もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:戦史 > 航空戦

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J-Wings 2023年6月

イカロス出版

少し軽めの航空雑誌J-Wings。今回の特集は、航空祭。コロナ禍が続いていて航空祭の開催も自粛される傾向があったが、今年は各地で航空祭が開催されるようだ。本書では全国各地で開催される航空祭について、注目の開催地とその内容、そして航空祭の開催一欄が掲載されている。首都圏から近い場所では、横田基地や厚木基地の航空祭もあるので、機会を見つけて行ってみたい。
他には世界の軍用機メーカーの現状について解説記事があり、ロッキード・マーティン、ボーイング、BAEシステムズなどの企業について紹介されていた。そういえば、かつて一世を風靡したマグダネル・ダグラスやジェネラル・ダイナミクスはどうなってしまったんだろう?。
写真が多いが読む所もそれなりにあり、読み応えのある内容であった。

お奨め度★★★


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J-Wings 2023年3月

イカロス出版

少し軽めの航空雑誌J-Wings。今回の特集は、戦闘機の世代図鑑。第1世代から第5世代までのジェット戦闘機を取り上げ、それぞれの技術的な特徴と代表的な戦闘機数機を取り上げている。第x世代といっても便宜的なもので、厳密な区分があるわけではないが、曖昧な区分ならある。また簡単なジェット戦闘機カタログの雰囲気もあり、特に第1,2世代戦闘機の写真付きの解説は興味深い。スーパーマリンアタッカーなんて、こういった特集がなければ、まず取り上げられることのない機体だろう。
他にもいくつかの写真記事があり、中でも日本に初めて姿を現したフランカー(インド空軍)の写真は興味深い。

お奨め度★★★




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航空戦史-航空戦から読み解く世界大戦史

古峰文三 イカロス出版

第2次世界大戦(一部WW1に関する記事もあり)における航空戦について、様々な局面や視点から分析した計12篇の小論集である。記事の大半は雑誌「歴史群像」で一度紹介されたものなので、以前に読んだことがある記事が多くを占めている。
記事の内訳は、太平洋戦史関連が7本、欧州戦史関連が4本(WW1含む)、技術論が1本となっている。太平洋戦史でも陸軍関係が5本、海軍関係が2本と圧倒的に陸軍関係の記事が多く、著者の興味が日本陸軍航空隊に多く注がれていることが見て取れる。
記事はいずれも読みごたえがあって面白いが、個人的に面白かったのは後半の2本。ノルマンディ戦とアルデンヌ線におけるドイツ空軍の戦いに関する記事だ。ノルマンディ戦やアルデンヌ戦といえば、圧倒的な連合軍の航空兵力に苦しむ精鋭ドイツ装甲部隊というイメージが先行している。ウォーゲームをプレイしていても、ノルマンディ戦やアルデンヌ戦でドイツ空軍が活躍する作品は、私の知る所なきに等しい(え、OCSは違うって?)。しかし筆者によればノルマンディ戦やアルデンヌ戦では大規模なドイツ空軍が活躍しており、連合軍の激しい戦いを繰り広げたとしている。ドイツ空軍がこれらの戦いをどのように戦い、どのように敗れ去ったのか。これらの記事はそれらを明らかにしてくれる。
航空戦に興味のある向きにはお奨めしたい好著である。

お奨め度★★★★

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P-36ホーク、ホーク75、モホーク、様々な名称で呼ばれている戦闘機です。
有名なP-40ウォーホークの前機種で太平洋戦争開戦時は古臭さが漂う機体であったことは否めません。
実際、初飛行が1935年なので、零戦(1939年)や一式戦(1938年)よりも3~4年古い。
にもかかわらず真珠湾やビルマ戦線でこれらの新鋭機相手に思わぬ善戦を見せた「隠れた名機」です。
いやー、外観はとても「ダサい」んですけど・・・。

対日戦以外でもフィンランドやフランスで善戦した「鷹」軍団。
よく似た感じのB-239/B-339と共に「気になる機体」であります。

そういえば、以前にもこんな記事を書いていたなぁ・・・。

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エア・パワーの時代

マーチン・ファン・クレフェルト 源田孝監訳 芙蓉書房出版

本書は主に19世紀後半から21世紀初頭にかけての航空戦力(エア・パワー)について、その実績に基づいて有効性や問題点について論じた著作である。特に20世紀半ばから終盤にかけてのエア・パワーについて多くのページを割いている。本書によれば、エア・パワーが最も発展した時期は1945年であり、それ以降は顕著な発展はないとされる。またWW2の時期においてもエア・パワーには限界があり、陸海軍の役割を完全に置換するものではなかった。そして大戦以降は核兵器の発展に伴ってエア・パワーが絶頂期に達したと見なされたが、現実には核兵器の存在によって大国間の全面戦争は事実上不可能になり、エア・パワーの重要性はむしろ低くなった。大戦後に行われたいくつかの戦争、例えば朝鮮、ベトナム、アフガン、イラク等では、エア・パワーが戦争の勝敗に殆ど貢献できなかった事実が浮かび上がってくる。エア・パワーは調達コスト、運用コストが高価すぎて、任務達成のために必要な経費が大きすぎるのだ。「敵に10万ドルの損害を与えるために1000万ドルの経費が必要」と揶揄される所以である。そして近年F-22やB-2、F-35に代表されるようにエア・パワーは益々高価になり、調達はより困難となった。高価すぎる兵器が終焉を迎えるのは歴史的な事実である。
なお、細かい点、特に太平洋戦争については誤認識がいくつかある。その他の点については不明だが、本書の歴史的正確性についてはある程度割り引いて評価する必要がある。

お奨め度★★★★

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