もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:ゲーム > 海空戦!南太平洋1942

写真18


映画「ミッドウェイ」の上映に触発された形で自作ゲームの「海空戦!南太平洋1942」の「ミッドウェー海戦」シナリオをプレイしてみた。私は米軍を担当する。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->こちらを参照して下さい。(残部僅少です)
またミッドウェー海戦シナリオの概要はこちら を参照してください。
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前回までの展開 --> こちら

1942年6月5日

10:00

US_CV6ob最初に米機動部隊に到達したのは、近藤部隊に所属する軽空母「瑞鳳」を飛び立った九七艦攻1ユニット(9機)である。この小規模な攻撃隊は「ヨークタウン」を中心とする空母戦闘群を目標に定めたが、ワイルドキャットの迎撃を受けて1機も雷撃射点にたどり着けずに全滅してしまう。

続いて南雲機動部隊を発進した攻撃隊が米機動部隊に迫る。零戦1ユニット、艦攻3ユニットからなる攻撃隊だ。彼らは不思議なことに魚雷ではなく爆弾を装備していた。日本の艦攻は後のTBFアヴェンジャーのように低空から緩降下爆撃を行うような敏捷性はない。従って中高度から編隊を組んで公算爆撃を行うしかない。それにしても魚雷を搭載していないことは不可思議である。
ワイルドキャットの迎撃を突破した日本の艦攻隊(その途中で全体の1/3を失う)は空母「エンタープライズ」に対して編隊公算爆撃を実施する。海上を高速で動き回る艦船に対して編隊公算爆撃の命中率はあまり高くはない。それでも250kg爆弾2発が「エンタープライズ」に命中。「エンタープライズ」は飛行甲板の一部を破壊され、数十名の死傷者を出してしまう(2hit)。

写真14


B5N_CV3さらに日本機が来襲してきた。今度狙われたのは「ホーネット」を中心とする空母戦闘群である。最初に現れた戦爆連合36機はワイルドキャットの迎撃を受けて半数以上を失い、残りが「ホーネット」を狙って爆弾を投下したものの、爆弾は全て外れた。
次に飛来した戦爆連合27機はワイルドキャットの迎撃をうまく躱して「ホーネット」上空に進入。激しい対空砲火の中公算爆撃を実施したが、これまた爆弾は全て逸れてしまい命中弾なし。「ホーネット」は無傷であった。

この段階で勝負あったということでゲームは終了とした。ちなみにミッドウェーから発進した海兵隊のSBDドーントレス/SB2U-3ヴィンディケータ急降下爆撃機がミッドウェー南西200海里の日本軍攻略船団に向かっていたが、この攻撃を解決する前にゲーム終了となった。少し残念である。

結果

日本軍の損害

沈没:軽巡「由良」、駆逐艦1隻、潜水艦2隻(哨戒機による爆撃による)
大破:空母「赤城」「蒼龍」「飛龍」
小破:重巡「最上」「三隈」
航空機:100~200機

米軍の損害

中破:空母「エンタープライズ」
航空機:30~60機


ゲーム自体は途中終了となったが、今後の展開を少し想像してみよう。
JP_CV2a傷ついた日本空母艦隊が米空母の追撃を逃れるのは簡単ではない。何もしなければ損傷した「赤城」「蒼龍」は恐らく米空母の追撃から逃げ切れないだろう。大破した「飛龍」も危ない。「飛龍」の最大速度は今や潜水艦の追撃すら逃れられない程なのだから。
日本側にとってチャンスがあるとすれば無傷で残った「加賀」だ。「加賀」が史実における「飛龍」のように獅子奮迅の働きを見せれば、追撃してくる米機動部隊を阻止できるかもしれない。あるいは殆ど無傷の日本水上部隊が後退する損傷空母の撤退援護を行えば、米空母の足を止める可能性も出てくる。ただしその場合は日本側水上部隊が米空母機の攻撃で大きな被害を被る可能性があったが・・・。
いずれも史実と違ってゲームの場合は大勢が決した時点で「終わり」というパターンが殆どである。そういった意味では、史実における「飛龍」の奮戦のような状況は、意図的にそのようなシナリオを用意しない限りは再現するのが難しいのかもしれない。

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感想

プレイ時間はセットアップや昼食休憩を含めて約9時間である。全23Turn中7Turnの途中までのプレイであったため、仮にフルターンをプレイすれば30時間近くかかることになる。まあ空母戦の場合、フルターンプレイする前に決着がつく場合が殆どだが・・・(今回のように)。
今回の勝因は当初に設定した「敵正規空母の撃破」という基本方針に依る所が大きい。全ての行動を基本方針に沿った形で行ったことでほぼ勝利に向けて一直線に進むことができた。

