もりつちの徒然なるままに

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自作の空母戦ゲーム「海空戦!南太平洋1942」。今回は南太平洋海戦をプレイしてみた。
下名は日本海軍を担当する。

「海空戦!南太平洋1942」について、詳しくは--> こちら

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写真05

10月26日0200

写真17決戦2日目である。米軍はエスピリッツサント基地から夜間索敵可能なPBYカタリナ飛行艇を発進させようとしていた。しかし基地の周辺海域を厚い雲が覆い、さらに風と雨が吹き荒れる状況で、とても飛行艇を発進させるような天候ではなかった。悪天候を恨めしく思う米軍なのであった。

10月26日0600

写真18日本艦隊はガダルカナル東方海域を南下し、ガダルカナルへ向かう補給線を制圧する位置に進出する。対する米軍は夜の間にソロモン水道を通り抜けたのだろう。今朝の米空母発見位置は、スロットと呼ばれる中央水道から30海里ほど南に離れた位置になっている。彼我の距離は510海里(17Hex)で、お互い攻撃圏外であった。
ブーゲンビル島南東地区、ブイン・ショートランド地区から「敵機来襲」の急報が飛ぶ。まず飛来したのは爆装したP-38ライトニング16機の編隊であった。ブインを発進した零戦18機がこれを迎え撃つ。零戦は昨日の仇とばかりにライトニングに襲いかかり、3機を撃墜したが、攻撃を阻止することはできなかった。
続いてショートランド基地には米空母を飛び立ったSBD艦爆36機が飛来する。レーダーを持たないショートランド基地は奇襲攻撃を受けたが、幸い基地に残っていた水上機、飛行艇が全機出払っていたため、航空機の被害はなかった。
近海に接近してきた米空母に反撃を加えるべく、ブイン基地では零戦9機、99艦爆18機の攻撃隊が発進準備を進めていた。その矢先、ガダルカナル方面より飛び立ったと思われるB-17重爆撃機36機がブイン基地に来襲してきた。高高度を飛来してきたB-17に対して戦闘機による迎撃は間に合わない。対空砲火も攻撃隊の一部の撃退しただけで攻撃機を完全に阻止することはできなかった。B-17の投下した爆弾は地上に大きな被害を与えた。発進準備中の99艦爆も13機が炎上又は中小破してしまう。米空母に対する反撃作戦は完全に頓挫してしまう。

写真12


10月26日1000

写真19度重なる米軍の攻撃に業を煮やした日本軍。米軍のパワーハウスになっているヘンダーソン基地を叩く必要性を痛感している。とはいっても空からの攻撃では返り討ちになってしまうことは前日の攻撃で経験済(そもそも攻撃兵力自体が残っていない)。そこで海からの攻撃でヘンダーソン基地を沈黙させようとした。10月13日の「金剛」「榛名」による砲撃の再現である。さらに米艦隊の妨害を予想し、砲撃部隊のカバーリング・フォースとして空母護衛兵力の中から重巡2隻(「熊野」「鈴谷」)、軽巡1隻(「長良」)、駆逐艦7隻を分離し、砲撃部隊に随伴させることにした。速度を上げて空母部隊から離れていく水上部隊。
その頃、ブイン基地にはさらなる米軍機の夜攻撃を受けていた。地上に残っていた99艦爆5機が大小の損害を被った。上空警戒に当たっていた零戦18機は、飛行場が被害を受けたためにブイン基地に着陸せず、ブーゲンビル島北西に浮かぶブカ島へ移動していった。

10月26日1400

写真20今まさに速度を上げてヘンダーソン基地へ向かう日本艦隊。しかし突然のスコールが日本艦隊を包む。悪天候下で速度を下げることになる日本艦隊。当初深夜にヘンダーソン基地突入を予定していた日本艦隊であったが、この悪天候のために突入開始を翌日未明に変更せざるを得ない。その一方でスコールは日本艦隊の姿を米軍の索敵機から覆い隠していた。

