もりつちの徒然なるままに

ウォーゲームの話や旅の話、山登り、B級グルメなどの記事を書いていきます。 自作のウォーゲームも取り扱っています。

カテゴリ:読書 > 小説

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神様のカルテ

夏川草介 小学館文庫

結構有名な本なので読んでみた。まあまあ面白かった。
私の場合、本書を読み始めたのは手術入院で入院したその日。点滴の針を刺してもらっていよいよという夜であった。読み終えたのは手術直後の苦悶の時間が過ぎ、少し余裕が出来た夜に読んだ。術後の眠れない夜にも読めるぐらい平易な内容であった。
終末医療に関する内容が主なテーマだが、過度に生々しい話でもなく、かといって荒唐無稽な話でもない。「心に浸みる」という程でもなかったが、素直に「良い話」だと思った。

お奨め度★★★

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マネーボール

マイケルルイス 中山有訳 早川書房

セイバーメトリクスという言葉は、近年メジャーリーグやNPB(日本プロ野球)でも時々使われる言葉である。私も正確な意味を知っている訳ではないが、一言で言えば「野球選手の能力を今までよりも正確に評価しようとする際の指標」とでも言うだろうか。だからスタッツと呼ばれる従来の指標(打率、防御率等)が全く役に立たなくなった訳ではなく、これらの指標の価値を認めながらもこれらの指標では表現できていない選手の能力を表す指標(あるいはそのような指標を探し出す試み)と表現しても良いだろう。例えばセイバーメトリクスを代表するOPSという指標にしても、出塁率と長打率を合計しただけの数値だが、そのような数値で選手の能力全てを評価できるかというと、そうではない。結局の所セイバーメトリクスが万能なのではなく、「選手にとっての価値とは何か、それに最も寄与する能力は何か、その能力を端的に示す指標は何か」という問いかけがセイバーメトリクスなのではないかと思っている。
前置きが長くなった。本書「マネーボール」は、そのようなセイバーメトリクスを導入する立役者となったメジャーリーグ球団「オークランド・アスレチックス」とそのGMビリービーンの物語である。彼は自身のメジャーリーグ体験(彼自身前途を有望視されたメジャーリーガーだった)等から基づき、これまでのスカウト制度や選手の評価が全く実情に合っていないことに気づく。そこで彼は野球チームの役割とは何か、といった点から分析を始めていき、勝ために必要な人材とそのために投資効果の高い投資を求めて選手を探す。そしてその一方で投資に見合わない選手はどんどん切り捨てていき、チームを強化していく。
彼の考え方はユニークである。まず球団の役割とは勝つことと定義する。何だかんだ言っても強いチームには客が集まるし、弱ければ集まらない。次に勝敗に最も寄与するファクターは何かを定義する。それは得点と失点である。多くの得点を獲得し、失う失点を減らした球団が勝てるという論理だ。彼はそこで野球というゲームの仕組みに目を向けていく。野球とはつまりアウトを3つ取られる間に多くの走者をホームベースに迎え入れるゲームである。そこで彼が着目したのが出塁率。つまり何らかの形で塁に出る能力である。その一方で彼は犠牲バントや盗塁を嫌った。何故ならこれらの作戦は、相手にアウトを与える危険性がある(あるいはその必然性が高い)からだ。野球の本質を「アウトにならないこと」とした彼は、出塁率の高い選手を求めてチームを作っていく。
本書にはビーン以外にも多くの実在の人物が登場してくる。その多くはメジャーリーガーで、我々が知っている人物もいるが、多くの選手は我々の知らない選手たちであろう(メジャーリーグに詳しい人は別として・・・)。そういった面で残念ながら日本人の我々は本書の魅力を十分に味わうことはできない。
しかしそれでも本書は読者に対して新しい野球観を提供せずにはいられないだろう。