日本側は辛い立場である。ミッドウェー攻略と敵空母撃滅という相反する2つの目標を追う必要があったのだから。「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺があるが、まさにそのような諺を地で行くような展開であった。
今回日本軍プレイヤーが採用した「まずミッドウェーを全力で叩いた後、上陸部隊を進める」という戦略自体は間違っているとは言えない。私自身が日本軍を担当していても多分「まずミッドウェーを叩く」戦略を採用していただろう。本文中にも触れたが、空母艦載機による全力攻撃でミッドウェー島を無力化できなかったことは、日本軍にとっては不運であった。
日本軍の指揮でやや疑問を感じたのは、米空母が近づいて来たときの対応である。ミッドウェー基地攻撃に固執するあまり、米空母攻撃について消極的過ぎることはなかったか。当初ミッドウェーを全力で叩くのは問題ないとしても、米空母が近づいてきたなら直ちに米空母との対決を最優先とすべきだろう。脅威度で言えば空母部隊は基地航空部隊の比ではない。一番危険な存在が米空母機動部隊である。であるなら、危険な敵が近づいて来たのならばまずそれを叩くべきであった。たとえ相打ちになっても空母の隻数では日本軍が多い。また味方空母が相打ちで戦闘能力を失っても、空母の損害によってドクトリンルールが解除されるので「金剛」「比叡」によるミッドウェー島砲撃が可能になる。艦砲射撃でミッドウェー基地を無力化してしまえば、あとは(潜水艦を除いて)怖いものはない。非力な米巡洋艦隊が「大和」を含む日本艦隊を撃破することはほぼ不可能なのだから。

ちなみに最後の場面でなぜ日本側の艦攻が魚雷ではなく爆弾を抱いていた訪ねた所、ミッドウェー攻撃を予定していた艦攻隊を出そうとして米空母が見つかったため、兵装転換の暇がなかったので仕方なく爆装のまま出したとのこと。史実を彷彿させる光景で微笑ましい(と同時に対戦相手のフェアプレイ精神を改めて認識)が、目的を敵空母撃破に絞れなかった日本側の実情を垣間見た気がする。

写真16


写真17


映画「ミッドウェイ」の上映に触発された形で自作ゲームの「海空戦!南太平洋1942」の「ミッドウェー海戦」シナリオをプレイしてみた。私は米軍を担当する。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->こちらを参照して下さい。(残部僅少です)
またミッドウェー海戦シナリオの概要はこちらを参照してください。===========================================================

前回までの展開 --> こちら

1942年6月4日

18:00

夕陽が西の空に沈もうとしている。日本空母攻撃を終えた米機動部隊は、日本側からの反撃を回避するため一旦東北東に向けて後退した。そのためか米空母が日本機による攻撃を受けることはなかった。やがて夕陽が沈み、夜の闇が辺りを覆う。航空決戦の初日は終わった。戦果は敵空母1隻撃破。取り合えず初日は2:0ぐらいでこちらの勝ちと言えるだろう。

22:00

US_SS7a夜に入ると潜水艦の時間になる。あらかじめミッドウェー西方約200海里で散開線を張っていた米潜水艦部隊は、獲物を追って活発な活動を開始する。まだレーダーは一部の艦しか装備していなかったが、それでも潜水艦は巧みな夜間攻撃を実施した。まず大型潜水艦「ノーチラス」が日本駆逐艦1隻を撃沈。最初の獲物を仕留めた。

1942年6月5日

02:00

US_SS5a日付が変わって6月5日。今度は新鋭潜水艦「ガトー」が水上機母艦「神川丸」を護衛中の軽巡「由良」を発見。これに魚雷2本を命中させて撃沈した。護衛が厳重で高速力を誇る空母機動部隊は潜水艦にとっては難敵であったが、低速で護衛が手薄な小部隊は、潜水艦にとって美味しい「鴨」であった。

06:00

US_CV8oa決戦2日目の夜が明けた。米機動部隊は日本軍の裏をかくべくミッドウェー北東海域を通ってミッドウェー東方約200海里に展開する。夜明けとともに活動を開始した米索敵機が次々と敵発見を報じた。ミッドウェー南南西約200海里には敵の攻略船団。夜の間に潜水艦部隊が追い回していた部隊だ。また敵空母らしき部隊はミッドウェーのほぼ真南、300海里弱の位置にいる。米空母の攻撃を避けてミッドウェーを狙う構えか?。幸い米空母部隊は日本側索敵機によって発見されていなかった。日本側が攻撃兵力を温存するために索敵兵力をケチったためであろう。日本軍も辛い立場である、と、敵ながら同情は禁じ得ない。ちなみに日本空母の発見位置は米機動部隊から10~13(300~390海里)。攻撃距離外なので攻撃隊を出すことはできない。しかし敵は我の位置を知らず、我は敵の位置を知る。我にとって極めて有利な状況と言えた。