10月26日1800

日本艦隊のうち、対地砲撃部隊がようやくスコール圏外に出た。その位置はヘンダーソン基地の東方180海里(6Hex)である。米軍の索敵機がその姿をとらえた。その時米軍は日本艦隊の意図を悟った。

「奴らはヘンダーソン基地への砲撃を狙っている」

写真2110月13日に戦艦による激しい砲撃を受けていた米軍は、その恐ろしさが嫌という程わかっていた。何が何でも阻止しなければならない。そう考えた米軍は、ヘンダーソン基地から爆装した海兵隊所属のSBD艦爆27機を緊急発進させた。夕闇の迫る戦場で米艦爆隊は首尾よく日本艦隊を捉えた。次々と急降下して目標に殺到するSBD艦爆。彼らが狙ったのは戦艦「金剛」。去る10月13日の砲撃でも主役を務めた日本海軍の誇る高速戦艦だ。1000ポンド爆弾2発が「金剛」に命中する。しかしそこは痩せても枯れても戦艦である。2発ぐらいの中型爆弾の命中などは物ともしていなかった。そして対空砲火で3機のドーントレスを撃墜し、戦艦の威力を見せつけたのである。

写真02


10月26日2200

写真22夜に入る。米軍は日本軍の意図を読んでいたが、対抗手段がない。暗闇は航空機の活動を拒み、唯一夜間攻撃が可能なPBYカタリナも、なぜか攻撃してこなかった。尤も夜間攻撃を実施したとしても、日本戦艦の進撃をストップさせるのは覚束なかったが・・・。
米軍にとって頼みの綱は水上部隊。未明までに水上部隊をガダルカナル近海に送り込めば、日本艦隊によるヘンダーソン基地砲撃を阻止できる。尤もその水上部隊は熟達した日本艦隊との交戦によって大損害を被ることは免れないが・・・。

10月27日0200

写真23結果からいえば、米水上部隊はヘンダーソン基地近海には姿を見せなかった。ブイン地区攻撃を行う空母の護衛に随伴していたため、未明までヘンダーソン基地近海まで戻って来れなかった。これが恐らく真相だろう。おかげで「金剛」「榛名」以下の日本艦隊はヘンダーソン基地に大量の巨弾を注ぎ込んだ。10月13日の恐怖が拡大再生産されることになる。あの時は「金剛」「榛名」の2艦だけだったが、今回はその他に20cm砲搭載の重巡が4隻、軽巡1隻、さらには駆逐艦5隻が砲撃に加わっている。砲撃によって飛行場は穴だらけになり、地上に残っていた約50機の米軍機が、あるものは全損、またあるものは損傷して修理が必要になる。こうしてヘンダーソン飛行場はその機能を失い、少なくとも丸1日は修理のための期間が必要になった。

10月27日0600

写真24夜が明けた。ヘンダーソン基地の脅威を取り除いた日本空母部隊は、ヘンダーソン基地の威力圏内に大胆にも進入していく。米軍は「エンタープライズ」が中破しているので、健在な空母は「ホーネット」1隻のみ。対する日本艦隊は空母4隻が全て健在であった。空母の隻数では4:1で日本軍が圧倒的に有利。2日前の戦闘で日本軍は約40機の空母艦載機を失っていたが、それでも全戦力の80%以上が健在であり、日本軍の優位は動かない。必勝を確信した日本艦隊は、攻撃隊を準備しつつ索敵機からの「敵発見」の報を待つ。

という所で時間切れでゲーム終了。ここまでの所要時間はセットアップを含めて約8時間弱であった。

感想

写真25久しぶりにプレイしたが、やはり面白い。日本軍をプレイしていると、対空砲火と戦闘機の迎撃で攻撃機がバタバタと落とされていく。消耗の激しさから心が折れそうになるが、その分当時の日本海軍が感じていただろう焦燥感のようなものを感じることができる。米軍の場合は日本軍ほど損耗することはないものの、航続距離の短さと対空砲火にビビッて簡単に攻撃を諦める航空戦力に泣かされる。

