もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ: 戦史

PoG表紙


「Paths of Glory」は、1999年に米国GMT Games社から発売されたSLGです。テーマはWW1(第1次世界大戦)で、1914年に始まるWW1を、1Turn=3ヶ月、1ユニット=軍団~軍といった単位で再現します。

今回、この「Paths of Glory」をVASSALを使ってプレイしました。筆者は連合国を担当しました。

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1Turn(1914年8月)

FR3A_333ドイツ軍はGuns of Augustカードでリエージュを落とした後、さらに戦果拡大を図ってセダンのフランス第5軍(3-3-3)を攻撃する。しかしドイツ軍の攻撃の出目が悪く、フランスが1ステップ食らっただけでMelumに後退していった。セダンに進出してきたドイツ2個軍に対してヴェルダンのフランス軍が攻撃を行い、1ステップの損害を与えた。

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連合軍は、Rape of Belgiumカードでベルギーにおけるドイツ軍の残虐行為を指摘。WSを2段階上昇させて、1VPを獲得した。

東部戦線では、ロシア軍が攻勢を仕掛けていく。オーストリア国境のTarnopolでオーストリア第3軍(3-2-3)を撃破した後、Czernowitzを攻撃、オーストリア軍を撃破して、Czernowitzを占領した。

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2Turn(1914年9月)

CP10_SUD_Armyロシア軍とイギリス軍で増援を行う。ロシア軍は第9,第10の2個軍(共に3-2-3)が新たに増設された。イギリス軍は第1軍(4-3-3)が動員され、ただちにオランダ戦線に送られた。

中欧軍もドイツ第10軍(5-3-3)とオーストリア第7軍(3-2-3)を増設。さらにSUD軍を編制し、東部戦線での反撃態勢を整えた。この兵力でオーストリア軍は反撃を開始。Czernowitzを守るロシア第8軍(3-2-3)はオーストリア軍の攻撃を受けて壊滅。Czernowitzも奪回されてしまう。

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海上では英海軍が海上封鎖を実施して、ドイツの経済を締め上げる。

このTurn終了時に連合軍の戦争段階は、動員状態から限定戦争に移行した。

3Turn(1914年秋)

RU9A_323オーストリア軍がさらに反撃。国境を越えてロシア南部を伺う勢いである。ロシア軍は2個軍をKamenets-Podlskiに送り込み、合計3個軍でCzernowitzを攻撃。オーストリア第7軍(3-2-3)に損害を与えて、これに後退を強いた。さらに前進するロシア軍は、オーストリア軍に打撃を与えつつ、ボスニア地方に侵攻していく。

西部戦線では、強制攻撃によりフランス3個軍がセダンを守るドイツ軍を攻撃し、ドイツ第1軍(5-3-3)を壊滅させた。ドイツは新編成の第9軍(5-3-3)を直ちにセダンに送って防御を固める。

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ドイツ本国では、ファルケンハインがドイツ参謀総長に就任した。これで中欧軍のWSが4となり、中欧軍も限定戦争に移行した。これにより、次Turnにトルコが自動参戦する。

4Turn(1915年冬)

AP07_SevereWeatherドイツ軍が東部戦線に3個軍を集めてワルシャワ正面で攻勢の気配を見れている。Lomzaに対してドイツ軍が攻撃を仕掛けてきたが、なんとか耐えた。

西部戦線では、ドイツ軍が強制攻撃を戦線の最南端部であるBelfortに対して仕掛けてきた。その時Belfortには1個軍団しかいなかったのでちょっとヤバイ状況であったが、要塞効果とSevere Weatherのおかげで辛くもドイツ軍を撃退することに成功した。助かった。マジヤバかった。

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5Turn(1915年春)

RUCau_323コーカサス地方にロシア軍ユーデニッチ軍が編制される。ユーデニッチ軍は早速トルコ領内へ侵攻を開始した。Erzerum(エルズルム)の要塞を攻撃してこれを撃破する。

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東部戦線ではロシア軍が再び攻勢に転じるも、ドイツ・オーストリア軍と一進一退の攻防を続けている。西部戦線でもドイツ軍とフランス軍が激しくぶつかるが、フランス軍は1個軍を丸々失うという大損害を被った。