写真09


日本軍の攻撃隊がミッドウェー上空に飛来した。基地は2Hitの被害を被ったが、機能を失うには程遠かった。基地を無力化するためには、圧倒的な兵力による連続的な砲爆撃が必要であったが、果たして現在の日本機動部隊にその能力があったのだろうか・・・?。

写真10


10:00

SBD_CV6米機動部隊は日本空母の推定位置に向けて前進する。敵との距離が近づいたため、米機動部隊も日本側索敵機によって発見された。今や彼我の距離は7~8Hex(210~240海里)に近づいた。SBDドーントレスにとって十分に攻撃範囲内である。ただし護衛のF4Fワイルドキャットにとってはやや微妙な距離である。護衛をつけたほうが攻撃の成功率は高まるが、航続距離の制約によって敵を見逃すリスクも増える。
また攻撃編隊を再編成してより強力な攻撃編成で攻撃隊を出す手もある。しかしこの場合、敵に先手を取られて米空母が撃破される危険も増大する。

写真12


少し悩んだ末、私は決断した。

「攻撃隊発進せよ。ただし艦爆のみ。戦闘機は艦隊の上空援護に回れ」

かくして3隻の空母から合計9ユニット(81機)のSBDドーントレス艦爆が発進していった。先日と同じ編成である。3隻の米空母の艦内にはまだ予備の艦爆18機とTBDデバステータ艦攻45機がまだ残っていたが、航続距離の短いTBDデバステータは目標まで到達できず(最大攻撃距離180海里)、ドーントレスも爆装すると敵の攻撃で誘爆する危険がある。そのためこれらの機体は格納庫で燃料を抜いた状態にしておき、追加の攻撃は諦めた。かくして日本空母に対する攻撃は、護衛を伴わない81機の艦爆に託されたのである。

写真11


最初に目標上空に到達したのは「ヨークタウン」の艦爆隊である。しかし「ヨークタウン」は航法ミスによって目標からやや逸れた位置に到達してしまった。さらに付近には低い雲が垂れ込めており、日本空母の姿が見えない。燃料不足を来した「ヨークタウン」隊は止む無く爆弾を投棄して帰路につく。嗚呼、攻撃力の1/3が無為になったのは(少し)痛い。

JP_CV3b続いて「エンタープライズ」の艦爆隊が目標に殺到する。彼らは「ヨークタウン」隊のようなヘマはせず、的確に目標を捉えた。眼下に空母3隻(「飛龍」は既に艦隊を離れていた)を主力とする約20隻の堂々たる空母機動部隊の姿が見える。


「全機突入せよ」

攻撃隊を率いるマクラスキー少佐が命令を下す。しかし零戦がドーントレスの進路を阻む。ドーントレスの1/3が零戦の防衛ラインに阻止されてしまう。それでも残り2/3は零戦の妨害を突破して日本空母に向かう。その中には、いつも愉快なディック・ベスト大尉の姿もあった。
彼らが狙いをつけたのは空母「蒼龍」である。先に「飛龍」を撃破した時と同じように、まずは潰しやすい艦から潰しておこう。18機のドーントレスは4発の1000ポンド爆弾を「蒼龍」に命中させた。残念ながら今回は誘爆がなく、そのため「蒼龍」は大破(4Hit)して航空機運用能力を失ったものの、沈没するには至らなかった。

A6M2_CV2最後に突入してきたのは「ホーネット」の艦爆隊である。「ホーネット」隊は零戦の迎撃を受けることなく目標上空に進入(零戦隊が「エンタープライズ」隊に気を取られていたのだろうか?。「ホーネット」隊は大型空母「赤城」を狙って急降下を敢行する。猛烈な対空砲火を掻い潜って「ホーネット」隊は1000ポンド爆弾4発以上を「赤城」に命中させた。「赤城」もまた大破。航空機運用能力を失う。

写真13


空母3隻撃破。無傷で残るのは「加賀」1隻のみ。これで勝負あった。と誰もが思った。しかし日本軍はまだ諦めなかった。米艦載機の攻撃を受ける前に空母を飛び立った攻撃隊が米空母に迫ってきたのである。

つづく

写真16


映画「ミッドウェイ」の上映に触発された形で自作ゲームの「海空戦!南太平洋1942」の「ミッドウェー海戦」シナリオをプレイしてみた。私は米軍を担当する。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
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またミッドウェー海戦シナリオの概要はこちらを参照してください。===========================================================