今回はヘンダーソン基地の堅固さに苦しめられたが、結果的には砲撃で無力化できたので良かった。「最初からこうしておけば良かった」というのは結果論。2日目に砲撃を仕掛けたから上手くいったという考え方もある。
今回で失敗したのは、初日にヘンダーソン基地を空襲したことだ。特に遠距離攻撃の場合、攻撃側の損害が凄まじい大きさになり、1回の攻撃で陸攻隊が半身不随になるのも珍しくない。これはあまりに勿体ない話。それよりは陸攻隊を温存しておいて米空母が陸攻隊の威力圏内に入った時の反撃兵力としておく方が良いと思われる。
もう一点はB-17対策。B-17の対艦攻撃力は小さいので日本艦艇が被害を受ける可能性は決して多くはないのだが、ラッキーヒットが怖い。特に空母のような重要艦船がB-17の爆撃でラッキーヒットを食らった日には目も当てられない。B-17による爆撃の可能性を少しでも減らすため(完全に回避することは困難)、ヘンダーソン基地の11Hex以内には入らないことが得策だ。12Hex離れていた場合には、B-17は通常攻撃ではなく2ターン攻撃を強要されることになる。今回はヘンダーソン基地から10Hexの距離(この距離ならヘンダーソン基地を発進するSBDドーントレスによる攻撃を受けない)を基準としたため、確かにSBDによる攻撃は受けなかったが、B-17による爆撃を何度も受けることになってしまった。ちなみに1度など空母「隼鷹」がB-17 36機の集中攻撃を受けて危うく命中弾を食らう所であったが、この時は運よく被弾を免れた。

いずれにしても今回は決着をつける所までプレイできなかったのが心残りである。次回こそ米空母を太平洋から一掃し、ミッドウェーの仇を取りたいものだと思っている。
写真04


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写真06


自作の空母戦ゲーム「海空戦!南太平洋1942」。今回は南太平洋海戦をプレイしてみた。
下名は日本海軍を担当する。

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艦隊編成

日本軍の戦力は、空母3隻(うち1隻は軽空母)、高速戦艦2隻からなる第3艦隊、空母1隻(「隼鷹」)、高速戦艦2隻からなる第2艦隊、そして軽巡2隻、駆逐艦16隻からなる外南洋部隊の3つがある。シナリオルールの制約で、日本軍は所属の異なる艦艇同士でタスクフォースを構成できない。今回、日本艦隊を以下のように編成した。

 ・TF1:2CV、1CVL、2BB、4CA、1CL、15DD
 ・TF2:1CV、4DD
 ・TF3:2BB、4CA、1CL、5DD
 ・TF4:2CL、16DD

写真07


上記のうちTF1が第3艦隊、TF2とTF3が第2艦隊、TF4が外南洋部隊である。TF3とTF4はヘンダーソン飛行場への艦砲射撃を命じられている。上記の肝は空母の編成で、TF1とTF2が注目点だ。
まずTF1だが、第3艦隊の全艦艇を含んでいる。この編成だと攻撃力や防御力を集中できるという点で有利だが、不利な点もある。それが速度だ。比較的速度の遅い「瑞鳳」と高速戦艦2隻を同航させているので、TF全体としての速度がそれらに引っ張られてしまう。別のプランとして「瑞鳳」と高速戦艦2隻に若干の駆逐艦を随伴させて別行動させる手もある。これなら「翔鶴」「瑞鶴」といった主力空母は高い機動力を発揮でき、しかも「瑞鳳」隊が囮になってくれる可能性もあって主力空母の安全に貢献してくれる。しかし「瑞鳳」自体は悲惨だ。対空火力が弱くなる上、対空レーダーも持たない(対空レーダーを持つのは「翔鶴」「瑞鶴」「隼鷹」だけ)ので、奇襲攻撃の餌食になりやすい。「瑞鳳」と雖も零戦(A6M2)2ユニット、九七艦攻(B5N)1ユニットを搭載しているので、艦隊防空や索敵になくてはならない存在である。従って今回は「瑞鳳」を含めた機動部隊全体の安全を図るという観点で、「瑞鳳」を主力空母に随伴させることにした。
一方の「隼鷹」だが、こちらは随伴艦を最小限に絞り(ギリギリ対潜防御ができる程度)、対空防御は搭載戦闘機にほぼ一任する布陣とした。場合によっては「隼鷹」を囮として捨てる覚悟である。「隼鷹」を第2艦隊の高速戦艦を同一行動させる手もあったが、今回は採用しなかった。何故なら第2艦隊の高速戦艦と重巡はヘンダーソン飛行場に対する砲撃を行わせる腹案があったからだ。砲撃任務のTFに空母を含めてしまうと、その空母から攻撃隊の発進ができなくなる。そこで「隼鷹」を第2艦隊の主力とは分離させることにしたのだ。