お奨め度★★★★

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永遠のゼロ

百田尚樹 講談社文庫

映画化されて有名になったので読んでみた。確かに面白い。前の大戦で戦死した祖父の後を追う中で、太平洋戦争の航空戦史やその中で苦闘するパイロット達の姿を描いている。本書は小説なので無論事実を描いた著作ではないが、所謂「仮想戦記」ではない。歴史の流れを大きく変えることなく、戦争という背景の中で人々を描いた小説なので、むしろ一般的な戦争小説といって良いだろう。
主人公は戦時中の零戦パイロットで、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ラバウル航空戦、マリアナ沖海戦、フィリピン戦、沖縄航空戦、本土防空戦といった太平洋戦争における主要な海空戦に尽く参加している。凄腕のパイロットだが、生への執着が強く、所謂「勇敢なパイロット」ではない。そのため時に周囲と対立しながらも自らの信念を貫き通していく。読者は、主人公の生き方に共感しつつ、その一方で当時の軍上層部の愚劣な戦争指導に怒りを覚えていく。そのような本だ。
本書は戦史ではなく小説なので、戦史としての評価はあまり意味がない。小説としてみた場合、本書は極めて優れた作品であり、人間ドラマである。ただ敢えて戦史として評価してみた場合、筆者の主張に首肯できない部分があったのも事実だ。また映画を見たときに比べると、読後の爽快感が少なかったことも付記しておく。

お奨め度★★★★

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入院ネタでもう一つ。
入院中の暇つぶしに何が良いかなと思い、本とDVDとノートPCを用意しました。
本は普通の書籍と電子書籍(洋書含む)。DVDはノートパソコンのHDDに落としたものです。
どちらが役に立ったか、というと、結果的には「本」「ノートPC」でした。

ノートPCは入院中の日記を書いたり、退院後の旅行計画を作ったりするのに役に立ちました。またVASSALでゲームのソロプレイとかもこっそりしていました。難点はキーボードを叩く時に音がするので、消灯時間後の使用はできないことでしょう。

本についてはまず電子書籍。私の場合はKindleを持参しました。これは消灯時間後でも使えるので便利です。また過去に読んだ本等も入っているのでデータ量も豊富。入院中の読書アイテムとしては電子書籍が優れていると思いました。
ただ和書の場合、Kindleになっている書籍はまだまだ少ない。そのような場合、やはり紙媒体の書籍も欲しい所。またKindleのギラギラした画面を見ていると、紙の本が懐かしくなります。
今回は大小合わせて5冊(洋書1冊含む)持参しましたが、一番使い良かったのが文庫本。入院中は寝ている時間が多くなるので、寝た姿勢で読む場合、重たい本は不向きです。文庫本はその点軽量なので読むのが楽でした。
あと洋書ですが、時間つぶしという意味で洋書は最高。これこそじっくり時間をかけないと読めないので、入院中という時間こそ洋書にチャレンジするチャンスです。ただ体調によっては洋書を読むのが辛い場合もあると思います。そういった場合は、もっと軽い和書とか、あるいは漫画のようなものの方が良いかもしれません。

あとスマホも役に立ちました。私の場合、病院内でノートPCはネットに繋がっていなかったので、外部とやりとりするのはスマホしかありません。SNS等で呟いた内容に反応があると、単純に嬉しかったです。

以上、私の入院期間で感じた暇つぶしについてです。
ちなみに上記については病状による違い、個人差等がありますので、あくまで「今回の私のケースに限定」とお考えください。

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ガリレオの苦悩

東野圭吾 文春文庫

たまには純粋に読書を楽しもうと思い、人気作家の人気作品を読んでみた。東野圭吾氏のガリレオシリーズは、福山雅治主演でドラマ化されたこともあり、主人公の湯川学や相棒の内海薫、草薙俊平らにもテレビドラマのイメージをそのまま小説に反映して読むことができた。内容はさすがに流行作家の作品だけに読んでいて飽きがなく、楽しく読むことができた。また短編集だけに細切れな時間に読むことができる点も良い。推理小説を普段読む人にとっては「これって推理になってない」と思われる節があるかもしれないが(推理小説素人の私が読んでも違和感を覚える箇所はあった)、娯楽小説としては十分楽しめる内容であろう。

お奨め度★★★★

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