前回までの展開 --> こちら

1942年6月4日

06:00

PBYb味方の索敵機がミッドウェー西方海域で次々と敵発見を報じる。その中には空母を含む敵艦隊もある。ただしまだ距離は遠い。一番近い敵艦隊でも米機動部隊からは12~13Hex(360~390海里)離れている。幸い敵の索敵機はまだ米機動部隊を発見していない。
我々は一番近い敵目標に対してミッドウェー基地を発進したB-17 2ユニット(18機)による爆撃を実施した。B-17は首尾良く敵を発見。予想通り敵の主力空母部隊(南雲部隊)であった。B-17は勇敢にも高度3000m付近の中高度に降下、敵空母に対して一撃必殺を狙ったが、これが裏目。零戦隊の迎撃を受けて貴重なB-17 1ユニット(9機)を撃墜破され、残り1ユニットによる爆撃にも失敗。初戦で早くも貴重な重爆撃機を失う結果となった。

写真03


B17B-17による爆撃を中高度から実施するのか、高高度から実施するのか、その判断は難しい。中高度爆撃の場合、攻撃力と命中率が高まるため、高高度爆撃に比べるとほぼ2倍の効果(命中率最大40%)は期待できる。特に空母の場合、飛行甲板に攻撃機を並べていることが多く、1発食らえば例の「誘爆」が期待できる。しかし中高度爆撃の場合、零戦による迎撃を食らう可能性が高くなり、また被撃墜の危険性も高まる。元々あまり期待できない重爆の対空母攻撃。重爆撃機を温存し、長期間に渡って敵空母に脅威を与え続けるのか、あるいは重爆撃機を失う危険を冒してでもラッキーチャンスの可能性を高めるべきなのか。判断に迷う部分だ。

D3A_CV1同じ頃、ミッドウェー島は日本軍による激しい攻撃を受けていた。零戦4ユニット、九九艦爆9ユニットが2波に分かれて飛来してきたのである。F4Fワイルドキャット1ユニット、F2Aバッファロー2ユニットが迎撃を行ったが、性能に勝る零戦の返り討ちにあい、F2A 1ユニットを失った(零戦は0.5ユニットの損害)。日本機は激しい対空砲火の中急降下爆撃を敢行。しかし今度は日本軍が出目に恵まれず基地の損害は僅かに1ヒットのみ(着陸したばかりのB17が1ステップロス)。逆に対空砲火によって6ステップもの艦爆を失った。

写真04


10:00

B5N_CV1米機動部隊は日本空母を攻撃すべく西へ向けて進撃を開始する。そのため日本側の索敵圏に引っかかり、遂に日本軍の発見する所となってしまう。直ちに攻撃隊を発進させたいが、日本空母までの距離はまだ遠い。距離300~330海里。SBDドーントレスの爆撃圏外である。逆に日本空母からは九九艦爆にとってギリギリ爆撃圏内である。日本軍の攻撃を警戒した我々は、手持ちの全戦闘機を上空警戒に発進させた。また攻撃待機中のドーントレス艦爆隊も上空に発進。補助のCAP機として運用する手はずとした。

しかし日本機による米空母への攻撃はなかった。日本軍は再びミッドウェーへの爆撃を実施してきたのである。今回は艦攻隊による水平爆撃であった。対空砲火によって2~3ステップの艦攻を撃墜したが、爆撃によって基地は3ヒットの被害を被った。幸い、基地内の航空機は事前の警報によって空中退避していたので、地上で撃破された機体はなかった。

US_AF_Midway日本軍にとって2Turnに渡る攻撃でミッドウェー基地を無力化できなかったことが計算外であったようだ。確かに平均的な出目であれば、第1Turnの攻撃で3.6ヒット、第2Turnの攻撃で4.0ヒットを与えられる。しかし実際には1ヒットと3ヒット。平均的な出目ならミッドウェー基地は一時的に無力化されている筈だったが、実際には軽微な損害で機能を維持し続けている。日本軍の作戦計画によれば、南雲機動部隊の攻撃によってミッドウェー基地を無力化した上で上陸部隊を同島に近づけることになっていたが(史実でも本シナリオでも)、その計画が早くも頓挫してしまった。この後日本軍はミッドウェー基地の無力化と米空母への対応という2つの異なる目標の板挟みになって苦しむこととなる。
逆に米軍の立場から言えば、ミッドウェー基地が機能を失わずに残ったことが僥倖であった。これによって米軍にとって作戦の幅が大いに広がることになるからだ。


写真05


14:00

米機動部隊はなおも西へ向けて進撃を続けた。しかし日本空母も米空母の攻撃を避けるべく後方へ下がっていく。彼我の距離はなかなか縮まらない。索敵機の報じる日本空母の位置は、米機動部隊の南南西方向8~12Hex(240~360海里)である。最大攻撃距離270海里のSBDドーントレス艦爆にとってはかなり微妙な距離だが、私は決断した。