大西洋上ではイギリス客船「ルシタニア」が、ドイツUボートの攻撃により沈没。アメリカ人乗客を含めた多数の船員や乗客が犠牲となった。この事件はアメリカ世論を激昂させたものの、まだアメリカが参戦するような状況ではなかった。

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6Turn(1915年夏)

AP31_MEFイギリス地中海遠征部隊(MEF)が編制され、キプロス島に上陸した。トルコを南から攻め上げる態勢である。トルコ軍はただちに増援部隊をキプロス島前面に配置し、トルコ本土の守りを固める。MEF軍は激しく攻撃を仕掛けたが、トルコ軍の抵抗が激しく、これ以上は内陸部に侵攻できずにいる。

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なおこのTurnにルーマニアが連合国側で参戦する。東部戦線で新たな敵を迎えることになった中欧軍は、さらなる対応を迫られることとなった。

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7Turn(1915年秋)

IT5A_223ルーマニアが中欧軍側に立って参戦する。それに対抗してイタリアが連合国として参戦する。イタリアの参戦を受けてドイツ軍がTrieste等のオーストリア・イタリア国境地帯に移動し、守りを固める。

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8Turn(1916年冬)

AP46_Brusilov_Offensive中欧軍がイタリア戦線で攻勢を仕掛けてきた。まだ戦備が整っていないイタリア(この国はいつでも火事場泥棒的な戦争を仕掛けてずっこけている)は、中欧軍の猛攻によりいきなり2個軍を失ってしまう。慌てた英仏両国は慌てて増援部隊をイタリアに派遣する。

ロシア戦線では「ブルシーロフ攻勢」が発動され、Czernowitzを守っていたオーストリア2個軍がロシア軍の攻撃により撃破されてしまう。

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9Turn(1916年春)

CP31_Kemalトルコ軍が強制攻撃で「Kemal」を使用した。これによりロシア軍団1個を撃破し、Diyarbakirを奪回する。

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東部戦線でもドイツ軍が攻勢を開始した。ロシア軍団1個が守っているGrodno要塞を攻撃。ロシアの守備隊を撃破した上で、さらに要塞も占領した。

西部戦線ではフランス軍が計6個もの大軍を集めてセダンを守るドイツ軍を攻撃する。兵力比は3:1と圧倒的にフランス軍が有利であったが、塹壕に守られたドイツ軍の守備は固く、フランスは新鋭の第10軍(3-3-3)を失ってしまう。

このTurnの最後のラウンドでギリシアが連合軍側に立って参戦した。

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結果

CP15_Chlorine_Gas時間の関係で今回はここで終了とした。現時点でのVPは計5VP。その内訳は以下の通りだ。
このゲーム、中欧軍が有利な場合はVPが加算され、連合軍が有利な場合はその逆になる。今回の場合、まずVPスペースの支配で、連合国がイタリアのTrent、中近東のBaghdad、東部戦線のLembergとCzernowitzを確保したので合計ー4VP。中欧軍はWarsawとSedan占領したので2VP。次にイベントについては連合軍がー4VPで、中欧軍が+1VP。最後に連合軍が強制攻撃を1回サボったので+1VP。総計するとー4VPとなる。元もとが10VPなのでそこから-4VPで6VPとなる。ちなみに0VPになると連合軍のサドンデス勝利となるが、サドンデスまではまだ道半ばといった感じ。ただし第10Turnに終了する中規模シナリオでは10VP以下で連合軍の勝利になる。いずれにしても連合軍が有利な状況というのは間違いなさそうだ。

感想

AP55_OverThere久しぶりにパスグロをプレイしたが、やはり面白かった。カードドリブンなので待ち時間が少なく、テンポよくプレイできるのは良い。イベントカードも当時の様々な事件が盛り込まれていて当時の雰囲気を味わうことができる。

難点を言えば、自由度の高さか。これは利点の裏返しでもあるのだが、カードドリブンゲームの場合、プレイヤーの自由度の多さが仇となり、長考するととんでもなく時間がかかってしまう。しかも悪いことにこのゲーム、ワンミスが致命傷になる危険性がある。VASSALプレイの場合は特に要注意だ。長考についてはプレイスタイルもあるのでどうしようもないのだが、ワンミスについては明らかなミスの場合は相手側から指摘する等、紳士的なプレイを心がけたいものである。