写真03


南太平洋海戦

10月25日0600

写真13ガダルカナル北北東を進む日本艦隊。ヘンダーソン基地を発進するSBD艦爆の攻撃を受けない位置に慎重に布陣する。味方索敵機がサンクリストバル東方約60海里に敵空母らしきものを発見した。味方空母からの距離は540海里(18Hex)。まだまだ攻撃圏外だ。

写真08


10月25日1000

写真14日本艦隊は米空母との距離を詰めるべく一路南下する。ただしヘンダーソン基地から300海里(10Hex)の距離は堅持する。SBD艦爆の攻撃を受けないようにするためだ。
ラバウルを発進した零戦27機、陸攻27機の攻撃隊がヘンダーソン基地を襲った。ヘンダーソン基地からは40機が迎撃に舞い上がる。そのうち16機は米陸軍の新鋭機P-38ライトニングだ。高速性能を誇るP-38の威力は凄まじく、護衛にあたる零戦を一蹴した後、無防備の陸攻隊を襲った。陸攻隊は対空砲火の被害と合わせて出撃機27機中実に23機を失い、ラバウルに帰還できたのは僅かに4機に過ぎなかった。零戦も約半数の13機を失ったが、撃墜した米戦闘機は僅かに1機(F4Fワイルドキャット)だけだった。
さらに引き続いてブイン基地を発進した零戦9機、九九艦爆18機がヘンダーソン基地を襲ったが、こちらは艦爆18機全機が帰還せず、零戦も5機が失われるという大損害を被ってしまった。一連の攻撃で日本軍が失ったのは、零戦9機、艦爆18機、陸攻23機の計50機。帰還できたのは零戦18機、陸攻4機の22機に過ぎず、出撃機の実に7割近くが帰らなかった。

写真09


10月25日1400

写真15索敵機の報告によると、米機動部隊は北西に針路を取っており、マライタ島近海にまで進出してきているようであった。我が外南洋部隊からは210海里の距離にある。米艦載機の航続距離圏内だ。やばいぞ外南洋部隊。
米空母からは2波に渡る攻撃隊が飛び立って外南洋部隊に迫ったが、どういう訳か外南洋部隊を攻撃せずに引き上げていった。どうやら米軍の索敵機は外南洋部隊の位置を誤って報告していたらしい。九死に一生を得た外南洋部隊なのであった。