「攻撃隊発進せよ」

敵に近い位置にいる2隻の空母(「エンタープライズ」「ホーネット」)からそれぞれ3ユニット(27機)のSBDドーントレス艦爆が発進。日本空母の推定位置に向けて進撃していく。護衛戦闘機はつけない。最大攻撃距離210海里のF4Fワイルドキャットを随伴させた場合、日本空母への到達が難しくなるからだ。
やや後方にいた「ヨークタウン」は攻撃隊の発進を控え、索敵機からの続報を待つ。しかし新たな情報が得られなかったため、やや手前に発見した日本艦隊に向けて3ユニットのSBD艦爆を発進させた。合計9ユニット81機のSBD艦爆が日本艦隊を求めて南へ向かう。

写真06


SBD_CV6最初に目標に到達したのは空母「エンタープライズ」を発進したSBDドーントレス27機である。彼らはまさに攻撃距離外縁すれすれの所で日本空母を発見した。これぞ目指す敵機動部隊である。索敵機の報じた位置情報は30~60海里の位置誤認があった訳だ。
攻撃隊は散開しつつ日本空母を狙う。しかしどこからか飛来してきたCAP機(零戦)がドーントレスの進路を阻む。1個中隊のドーントレスが零戦によって撃墜された。攻撃兵力の1/3が失われた。しかし残り2個中隊は零戦の妨害を突破し、日本空母に殺到する。

写真07


JP_CV4aドーントレスが狙いをつけたのは空母「飛龍」であった。「飛龍」を狙ったのは、「飛龍」の防御力が「赤城」や「加賀」よりも脆弱で撃破しやすいのが主な理由だが、史実で活躍した艦を早期に撃破するこで日本側プレイヤーに精神的なショックを与えることも理由に含まれている(あまり効果はなかったが・・・)。対空砲火によって3機のドーントレスが撃墜されたが、いずれも投弾後であったため、18機の艦爆はいずれも爆撃に成功した。
1000ポンド通常爆弾2発が「飛龍」に命中した(そのうち1発はディック・ベスト大尉が命中させた、ことにしておこう)。これだけなら「飛龍」は中破程度で助かる所であったが、「飛龍」の飛行甲板には魚雷を搭載した艦攻18機が待機していたのである。次々と艦攻が燃え上がり、搭載していた魚雷が誘爆する。大火災を起こした「飛龍」は艦体放棄も止む無しという状況になったが、奇跡的にも鎮火に成功。大破しながらもギリギリで沈没を免れた(5Hit)。

写真08


続いて目標海域に到着したのは「ホーネット」の艦爆27機である。しかし「ホーネット」隊は「エンタープライズ」隊の東側30海里付近を飛行していたため、日本機動部隊を発見できずに引き上げてしまう。

最後に目標に到達したのは「ヨークタウン」の艦爆隊である。「ヨークタウン」は日本艦隊の前方に展開していた近藤中将麾下の攻略部隊(戦艦2、重巡4、駆逐艦数隻)を発見した。艦爆隊は重巡「最上」「三隈」を狙って急降下。それぞれ1000ポンド爆弾1~2発を命中させたが、両巡洋艦は戦闘継続可能であった(小破)。

つづく

写真00


ミッドウェー海戦を日米双方の視点から描いた映画「ミッドウェイ」。美しいCG映像と共に"ディック"・ベスト大尉という今まで殆ど殆ど取り上げられなかったキャラクターに視点を当てる斬新な手法で一部に高い評価を得ている作品である。

写真01


今回「ミッドウェイ」の上映に触発された形でミッドウェー海戦をゲームでプレイしてみた。選択したゲームは自作ゲームの「海空戦!南太平洋1942」。そのオプションシナリオである「ミッドウェー海戦」である。私は米軍を担当する。

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「海空戦!南太平洋1942」は自作の空母戦ゲームです。
作品についての詳しくは-->こちらを参照して下さい。
また入手方法は-->こちらを参照して下さい。(残部僅少です)
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ミッドウェー海戦シナリオの概要はこちら
また日本軍側でのプレイ例は
こちらを参照されたい。

今回、米軍の基本戦略はシンプルである。

「敵正規空母の撃破」

これだけだ。敵の正規空母部隊、つまり南雲機動部隊を早期発見してこれを叩き潰す。その主力は言うまでもなく米空母部隊なので、その温存が2つめの目標となる。とにかく南雲部隊を無力化させれば我々の勝利は決まったも同然だ。