いずれにしてもパスグロは面白いゲームなので、機会を見つけて再戦したいと思っている。

Paths of Glory, 5th Printing

写真15




3
240409_西南戦争

戦況図解西南戦争

原口泉 三栄書房

西南戦争を扱った書籍だが、西南戦争全体像ではなく、西南戦争における個々の戦いについて、個別に開設した著作である。西南戦争といえば、熊本城攻防戦とか田原坂の戦い等が有名だが、政府軍が田原坂を突破し、熊本城の攻囲が崩れた後も、人吉、都城、宮崎、延岡等で戦いが続いていた。本書ではこれらの細かい戦いを1つ1つ取り上げて、その戦況を解説している。さらに個々の戦いについて戦況図を着けることで、これらの戦いにおける両軍の動きを視覚的に示している。
そういった意味で資料性の高い著作と言えるが、惜しむらくは個々の戦いでの両軍の兵力についての記述が乏しいこと。また戦術レベルの説明ではなく作戦レベルや戦略レベルでの分析に乏しい点などがマイナス部分である。

RedStrike表紙


Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したSLGである。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決で、ゲームスケールは1Hex=28km(戦略マップは280km)、1Turn=2日間で、1ユニット=大隊~師団、航空機は1ユニット=10~60機程度、艦船は主力艦1隻又はその他の艦艇数隻を表す。
今回プレイするのが、海空戦シナリオの1つである「B5.Miami 1989」。これは北大西洋における米ソ両海空軍の戦いを描いたシナリオで、ソ連側はSSBN4ユニットを「聖域」と呼ばれる北極海に送り込むことを目指し、NATO側はその阻止を目指す。
今回、このシナリオをVASSALで対戦プレイすることになった。筆者はNATO側を担当する。

前号までは --> こちら

2Turn

第1アクションステージ

SO_SSBN1_Typhoonソ連側がSSBNによる聖域への突破を行ってきた。聖域の入口では、NATOの「無敵艦隊」が居座っていたが、ソ連SSBNはNATO艦隊を無視して強引に聖域への突破を実施。NATO側も「目標撃沈の算なし」としてSSBNを放置(特にタイフーン型は対艦・対潜能力も強力なので、下手に手を出すと、反撃食らって酷い目に遭う可能性があった)。結果としてソ連SSBN3ユニットが聖域への突破に成功した。

写真06


NATO側は、前Turnに使わなかった航空偵察を使うことにした。狙いはソ連北部のNorthern Fleet航空基地である。航空偵察ポイントは2ポイントあるので2回偵察を試みることができ、なおかつ各々の成功率は60%と決して低い値ではなかった。しかしこの時はNATO側のダイス目が悪く、航空偵察は悉く失敗してしまう。

次にNATOが持ち出してきたのは巡航ミサイル。イージス艦や潜水艦、原子力巡洋艦が搭載している巡航ミサイルを次々とソ連本土の航空基地に撃ち込んだ。こちらは一定の成果を発揮し、ソ連航空基地に若干の損害を与えた。

写真07_Tomahawk_Block_IV_cruise_missile_-crop


US_CVN71_F-14A_VF84次にNATO側は空母機動部隊をソ連本土に接近させて、戦爆連合の攻撃隊を発進させた。F-14Aトムキャット1個中隊、F/A-18ホーネット2個中隊、A-6Eイントルーダー2個中隊、そしてEA-6Bプラウター1個部隊からなるアルファストライクチームである。米空母艦載機のほぼ全力出撃であった。

米軍機の接近を察知したソ連軍は迎撃機を発進させた。MiG-25フォックスバット2個中隊である。しかしフォックスバットは米艦載機のミサイル攻撃を受けて撃退され、米側攻撃隊に何ら損害を与えることができなかった。それでも爆装状態であったF/A-18の爆装を投棄させる効果はあった。

US_CVN71_A-6E_VA35なおもソ連本土上空に向って行く米軍機の編隊に対して、ソ連本土防空軍の地対空ミサイルが次々と発射された。米軍はEA-6Bプラウラーの電子妨害で対抗したものの、ついにその1発がプラウラーに命中。プラウラーの編隊は編隊離脱を余儀なくされてしまう。

