もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 海戦

3
201202_ポケット海軍年鑑

ポケット海軍年鑑:日英米仏伊独軍艦集1937年版

海軍研究者編

今でいえば「世界の艦船」別冊のような本。1937年といえばスペイン内戦の真っ最中で、日中戦争が始まった年。後から振り返れば「戦争へ一直線の暗い世相」と思えるが、紙面は拍子抜けするほど「明るい」。ワシントン軍縮条約は日本にとって不平等条約で、無条約時代になったことで「各国が国情に応じた海軍の整備が可能になったことは、自衛権の立前上誠に慶賀すべきこと」とし、まさかこの2年後に世界大戦がはじまり、4年後には太平洋戦争が始まろうとしていたとは、少なくとも紙面から感じることはできない。
紙面を見ると、現在の「世界の艦船」別冊ほど細かくはないにしても、そこそこ細かい諸元が記載されている。特に海外の艦艇については現在の我々が知り得る情報に近いレベルの情報は記載されている。その一方で日本艦の情報はかなり制限されており、航空機の搭載数や魚雷発射管の口径等はさりげなく隠されている。
当時は未だに戦艦中心と思われがちであるが、航空母艦(当時は空母ではなく航母と呼んだらしい)の威力や対空兵装の必要性についても触れられており、航空機が相応に有用な存在だとみなされていたことがわかる。
我々は少ない小遣いを使って「世界の艦船」別冊を購入しそれこそ貪るように読んだものだが、当時の軍国少年達も本書を読んで似たような感慨を得ていたのだろうか。

お奨め度★★★

3
200515_WW2海戦と軍人

世界の艦船2019年11月号増刊-第2次大戦 海戦と軍人

白石光 エートゥシー・プロダクション

Kindle unlimitedで無料で読めるのでダウンロードしてみた。WW2における主要な海戦を取り上げ、その流れとそれらの戦いで主役を努めた海軍軍人(一部海軍以外の軍人も登場)を取り上げた小文集である。それぞれの記事は数ページの内容なので、個々の海戦に関する記述は多くない。また何か目新しい視点が得られるわけでもない。肩肘張らずに軽く海戦史を読んでみたい。そんなときには最適である。無料だし。

お奨め度★★★

4

200419_WaratSea

War at Sea - A Naval Atlas 1939-1945

Marcus Faulkner Naval Institute Press

WW2期における海戦や海軍作戦について地図を提供している。個々の海戦については比較的簡素な内容で、例えばマリアナ沖海戦やミッドウェー海戦でも見開き1ページに記されているのみである。その一方で海戦とは言えない海上作戦についてもページ数を割いており、例えば硫黄島上陸戦やノルマンディ上陸戦、あるいは194x年におけるUボート作戦のような少し幅の広い作戦についても取り上げている。
海上作戦の二次元的な理解を深めるという意味では好適な著作である。本自体が大型なので可搬性には欠けるが、地図というテーマを扱っているのだから仕方がないだろう。

実用性が高く、色々と重宝している。

お奨め度★★★★

3
200419_世界の艦船

kindle unlimitedで無料で読めるので読んでみた。特集は「現代海軍と島嶼争奪戦」。タイトルは「現代海軍と~」となっているが、実質的には「海上自衛隊と島嶼争奪戦」と書いた方がしっくりくる内容であった。特集記事の大半は南西諸島をめぐる島嶼戦についてで、特集記事6本のうち4本が南西諸島争奪戦又は海自揚陸艦をテーマとする内容であった。読んでいて面白かったが、タイムリーという表現が今は使えない(半年前ならタイムリーだったが、今は脅威対象が変わってきているため)のが残念。記事自体は悪くない。さらに特集に関連する記事として太平洋戦争における島嶼戦の写真集とかガダルカナル攻防戦を米軍側の視点から記した記事などは面白かった。今回は読む所の多い内容であった。

お奨め度★★★★

3

200209_地中海の戦い

地中海の戦い

三野正洋 朝日ソノラマ

本書は1993年、すなわち今から約30年前に発売された著作である。21世紀の現在でもWW2期の地中海を巡る海上戦闘については、日本語で読める著作が少ないのが現状だが、約30年前も現在とほぼ同じような状況であった。そんな中、WW2期における地中海の海上戦闘を分かりやすく解説したのが本書である。
「わかりやすく」「簡潔に」ということで、個々の戦闘描写についてはあまり詳しく触れてはいないが、タラント空襲、マタパン沖海戦、シルテ沖海戦、ペデスタル作戦、戦艦ローマの撃沈等、地中海を巡る戦いのキーポイントはしっかりと押さえてある。
苦言を書くと、途中に出てくる年表と撃沈された軍艦のリストはやや煩く感じる。こういった資料は巻末に纏めておいた方が良いと思う。
ともあれ、地中海海戦というマイナーテーマに果敢にチャレンジし、その実情を世間に広く知らしめたという点で、本書は評価に値する作品と言える。

お奨め度★★★

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