暗号解読(シナリオのOB)によると、日本軍は正規空母4隻、小型空母2隻、戦艦7隻、重巡10隻、軽巡4隻、水上機母艦4隻、駆逐艦42隻、潜水艦16隻(4ユニット)、哨戒艇4隻(2ユニット)、輸送船12隻、タンカー1隻の計106隻(90ユニット)である。 航空兵力は空母艦載機30ユニット(270機)、艦載水上機8ユニット(72機)、陸上機2ユニット(18機)の合計40ユニット(360機)である。
対する我々の戦力は空母3隻、重巡7隻、軽巡(防空軽巡)1隻、駆逐艦17隻、潜水艦16隻(4ユニット)。 航空兵力は空母艦載機26ユニット(225機)、艦載水上機1ユニット(9機)、陸上機9ユニット(78機)、飛行艇4ユニット(36機)の合計40ユニット(348機)である。
両者を比較すると、水上兵力では日本側が圧倒的に優勢であるが、航空兵力はほぼ拮抗している。しかも日本軍航空兵力のうち、陸上機は遠くウェーク島から発進するので効果は乏しく、また艦載水上機も偵察以外の能力は低い。そう考えると航空兵力についてはやや米側が有利ともいえる。
このように考えると、米軍の戦術が見えてくる。航空戦に徹すること。先に示した「敵正規空母の撃破」も彼我の戦力比較から必然的に導き出される指標になる。このあたり、海戦ゲームや空母戦ゲームに普段からプレイしている方にとっては常識に属する事項に思えるが、そうではない人たちにとっては意外と気づかない点らしい。特にウォーゲームに詳しくても空母戦にはあまり詳しくない方、あるいは「宇宙戦艦ヤマト」等で「海戦=砲撃戦」というイメージの強い方にとっては意外と気づかない点らしい。

と、偉そうなことを書いてしまったが、私自身、原則を忘れて敗北を喫したことは何度もある。特に この戦い は、主目的を忘れて大敗を喫してしまった苦い記憶である。

US_CV5a繰り返すが、米軍の主力は3隻の空母とその艦載機である。そこで私は麾下の艦隊を以下の通り3群の機動部隊に分割した。防御力や対空火力の集中という観点から言えば1個の艦隊に3隻の空母を集中したい所だが(日本軍はそのように運用している)、当時の米海軍は原則として空母1隻単位で戦闘群を編制するのが基本なので、致し方がない。

 TF1:空母「ヨークタウン」、重巡「クインシー」、軽巡「アトランタ」、駆逐艦6隻
 TF2:空母「エンタープライズ」、重巡「ペンサコラ」「チェスター」「ニューオーリンズ」、駆逐艦6隻
 TF3:空母「ホーネット」、重巡「ポートランド」「アストリア」「ミネアポリス」、駆逐艦6隻

我々はこれら3群の空母戦闘群をお互いの視認距離内に位置させてCAP機をシェアできるようにした。また空母部隊の配置位置だが、日本側の弱点である索敵能力不足を考慮して、非発見の可能性が低いミッドウェー北方海域に配置した。日本軍はミッドウェー北西~南西から接近する事が予想されるので、その横合いを奇襲する作戦である(史実通り)。

写真02


JP_CV1aここで少し余談だが、空母戦ゲームをプレイしていていつも悩むことがある。それは複数の空母を集中配備するか分散配備するかだ。私は原則として集中配備しているが、その理由は、1)敵空母発見時に攻撃力を集中できる(分散している場合は兵力の一部が攻撃に参加できない可能性がある)、2)CAP機をシェアできるので防御能力を高められる、の2点である。これについては別の説もあり、例えば過去にゲーム雑誌に紹介されていた空母戦記事等では分散配備の有利性が提唱されることもあった。私自身は集中配備主義であり、かつそのの成功体験が多いので空母戦では集中配備することが殆どなのだが、例えば分散配備主義者の方と戦ってみてみたい気がする。
(あるいは、拙作のように運用面での縛りルールが多いゲームではなく、FLAT TOPのように運用自由度の高いゲームでは分散配備の方が有利なのかもしれない。
余談ついでに、空母戦ゲームとして評価の高い「日本機動部隊」では、集中配備の方が有利なように思えるのだが、違うのかな?)