生き残った米軍機編隊は、ソ連側の対空火器を掻い潜って爆撃を敢行する。しかし事前偵察を欠いた爆撃は正確さを欠き、僅かに飛行場に1打撃を与えたのみ。巡航ミサイル攻撃に比べても明らかに劣った戦果しか挙げられなかった。こうして米空母部隊による乾坤一擲のソ連本土空襲作戦は、甚だ中途半端な結果に終わったのである。

写真08


第2アクションステージ

SO_Su-27_941IAP驕り高ぶった帝国主義者共に正義の鉄槌を下すべく、ソ連軍は猛烈な反撃を開始した。ソ連本土攻撃のためにノルウェー近海に接近してきた米空母部隊は、ソ連自慢の新鋭戦闘機Su-27フランカーの戦闘行動半径内に位置していたからである。

ただちにSu-27フランカー2個中隊に援護されたTu-22Mバックファイア2個中隊が発進していく。なお、本作のSu-27フランカーは、オリジナル版からエラッタにより能力が見違える程改善されているので、本作をプレイする際にはエラッタに注意して頂きたい。

閑話休題。
US_CVN71護衛戦闘機随伴してきたソ連側攻撃隊に対し、米空母を守るCAP隊も手出しができない。護衛戦闘機に挑戦した所で護衛を突破することはかなり困難だし、逆に数的優位に立っているソ連側護衛戦闘機に返り討ちに遭う可能性が高い。それならば下手に手出しはせず、ここは見送った方が良い。
無傷で米空母部隊を対艦ミサイルの射程内に捉えたバックファイアの編隊は、次々と対艦ミサイルを発射する。
再び米機動部隊の強力な防空システムが対艦ミサイルに対抗する。しかし今回はノルウェー近海へ進出する際に全艦を随伴させることができなかったため、防御の要となるSAGは僅か2ユニットしか存在していなかった。それでも米空母自体が強力なECM値を持っているため、これに対艦ミサイルを命中させるのは、ソ連側にとっても結構難事となる。
結局ソ連側爆撃隊は辛うじて米機動部隊に1発の命中を与えたものの、肝心の米空母には命中を与えることができず、護衛艦艇の一部に被害を与えたに留まった。

SO_CV_Kievソ連軍はなおも諦めない。今度は軽空母「キエフ」を使って攻撃を行ってきたのだ。「キエフ」は比較的長い射程の対艦ミサイルを装備しているので、NATO艦隊をアウトレンジできるためだ。しかしアウトレンジ攻撃を狙うのであれば、「キエフ」ではなくより攻撃力の大きい打撃巡洋艦である「キーロフ」を使った方は良かったように思うのだが・・・。まあ、良いか。
案の定、「キエフ」のミサイル値は僅かに4しかなく、そのミサイルは米機動部隊によって容易に排除されてしまった。

写真09


第3アクションステージ

SO_Tu-22M3_194MRAP再びソ連側は大規模な攻撃隊を発進させて米機動部隊を襲った。今度は、Su-27フランカー2個中隊に護衛された、Tu-22MバックファイアとTu-16Kバジャー各2個中隊からなる計6個中隊の大攻撃隊である。米軍の迎撃戦闘機は、今回も反撃を見送った。
再び大量の対艦ミサイルが大空を覆った。米艦隊は強化されたECM値でこれを迎え撃つ。激しい戦い。しかし今回も米機動部隊の鉄壁の防御が威力を発揮し、ソ連側の対艦ミサイルは1発の命中を得ることもできなかった。

写真10


3Turn

このTurnソ連側は唯一マップ上に残っていたSSBNであるデルタ型を聖域に向けて前進させてきた。これに対してNATO側も様々な手段で反撃を行い、ダメージを与えることには成功した。しかし最終的にはソ連SSBNがNATO対潜部隊の妨害を排除し、聖域に逃げ込むことに成功した。