10月25日1800

写真16夕闇が迫る戦場で、我が索敵機は漸く敵空母をその攻撃圏内に捉えた。距離240海里(8Hex)。全力攻撃可能な距離である。米機動部隊は先に外南洋部隊に向けて攻撃隊を出した後だったので、このTurnの攻撃は難しいらしい。それに対してこちらはこれまで力を温存していたので、直ちに攻撃隊を発進させた。
「翔鶴」「瑞鶴」からは零戦27機、艦爆36機、艦攻9機の計72機が発進。米機動部隊に向かう。攻撃隊は空母「エンタープライズ」を中心とする機動部隊を発見。直ちに攻撃を仕掛けた。「エンタープライズ」上空には、艦載機であるF4Fワイルドキャットに加えて、ヘンダーソン基地から応援のために飛来したP-38ライトニングも加わっていた。このライトニングが先の戦闘から引き続いて日本機に対して痛打を与えた。さらに「エンタープライズ」を守る輪形陣には、戦艦「ワシントン」と防空軽巡2隻が加わっており、その凄まじい対空火力が猛威を振るったのである。
日本軍は艦攻隊が対空砲火その他に阻まれて命中魚雷なし。その一方で艦爆隊は激しい対空砲火に悩まされながらも「エンタープライズ」に4発の250kg爆弾を命中させてこれを中破した(3Hit)。その一方で日本軍は、零戦3機、艦爆12機、艦攻6機の計21機を失った。
引き続いて「隼鷹」を発進した零戦9機、艦爆18機からなる攻撃隊は、首尾よく敵戦闘機の妨害は排除したもの、凄まじい対空砲火を浴びることとなった。零戦3機、艦爆12機が未帰還となり、「エンタープライズ」には1発の命中を与えることもできなかった。

写真10
写真11

写真01


(つづく)

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->こちらを参照して下さい。
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エラッタ更新しました。
詳しくは、こちらを参照してください。

今回の更新内容は「3隻以下の艦隊に対する索敵」
小規模艦隊ルールを使ったゲーム的な艦隊運用を抑止するためのルールです。
ただ、このようなルールを用いても「ゲーム的な艦隊運用」を完全に防止するのは困難なので、本作をプレイする場合には節度を持ってプレイしてほしい、というのがデザイナーの勝手な希望です。


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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
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また入手方法は-->こちらを参照して下さい。
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JP_DD6a「海空戦!南太平洋1942」(以下、本作)は空母戦をテーマにしたゲームである。しかし空母戦ゲームとしてはかなり詳細な水上戦ルールを用意している。実際、空母戦の最中に水上戦が生じる可能性はそれほど大きくないが、決定的場面で水上戦が発生する可能性がゼロではない。そしてそれは当時の空母部隊指揮官たちが密かに恐れていた事態でもある。

ところで本作の水上戦ルールは少し気になる所がある。それはゲームシステムの関係上、近距離戦闘が起こりやすい点である。本作の水上戦システムは、ダイスで主導権判定を行った後、主導権を得た側が移動、砲撃、雷撃のいずれかを選択する。何故近距離戦闘が起こりやすいかといえば、距離が近い場合は砲雷撃の効果が高くなるので砲雷撃を選択しやすく、距離が遠い場合は移動を選択しやすい。結果、砲雷撃の実施は必然的に近距離になる。これは特に駆逐艦兵力に勝り、個艦の雷撃力に優れた日本軍にとって有利に働く。水上戦では練度や隻数の関係上日本海軍が有利なのに、ゲームシステムでも日本軍に有利に働くとなれば、連合軍にとって水上戦は甚だ不利になる。水上戦で連合軍が一方的に不利なのはゲームの上からも史実からも望ましいことではない。

そこで、水上戦ルールの見直しを図ってみた。

見直しの骨子はこうだ。まずダイスを振って主導権を判定するシステムを廃止し、チットドリブンシステムとする。アクションチット(両軍それぞれ5枚ずつ、計10枚)をカップに入れて無作為抽出する。引いてきたチットに相当する行動を実施する。1Turnに8アクションまでというルールに変更はないので、引かれなかったアクションは実施できない。
また両陣営の主導権値に差がある場合、今までは主導権判定のダイス目に対する修正という形で適用していたが、今回のチット式の場合はカップに入れるチットを減らすという方式とした。例えば連合軍の主導権値が1不利な場合、連合軍がカップに入れるチットは5枚ではなく4枚になる。そしてどのチットをカップから除外するかは無作為に当該競技者が任意に決定する。
主導権差が3以上の場合。有利な側に「引き直し」の権利が発生する。主導権差が3の場合は1Turnに最大1回、主導権差が4の場合は1Turnに最大2回、・・・、という具合になる。

