本語化したユーロ系ウォーゲームです。今回、このゲームをプレイする機会があったので、動画を作ってみました。
お楽しみください。

3

221217_日本人のためのWW1

日本人のための第1次世界大戦史

板谷敏彦 角川文庫

第1次世界大戦の通史である。単純な戦史ではなく、戦争に至る背景や戦時下の経済活動、銃後の動きなど、WW1を多角的に追いかけている著作である。特に戦争に至る前の経緯や技術的、社会的背景に全体の1/3以上のページを割いている。
ボリュームも大きく、全体で500ページ近い大作であり、読み応えがあった。
戦史としてみた場合、単なる戦史部分が薄く、部隊名等も出てこないためやや寂しい感があるのは否めない。

お奨め度★★★


3
221124_世界の艦船

世界の艦船2021年5月号増刊-太平洋戦争の日本戦艦

海人社

太平洋戦争で戦った日本戦艦に関する写真と記事を集めた一冊である。写真と文章からなる内容だが、写真は全体の3割弱で、どちらかというと本文記事の方が多い。そういった意味では結構読み応えのある1冊である。
記事の内容は主に旧海軍軍人が書いた日本戦艦に関するもので、「世界の艦船」誌にかつて掲載された記事が中心である。昭和時代に書かれた記事が多く、現在の視点から見れば首を傾げるような内容も多いが、昭和時代の戦史研究の実態を知るという意味でも興味深い。一部で有名な黛治夫氏の「日本戦艦3倍命中率」を読めるのも現在では貴重であろう。黛氏以外の投稿者も日本戦艦の水上砲戦能力に高い評価を与えているのが特徴だが、戦史関係の記事については命中弾数の数値等でかなり日本海軍によって有利な見解が採用されている点は注意が必要である。

お奨め度★★★

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