ソ連基地航空部隊は、またもや米機動部隊を襲った。今度もSu-27フランカー2個中隊に護衛された、Tu-22MバックファイアとTu-16Kバジャー各2個中隊からなる計6個中隊の大攻撃隊である。
一方の米空母も今度は要撃戦闘機を発進させてソ連側攻撃隊を迎え撃つ。
Su-27フランカーとF-14トムキャット、F/A-18ホーネットとの戦い。年式ではフランカーの方が「若い」機体であったが、米軍機はより洗練された視認距離外ミサイルを搭載していたため、まず視認距離外戦闘で米軍が先手を取った。フランカーの半数が米軍機による視認距離外ミサイル攻撃によって撃墜又は強制帰還を余儀なくされた。
引き続いて接近戦を戦う両者であったが、さすがに接近戦ではSu-27は米軍機相手に互角以上の戦いを見せ、数的劣勢にも関わらず米軍機相手に自機とほぼ同等の被害を与えた。そしてSu-27の奮戦があったため、ソ連側爆撃編隊は無傷で米空母部隊をその対艦ミサイルの射程内に捉えた。

再び大量のミサイルが大空を覆った。米艦隊は強化されたECM値でこれを迎え撃つ。激しい戦い。今回はソ連側も2発に命中を得ることに成功した。しかし被弾したのはいずれも空母の護衛艦隊であり、空母自体に対する命中弾はなかった。
結局ソ連軍は、彼ら自身が渇望していた米空母に対するミサイル命中を遂に達成できなかった。

写真11


結果

最終的なVPは以下の通りである。

 ・ソ連SSBN計4ユニットによる聖域到達 :+28VP
 ・NATO側のダメージが合計16ヒット :+32VP
 ・ソ連側のダメージが合計26ヒット :-26VP
  合計:34VP

 ソ連側決定的勝利



感想

得点的には完敗であった。ただ、個人的には、このシナリオでNATO側が勝利するのはかなり困難だと思える。ソ連側SSBN4ユニットのうち半数が聖域に突破できれば、それだけでソ連側の勝利条件ラインを超えられる。NATO側が損害覚悟で阻止戦を行っても、1損害当たりのVPがNATOの方が不利なので、消耗戦はNATOにとって不利である。

ただし反省点も多い。例えば巡航ミサイルの使い方とか、空母の守り方については、もう少し工夫の余地があっただろう。特に米艦隊が1ヶ所に集結するとほぼ無敵状態になるので、米艦隊は下手に動き回るよりも拠点防御に徹した方が良いのかもしれない。

いずれにしても今回のプレイで海戦ルールも概ね分かってきたので、別のシナリオも試してみたいと思う。

写真12_CVN-71





幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦

3
240530_歴史群像

特集は「日本海海戦」。個人的には興味のあるテーマで読みごたえもあった。他には第4次中東戦争の記事が面白かった。イスラエル側だけではなく、アラブ側の事情にも踏み込んだ解説になっていた。シャーマン戦車の解説も面白かった。

お奨め度★★★

歴史群像 2024年6月号-日本海海戦/第4次中東戦争
歴史群像 2024年4月号-戦艦武蔵建造
歴史群像 2024年2月号-中東戦争航空戦1948-73
歴史群像 2023年12月号-日本機動部隊
歴史群像 2023年10月号-特集:ドイツ空軍の東部戦線
歴史群像2023年8月号-マリアナ沖海戦
歴史群像 2023年6月号-日本海軍駆逐艦全史
歴史群像 2023年4月号-海上護衛戦


RedStrike表紙


Red Strike(以下、本作)は、2023年にドイツのVUCA Simulationが発売したSLGである。テーマは1989年における東西両陣営の直接対決で、ゲームスケールは1Hex=28km(戦略マップは280km)、1Turn=2日間で、1ユニット=大隊~師団、航空機は1ユニット=10~60機程度、艦船は主力艦1隻又はその他の艦艇数隻を表す。
このゲームはこれまでにも何度か紹介してきたが、今回は初めて海戦シナリオに挑戦してみた。本作には多数のシナリオが含まれているが、そのうちいくつかは海空戦専用シナリオになっている。これらのシナリオには陸戦部隊が一切登場せず、専ら艦船と航空機のみが登場する(航空基地は別)。
今回プレイするのが、海空戦シナリオの1つである「B5.Miami 1989」。これは中級向けシナリオの1つだが、戦略マップしか使用せず、戦術マップは一切使用しない。
この「マイアミ1989」は、北大西洋における米ソ両海空軍の戦いを描いたシナリオで、ソ連側はSSBN4ユニットを「聖域」と呼ばれる北極海に送り込むことを目指し、NATO側はその阻止を目指す。
NATO側は空母「セオドラ・ルーズベルト」とその空母航空団、そして支援水上部隊、潜水艦部隊と若干の航空兵力が登場する・ソ連側は4ユニットのSSBNの他、攻撃型原潜5ユニット、水上打撃部隊、基地航空部隊が登場する。いわば「役者がそろった」訳だ。