という訳で本システムが上手く機能するか、試してみた。

テストプレイ

T6.第1ソロモン海戦

JP_CA3a日本軍=重巡5、軽巡2、駆逐艦1、連合軍=重巡6、駆逐艦4の対決である。兵力的にはやや連合軍有利。また日本軍の重巡は古鷹型、青葉型の7000トン級が主力なので、実質的には中巡である。従って額面戦力では連合軍有利。しかし史実の奇襲効果をは反映して主導権で日本軍が有利としている。

このシナリオは主導権値の差が大きいので、そのような状況下で本システムが上手く機能するか見たかった。

写真01

CW_CA7a海戦の結果は、オーストラリア重巡「キャンベラ」が沈没、同「オーストラリア」が大破、米重巡「ヴィンセンス」が中破。米駆逐艦1隻沈没1隻中破。日本軍は重巡「鳥海」「青葉」が小破した。勝利得点的には日本軍の辛勝である。

プレイ時間は25分

写真02

T7.「ガダルカナル夜戦」

US_BB56a第3次ソロモン海戦の一場面を再現したシナリオである。日本側が高速戦艦「霧島」、重巡「愛宕」「高雄」、軽巡2、駆逐艦9。連合軍が新鋭戦艦「サウスダコタ」「ワシントン」と駆逐艦4隻である。
このシナリオは主導権判定に優劣がないので、そのような条件下で本システムが上手く機能するか確かめたい。また夜戦における戦艦の威力がどのように表現されているかを確かめたかった。

写真03


JP_BB4a序盤、新戦艦「サウスダコタ」が魚雷を食らって中破した。しかしその直後「ワシントン」「サウスダコタ」の主砲が火を噴き、「霧島」「愛宕」が中破する。その後両軍の間で激しい砲撃戦になるが、砲力に勝る米戦艦が優位に戦いを進める。
最終的に日本軍は戦艦「霧島」、重巡「愛宕」「高雄」と駆逐艦4隻を失う。連合軍は駆逐艦3隻が沈没、戦艦「サウスダコタ」と駆逐艦1隻が中破した。勝利得点的には連合軍側の圧勝である。

プレイ時間は30分

写真04
 

T8.戦艦対戦艦

JP_BB11a仮想戦シナリオである。戦艦対戦艦の昼間砲撃戦を扱ったシナリオで、日本側は「大和」「陸奥」、連合軍側は「ノースカロライナ」「ワシントン」「サウスダコタ」の3隻が登場する。ここでは本システムが昼間砲戦での適合性を確認する。

写真05


US_CA38a激しい砲撃戦。日本軍は戦艦「陸奥」が大破。軽巡1、駆逐艦5が沈没。重巡2、駆逐艦2が大中破。重巡1が小破で、無傷なのは戦艦「大和」だけだった。連合軍も重巡「サンフランシスコ」、駆逐艦1が沈没した他、戦艦「サウスダコタ」、重巡1、駆逐艦1が中破、戦艦「ワシントン」「ノースカロライナ」が小破した。勝利得点的には、連合軍の実質的勝利である。

プレイ時間は60分


写真06
 

感想

US_CL52a射撃や雷撃のタイミングが任意に選択できなくすることで水上戦の苛烈度を下げたい。また雷撃実施のタイミングをプレイヤーが調整し難くすることで水上戦での日本軍の優位性を弱めたい。この2つの目的に対しては新システムは概ね上手く機能しているように思える。
こちらのルールを正式版にするかどうかはもう少し検討の余地があるが、新ルールはデザイナー推奨ルールということで、半正式ルール扱いとしたい。

写真07

イメージ 1

こちらからダウンロード可能です。

バージョンはV1.2になります。
「海空戦 No.2」のシナリオもプレイ可能になりました。

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