前置きが長くなった。それではゲームを始めよう。

つづく

写真16


4
自作の空母戦ゲーム「海空戦!南太平洋1942」。今回は南太平洋海戦をプレイしてみた。
下名は日本海軍を担当する。

「海空戦!南太平洋1942」について、詳しくは--> こちら

前回までは-->こちら

写真05

10月26日0200

写真17決戦2日目である。米軍はエスピリッツサント基地から夜間索敵可能なPBYカタリナ飛行艇を発進させようとしていた。しかし基地の周辺海域を厚い雲が覆い、さらに風と雨が吹き荒れる状況で、とても飛行艇を発進させるような天候ではなかった。悪天候を恨めしく思う米軍なのであった。

10月26日0600

写真18日本艦隊はガダルカナル東方海域を南下し、ガダルカナルへ向かう補給線を制圧する位置に進出する。対する米軍は夜の間にソロモン水道を通り抜けたのだろう。今朝の米空母発見位置は、スロットと呼ばれる中央水道から30海里ほど南に離れた位置になっている。彼我の距離は510海里(17Hex)で、お互い攻撃圏外であった。
ブーゲンビル島南東地区、ブイン・ショートランド地区から「敵機来襲」の急報が飛ぶ。まず飛来したのは爆装したP-38ライトニング16機の編隊であった。ブインを発進した零戦18機がこれを迎え撃つ。零戦は昨日の仇とばかりにライトニングに襲いかかり、3機を撃墜したが、攻撃を阻止することはできなかった。
続いてショートランド基地には米空母を飛び立ったSBD艦爆36機が飛来する。レーダーを持たないショートランド基地は奇襲攻撃を受けたが、幸い基地に残っていた水上機、飛行艇が全機出払っていたため、航空機の被害はなかった。
近海に接近してきた米空母に反撃を加えるべく、ブイン基地では零戦9機、99艦爆18機の攻撃隊が発進準備を進めていた。その矢先、ガダルカナル方面より飛び立ったと思われるB-17重爆撃機36機がブイン基地に来襲してきた。高高度を飛来してきたB-17に対して戦闘機による迎撃は間に合わない。対空砲火も攻撃隊の一部の撃退しただけで攻撃機を完全に阻止することはできなかった。B-17の投下した爆弾は地上に大きな被害を与えた。発進準備中の99艦爆も13機が炎上又は中小破してしまう。米空母に対する反撃作戦は完全に頓挫してしまう。

写真12


10月26日1000

写真19度重なる米軍の攻撃に業を煮やした日本軍。米軍のパワーハウスになっているヘンダーソン基地を叩く必要性を痛感している。とはいっても空からの攻撃では返り討ちになってしまうことは前日の攻撃で経験済(そもそも攻撃兵力自体が残っていない)。そこで海からの攻撃でヘンダーソン基地を沈黙させようとした。10月13日の「金剛」「榛名」による砲撃の再現である。さらに米艦隊の妨害を予想し、砲撃部隊のカバーリング・フォースとして空母護衛兵力の中から重巡2隻(「熊野」「鈴谷」)、軽巡1隻(「長良」)、駆逐艦7隻を分離し、砲撃部隊に随伴させることにした。速度を上げて空母部隊から離れていく水上部隊。
その頃、ブイン基地にはさらなる米軍機の夜攻撃を受けていた。地上に残っていた99艦爆5機が大小の損害を被った。上空警戒に当たっていた零戦18機は、飛行場が被害を受けたためにブイン基地に着陸せず、ブーゲンビル島北西に浮かぶブカ島へ移動していった。

10月26日1400

写真20今まさに速度を上げてヘンダーソン基地へ向かう日本艦隊。しかし突然のスコールが日本艦隊を包む。悪天候下で速度を下げることになる日本艦隊。当初深夜にヘンダーソン基地突入を予定していた日本艦隊であったが、この悪天候のために突入開始を翌日未明に変更せざるを得ない。その一方でスコールは日本艦隊の姿を米軍の索敵機から覆い隠していた。

10月26日1800

日本艦隊のうち、対地砲撃部隊がようやくスコール圏外に出た。その位置はヘンダーソン基地の東方180海里(6Hex)である。米軍の索敵機がその姿をとらえた。その時米軍は日本艦隊の意図を悟った。

「奴らはヘンダーソン基地への砲撃を狙っている」

写真2110月13日に戦艦による激しい砲撃を受けていた米軍は、その恐ろしさが嫌という程わかっていた。何が何でも阻止しなければならない。そう考えた米軍は、ヘンダーソン基地から爆装した海兵隊所属のSBD艦爆27機を緊急発進させた。夕闇の迫る戦場で米艦爆隊は首尾よく日本艦隊を捉えた。次々と急降下して目標に殺到するSBD艦爆。彼らが狙ったのは戦艦「金剛」。去る10月13日の砲撃でも主役を務めた日本海軍の誇る高速戦艦だ。1000ポンド爆弾2発が「金剛」に命中する。しかしそこは痩せても枯れても戦艦である。2発ぐらいの中型爆弾の命中などは物ともしていなかった。そして対空砲火で3機のドーントレスを撃墜し、戦艦の威力を見せつけたのである。