今回、このシナリオをVASSALで対戦プレイすることになった。筆者はNATO側を担当する。


写真00


1Turn

第1アクションステージ

まずは両プレイヤーがダイスを振って活性化できる海軍ユニット数を決める。本作では、各アクションステージに両プレイヤーがダイス(D10)を振り、出目の半分(切り上げ)が当該アクションステージに活性化できる艦船ユニット数になる。今回、ソ連側の出目は4、NATO(筆者)側は9であった。従ってこのアクションステージにはソ連側は2ユニット、NATOは5ユニットまでの海軍ユニットを活性化できる。

SO_SSN1_Alfaソ連軍は、まずアルファ型原潜を活性化させた。最大速力40ノット以上の超高速原潜として有名だが、本作でもアルファ型の高速性能は表現されており、その移動力は110に達する。ちなみに戦略マップでは1Hex移動する際に10MPを消費する。とはいっても戦略マップ上であってもアルファ型の移動力は11に達し、他艦の追随を許さない。

余談だが、本作ではソ連艦の移動力はNATOのそれよりも大きくなっており、例えばNATOの空母は移動力40が一般的なのに対し、ソ連のキエフ級空母、キーロフ級巡洋戦艦は移動力100。つまり米空母の2.5倍である。カタログスペックでは両者の最大速力に大きな差は示されていない(共に30kt前後)なので、なぜソ連艦の移動力が極端に大きな値になっているかは不明である。

閑話休題。アルファ型潜水艦は米機動部隊を求めて索敵を実施したが、運悪く米空母を発見できなかった。その後もオスカー型巡航ミサイル原潜、Il-38哨戒機、Tu-142哨戒機等もNATO側水上部隊を求めて索敵を行ったが、いずれも索敵に失敗した。

SO_Tu-16K_574MRAP_1業を煮やしたソ連側は、索敵攻撃隊を発進させた。対艦ミサイル装備のTu-16Kバジャー2個中隊を発進させたのである。これで敵艦を発見できなければ、ミサイルを抱えたまま帰投しなければならない。あるいは危険を避けるためにミサイルを投棄するのか・・・?
ソ連軍にとっては幸いなことに、バジャーの編隊は遂にレーダーによってNATOの対潜水上部隊を発見した。即座に対艦ミサイルが発射された。本作の戦闘システムは、まず攻撃側がダイス(D10)を振り、攻撃力以下の出目を出す必要がある。続いて防御側はECM判定のためのダイス(D10)を振る。その時の出目がECM値未満の場合、ECM値とダイス目の差分だけ命中マーカーを左にシフトさせる。と、言葉に書くと面倒だが、実際の概念はそれほど難解なものではない。

US_SAG6_Ticonderogaここで問題になるのが、SAGの存在である。SAGとはSurface Action Group(水上戦闘グループ)のことで、本作では広域防御能力を持った水上部隊のことを指す。このSAGが同一Hexに存在していると、SAGが1ユニットあたりECM判定時にDRM-1が適用される。言い方を変えれば、SAG 1ユニットにつきECM値が+1されると考えるとわかりやすい。
今回、攻撃目標となったNATOの対潜部隊にはSAGが3ユニット含まれていた。これはNATO部隊のECM値が+3されることと同義になる。しかも、この時のNATO対潜部隊にはECM値6を持つタイコンデロガ級イージス巡洋艦が含まれていた。つまり事実上ECM値が9に相当することになる。
結果、バジャー2ユニットの攻撃がいずれもECM判定で無効化され、ミサイル攻撃は効果なしとなった。

SO_Tu-22M3_194MRAPソ連軍は、引き続いてTu-22Mバックファイア2個中隊からなる攻撃隊を発進させた。こちらは先ほどのバジャーとは違って対艦ミサイル値9を誇る精鋭である。
しかしこの時もNATO側のECM判定が功を奏し、バックファイアの放った対艦ミサイルは全て無効化された。まさに

「イージス艦、恐るべし」

である。

写真01


続いてNATO側の移動である。NATO側では移動可能なユニット数が5ユニットなので、先ほどからソ連爆撃機によるミサイル攻撃を受けていた対潜部隊を一旦後退させることにした。そして勝利条件となるSSBNの突破を防ぐ位置に移動する。その際、目標地点に位置していたエコー型巡航ミサイル原潜に集中攻撃を加えてこれを撃沈した。

さらにノルウェー海軍所属のP-3C哨戒機もソ連アルファ型原潜を攻撃し、これに2ヒットを与えた。

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第2アクションステージ

SO_SSGN1_Charlie2ソ連軍のチャーリー2型巡航ミサイル原潜が米空母部隊に対する索敵を実施し、遂にこれを発見した。ちなみに本作の索敵システムでは、一旦発見された海上ユニットは、Turn終了時点で敵の探知範囲外になった時点で非発見状態に戻ることになる。だからソ連側としては、このTurnの間に発見対称となったNATO海上ユニットを攻撃するのが得策である。
チャーリー2型は即座に対艦ミサイルを発射したものの、さすがに米空母の防御は固く、ミサイルを命中させることはできなかった。

さらにソ連軍は残った移動可能ユニット容量を使ってタイフーン型SSBNを出撃させてきた。次のTurnに聖域への突破を狙っているのは明らかである。

さらにソ連軍はバックファイアとバジャー計4個中隊でNATOの対潜部隊をミサイル攻撃してきた。NATO艦隊の防御力は相変わらず強固であったが、それでも毎回攻撃を阻止することはできずに遂にタイコンデロガ級巡洋艦が被弾してしまう。防御の要であるタイコンデロガ級が被弾すると艦隊全体のECM値は大幅に減少してしまう。その隙を突いて発射されたバジャー隊の対艦ミサイルを受けて、遂にタイコンデロガ級巡洋艦が撃沈されてしまった。
ソ連側にとっては初めての大戦果である。

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ようやくNATO側の手番である。NATO側は対潜哨戒機や原潜部隊でソ連潜水艦隊を攻撃し、アルファ型原潜1ユニットとオスカー型巡航ミサイル原潜1ユニットを撃沈した。
さらに米空母「セオドラ・ルーズベルト」を含む空母部隊を前進させ、先にミサイル攻撃を受けていたNATO対潜部隊と合流した。これによってNATO水上部隊の主力が一か所に集結することになり、その防御力がまたもや強化されることとなる。

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第3アクションステージ

第3アクションステージでは先攻後攻が入れ替わり、非主導権側(今回はNATO側)が先に移動することになる。今回NATO側は海軍ユニット移動判定のダイス目が良く、海軍ユニット5ユニットが活性化できるようになった。

NATO側はまず後方に残っていた水上部隊を前進させて空母部隊に合流させた。これでNATO側の水上部隊は全て同一Hexに集結することとなった。これだけ集結していれば、ソ連側としても損害を与えるのは非常に困難となる。

US_SSN1_LosAngelesそして先ほど前進してきたソ連のタイフーン型SSBNに対して集中攻撃を開始した。まずノルウェー海軍のP-3Cが攻撃を実施したが、これは外れ。続いて米海軍自慢の「688型」ロサンゼルス級攻撃型原潜2ユニットを投入してタイフーン型SSBNを攻撃する。しかしさすがにタイフーン型SSBNは強く、ロス級の攻撃はいずれも失敗。逆にタイフーン型による反撃によりロス級1ユニットが命中1を受けてしまう。そのロサンゼルス級原潜は、この後でTu-142哨戒機による攻撃を受けて、さらに1発の命中を受けてしまう。

この不幸なロサンゼルス級原潜は、この後のTurnでさらに1発の命中を受け、遂に撃沈されてしまう。

写真05


つづく



幻の東部戦線: 第二次大戦後のドイツ再軍備と冷戦

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