写真02


10月26日2200

写真22夜に入る。米軍は日本軍の意図を読んでいたが、対抗手段がない。暗闇は航空機の活動を拒み、唯一夜間攻撃が可能なPBYカタリナも、なぜか攻撃してこなかった。尤も夜間攻撃を実施したとしても、日本戦艦の進撃をストップさせるのは覚束なかったが・・・。
米軍にとって頼みの綱は水上部隊。未明までに水上部隊をガダルカナル近海に送り込めば、日本艦隊によるヘンダーソン基地砲撃を阻止できる。尤もその水上部隊は熟達した日本艦隊との交戦によって大損害を被ることは免れないが・・・。

10月27日0200

写真23結果からいえば、米水上部隊はヘンダーソン基地近海には姿を見せなかった。ブイン地区攻撃を行う空母の護衛に随伴していたため、未明までヘンダーソン基地近海まで戻って来れなかった。これが恐らく真相だろう。おかげで「金剛」「榛名」以下の日本艦隊はヘンダーソン基地に大量の巨弾を注ぎ込んだ。10月13日の恐怖が拡大再生産されることになる。あの時は「金剛」「榛名」の2艦だけだったが、今回はその他に20cm砲搭載の重巡が4隻、軽巡1隻、さらには駆逐艦5隻が砲撃に加わっている。砲撃によって飛行場は穴だらけになり、地上に残っていた約50機の米軍機が、あるものは全損、またあるものは損傷して修理が必要になる。こうしてヘンダーソン飛行場はその機能を失い、少なくとも丸1日は修理のための期間が必要になった。

10月27日0600

写真24夜が明けた。ヘンダーソン基地の脅威を取り除いた日本空母部隊は、ヘンダーソン基地の威力圏内に大胆にも進入していく。米軍は「エンタープライズ」が中破しているので、健在な空母は「ホーネット」1隻のみ。対する日本艦隊は空母4隻が全て健在であった。空母の隻数では4:1で日本軍が圧倒的に有利。2日前の戦闘で日本軍は約40機の空母艦載機を失っていたが、それでも全戦力の80%以上が健在であり、日本軍の優位は動かない。必勝を確信した日本艦隊は、攻撃隊を準備しつつ索敵機からの「敵発見」の報を待つ。

という所で時間切れでゲーム終了。ここまでの所要時間はセットアップを含めて約8時間弱であった。

感想

写真25久しぶりにプレイしたが、やはり面白い。日本軍をプレイしていると、対空砲火と戦闘機の迎撃で攻撃機がバタバタと落とされていく。消耗の激しさから心が折れそうになるが、その分当時の日本海軍が感じていただろう焦燥感のようなものを感じることができる。米軍の場合は日本軍ほど損耗することはないものの、航続距離の短さと対空砲火にビビッて簡単に攻撃を諦める航空戦力に泣かされる。

今回はヘンダーソン基地の堅固さに苦しめられたが、結果的には砲撃で無力化できたので良かった。「最初からこうしておけば良かった」というのは結果論。2日目に砲撃を仕掛けたから上手くいったという考え方もある。
今回で失敗したのは、初日にヘンダーソン基地を空襲したことだ。特に遠距離攻撃の場合、攻撃側の損害が凄まじい大きさになり、1回の攻撃で陸攻隊が半身不随になるのも珍しくない。これはあまりに勿体ない話。それよりは陸攻隊を温存しておいて米空母が陸攻隊の威力圏内に入った時の反撃兵力としておく方が良いと思われる。
もう一点はB-17対策。B-17の対艦攻撃力は小さいので日本艦艇が被害を受ける可能性は決して多くはないのだが、ラッキーヒットが怖い。特に空母のような重要艦船がB-17の爆撃でラッキーヒットを食らった日には目も当てられない。B-17による爆撃の可能性を少しでも減らすため(完全に回避することは困難)、ヘンダーソン基地の11Hex以内には入らないことが得策だ。12Hex離れていた場合には、B-17は通常攻撃ではなく2ターン攻撃を強要されることになる。今回はヘンダーソン基地から10Hexの距離(この距離ならヘンダーソン基地を発進するSBDドーントレスによる攻撃を受けない)を基準としたため、確かにSBDによる攻撃は受けなかったが、B-17による爆撃を何度も受けることになってしまった。ちなみに1度など空母「隼鷹」がB-17 36機の集中攻撃を受けて危うく命中弾を食らう所であったが、この時は運よく被弾を免れた。

いずれにしても今回は決着をつける所までプレイできなかったのが心残りである。次回こそ米空母を太平洋から一掃し、ミッドウェーの仇を取りたいものだと思っている。
写真04


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